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1. IAM A HERO アイアムアヒーロー
《ネタバレ》 原作未読。あれあれ、これ邦画でしかもゾンビ映画のわりに面白いじゃん!というのが素直な感想。
(邦画にしては、という枕詞がついてしまうあたり非常~~に嘆かわしいとは思いますが、正直者でスミマセン)
ゾンビ映画ってもうホラーというよりパンデミック&パニックもののカテゴリーですよね。
ゆえにこの作品でもストーリーや展開はありきたりで奇抜さや目新しさは全然ないのですが
そのぶん主人公のキャラクターに焦点を絞って際立たせたところと撮影技術に工夫を凝らした点が面白さに繋がったかな、と思います。
日本で銃なんてものすごいニッチな武器を所有していながら、ここぞ、ここぞというところでそれでも猟銃を使わない(使えない)英雄。
何故使わぬ!と映画のご都合展開に慣れてるこちらがイラつくくらいヘタレ。ですがゾンビ映画お約束の対ゾンビではなく
自治区での派閥対立の群像劇でのパニックものにシフトしつつ「世界がひっくり返っても自分は何にも変われない」と
嘆き苦しむ主人公の台詞、正直身につまされました。
主人公の心情をしっかり描いてるぶん、ラストにかかる対ゾンビ戦のカタルシスが非常に心地よかったです。
個人的にですが、人間のままでいるなら英雄と一緒に行動したいし、ゾンビになるならアベサンのような伴侶にトドメを刺されたいです。[映画館(邦画)] 8点(2016-05-07 00:38:51)《改行有》
2. アナと雪の女王
《ネタバレ》 毎度ディズニー作品について思ってることだけど、一定の縛りがあるなかで新たな手法を模索していく姿勢はとても好感をもっている。
今回プリンセスシリーズ初のダブルヒロインという事でどういう展開になっていくか楽しみにしていたのだが、前半の軽やかかつのびやかなノリに比べて後半が迷走してしまった感が否めない。
レリゴーのあの曲、鬱積していたエルサが周囲などどうなってもよい、自分は自分のまま、ありのままに一人で生きていく事を決意し「少しも寒くないわ」と不敵な笑みを浮かべ氷の城に閉じこもっていくシーンまではとてもとてもよかった。ダブルヒロイン且つ初のヒロインがヴィランズに陥る瞬間を描くとはディズニー今回そこまでいっちゃうか!?と心踊ったのはここまで。アナと再開したエルサは特別大きな変化は見られず焦燥と動揺ばかりが見られパニックムービー的な展開に陥っていく。あれれ、なんだろうこの迷走感。レリゴーを歌っていたエルサが完全に別人…というか元に戻ってない?これもしかして途中で話変えちゃったんじゃない?なんだろうこのキャラクターに芯がない感じ…製作側がエルサを愛しすぎたが故に役作りに対して非情になりきれてない感じがする。これ嫌な予感するなーあの胡散臭かったハンス王子が陰の悪役みたいな昭和の少女漫画みたいな展開にもってかれたらどうしよー…とか思っていたらば案の定の苦笑いな展開(笑)
うん、歌はいいです歌は。話はもうちょっと練れなかったのかなあ…というのが正直な感想。
縛りがあるのは最初からわかってる、私がつい期待しすぎてしまった。なのでアナ雪は悪くない…
あ、でもマスコットキャラのオラフは最近のディズニー作品の中では断トツによかったです。吹替えの勝利な感じもしますがあんなオッサン顔なのにとぼけて愛らしくとても可愛いと思いました。あとアナ役の神田沙也加さん。スミマセンエンドロールでお名前拝見した時になっても同姓同名の別人だと思っていました、後で本人と知り驚きましたわ。声優お上手でとてもビックリしました。[映画館(吹替)] 6点(2014-05-18 01:01:23)(良:1票) 《改行有》
3. アリス・イン・ワンダーランド
《ネタバレ》 アリスと聞いてぱっと浮かぶイメージといったら金髪、黒カチューシャ、白エプロン&ブルーのワンピース、ウサギ、時計、お茶会。女子が好んで飛びつくモチーフが揚げられる。でもって映像化、二次作品化されるとなると大抵作者(監督)は男性でほぼジャバウォックと結びつけようとするところが興味深い。思えば不思議の国ではより夢&空想感の強い世界観だったのが、鏡の国になると話の組み立てが理路整然としてきて『闘い』がメインになっていく。原作アリスは鏡の国でチェスの手駒のひとつとしてゲームを進行していくが、ティム・バートン版のアリスはワンダーランドを救う英雄として、キーパーソン的役割を押し付けられる。別世界からの客人アリス(傍観者)を視点にして妙ちくりんな住人達を主軸に動く原作と異なり、アリスを主軸に世界を動かすとこうも真面目な物語になってしまうのかと思った。いかれ帽子屋とマトモに意思疎通が図れてしまう辺りがなんかもう真面目すぎるもんね。ティム・バートンはアリス・リデルという少女そのものを描きたかったのだろうね。実物のアリスは凡庸で慎ましい平均女子的人生を送ったようだけど、バートンの描くアリスは革新的で現代風な女性へと変貌をとげる。ただこのアリスのその後の生き様というのが多くの今時の女子の共感を得られるかどうかというとちょっと首をかしげてしまうのだ。いや、悪くないけどなんというかものすごく典型的というか類型的な「憧れの女性像」みたいなアリスでねえ…。こういう女性キャラクター像というのは、正直もう食傷気味なのです。
ただキャラクターのデザインや再現性はすごかったですね。女子はこういうデザインやモチーフに飛びつきますから、ええまあもう私もそのひとりなんですけどね。
映像や世界観としての魅せ方は毎度ながら上手な監督さんだな、としみじみ感じました。[映画館(字幕)] 4点(2010-05-01 01:32:01)《改行有》
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