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1. 家族ゲーム
《ネタバレ》 森田芳光の空気を満喫できる。BGMのみならず音楽が一切ないという仕掛けにニヤリ。
松田優作の怪演もまあ、さることなが、由紀さおり、宮川一郎太、伊丹十三、戸川純たち誰もが朴訥とした言動のまま狂気を孕んでいるあたりが、記号的ではある一方、その純粋さの抽出に成功していて、こんな作品が原語で観れるなんて日本人で良かった。
同時代性までは理解できないけど、とりあえず家庭教師は船に乗ってやって来るものだというのはどこかでパロディしたい。
最後の晩餐のシーンはなんとでも解釈のしようがありそうだけど、Wikipediaの解説を読んで納得。
原作も読んでみたくなった。
本屋の店員が金子修介だったことにもクスリときてしまった。[インターネット(邦画)] 8点(2020-02-12 02:59:32)《改行有》
2. 風の歌を聴け
《ネタバレ》 原作既読の身からすると、「やっぱりこうなるか」という感じで、「うーん」という感じで、可もなく不可もなく、っていう感じなのですが、さすがATGだけあって、原作を読んでなかったとしたら…撮り方、見せ方はアーティスティックであり、空気感はとても文学的であり、この映画を実現しようとした人たちの思いが伝わってくるような作りにはなっている。随所に挿入される効果音や暗いBGMや画の演出の評価はそこで分かれるのだと思う。
すこしクセのある映像、画とセリフが強い映画が好きな人には、フラット以下の気分の時に見ると楽しめるかも知れない。すこし舞台芸術っぽくもある。
または…公開当時に見ていれば、時代の背景とその臨場感と相まって、こういった群像の生き方にも半分現実で半分幻想のような味わいを持てたのかも知れない。
あと田園風景で過ごした若者や青年にとっては、この文学が映像として目に映ることで返って共感や追体験の得にくいものになっていたのではないか、と不安にもなった。
エヴァンゲリオンの精神世界を匂わす描写が好きな人にも良いかも知れない。
2度3度と見れば、味わいが増し、好きな映画になる、ような気が、しなくもない。
坂田明も出てるし (知ってる人にとっては)。
ただ…ただ…!ラストシーンだけは原作を読んでいてよかった、と思える、個人的に好きなカットだった…!
戦場のメリークリスマスのラストシーンのような…。[CS・衛星(邦画)] 6点(2014-12-11 09:30:32)《改行有》
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