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1. 赤い河
《ネタバレ》 “Red River”『レッド川』はテキサスとオクラホマの州境に流る川。
人気絶頂期のジョン・ウェインだし、彼が格好いい主人公かと思いきや、全然人の話を聞かない男ダンソン。幌馬車隊隊長の助言も聞かず隊を離れ、一緒に行きたい彼女は置いていき、他人の土地に勝手に牧場を作り、他人の牛にも自分の烙印を押す。アビリーンに鉄道が通ったなんて噂話には耳も貸さず、セダリアまでの強行軍を指揮する男ダンソン。
ヒロインのハズのフェンはアッサリ殺されてしまうのもあり、主役はモンゴメリー・クリフト演じるマシューの方みたい。
マシューとダンソン、何もない荒野から14年で牛を1万等も育てた二人の絆。ダンソンは開拓時代の古いワンマン・タイプのカウボーイで、南北戦争に参加したマシューは、戦中戦後の新しい協調性重視タイプのカウボーイ。1600kmもの距離を牛を連れ運ぶ過酷な行程は、世代の違う二人を対立させてしまう。
二人の間に立つヒロイン・テス。矢で肩を射抜かれても平然としている勇ましさ。マシューを追いつつテスにも惹かれるダンソン。自分の子を産んでくれなんて、この時代の女の存在がどんなものか想像できる。
そしてなんか、逃げるマシューと二人の男に惚れられたテスVS復讐の鬼と化したダンソンの図が、まるでターミネーターの追跡劇に思えてきた。
アッサリと退場する腕利きの相棒チェリーのその後が気になる。怪我程度で済んでてほしいけど…チェリーの事などお構いなしに和気あいあいとしてる二人にちょっと違和感。
モノクロで地味でのんびりした映画なんだけど、ついつい引き込まれてしまう。牛の大群を引き連れる規模の大きさ。どこまでも続くテキサスの荒野と青い空(モノクロだけど)。牛の暴走や川を渡るシーンは静かな迫力がありました。[DVD(字幕)] 6点(2023-08-24 22:52:08)《改行有》
2. 哀愁
《ネタバレ》 - Waterloo Bridge - “ウォータールー橋”ナポレオンの『ワーテルローの戦い』から名付けられた橋なんだそうな。なるほど。
印象的な白いビリケンさんのお守り。1908年辺りに特許が~とあるから、マイラも流行りものとして一つ持ってたのかも。
ロイを好きにならなかったら、彼女はバレリーナとして、花形にはなれなくとも、淡々と生きていたかもしれない。
劇団を解雇され、娼婦に身を落としながらも懸命に生きてきたマイラ。ロイとの再会が無ければ、死を選ぶこともなかっただろう。
幸せを掴もうとしたが為の悲劇。マイラがあまりに純粋だからこその悲劇。彼女に人並みのしたたかさがあれば。
マイラに一目惚れし、大佐との食事を断ってまでバレエ劇場に足を運んだロイ。
戦地への赴任延期の日を、マイラとの結婚に使う、ある意味強引で、自分の感情に真っ直ぐな性格なんだろう。
家柄の良さからか、戦時中に職を失った女性がどのように生きていたのか想像もしない辺り、ロイもまた純粋だった。
キティ。純粋な2人を結びつけたいと、マイラと一緒に(というかトバッチリに近いカタチで)劇団を解雇され、彼女を見捨てること無く、黙って娼婦に身を落としたキティが素晴らしすぎる。
ある意味虫が良すぎるマイラ提案の玉の輿作戦。見方によってはキティを蔑ろにする行為なのに、快く送り出す優しさも素晴らしすぎる。
ロイがマイラを探して訪ねてきた時も、ストレートな物言いをせずに黙々と案内するところも素晴らしすぎる。
キティとマイラが初登場する時、「空襲警報だわ」って、マイラの前にグイッと割って入って言うところ含め、この映画の影の主役は二人を結びつけるために活躍したキティ。白いビリケンさんをロイに渡して以降、白いキティが常にマイラを守ってた。あまりに素晴らしすぎるキティ。[DVD(字幕)] 7点(2022-12-04 18:51:07)(良:1票) 《改行有》
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