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【製作年 : 1930年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. 吸血鬼(1931) 《ネタバレ》 分かったようで良く分からない筋書きや、夜か昼か判別不能な明るさは〝?〟ですが、影が恐怖を演出する光の世界は、ビックリ箱のような安易な脅かしのトリックではなく純然たる恐怖で迫る本物の映画であります。あるいは、ラストのおが屑で埋め殺してしまうシーンなどは通常ならば悪を成敗し安堵する箇所なのですが、徐々に降り積もるおが屑からのぞく手とメガネにゾッとさせられる最も怖いシーンとなっています。また導入部も見事で、宿屋の天井が低く見え囚われた感じがし、不穏な空間に誘われたようです。[DVD(字幕)] 8点(2012-04-06 18:43:33) 2. 彼奴(きやつ)は顔役だ! 《ネタバレ》 ジェームズ・ギャグニーという役者は悪党を演じていても、最初に煙草を分けてくれたように、どこか気の良い優しい男にも見えるので、無償の愛を与え続けながら落ちぶれてゆく様は同情してしまうくらい不憫です(女も、助けを求めに来るのはともかく幸福な家庭に招き入れるのは可哀相じゃないか!)。もちろんナレーションをかぶせ時代が進んで行く度に、ギャグニーが少しずつ暴力性を増しヤクザな男へと変貌を遂げていくところは、軽快に物語を進めており説得力もあるのですが、ボガートが登場してしまうと、その悪党っぷりから比べれば、やはりどうして好漢に見えるのです(銃に関してもギャグニーの場合は基本、脅しの道具ですがボガートが持つと殺しの道具となる)。だからこそ余計に、あのラストに背中を撃たれ雪の舗道を疾走しながら絶命していくギャグニーの姿は、あまりに哀しく感動的であり涙腺にグッとくるものがあります。 惚れてしまった方が弱いのは仕方ないんですが、涙もんのギャグニーの男っぷりとラストランを見たら、彼女の心もほんの、ほんの少しばかりは動かせただろうか(当然、ギャグニーにはそんな打算もなかったのだけど)。[ビデオ(字幕)] 8点(2009-07-01 18:13:54)《改行有》 3. 霧の波止場 《ネタバレ》 ジャン・ギャバンが霧の立ち込める港町にやって来る始まりのシーンが、これから先の顛末を予見させて良いですし、登場するキャラクターたちもそれぞれが個性的で面白いです(僅かな登場では特にネリーに言い寄ってくるチンピラと一緒にいる冷静な男が印象的)。しかし本作はやっぱりジャン・ギャバンとミシェル・モルガンの映画でしょう。ミシェル・モルガンは当時なんと18歳!とは思えぬ色香がありますし、あのピカピカのコートの美しさったらないです。ジャン・ギャバンもこれが男だとばかり実に魅力的に映っていて、だからこそラストに路上で撃たれてしまうシーンではとても悲しくなってしまいます。・・・ただ一つ欲を言えば犬の使い方で、登場シーンとラストの余韻を残す部分は良いのですが、ずっとついて来るのですから中盤でも巧く使って欲しかったですね。[ビデオ(字幕)] 8点(2008-07-08 18:28:52)(良:1票) 4. キング・コング(1933) 《ネタバレ》 キングコング、凄いです。恐いです。他を寄せ付けない圧倒的な強さ。倒したティラノサウルスの口をパクパクさせて死を確認するなど、行動の端々に表われる用心深さ、執拗さ。そしてアンの叫び声を聞けば、どこへでも飛んでやって来る美女に対する想い。ストーリーも良いです。執念深く追いかけて来たコングのエンパイア・ステート・ビルでの最期。島の王者も文明の利器にはかなわなかったのを、「飛行機ではなく、美女に殺されたんだ」と言うのも洒落ています。サービス精神も旺盛ですね。ティラノサウルスにステゴサウルス、アパトサウルス?(何故か肉食)、プテラノドン、大蛇?(手足付き)まで登場し見所満載です。髑髏島の造型も秀逸。白黒のぼやけた感じも手伝って遠方が良く見えないのが異世界の雰囲気を醸し出し、随所に見られる円形を取り入れた構図が素晴らしいです。さらに余計なシーンは全て省いてしまっているので、実にテンポが良いです。恐竜を含むモンスター映画の中でストーリーも含めれば、この作品が最高峰でしょう。映画館で観たいと思える作品です。 近々ピーター・ジャクソン監督のリメイク作が公開されますが、私はかなり期待しております。ですがそれと同時に裏切られる事も覚悟しております。名作のリメイクは難しいものですからね。 《追記》やはり残念ながら期待していたものとは違いました・・・。映画「キングコング」(1933)は文明にもけっして負けません。[ビデオ(字幕)] 10点(2005-12-02 18:19:03)(良:2票) 《改行有》
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