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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. 感染列島 《ネタバレ》 こちらでの評価が芳しくなかったので期待していなかったのですが、予想以上によくできていました。 ドラマとして誇張されている部分はあるにせよ、このご時勢に見ると絵空事とは思えません。 大都市が廃墟みたいに荒廃しちゃっているのはやりすぎだと思いますが、病院内の様子っていうのはこれに近い状態があるのではないでしょうか。 感染源疑いのある人への差別。非難。学校でのいじめ。院内感染。買占め。軽症者は自宅療養。命の選別。ブレイム病棟の専属スタッフは家にも帰れない。ワクチンも治療薬もないので、対症療法しかできない。 この映画ではすべてフィクションとして描かれていたことが、コロナ禍においてそのほとんどが現実のものとなってしまいました。もしこの映画の公開当時に見ていたら、『そんな馬鹿な』と一笑に付していたかもしれないです。 映画としても非常によく出来ています。 まず冒頭のフィリピンでの新型鳥インフルエンザがミスリードとして効いています。これによって、中盤明かされる真実に少なからず衝撃を受けることになります。 劇中感染症で亡くなる人物に規則性が無いことも重要。夫、父、母、恋人、医療従事者と多岐にわたります。そしてそれぞれの家族の悲しみがそのたびに映し出されます。こういったひとつひとつの家族のドラマを描いている点は高く評価できます。 パニックものとして誇張しすぎている部分はありますが、買占めに殺到する人々の様子はやけにリアルで恐ろしい。 感染源の調査や主演二人のラブストーリーに時間を割きすぎたせいで冗長になってしまった感は少なからずあります。 余計なものを排して純粋なパニックものとして2時間以内にまとめていたら、歴史に残る傑作になっていたかもしれないです。 [DVD(邦画)] 8点(2021-04-26 01:12:53)《改行有》 2. 完全なる報復 《ネタバレ》 最初の5分で完全に感情移入。妻子を殺され、それでも司法の手にその裁きを委ねるクライド。そんなクライドを裏切り、『有罪率』のためだけに安易に司法取引にふみきるニック。腐った法曹の象徴。クライドの怒りと悲しみはもっともです。 彼が凶行に及んだ原因はすべて犯罪者と法曹にあります。ほぼすべての関係者が、大事なものを失ったクライドから制裁を受けていきます。一人、また一人とそのツケを払わされていくたびに、見ているこちらも溜飲を下げていきます。 負のオーラが強ければ強いほど、そこから生まれるエネルギーが強大で凶悪なものとなっていく。これぞ復讐映画の醍醐味。この映画は今まで見た復讐映画の中でもトップクラスの面白さ。 猟奇的な殺人から、スタイリッシュな犯行まで、その制裁の仕方は千差万別。そしてすべての制裁に意味がある。 正直この作品が最後まで『完全なる報復』で終われば9点~10点。ですがニックが普通に生き残っているうえに何のお咎めもなしってのは腑に落ちない。 『ラスト、ニックがクライドを射殺。しかし実際は爆弾など仕掛けられてはいなかった。囚人を勝手に射殺したことでニックは殺人の罪に。資格、権利、地位、家族、すべてを失ったニックが監獄にいれられ全ての報復が完了。』くらいのことを想像していたので、何とももやもやしたものが残る結末でした。[DVD(字幕)] 8点(2020-09-20 20:33:46)《改行有》 3. 川の底からこんにちは 《ネタバレ》 ダメ人間が開き直って頑張る。その発想自体は好きだし、面白いと思う。 実際、最初の90分を我慢すれば、最後の20分はちょっとだけ楽しいかもしれないです。 でもね、この映画自体は結構マニアックなのではないかと思うのです。見る人を選ぶのではないでしょうか。 決してオーソドックスなサクセスストーリーではありません。いや、そもそもサクセスストーリーではないのか。 佐和子が開き直ってからが見ものだと思うのですが、その開き直り方がいかんせん弱い。 『もっと主張しろよ』といらいらさせる主人公。ダメ人間の健一。主人公以外も無気力と変人の集まり。 そんな負のオーラにつつまれた人々を散々見せられてフラストレーションがたまりまくったところで、待ってましたといわんばかりの佐和子の開き直り演説。いやいや。あの中身すっかすかの演説はなに。あんなんじゃ全然スッキリしないんですよ。 歌を作るのだって、てっきりスーパーとかで流すやつかと思ったのです。で、それがヒットして、蜆が飛ぶように売れて・・・。みたいな。でも実際は職場で社員が歌う歌。あとは蜆の値段とパックがちょっと変わっただけ。で、売り上げがなぜか倍増。意味がわからないんです。あれだけ『人生はままならない。でも頑張るしかない』って主張しておきながら、この安直なストーリー展開。『ちょっと気持ちが変われば誰でも成功するよー。』みたいに唐突なシフトチェンジ。 そんなんじゃカタルシスを得られないんですよ。頑張るんだったらもっと頑張って、アイデア出して、社員も家族もみんな一丸となってもらわなきゃ。さんざん我慢して見てきたのに、それに対する見返りが少ないのよ。 もっと素直でストレートな娯楽作品に仕上げても、この作品が伝えたいメッセージってのは伝わるのではないでしょうか。 私は終始この映画に出てくる人たちが気持ち悪くて仕方がなかった。特に健一。まじでくそすぎてイライラします。[DVD(邦画)] 4点(2020-06-26 12:10:34)《改行有》 4. カフーを待ちわびて 《ネタバレ》 愛すべきご都合主義の傑作。ストーリーの進行具合がどうも切ない結末に続いているような気がしていたのですが、こんな心温まるハッピーエンドを用意してくれたことに心より感謝。見て良かったです。 幸を演じるマイコさん。透明感があって素敵な人。でも終盤大事な場面でのセリフ回しがなんか不自然。 もう一人の主演玉山鉄二は文句なしのはまり役。明青という人物のかざらないかっこよさを最大限に引き出していたように思えます。 ストーリーはありきたりなラブストーリー。だからこそはまる人は絶対はまる。 まずシチュエーションが良い。あんなにきれいな人が、絵馬を見て、『お嫁さんにしてくださいますか。』って夢がありすぎるでしょう。まいったよこんちくしょー。 沖縄という舞台になじみが無さ過ぎて多少の不安がありましたが、全く問題なく万人に愛される作品となっておりました。 少しだけミステリー要素を取り入れたのもうまかったですね。すぐにオチは読めちゃいますが、『独身男には女だよ。』って一言からはじまる一連の疑惑。これによって見ているこっちはまさかまさかとちょっとハラハラしちゃいます。でも映画の雰囲気を壊すほどではない。この絶妙な匙加減。 結局リゾート計画はどうなったのだろうとか、ほったらかしにされたエピソードが気になるところではあります。 ラストのシークエンスは賛否あるみたいですが、個人的にはあって良かったと思います。 まったりした雰囲気ながらもその世界観に浸ることができて、とても良い時間を過ごせました。良作。 [DVD(邦画)] 8点(2020-06-11 01:03:51)《改行有》 5. カンフー・パンダ 《ネタバレ》 一昔前のカンフー映画を動物使ってディフォルメ化した感じ。 主人公が修行して強くなる。誰も勝てない相手を、みんなからバカにされていた主人公が倒しちゃう。使い古されたプロットだけど、こーゆーのがカタルシスを感じやすいのは確か。 前半はちょっとだらだら。カンフーアクションないし。で、シーフー老師とポーの修行シーンのあたりから俄然面白くなり始めます。マスター5とタイ・ランの戦いも見応えがあって楽しいです。 マスター5たちが秘孔をつかれてやられちゃう。でもポーにはそれが効かない。マスター・カマキリがポーに針治療をするシーンがあって、なぜポーに秘孔が効きづらいのか、その伏線がちゃんと張ってあります。こーゆー細かいところを丁寧に仕上げているストーリーは結構いけてると思います。 もちろん、アニメーション、アクションシーン、水準以上の出来で、誰もが楽しめる出来栄え。 とても良く出来たアニメなんですが、難を言うなら、ポーの性格。これがどうしてもひっかかります。ポーがただのカンフーファンで終わってしまっています。だから感情移入しづらいし、応援しようという気が起きません。もっと純粋にカンフーを愛し、ストイックな性格のキャラクターであったなら、ポーが強くなったとき、より強いカタルシスを感じることができたかもしれません。 ポーとタイ・ランの最後の戦いなんかは、ポーが強いというよりは、ポーと戦ったときだけタイ・ランが弱くなった気さえします。 まあエンターテイメント性は抜群だし、この作品のスピード感あふれる多彩なアクションは凄く楽しい。私の不満そのものが野暮なのかもしれないです。次回作も細かいことを気にせず楽しんで見てみようと思います。[ブルーレイ(吹替)] 7点(2019-12-22 04:44:01)《改行有》 6. かちこみ!ドラゴン・タイガー・ゲート 《ネタバレ》 キング・オブ・子供だまし。中学生が監督になって、自分の好きな漫画を好き勝手に映像化しちゃったような映画。小学生から中学2年生くらいまではぎりぎり楽しめるでしょう。受験生になってくると厳しいかな。 オープニングとエンディングにコミックの絵が出てくるので、本当に漫画が原作なのかもしれません。だから『タイガードリル』とか『ゴールデンマスク』など、少年漫画で使われそうなネーミングが普通に使われるんですかね。 ドニー・イェンが出てますし、アクションはまあまあイケてます。 ゾンビ好きがゾンビがでてりゃあなんでも良いみたいな感じで、カンフーアクションがただ見たいだけなら、きっと楽しめます。 ストーリーは、はっきり言って面白くないです。ないほうが良いくらい。 だから真ん中とって5点くらいって思ったのですが、アクションならではのカタルシスを感じることもなかったので、4点です。[DVD(吹替)] 4点(2018-07-08 04:56:53)《改行有》 7. カーズ 《ネタバレ》 擬人化させると右に出る者のいないピクサー。最初の方こそ、車しかいないこの世界に違和感を感じるが、高速を走り始めた頃からこの世界観になじんでしまっている。ピクサーは世界の作りこみが徹底しているので、気付いたら引き込まれちゃっていますね。なので、ラジエーター・スプリングスに来たときは、もうストーリーとマックィーンの行く末ばかりが気になります。 ストーリーそのものは安直。定番。『花形レーサー、田舎町へ。』『田舎町で、人との絆の大切さを知り、思いやりを知る。』まさに子供のための道徳ファンタジーです。大人が見れば、『今更』『物足りない』と感じるのももっともですが、僕はこーゆーの好き。ベタな人情ドラマにすぎないのですが、ピクサーはこーゆーの作らせたら天才的なので、いつも感動できます。 多くの方が指摘されている中だるみについては私も同感。マックィーンがラジエーター・スプリングスにつっこんで、逃げ出そうとしたり、裁判にかけられたり、不平不満を言いまくったり、田舎町を馬鹿にしたり、この辺がちょっと退屈でしたね。もちろん構成上必要なワンクッションではあるのでしょうが、イライラするばかりで、笑いのパワーもいまいちなので、中だるみするばかり。 でも道が完成してから、クライマックスまでは、これぞエンターテイメントという爽快なノリと楽しさでいっぱい。エンドロールまでしっかり楽しませてくれるのも、さすがピクサーですね。[ブルーレイ(吹替)] 7点(2018-05-25 02:19:35)(良:1票) 《改行有》 8. カオス(2005) 《ネタバレ》 ミステリー有り、アクション有り、緊張感有りで、なかなか楽しい仕上がり。 ローレンツを名乗る強盗団のリーダーが、『橋の事件で射殺した犯人の兄』と見せかけて、じつはコナーズの元相棒ヨークというのは、うまいミスリード。ヨークが一度も姿を現していないこと自体が不自然なんだから、ちょっと考えればヨークが怪しいって予想がつきそうなのに、なぜかまんまとだまされちゃいましたね。 あまりいろいろ考えずに映画を見ていると、『まんまとだまされる』ってのはよくあります。この『まんまとだまされる』っていうのは、何か気持ちいい。得した気分になります。 この作品では、コナーズやヨークといった、アウトローなヒーローを描きたかったのかもしれないです。しかし、アウトローなヒーローの根底にあるのは、やはり正義であってほしいです。『橋の事件』で人質を撃ってしまったのは、明らかに二人の過失。そのことで社会的に罰を受けて、警察に復讐って、それは違うんじゃないですかね。しかも目的は善良な市民の口座の金。ジェイソン・ステイサムは好きな俳優さんですが、今回ばかりは応援できず。何とも胸糞悪い結末です。 ついでに言うと、主演俳優は、『死ぬこともある人』と『死ぬワケがない人』の2パターンに分かれます。ジェイソン・ステイサムはもちろん後者。死ぬワケないんです。つまり、この人が死んだことになった時点で、ネタバレしたも同然です。そこから先、どんな演出されたって、白々しいの一言。サプライズも何もあったものではありません。これってある意味ミスキャストなのでは・・・?[DVD(字幕)] 7点(2018-04-24 10:23:06)(良:2票) 《改行有》 9. 片腕マシンガール 《ネタバレ》 思っていたよりグロ描写がたくさん。どんなグロ描写も結構好きだと思っていたんですが、この作品に関してはいまいち受け入れられない部分が。おそらく悪ふざけが過ぎるからだと思います。悪ふざけの延長線上のグロ描写。まるでアホな小学生男子や中学生男子が考えそうな品の無さ。バカ系B級映画ってのはわかっていたので、そんなに厳しい目で見るつもりはなかったのですが、温かい目で見てもなんかひどい。何とゆーか、『バカ系のノリで楽しませてもらっている』というよりかは、こちらがバカにされている不快感を感じるのです。 演技がへたくそなのは、目をつぶります。セリフ棒読みもまあ良いでしょう。弟達がいじめにあっている序盤のストーリーなんかは、わりとしっかり作られています。 あとは、弟達が殺されてからの復讐のエピソードが、衝撃的ではあるんだけどカタルシスを感じるまでにはいかないのが惜しい。バカ系映画でも復讐ものにするのであれば、当然溜飲を下げるようなストーリー展開にしてほしいのに、そこが微妙。終盤からラストにかけては、もっと主人公達の圧勝でも良かったんじゃないかな。そのほうが主人公達の怒りが伝わるような気がするんですよね。 一番ひどいのはクライマックス。いじめっ子のボスとその母親には、誰よりも苦痛を与え、誰よりも恐怖におののく姿を見せるべきなんじゃないかな。ふたりまとめて首ちょんぱで終わりって、あっけなさすぎませんか。 最後に一言。 アクションあり。スプラッタあり。 あれ?お色気は?パンチラ、ブラチラで終わり?本気?こーゆーVシネ臭漂う作品にこそ必要なエッセンスだと思いますけど。 バカになるにもセンスは必要と感じる一品でした。[DVD(邦画)] 3点(2018-04-23 15:22:57)(良:1票) 《改行有》 10. カンナさん大成功です!(2006) 《ネタバレ》 韓国っぽいラブコメ。整形の是非を問いかけているあたり、お国柄を感じることができて楽しい。 さて、この作品、アイデア、プロットは好きです。いわゆる『大逆転もの』。ただいろいろと腑に落ちない部分があり、高得点はつけづらいですね。 一番気になったのはサンジュンの本音。 序盤、アミの前でカンナのことを悪く言うサンジュン。てっきりアミの機嫌をとるために言った言葉だと思っていました。つまり、本当は整形前のカンナのことが好きだったのではないかと。でなければ、カンナの映像を一人で見たり、カンナの犬を拾って育てている理由がつかない気がするんですよね。で、ありのままのカンナに好意があったので、整形をしたカンナを軽蔑したのかと思うわけです。 ですが、サンジュンの本音、劇中では結局明かされません。もし私の仮説がただの思い込みだとしたら、こいつは結構なクソヤローということになっちゃいます。 カンナはカンナで基本良い人なんですが、自分の秘密を守るため、愛犬や父親を無神経に傷つけちゃうシーンは、やはり気になります。もちろんそれはクライマックスの謝罪の伏線であり、負の側面を見せたからこそ感動へとつながるのでしょう。でもそのクライマックスに行くまでが、カンナを全面的に応援できないってのが痛い。 つまり、メインの2人に共感しづらい部分があるのが、この映画にノれなかった最大の理由ですね。 また、映画として中盤以降説明不足なエピソードが目立ったのもマイナス。特に、友人がだまされてサウナセットみたいなもん買わされて、自殺騒動おこすくだりなんか、結構雑な脚本だと思いますよ。 ちなみにこの友人は、劇中最も共感しやすい人物です。 そんな友人が最後に美容整形外科にいるっていうオチは笑いをとるためでしょうが、そうなるとこの作品のテーマがぶれるのでは・・・。[DVD(字幕)] 6点(2017-07-03 10:35:49)《改行有》 11. ガール・ネクスト・ドア 《ネタバレ》 予想より真面目でしっかりした設定のラブコメ。過激なシチュエーションの割りに、序盤・前半は手堅いつくりです。オーソドックスなラブコメとして、落ち着いて鑑賞できます。コメディがくどくないので、すっきりとしていて見やすいのもポイントが高いですね。 やや下品ではありますが、下品になりすぎないバランス感覚がグッド。出演者たちも、皆個性的で面白いです。 その一方で、プロットがストーリーに活かしきれていたかどうかは、何とも言えないところ。 特に中盤から終盤にかけて。ケリーが登場してからは、やや雰囲気が変わります。ヒロインであるはずのダニエルは次第に『脇』へと押しやられ、主人公のマシューとケリーのやりとりがメインとなっていきます。 『ダニエル』演じる『エリシャ・カスバート』はかなり魅力的。ですので、ケリーが登場してからは、ダニエルが各登場人物の動機付けのためのギミックと化してしまったのが、ちょっともったいない気がします。 でも前半のテンションが好きではあるものの、ずーとあのテンションでいかれると途中で飽きちゃうのも確か。 ケリーのせいでプチサスペンスの色合いが出てきて、次々とピンチに陥る主人公を見ているときは、ハラハラしていましたね。 ただその結果、ケリーに何の罰もないってのは、さすがに不満。 『ドラッグを飲ませる』『盗みを強制する』『殴る』『結果、奨学金のための選考会を台無しにされる』『留学生のための25,000ドルをパクる。』『ラストでダメ押しの恐喝。更に金を要求する。』 これだけやって、なんのお咎めもナシってのは、なんか納得いきません。 フィナーレはそんなケリーも含めて、無理矢理全員をハッピーエンドでしめくくっちゃいましたが、腑に落ちないものが残りました。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-12-05 03:29:44)(良:1票) 《改行有》 12. 火山高 《ネタバレ》 こーゆー〝おばかアクション〟って大好きです。 『教師の乱』だの『しびぼうろく』だの、知らん単語が次から次に。 突然始まるバトル。 突然始まるラブストーリー。 脈絡のないストーリー展開がB級に拍車をかけます。 学校NO.1の実力者ソン・ハンニムは早々に戦線離脱。 戻ってくるかと思いきや、最後まで少年院に入れられたまま。 このように、やりっぱなし、投げっぱなしのエピソードがいくつもあります。 やはりおばか映画はこうでなくてはいけません。 ただただ、一つだけ注文をつけるなら、『気』を使える人と、使えない人の戦闘力に差がありすぎじゃないですか? 戦闘力の格差がありすぎると、一部の人たちばかりが活躍しちゃうので、いまいち盛り上がらないような気がします。 重量挙げ部、剣道部、アイスホッケー部、ラグビー部、柔道部。せっかく面白そうなキャラが盛り沢山だったのに、キャラが生かしきれていないのが残念。 それに、ストーリーがもっと単純明快のほうがスカッとしたんじゃないかな。 いくらおばか映画でも、戦いの動機は明確にしてほしいものです。 そもそもこの人たちはなんで戦っているんでしたっけ?[DVD(吹替)] 5点(2016-10-12 04:54:06)(良:1票) 《改行有》 13. カルマ 《ネタバレ》 幽霊が見える女性ヤンと、そのヤンを担当することになる精神科医のジム。 『ヤンが見える幽霊は本物。』⇒『ジムは次第にその事実に気付きはじめる。』 ただ単純に、そんなストーリーを予想しながら鑑賞していたのですが、物語は思わぬ展開を見せます。 ヤンが見ていた霊は、ヤンの精神的トラウマからくる幻。ですが精神科医のジムは本物の幽霊にとり憑かれているという脚本が、単純ながら意表をつきます。 前半から挿入される回想シーン。ヤンの過去を探るための、ヤンの過去かと思いきや、実はジムの回想シーンという意外性。なかなか上手いです。 また、実際は霊ではない『イタズラ』や『幻』。そこに終盤本物の霊を登場させることで、本物の霊の存在がよりリアルに際立ちます。 ホラー演出も、邦画ホラーのようなじめじめ感が出ていて大変良いです。 更には、様々な『音』が効果的に使われていて、更なる恐怖を煽ります。 終盤ではいつの間にかヤンとジムの立場が入れ替わっているのも面白いですね。 そして、ヤンにもジムの見ている霊の存在がわかったことで、私達観客にも霊の存在が本物ということが伝わります。 唯一、締めを安易なメロドラマ風にしてハッピーエンドで終わらせてしまったのがもったいないでしょうか。 後味は良いのですが、思い切ってバッドエンドにしても良かったかもしれません。[DVD(吹替)] 8点(2016-08-31 15:06:31)《改行有》 14. カンパニー・マン 《ネタバレ》 途中から筋が読めなくなるほど複雑に。なのに最後のオチは読めてしまう不思議な作品。 つまりは、わかりにくいくせに驚けない、残念な結果に。 『次の展開がわからない。』という点では合格ライン。ミステリーとしての体裁は保っています。 ですが、結局わからない部分が多く残ったのは不満です。 各設問に、あっと驚く解答が用意されているからこそ、知的カタルシスを得られると思うのです。この作品は、その部分が不親切。 デジコープ社の目的。キャラウェイ社の目的。はっきり言ってよくわかりません。 私がかろうじてわかったのは、主人公はモーガン・サリバンでもなければ、ジャック・サースビーでもないということ。 彼の正体は、正体不明のフリーのスパイ、ルークス。 そして、盗んだデータの中に、『リタ・フォスター殺害』みたいなものがあって、そのデータを盗み抹消することが彼の目的だったということ。それくらいでしょうか。 言うなれば、三重スパイの物語。 にしても、企業間の産業スパイの話で、やれ殺人やら、やれ洗脳やら、なかなか物騒。 ラストはビルごとドカンって。あまりに非現実的すぎて、ついていけません。 非現実的な空間で、映画そのものがふわふわ宙に浮いている感じ。 具体性がなく、抽象的すぎます。 鑑賞中、地に足がつかない気持ち悪さが、ずっと『未来世紀ブラジル』を連想させていました。 個人的には『ナシ』な作品です。[DVD(字幕)] 5点(2016-07-18 14:13:40)《改行有》 15. Cut カット!(2000) 《ネタバレ》 よくあるスラッシャー映画。ただし、殺人鬼が生身の人間ではなく、フィルムにこめられた思念体みたいなものっていうのが、普通と違いますね。つまり、銃で撃たれても切られても死ぬことはないのですが、フィルムを焼かれるだけで消滅してしまいます。コンセプトがはっきりしていてわかりやすくて大変良いと思います。 関係者のみなさんが、『ホラー映画の殺人鬼役』の人と間違えて、油断しまくっているところを、ばっさばっさと殺戮していく、その状況の作り方はなかなかうまいです。見ている側は良い意味でやきもきします。 スラッシャー映画の基本を押さえているので、誰が見ても十分楽しめる内容でしょう。 ただし、大味な作りのB級グルメであることに変わりはないので、過度な期待は要注意です。 また、画像が粗いこともマイナスポイントとして挙げられます。 首に凶器が刺さったまま動く人や、心臓発作で死んじゃうおばさんなど、マジなのかギャグなのかわからない演出もちらほら。 マスクをしている間は一言も発さず、得体の知れない存在感を放つ殺人鬼。結構怖いです。ですが、マスクをはずした途端、饒舌になります。なんか格が下がるのが惜しい。 そういった意味では、『チープなんだけど面白い、でももっともっと面白く出来そうな感じもする。』というのが私の感想です。 個人的には、結構好きな作品です。[DVD(字幕)] 7点(2016-04-28 12:46:45)《改行有》 16. ガン&トークス 《ネタバレ》 まったりとした雰囲気の殺し屋4人が織り成すサスペンス+コメディドラマ。 これがサスペンスとしても見ごたえがあるし、ストーリータイプのコメディとしても面白い。スタイリッシュなヒットマンストーリーに仕上がっています。 飄々としたリーダー、射撃の天才ミスターパーフェクト、爆弾のスペシャリスト、パソコン担当の弟、チームとしてのキャラ分けも完璧でしょう。4人が4人とも凄腕の殺し屋なのに、やたら人情味溢れる人柄で、そのギャップがたまりません。シリアスなシーンでは完璧に仕事をこなし、めちゃめちゃカッコよく決めてくれます。 特に終盤はかなり盛り上がりますね。オペラ劇場での大仕事でクライマックスでも良かったくらいなのに、そこから更に激動のラストへ。 4人を追う刑事、ついにリーダーを追い詰める!そこでリーダーを逮捕せずに撃ってしまうとんでも刑事。ところがこのアクションがラストへの大事な伏線になっているわけですね。 結局刑事の思惑通り、リーダーのために初めて依頼以外の殺しを遂行する3人。警察署に単身乗り込むリーダー。このラストの一連のシークエンスがもうたまらなくかっこよくてしびれます。 そしてオチは痛快なコメディタッチで締めくくってくれるノリの良さ。 水と油のように相反するコメディとサスペンスという別ジャンルを、完璧なバランスで仕上げた作品。 唯一残念な点を挙げるとすれば、女子高生のエピソードがつまらないうえに、くどい、長い。ここだけが本当に惜しいですが、かなりオススメ度の高い作品です。[DVD(吹替)] 8点(2016-02-03 02:33:04)《改行有》 17. 回路 《ネタバレ》 所謂『ゾンビ』を『幽霊』に置き換えただけで、テイストは同じ作品かもしれません。 終末感を感じさせてくれる作品は本来苦手なんですが、ゾンビものだけは好きなんです。なのでこの作品も好き。 細かいところで不明な部分、不親切な部分が多々ありますが、そこを想像力や自分の推理で補っていくのも何気に楽しいです。 何より、この作品のホラー演出は極めて正々堂々としていて、気持ちいいくらいに怖い。本当に怖いです。 立ち寄ったコンビニで、レジに行っても誰も出てこない。レジの奥に目をやると、店員のシルエットらしきものがこちらを見ている。おそらくはこの人ももう・・・こういった演出は、外国産の映画ではまずお目にかかれない。邦画ホラーだけが醸し出せる良さってのを存分に堪能できます。 それに、『死後の世界がいっぱいだから、人間にはずっと生きていてもらおう』という発想は面白いですね。 そのためには、魂が肉体という器から離れてしまう前に、一人一人に特別な空間を作ってそこに閉じ込めてしまえということでしょうか。 ただしそのためには『生きている人に接触しなければならない』という条件が幽霊サイドにもあるみたいです。 『幽霊に会ってしまう』=『ゾンビにかまれる』といったものでしょう。会った時点でアウト。鬼ごっこですね。 幽霊に会ってしまった人たちは、本能的にどこかの空間に閉じ込められてしまうことがわかっちゃうので、人によっては自殺してそれを逃れようとする。ですが結局は自殺してもやはり空間に閉じ込められてしまう。空間に閉じ込められてしまった人たちは、その証であるかのように、黒い染みが現世に残る。なので、生きたまま黒い染みになる人もいれば、自殺した後に黒い染みになる人もいると思ったんですが違いますかね? 何にせよ、『つまりこーゆーことかな?』と勝手に自己解釈しながら見ていけば、結構楽しめる作品だと思います。[DVD(邦画)] 7点(2015-10-02 13:35:19)(良:2票) 《改行有》 18. 学園天国 《ネタバレ》 学園ライトムービーとしてお手軽に見るには、なかなか面白い一本です。ストーリーはわかりやすく、キャラは個性的でそれぞれに魅力があります。下品になりすぎないコメディも大変良いですね。特に前半が面白いですよ。そしてメインのラブストーリー、お約束好きの自分にはストライクで、大変よかったです。 ストーリーは、人気者のクリスと、地味で認知度の低いライアンが、お互いのいとこ(アシュリー)と幼馴染(マギー)を狙って手を組むというもの。前半は、アシュリーを知り尽くしたクリスがライアンを導き、マギーを知り尽くしたライアンがクリスにマギーの好きなタイプを細かくレクチャーしていきます。 最大のポイントは、ライアンがクリスを手伝う最中で、突然マギーに対する自分の気持ちに気付いてしまうというところでしょう。べたですけどね(笑)ラブコメはべたでもいいんですよ(笑) 更にライアンは、性格の悪いアシュリーに愛想をつかしちゃいます。ところが、ここがこの作品の面白いところで、アシュリーは自分に対して冷たく乱暴に接する人には、余計に目がハートになってしまうキャラクター。この設定の扱い方、結構上手いと思うんです。つまりライアンが逃げればアシュリーが追っかけるという構図が、自然と出来上がっていくわけです。 そしてライアンがマギーに対する自分の本当の気持ちに気付くと同時に、マギーはクリスのことを好きになってしまうという、まさにお約束のラブコメ必勝パターンが炸裂。クリスにとってマギーは遊びだと気付いたライアンは、当然マギーを守ろうとするのですが、これがすべてから回り。ですがライトなラブコメなので、全然深刻にはなりません。多少の切なさを感じながらも、最後まで気楽に見れちゃいます。 真新しさは無いので過剰な期待は禁物ですが、個人的には、B級グルメの中ではおいしい一本だと思います。 [DVD(字幕)] 7点(2015-05-05 13:31:04)《改行有》 19. 隠し剣 鬼の爪 《ネタバレ》 隠し剣はまさに隠れていた!「鬼の爪を受け継いだのだろう。見せてみろ。」「お前との果し合いに使うような剣ではない。」うん、その通り。使えばひんしゅくものですね。で、どこで使うのだろうと思っていたら、そこかぁー。そんでそう使うのかぁ。まさに隠し剣!でも隠し剣使われちゃうほど、ひどいことをしているとも思えなかったのですが、まぁいいか。他に使うとこありませんし。「たそがれ~」を見てみようと思っています。みなさんのレビューを拝見すると、見なくても良いような気がしてきて、むしろ見ないほうが正解のような気さえしてきたので、逆に見てみようと思います。[DVD(字幕)] 7点(2011-09-26 02:53:54)(良:1票) 20. カポーティ 《ネタバレ》 合わない人には本当に合わない映画だと思います。これが小説だったら、もう少し楽しめたかもしれません。一番知りたいカポーティの本音が見えない。うえにテンポが遅い。話がなかなか先に進まない。友人達との談笑のシーンも、きっと意味があるのだと思います。ですがその意味がわからなければ、ただの退屈なシーンです。パブロン中毒さんのレビューを先に見ていたら、もっと映画を楽しめたかもしれません。めちゃめちゃわかりやすい解説でした。そういうことだったのですね。失敗しました。あ、そう言えばパッケージにも、「だれよりも君の死を悲しみ、だれよりも君の死を望む」みたいなことが書いてありました。あれはヒントだったのか。[DVD(字幕)] 1点(2011-07-09 19:58:32)
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