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【製作年 : 1940年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. カサブランカ 《ネタバレ》 最初の方のボギーの酒場の見せ方など、あまり上手い具合にいっていない部分があると思っていたのですが、バーグマンの登場で一変します。彼女は個人的に趣味ではないですし、このキャラクターの心情は男の私には良く分からんのですが、そんな問題を差し引いても多額のお釣りがくるぐらい本作では魅力的に見えます。 例えばボギーと予期せぬ再会を果たし目がウルウルしてくるところとか、夜中に酒場に訪ねて来てドアを開けると光が彼女を照らし出すところとか、こういった綺麗に撮ろうという配慮がなされているからこそ二股状態の曖昧なキャラクターにもかかわらずバーグマンが完全無欠のヒロインになっているのだと思います。 そんな彼女を見送るボギーも格好良くて、キザったらしくて聞いているこっちまで赤面してしまうような台詞をサラリと言ってのけてしまうところがボギーならではでしょう。 それからピアノ弾きが歌う「As Time Goes By」は言わずもがなですが、国家を歌い合うシーンもパワフルです。[DVD(字幕)] 8点(2009-09-11 18:52:01)(良:1票) 《改行有》 2. 飾窓の女 エドワード・G・ロビンソンという俳優さんのイメージはどうしたってギャングな印象が強く、それはあのオーソン・ウェルズが善玉として撮った時でさえ(46年「The Stranger」)、彼にはどこか相手をささくれ立たせるような雰囲気がありました。しかし本作では、そんな雰囲気が皆無に近く360度見まわしたって紳士であり人の良いオヤジであり見事に観客を迷宮へといざなっているのです。なぜにそういう風に見えたのか分かりませんが、一つにはあの何気なく掛ける眼鏡などで素朴さを演出した事が大きいと思います。本作ではそういった道具の使い方が非常に巧みであり、他にも対象の姿が映る鏡や暗闇でのガラス、女の家にある外に出るまで三重にもなっているドアなどの装置がサスペンスを盛り上げ、質を一層高めています。最たるシーンは飾窓の女が実際に現われる場面であり、それこそまさに非日常か幻想のように窓に映るキラキラした服の美女は迷宮の入り口に相応しいのです。[DVD(字幕)] 8点(2009-02-16 18:17:05)(良:1票) 3. 風の又三郎(1940) 《ネタバレ》 割りと原作に忠実に作られているので賢治の特異な世界観を損なうことなく実写化に成功しています。原作(最も読まれているであろう新編において)と同様に本作では三郎が本当に〝風の又三郎〟なのか明示されません。風の又三郎は大人が信じないような子供社会の伝説の一種です。大人になると無理にでも論理的に説明をつけようとしてしまいますが、子供は濁りの無い目で純粋に信じることができます。そして原作にはない又三郎の鉛筆紛失事件を挿入するする事によって又三郎の存在をさらに不明瞭にしています。しかもこの事件は子供たちにとっては風の又三郎の仕業として永遠の語り草となるでしょうが、観客には妹の仕業という種明かしをしてしまっているのです。つまり観客は全ての答えを提示されたうえで判断を委ねられるのです。童心を忘れずにいられたかどうかを。様々な年代で見たいと思う作品です。 ・・・ところで年長者が年下の子の面倒を見るという分校スタンスは良いですね。一クラスにおける生徒数や教員の多忙さ、学力向上等を考えると様々な問題が生じて無理な話かもしれませんが、週一日や一日一時限だけでも学年混合のクラスがあったら失われつつある昔の大切な人間関係を取り戻せるかもしれないとさえ思わせます。教師でもあった賢治の理想の教育環境を垣間見た気がしました。 [ビデオ(邦画)] 8点(2006-08-25 18:16:41)《改行有》 4. 海外特派員 《ネタバレ》 雨中の階段で起きるヴァン・メア殺害シーンから続くカーチェイス、風車小屋でのかくれんぼ、ホテルでのユーモアを交えた騒動、展望台での殺人の緊張感と工夫を凝らした面白いシーンが展開され見所満載ですが、その一方で後半、主人公のジョエル・マクリーの扱いがぞんざいになるのは気になります。ヴァンの拷問シーンに飛び込んでくるのもffさんですし、そこから黒幕のフィッシャーの人物像が魅力的に見えてくるのも主人公の影を薄くしている一因で、やや物語のリズムが悪くなっています。 飛行機墜落シーンはCG全盛の現在、リアルさの観点から見れば陳腐に思えるかもしれませんが、逆に言えば当時の技術でこれだけの迫力を演出しているのは凄いことです。[DVD(字幕)] 7点(2011-02-18 18:29:20)《改行有》
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