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811 |
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男性 |
自己紹介 |
今年は映画見れてないです。 |
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1. かぐや姫の物語
《ネタバレ》 この「かぐや姫の物語」は、「ナウシカ」や「ラピュタ」に拘ることをしなければ、
正に「ジブリの最高傑作」といえる内容だったと思う。
西洋ファンタジーが好きな自分としては「ナウシカ」「ラピュタ」の方に軍配が上がるが、
後期ジブリアニメ勢の中では紛れもなく最高傑作であると思う。
アニメの原点に立ち返り、高畑勲のテーマでもあるだろう古き良き日本の美というものを見事に観客に伝えている。
線や絵はジブリらしくないが、見事に「ジブリの原点回帰」を果たした作品だと思う。
正直、宮崎駿の集大成「風立ちぬ」は(作品としてはいいが)彼らしくなく煮え切らず、実はまた宮崎駿は新作を構想中なんだろうなとひそかに僕は思っているが、
高畑勲の集大成「かぐや姫」は燃え尽きた感があり、彼の作品のファンでも納得のいく集大成だったと思う。
平凡な日常の仕草が丁寧に優しく描かれていて感動を覚える。そこに愛があふれているようだ。
日本昔話のような内容ではあるが、そこで勝負した結果彼の才能が前面に出たと思う。
絵の細かいところは省いてあるが、筆の強弱で感情や動きが表現される。
これが効果的で、誰もが楽しめるアニメは絵を細かくすればいいとか、
色をたくさん使えばいいとか、そういうのとは程遠いところに答えがあるのかもしれない。
このアニメーションの美しさは「沢山のスタッフを使って豪勢に作ればいい」とかいう次元のものではない。
そして監督の作品に対する愛情が伝わる。「風立ちぬ」よりも。
「風立ちぬ」よりも「アニメで表現できることは何か」をよく考えられていると思う。
淡い色遣いの中に激しく感情揺さぶられたり儚かったりいろいろなものが込められてるが、あくまでもシンプルであるというのが良い。
シーンのいくつかのぶつ切り感はあったと思うが作品のクオリティに変わりはない。
しかしほんとに高畑勲監督と宮崎駿監督はライバルなんだろう、
宮崎駿「風立ちぬ」のタイトルに「の」が入ってないと思ったら、
高畑勲の「かぐや姫の物語」にはちゃんとタイトルに「の」を入れてきた。
最後の最後で高畑勲は宮崎駿を大きく超えてきたようだ。[映画館(邦画)] 9点(2014-02-13 21:05:11)《改行有》
2. 風立ちぬ(2013)
《ネタバレ》 久々に宮崎駿らしいアニメだったと思う。
これを観ると”ハウル”や”ポニョ”は少しファンタジーに傾倒し過ぎていたと思う。
宮崎駿アニメは描写力があるのでファンタジーよりも日常を軸にして描いたほうが表情が生き生きとするかもしれない。
この作品を観ると、近年の彼の作品にあった停滞感は意味があってのことだったなのだと思った。
というのもこの作品は、彼の過去の作品の多くが生かされた力作だったからだ。
宮崎駿の作品というと「大人から子供までが楽しめる」という印象がある。
しかしこの”風立ちぬ”は子供向けな作品ではない。
実際に「面白かった」と言っている子供の声も聞いているので決して断定はできませんが、この作品は子供には難しいんじゃないかなと思う。
今までの彼の作品は少年少女の視点で描かれていたが、
本作では青年の視点で青春が描かれているからかもしれない。
男のロマンや男女の純愛とかいったものは子供向けに属するはずがない。
ところでこの作品では宮崎駿監督の飛行船好きがハンパなく表れている。
彼の作品には空を飛ぶものが多い。その点では”ラピュタ”が最も評価され”もののけ姫”は不評だった。
この”風立ちぬ”ではその点はしっかりしている。
途中でなんか”ハウル”を見ているときのようなダルい疲れを感じてしまった。
これは纏まりに欠けたところが中盤にあるからだと思ったが、
もしかしたら鑑賞者である僕の問題かもしれない。
ヒロインは二人いる。メインヒロインの菜穂子は美しかった。
この作品は宮崎駿の母に対する想いが最も強く出ていると感じる。
ゆえに宮崎駿アニメ史上最も感涙必至な作品だった。
松任谷由実の歌うテーマソングを聴くとまた泣けてくる。
既に述べられていると思うけど宮崎駿の作品のタイトルには「の」が必ず入るがこの作品にはそれがない。ちょっと残念。
宮崎駿のアニメはしばしば予言説がネット上で噂されるので、それも考えると真に迫った地震のシーンなどは少し怖く感じる。
宮崎駿は最後までライバル高畑勲を意識してたんじゃないかと思う。
というのも本作の結婚式での着物姿のヒロインは宮崎アニメにしては異様な場面で、高畑勲監督が制作中の「かぐや姫の物語」からのインスピレーションはあったんじゃないかと思う。
[映画館(邦画)] 7点(2013-08-06 19:06:21)(良:1票) 《改行有》
3. 借りぐらしのアリエッティ
《ネタバレ》 面白かった。感動した。これは想像以上に素晴らしいものだった。
実はあまり期待していなかったので、映画館まで行って観たいとも思わなかったのだ。
しかし、ありがたいことに映画を見る機会に恵まれ、いざ見てみると、かつてのジブリ映画を見たときに感じた感動のようなものが少しだけ心に蘇った。
実はここ1年くらい、自分はジブリ映画を封印していた。
なぜかって、自分はジブリ映画を見るに値しない人間だと思っていたから。
よく自分の好きな映画を数年ぶりに見るときに感じるあの「観るのが勿体ない」という感覚が自分の中であまりにも肥大化してしまったために、それを見るための精神的エネルギーが物凄い必要なのだ。
正直いって過去のジブリアニメが大好きな自分としては、昨今の(「ハウル」以降の)ジブリアニメは不発な気がして仕方なかった。
それで、久々にジブリアニメを見たものだが、かなり感動した。
この「アリエッティ」は、自分の中では近年の作品を遥かに凌ぐクオリティだと感じた。
全てにおいて素晴らしいのだから、書くことも少ないが、少しあげてみる。
①まずアリエッティの美しさは、
宮崎駿作品の少女とは違う、外国のお姉さんという感じでかなり気に入った。
②音楽は外国の人が作曲しているらしいが、その音色は北欧ファンタジーっぽくて心地良い。
ちょっと音をもっと抑えてほしいと思う場面も映画館ではあったが、しかし弦楽器に木の温もりや木漏れ日のようなものを感じてとても癒されるのだ。
だからアリエッティ・ソングが劇中に流れてきたときにも、ゾクゾクと感動が走った(曲が途中で少しだけ止まるの反則)。
そしてこの「優しさ」、、、それは普段の生活では感じられないものであり、そのあまりの優しさに涙が流れた。
③小人であるアリエッティの視点で描かれることで、全体的に「巨大感」がうまれる。
例えばアリエッティが蔦をよじ登る場面では「ラピュタ」のような感じが少しあった。
また小人の視点だと、自然の植物なども大きく見えるので、スケール感があって良い。
ナウシカ・ラピュタ・コンプレックスも僕にはありますが、この作品はこれでいいと思う。
《追加》
スピラーは好きじゃないけど、アリエッティーのお母さんはトボけていて愛嬌のある愛おしいキャラだ。良い味を出し過ぎている。
[映画館(邦画)] 7点(2010-09-19 22:24:10)《改行有》
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