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プロフィール
コメント数 496
性別 男性
年齢 42歳
自己紹介 皆様のレビュー、いつも参考にさせていただいております。私のレビューも参考になれば幸いです。

2012年以降忙しくなったので、レビューを一言にしています(上半期分は6月末にまとめて投稿)。参考にしにくいかもしれませんが、あしからずご了承ください。採点基準は以前と同様です。

私の連絡先はこちら⇒えむいーあーる75jp[あっとまーく]yahoo.co.jp

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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  アメリカを売った男 《ネタバレ》 名優クリス・クーパーの老獪な演技とそれに立ち向かうライアン・フィリップの清新で時に荒々しい演技がぶつかり合い、何とも見ごたえのある作品に仕上がっている。優れたサスペンスであると同時に一種の人物ドラマとしても鑑賞に堪える。 この映画はハンセンという男を隅から隅まで描けているわけではない。しかし、(回りから見た)彼は過不足なく描けている。一つ一つのエピソードはどれも印象的だ。エリックと出会ってすぐに、「自分について5つのことを言え。うち1つは嘘を言え」と迫るシーンやエリックが彼の家庭を訪問するシーンは特に面白い。前者では彼の尊大さが剥き出しにされ、後者では彼の他人を欺く悦びが活写されている。彼は要するに全てを騙したかったのではないか。ひりつく勝負を求めていたのではないか。公園でのシーンも、彼は何発撃ったかを正確に把握し、そしてエリックに向かって引き金を引いた。優れた頭脳を持ちながら、エキセントリックであるがために組織で上を目指せなかった男がひねくれ果てた姿には一種の同情や哀しみさえ覚える。 爆発的な何かは感じられないが非常に完成度の作品だった。[DVD(字幕)] 9点(2009-04-18 00:51:44)《改行有》

2.  アウェイ・フロム・ハー 君を想う 「テイク・ディス・ワルツ」の予習として鑑賞。安易に涙を拾いに行かない作り方がとても良かったと思う。特にラストが良い。 この映画のテーマは「ひたむきな愛」ではなく、「気持ちのすれ違い」にあるのだ。認知症ですらも設定に過ぎない。描きたいものをきちんと見据えて製作された作品だと感じた。[DVD(字幕)] 8点(2012-08-11 09:24:12)《改行有》

3.  歩いても 歩いても 「家族」という人間の集合体はとても興味深い。血の繋がっている家族もいれば、繋がっていない家族もいる。一緒に生活している(していた)人が家族というわけでもない。たとえ同居していなくても、子供が結婚すればその結婚相手も家族だし、彼らの子供もまた家族なのだ。結婚は人生の伴侶を選ぶだけではない。相手の「家族」も選んでいるのだ。 そして「家族」が面白いのはそのありようが様々だからである。仮に僕が将来結婚するときに、自分の実家に相手を連れて行くのと、相手の実家を訪問するのとでは、どちらがより緊張するか、自分にプレッシャーがかかるかと問われれば、僕にとっては確実に前者だ。つまり結婚する以上は、相手に僕の家族を相手にとっての「家族」に加えていただくことになるからであり(自分の実家と絶縁→結婚という選択肢は除いたとして)、結婚相手が僕の家族にどういう印象を抱くかは僕自身の努力では如何ともしがたい点だからである。 この映画に出てくる家族はそれほど「変わった」家族ではない。開業医を引退した男とその妻の二人暮らしの家庭に娘夫婦とその子供二人が帰省中。そこに絵画修復士となった次男が新妻とその連れ子を伴って帰省する。鼻つまみ者がいるわけでもなく、金に困っている者がいるというわけでもない、一見特に何も問題のない家族である。そういう家族でも、個々の構成員の感情のレベルで見ると彼らはお互いに多くの思いを抱いている。だが、これもたいていの家族ではあることなのだ。特に不思議なことではないはずなのだ。 この映画の見所は、僅か一泊二日のお盆の帰省中に起きる様々な出来事を通じて、「家族」という共同体の面白さ、不思議さ、滑稽さ、惨めさ、尊さをとても丁寧に描いている点にある。何の変哲も無い家族を取り上げているにもかかわらず、彼ら一人ひとりの考え方や感情の持ち方を明確に設定し、適当なイベントを生起させることでとても深い人間ドラマに仕上がっている。特に何か大きな事件が起こるわけではない。衝撃的な事実が判明することも無い。涙が出るほど感動する、というシーンも無い。 しかし、邦画でこんなにリアルな家族の物語を観たのは、久しぶりだった。小津安二郎の映画にも通じるものがあると思う。時間をおいてもう一度観たいと感じさせる作品だった。キャストの演技も良い。芸達者が集まっており、全員がはまり役と感じた。[DVD(邦画)] 8点(2011-05-22 21:40:28)(良:1票) 《改行有》

4.  あるスキャンダルの覚え書き 《ネタバレ》 イギリスヨークシャー州出身西方横綱ジュディ・デンチ対オーストラリアメルボルン出身東方横綱ケイト・ブランシェットの熱闘が観られる作品。触れ込みどおり、二人の演技力が惜しみなく発揮されており、観終わった後、深い満足感に浸ることができる。デンチの妄執に駆られた演技はリアリティに溢れており、寒気がするほどだ。しかし、個人的には、もっと二人の演技を見ていたいという思いが強く、90分にまとめる必要があるのかと若干、物足りなさも感じた。特に後半の二人が生活を共にするようなって以降の描写が端折られているのは残念である。好きな人と二人っきりでドッキドキのデンチが、ブランシェットに迫ったりするところがもっと観たかった。この2人が演じれば、120分でも退屈に感じるような心配はまず無かっただろうに。ストーリー展開やキャストなどについては非の打ち所が無いだけにそこだけはちょっと気になった。 付け加えるなら、ブランシェットの38歳という年齢相応の美しさは非常に魅力的。口元や目尻のうっすらとした皺が、逆に一種の妖艶さを醸し出している。 そうそう、2人でラフロイグ10年を飲むシーンがあってかっこよかった。向こうの女性ってこんなん飲むんだぁ![ビデオ(字幕)] 8点(2007-07-01 22:21:21)《改行有》

5.  アリス・クリードの失踪 時間軸の操作や登場人物の過去の因縁に頼ることなく、意外とナチュラルかつまっすぐなストーリー展開で好感が持てた。本当に登場人物は三人しかいないというのもすごい。今年のカップル映画が「ブルー・バレンタイン」なら、三角関係映画はこれで決まりだろう。登場人物一人ひとりの立場に立って考えても、ストーリの流れに矛盾や違和感が無い。ラストはできすぎているのだが、その爽快感も捨てがたい。[映画館(字幕)] 7点(2011-09-11 18:08:56)(良:1票)

6.  明日、君がいない 《ネタバレ》 舞台はオーストラリアのとある高校。映画の冒頭で誰かの死が予測されるシーンがあり、その後はその死が引き起こされるまでの過程を描く。 この映画は、月並みに言えば、思春期の危うさを映した映画ということになるが、それに止まらない不思議な迫力を持っている。監督の年齢がまさに思春期を終えた19歳と言うこともあるのだろうが、そのことを差し引いても、役者陣が素人だらけの中で、この緊張感とリアリティを90分にわたって維持できたというのは恐るべき才能だと感じられた。監督自身、友人を自殺で失っているということだが、それを阻止できなかったことに対する後悔や亡くなった友人に対する哀惜の情がこの作品の根底に渦巻いている点もこの映画の訴求力の増加に大きく貢献している。 この作品の結論は何ともやるせないのだが、思春期に限らず、人間の生死というのは意外と分からないものであるとは、常日頃感じており、そういう意味で私としては監督の考え方を肯定し、同調することができた。この映画のラストには、人によって様々な受け止め方や意見もあるだろう。だが、人間の命は脆く儚いものであるということはいつも心に留めておくべきだと私は思っている。この映画はそれをきちんと捉えていた。[DVD(字幕)] 7点(2011-07-31 15:25:51)(良:1票) 《改行有》

7.  愛する人 《ネタバレ》 家族の絆とは「血」か「時間」か。養子制度をどう考えるか。とても興味があるテーマであり、期待して鑑賞した。いつも友人と議論になるが、恵まれない孤児がいるのなら、子供を作るよりも養子を受け入れるほうが、最大多数の最大幸福という観点上、素晴らしいことであり、養子制度は日本にもっと根付かせるべきなのではないか。 それはさておき、映画の出来としては今一歩及ばずという印象だった。演技派をそろえており、それぞれの演技がアカデミー賞候補になってもおかしくないほどだが、どうも脚本が欲張りすぎた印象だ。この映画は3人の女性が中心となって話が進行する。それぞれに個性豊かでもっと色々なことを知りたくなるキャラ設定なのだが、深い部分まで掘り下げた描写がされていない。というか時間的な制約により、そもそもそこまで掘り下げることが不可能なのかもしれない。原作があってその映画化だからかなと思っていたが、そうでもないようだ。 黒人夫婦のエピソードは養子制度を考える上で重要だが、エリザベスの少女時代を丁寧に描くことで補完可能だろう。思い切ってここを丸ごと省き、その分、親子の話に焦点を当てた方が良かったかもしれない。 登場人物一人ひとりに魅力あっただけに、それが裏目に出てしまった。そういう意味で残念な作品。だが、一見の価値がある。アメリカに比べて養子に抵抗感の強い(?)日本では、どう受け止められるのかが興味深い。[映画館(字幕)] 7点(2011-03-13 21:15:17)《改行有》

8.  アバター(2009) 《ネタバレ》 初めて3Dの映画を鑑賞。メガネのかけ心地はイマイチだったが、圧倒的な映像美は溜息が出るほど素晴らしかった。絶対に映画館(それも充実した設備の)で観るべき作品だ。 ストーリーは、相互理解を売り物にする戦後の西部劇のようで、特に新鮮味はないのだが、異形のクリーチャーやマシン達が躍動する世界はとても魅力的だった。現在のファイナルファンタジーのムービーを極限までリアルに近づけたという印象で、まさにその世界に取り込まれてしまうような不思議な感覚を覚えた。映像が美しすぎて、端っこにある字幕を読むのを忘れてしまうこともたびたびあった。ありふれたストーリーだが、生身のジェイクとナヴィのネイティリが邂逅する終盤のシーンはなかなか感動的でもある。 エンドクレジットに並ぶ膨大な人名を見て、製作者の苦労を思った。これだけのものを作れれば、その苦労は見事に結実したと言えるだろう。[映画館(字幕)] 7点(2009-12-25 01:22:27)《改行有》

9.  アフター・ウェディング 《ネタバレ》 スザンネ・ビア監督らしい「喪失」がテーマの作品だが、これは彼女の他の作品と少し毛色が違い、「喪失の過程」を描いた映画だ。ヤコブに感情移入するかヨルゲンに感情移入するか、人によって観方は様々だと思うが、どの観方をしても興味深い内容であることは確かだ。家族モノを撮らせたら、今、私の最も好きな監督だ。[DVD(字幕)] 7点(2009-07-29 22:51:29)

10.  ある愛の風景 「しあわせな孤独」に引き続き、こちらを鑑賞。家族の葛藤を丁寧に切り取る作風は変わらないが、「事件」が多すぎて、「結果」の描写が若干不十分だと感じた。過不足の無いストーリーテリングやテーマは好みなので、他の作品も観ていきたい。[DVD(字幕)] 7点(2009-06-28 17:00:10)(良:1票)

11.  アクロス・ザ・ユニバース 反戦運動で沸く60年代のアメリカを舞台にした、若者たちの青春を描いたミュージカル。選曲はすべてビートルズで、サイケな雰囲気が楽しめた。かと言って筋が破綻しているわけでもなく、途中に冗長な箇所も感じられるもののバランスが取れた構成になっている。 改めてビートルズが偉大であることを確認した。色々な雰囲気の曲があり、それぞれが登場人物の感情を引き出せている。喜怒哀楽それぞれに対応した曲があるというのはすごいことだ。 曲をうまく活かした演出も巧みだ。特に「Strawberry fields forever」や「Happiness is a warm gun」の使い方は秀逸。ここでこの曲か!と意外性を感じさせながらも歌詞はその場面にぴったりとあっているから不思議だ。小ネタでは「She came in through the bathroom window」が台詞として使われていたりするのも面白い。 ミュージカルは人によって好き嫌いがあるが、複雑な感情の動きを表現することは放棄しているから、何も考えずに映画の世界に浸れるところが好みだ。小難しい理屈など放り投げて、突き抜けたように自由な気持ちにさせてくれるこの映画はミュージカルの良いところが十二分に発揮されている。All you need is love![DVD(字幕)] 7点(2009-05-22 13:51:12)《改行有》

12.  アキレスと亀 《ネタバレ》 「芸術」に憑かれた男の巻き起こす悲喜劇を、北野監督らしい観点から切り取った良作だ。この映画から感じられるのは、彼の「厳しさ」である。やっぱり自分の力で名声を勝ち得た人間の考え方は違うものだと思った。この作品で主人公の真知寿と関わった者の多くが非業の死を遂げている。少し大袈裟に言えば、彼の父、娘や美術学校の仲間は芸術(もしくはその申し子である主人公)に殺されたようなものだ。その主人公には才能が無い(と描かれている)のだから更に始末が悪い。彼らの死は犬死と言っても過言ではない。しかし、北野監督の視点には、ユーモアこそあれ彼らへの同情はほとんど無く、淡々と彼らの死を見つめるのみだ。監督にその点を質せば、「芸術とはそんなものだ」という実も蓋も無い返事が返ってくるのだろうが、私も全く同感だ。ひたすらに何かを追求することは独善的に生きることも意味する。それも仕方が無いことだ。しかし、同時にそれはどこ悲しい。人間じゃないものを愛するのは無理だ。幸子は根は温かい真知寿のことを知っているから、その彼のことを好きだったから、彼を一度は見捨てながらもラストで戻ってきたのだろう。芸術の愛情に対する敗北ととれるラストには賛否両論あろうが、私はこの結末でよかったと思う。「アキレスが亀に追いついた」という最後の言葉は、芸術を極限まで追い求める激しいが満たされない真知寿の生き方と、彼の思いは理解しながらも最後は常識的で愛情に満ちた現実世界に帰って行った幸子の生き方を比喩的に表した名言だ。 映画のコピー「スキ、なのに。スキ、だから。」からすると、配給会社としては一種の恋愛映画として売ろうという思惑もあったのだろうが、この映画は真知寿と幸子の二人から夫婦愛の素晴らしさだけを描こうとした映画ではない。そもそも主人公の少年時代に割かれる時間がかなり長いことからも明らかだ。身も心も何か(この映画では芸術)に捧げ尽くすことの功罪、その悲しさやおかしさをリアルに描いたこの映画はもっと深い地点まで到達している。作品内に出てくる彼の手に成る絵画も含め、「さすが世界のキタノだ」と改めて納得した。 一点だけ疑問があったのは主人公の子供時代の描写で、先生が「分母を同じに『してあげる』」という言葉遣いをしていたこと。戦後間もない時代にそういう言葉遣いがされていたのか、細かい部分だがちょっと気になった。[DVD(邦画)] 7点(2009-04-30 13:35:10)《改行有》

13.  アメリカン・ギャングスター 《ネタバレ》 監督はリドリー・スコット、キャストはデンゼル・ワシントンとラッセル・クロウの2大スターを起用し、万全の態勢で制作されたと言っても過言ではない。ギャング映画好きのツボを押さえた骨太な構成で、良い映画のお手本を観ているかのようだ。長さも全く気にならない。ただし、強烈なインパクトに欠けるのも確かだ。エピソードや場面の一つ一つに「意味」が充満している「ゴッドファーザー」等の傑作と比べると、やはり見劣りしてしまう。フランク、リッチーのキャラクターについては、よく理解できたが、脇役の魅力が伝わってこない。悪役のトルーポ刑事が辛うじて味を出しているが、フランクの家族については、一定の存在感を出している母親を除いて、妻も弟も背景の一部になってしまっている。リッチーの離婚係争も本筋とはほとんど関係ないところで進行してしまう。実話だからしょうがないと割り切ってしまえばそれまでだが、これでは7点以上はつけられない。主役2人の好演(取調室での掛け合いは見事!)が光るだけに残念だ。[DVD(字幕)] 7点(2009-01-31 21:46:33)

14.  アレクサンドリア 《ネタバレ》 知的な女性を演じさせたら右に出る者はいないレイチェル・ワイズがはまり役の作品。ヒュパティア様がかわいすぎる。キリスト教勃興期の激動のアレキサンドリアを舞台に、物語の筋は「宗教」と「学問」の相克をメインテーマに置き、それに恋愛のスパイスを振りかけたよう。経験上、こういう歴史ものは描きたいものを欲張りすぎてとっちらかってしまう傾向にあるが、残念ながらこの作品もその印象を免れない。マルタの大規模なセットで、大量のエキストラを動員したアレキサンドリア支配階級とキリスト教徒の争いは確かに見応えがあるが、その分、主要な登場人物同士のコミュニケーションが十分に描けていない印象だ。 ヒュパティア様を中心に(まさに恒星のような輝き!)奴隷ダオス、貴族のオレステス、テオンがその周りを回りながらヒュパティア様に言い寄ったり、論戦したり、物陰からじっと眺めたりしているのだが、まず、テオンが早々に脱落する(出て来なくなる)のがつまらない。意外とオレステスがまともなだけにもう少し屈折した変態キャラで前面に出てきて欲しかった。逆にオスカー・アイザックは「ロビン・フッド」や「サッカー・パンチ」で変態のイメージが染み付いていたが(失礼な話だが)、オレステス役を上手に演じていたと思う。決して馬鹿ではないんだけど、ヒュパティア様には追いつけない哀しい役どころで最も共感できた。ダオスを演じたミンゲラの暗い目と荒々しい演技も忘れがたい。 それだけに冒頭で触れた「とっちらかった」感が残念だ。どのテーマも監督が描きたかったものなのだろうが、もう少し登場人物を絞るか(テオンは要らないかな~)恋愛要素を減らすかしないときつい。中身は十分濃厚だっただけにもう少し映画自体を長くしても良かった。ただし、歴史ものが苦手な僕でもそれなりに楽しめたので、歴史ものが好きな人からしたらかなりの傑作なのかもしれない。 それにしてもレイチェル・ワイズはいい!あらためて出演作を観直してみたい。[映画館(字幕)] 6点(2011-05-18 23:24:29)《改行有》

15.  アヒルと鴨のコインロッカー ストーリー展開に破綻は無い。ドルジの日本語うますぎだろうとか、また難病かとかはいろいろあるが、よくできており、謎解きの楽しさは十分に味わえた。ラストの展開も自然でよい。主人公の想定しなかった形での幕引きとなってしまうのだろうが、それでいいのだと思う。欠点はやはりテンポがのろいこと。邦画を観ると、いつもここでいらいらする。麗子さんとドルジの関係性もよく分からないところだ。 そして、この映画を観て一番強烈に感じたのは、私にとって日本人で一番苦手な俳優は瑛太だということ。あのしゃべり方だけはどうしても受け入れられない。でも、他の方のレビューを見ると絶賛なので、少し悲しくなった。[DVD(邦画)] 6点(2008-03-24 23:05:55)(良:1票) 《改行有》

16.  愛のむきだし 《ネタバレ》 すごい映画なんだけど、とびぬけて面白くはない。青春ラブバイオレンスとでも言えばよいのか。でも、4時間あればクロスオーバーなものになるのは当たり前かも。長すぎて、評価するのが難しい。ゆら帝聴きながら、4時間観てると脳も溶ける。 まず良くない点としては長すぎること。この映画は長さに関して完全に開き直っているから、言うのは野暮かもしれないけど、あえて「長い」と言わせていただく。だって4時間ってすごいよ。最初の1時間は本っ当に退屈で、この映画を勧めてくれた友人に電話して、続きを観るべきか一旦確認しようと感じたくらいだった。主役3人の生い立ちはもうちょっとうまくまとめられると思うんだけど、監督は全くまとめる気がないからなあ。あとは中盤~終盤のユウがAV業界で働くシーンとか全部カットしても良いと思う。コイケが介入してくる中盤は面白いが、終盤の宗教関連の部分は陳腐でだらける。ラストの展開も甘い。 次に悪いところはB級なとこ。サソリの喧嘩シーンとか見ててこっちが恥ずかしくなる。それにコメディシーンはわざとらしいし(邦画全般に言えることだが)、下手なドタバタに堕しているし、同じネタの繰り返しだし。やたら勃起シーンと流血シーンが多いのだが、血の色も酷い。勃起で笑えるほど子供でもなし。 次はパンチラの盗撮について。この映画は最後まで盗撮を否定しないし、映画の中では結構重要なテーマなんだけど、本当にそれでいいんだっけとずっと感じていた。個人的に全くパンティに興味がないせいもあると思うんだけど、嫌がる女性がほとんどなんだからやらないほうがいいんじゃないかなあと思いながら観ていた。何と言うか、盗撮に対してあんまりテンションが上がらなかった。 要は、この映画の悪いところは確信犯的にやってるというのは分かるんだけど、ちゃんとした「映画」を作ることができる監督なのかが分からないのがもどかしい。タランティーノは傑作をいっぱい撮った後で、「今はこんなのが好きで、こんなのがやりたいんだよ」って「グラインドハウス」とかで表明していると思うんだけど、園監督にはそこまでのことができるのか正直分からない。「あえて」感はたまに出すから面白いんだと思う。 紙幅も限られているので、最後に一つだけ良い点。ヨーコ役の満島ひかりが良かった。めっちゃかわいかったし、演技も良かった。最後まで観られたのは彼女のおかげだ。[DVD(邦画)] 4点(2010-01-20 21:57:03)《改行有》

17.  アイリス(米英合作映画) 《ネタバレ》 失敗作。狙いは分からないでもないが、あまりにも二人の間の差が大きすぎる。つきあい出した当初から差があって、この二人が結婚するのはちょっと不健全な感じがした。アイリスが夫のどこに魅力を感じたのかが理解できない。「いい人」と結婚するようなタマじゃないと思うんだが。話の展開や役者の演技、現在と過去が交錯する映し方も悪くないが、根本的な話の設定自体がイマイチなのは、映画としては致命的。[DVD(字幕)] 3点(2007-08-20 22:53:05)

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