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【製作年 : 1990年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. CUBE 《ネタバレ》 今作は、CUBEの存在理由、メンバーの選考方法、黒幕などの説明を一切省き、90分という枠の中に脱出サスペンスのみを盛り込んだところが素晴らしいです。 おそらく舞台セットは一つ、二つしか作っていないのかもしれませんが、『見せ方』によって空間に壮大な奥行きと広がりを感じるのが凄いです。途中で何度か『外』の描写を入れたことによって、『CUBE』の圧倒的な空間の暴力を体感できてしまうのも凄いです。 また、主人公らしき人物を配置しなかったことにより、より臨場感を感じられるのは本作の長所でしょう。強いて言うなら、『見ている自分』が主人公でしょうか。より主観的になることができるのです。主観的になれる作品は、恐怖感と緊張感が一層増します。 本作における重要なキーパーソンは実際のところ3人です。数学少女のレヴン、外壁設計者のワース、計算機のカザン。ところが、即戦力として期待できそうな警官のクエンティン、女医のハロウェイ、天才脱獄者レンの3人を配置することで、観客を見事にミスディレクションさせることに成功しています。中心人物の交代劇、パワーバランスの変動というのは、緊張感を持続させるのに大変効果的に働くものなんですね。感心します。 惜しむらくは、ストーリーが進むにつれて、脅威の対象が『CUBE』⇒『クエンティン』へとシフトしてしまうことでしょうか。どうしても後半は『CUBE』に、舞台設定以上の価値が見られないのです。それに、数学少女を殺しちゃうシーンでは急にB級っぽさが前面に出てきて残念です。それじゃあ普通の殺人鬼サスペンスと変わらないじゃないですか。 あとついでに言うなら、冒頭のスプラッタシーンのクオリティが高すぎて、スプラッタムービーファンに過剰な期待を持たせてしまうかもしれません。映像面に関しては、『怖いもの見たさ』の人間心理を見事に裏切っちゃう作品ではあるので、そっち方面を期待しすぎると尻すぼみに感じてしまうかもしれませんね。[DVD(字幕)] 9点(2014-12-21 20:02:14)《改行有》 2. 奇人たちの晩餐会 《ネタバレ》 う~ん、ひねくれ者なので、逆説的なオチまで考えてしまいました。 ピニョンが奥さんを追い返しちゃったり、電話で余計な事言ったりするのには、確かにイライラします。かと言って、じゃあブロシャンが頭が良いのかって言うと全然そんなことないんですよね。人の事馬鹿にできるレベルじゃないんです。どっちもどっちです。頭の悪い人たちの要領を得ない茶番劇です。 ただ中盤から登場するジュストでやや救われます。救われるって言うか、面白くなります。ジュストは私達観客に近い第三者的目線です。ピニョンとブロシャン二人の状況を笑い飛ばしてくれます。だからちょっとだけ胸のつかえがとれます。 この作品が自分に合わないのは、きっと舞台劇が個人的に好みじゃないからですね。私は映画を観たいのだから、映像とストーリーと空間には、広がりと奥行きが欲しいのです。そうでないならもっと面白いストーリーにしてほしいです。もしくは、『この空間でなければならない』という必然性が欲しいところです。 ピニョンは確かに天然なところがありますが、ブロシャンの行為・言動は愚かです。愚かな人間が人を馬鹿にして蔑むシーンを何度も見て、心から笑えるはずがないですよ。 おフランスの高級な味わいは、庶民の自分には合わないみたいです。 ・・・ってゆーか晩餐会には行かんのかい! ずっと、『いつ行くんだろう』って観てたら、終わっちゃったよ![DVD(字幕)] 4点(2014-07-10 12:07:11)(良:2票) 《改行有》 3. CURE キュア 《ネタバレ》 最終的に高部刑事が伝道師になったってことだったんですねー。いろんな人のレビューと解説読みあさってようやく理解できました。とゆーことは、終盤のクリーニング店でのワンシーンはすでに伝道師になりつつあることへの前触れだったのでしょうか。高部が健忘症みたいになっているワンシーン。何の意味があるのか不明瞭だったのですが、何となく意味がわかりました。 とにもかくにも、ホラー、サスペンス、終盤のミステリー、どれひとつとっても肌寒い余韻を残す作品ですね。にも関わらず、個人的にはそんなに後味悪くない、むしろ人に薦めたくなるのが不思議です。は?もしかして暗示にかかってしまっているのでは?私はこの映画の伝道師になろうとしている・・・。[DVD(邦画)] 9点(2013-12-05 01:15:45)(良:2票) 《改行有》 4. Kids Return キッズ・リターン 《ネタバレ》 主演の二人はいわゆる「不良」であって、どうしても共感しづらい部分はあります。恐喝。暴力。真面目に頑張っている人間を不真面目な人間がたいした理由もなく傷つけ蹂躙しちゃうってのは見ていて腹立たしい。それでも見ているうちになんとなく二人を、とりわけシンジ君を応援しちゃうのは、二人がボクシングに出会ってからひたむきに頑張る姿を見てしまったからでしょうか。 ただこれにはいわゆる「不良君が良いことすると100倍良い人に見える」という心理が働いているのかもしれません。だって普通に考えれば、学生の頃から恋も就活もまじめにがんばっていて、ラスト辺りでタクシー田んぼにつっこんだ彼のほうが偉いと思うんですよ。なのに、この映画では主演の二人にスポットライトがあたっていて、サクセスストーリーではないけれど、二人にやっぱりなんとなく魅力を感じてしまう。そして田んぼにつっこんだ彼のようにはなりたくないと思ってしまう。二人にはラストで希望が残されましたけど、じゃあ彼は?冷静に考えれば理不尽ですよねー。 でも、その理不尽さってのは、映画の面白さには全く関係ないようです。この作品は面白いんです。鑑賞者が当事者意識を感じるようなリアルな雰囲気で、自分が経験したことのない人生をほんの少し疑似体験できるところが魅力的ですね。 今までに見た、群像劇のようなストーリーでは、この作品がそれぞれの終着点を描いていてすっきりしました。もちろん、その後もそれぞれの人生は続くという余韻を残しての終わり方も良かったと思います。[DVD(邦画)] 7点(2013-11-25 01:41:36)(良:1票) 《改行有》 5. ギルバート・グレイプ 《ネタバレ》 「ギルバートの本心はいったいどこにあるんでしょうか。」っていうのがまず最初の感想でした。ギルバートは家族に対し、いつも深い愛情があります。なのに、どこか無理をしている風にも見えるんです。 気のせいかと思っていました。ですが、話しが進むにつれ、予感は確信へと変わっていきます。太っている母親を子供に見せたり、「いい人になりたい」ともらしたり、不倫をしたり、アーニーを風呂場に放置してベッキーのもとへ行ってしまったり、アーニーを殴ってしまったり・・・。いつも家族を優先しているギルバートが、瞬間的に自分を優先する貴重なシーンです。 友人や家族から見れば、いつも家族のため、周りの人達のために身を粉にして働き生きているギルバートが彼らにとってのギルバート。だから彼が自分の気持ちを少しでも優先してしまうと、途端にギルバートには友人から家族から、非難の目が向けられるのです。「ギルバート、きれろ!怒れ!ふざけるなって言ってやれ。」って、ずっと思いながら見ていました。でもそれができないから、ギルバート・グレイプっていう映画がなりたつんでしょうね。 ただ、おそらくはギルバートと最も距離の近かったアーニー、そして唯一と言っていい部外者のベッキー。この二人だけは、ギルバートのすべてを愛しているように見えました。もちろん、ギルバートとその家族の姿は本当に家族らしい、ひとつの完成された家族だと思うんですよ。ですが、ベッキーとベッキーの祖母、そしてアーニーとギルバート。4人が一緒にいる姿は、それにもまして理想の家族の姿に見えたのです。なぜかっていうと、4人が一緒のときのギルバートの表情が一番穏やかに見えるんですよ。自然な自分。無理していない自分。 アーニーがギルバートに殴られちゃって家を飛び出したとき、ベッキーのところへいったのも、ベッキーがアーニーを川の中へ誘い入れたのも、アーニーを殴ったギルバートをベッキーが優しく包み込んだのも、全てが印象的でした。 ギルバートの家族たちは母親を含めてそれぞれの世界へ旅立ち、ギルバートはアーニーと共に新しい家族と再出発を始めるラストが最高に良かったです。 ただ、映画としては少々くどいかな・・。ラストは感動しましたし、共感もしますが、手放しに面白いと絶賛まではできないです・・。[DVD(字幕)] 6点(2013-07-14 16:51:20)(良:1票) 《改行有》 6. 奇跡の旅 《ネタバレ》 きっと、何度も何度も撮り直したんだろーな。・・・なんて、無粋なことを考えてしまう。 いっぱいっぱい撮って、なんか脚本にぴったりの映像をつなげたんだろーな。・・・なんて、無粋なことを考えてしまう。 大人になるってことは、子供のときには気づかなかった作品の深さや面白さに気づく反面、子供のときのように純粋な気持ちで観ることはもはやできないってことだろーな。・・・なんて、どーでもいいことまで考えてしまう。 上記のように、ちょっとだけ心も目も濁っちゃってる僕にも、この作品、とても良かったです。 この映画はですね、きっと家族とか恋人とか、仲の良い友人とかと一緒に見るとすごくすごく楽しいのではないでしょうか。 そんでそんで、観終わった後に、「別れのシーン、すごい切なかったね。」「何気にすごい動物のシーン多くなかった?」ってみんなで話しながら楽しい気持ちに浸っちゃったりしてね。 そいでもって、「でも、猫が流されるシーンとか、ハリネズミとか、あれって動物虐待なんじゃ・・・」ってつっこみもきっちり入れて楽しんだり・・・・なんて、無粋なことを考えてしまう。[DVD(字幕)] 7点(2013-05-30 05:45:17)《改行有》 7. 岸和田少年愚連隊 《ネタバレ》 中身のない映画は苦手です。 中身がなくても、見ている間楽しめたり、爽快な気分になれたり、頭を使ったりする映画は大好きです。 この作品にはそのどれもありません。 言うなれば、雰囲気と会話の妙を楽しむ映画でしょうか。 報復→報復→報復→報復→報復・・・・ 何回繰り返すねんっていうくらい、延々と仕返しが続きます。 その報復のシーンだって、過激な割りにリアリティを追及するためか迫力には乏しくて、何か毎回消化不良のまま終わる感じなんですよね。 もちろん、絶妙な会話の面白さと、登場人物たちのなんか憎めないふんわりとした雰囲気によって、暴力描写が見事に緩和されて見やすくなっている点は評価できると思います。 ですがそれだけなんですよ。 最後まで見終わっても、それぞれが何かのゴールにたどりついたとか、成長したとか、そんなエピソードは最後までないわけです。 もちろん、それが青春だよって言ってしまえばそれまでですが、「なんのために2時間近くもこれ見てたんだろ」って気持ちになります。 雰囲気は良いし、会話も面白いし、映画全体に漂う閉塞感と疲労感も何かを訴えてくるし、悪くはないと思うのですが・・・・ ナイナイの岡村の大ファンの妻が、途中で見るのをやめた・・・ それがこの映画のすべてなのかなって思いました。[DVD(字幕)] 4点(2013-05-19 19:07:33)(良:1票) 《改行有》 8. 傷だらけのランナー 《ネタバレ》 カキーン。ヒット。心にヒットしましたよ。 スポーツものは好きなので、どうしても点数が甘くなりがちになっちゃうけど、いいや。感動したし、面白かったし。誰かに観てほしいと思ったし。 リッキー・シュローダー演じる弟ビリーも、ブラッド・ピット演じる兄ジョーも、ばっちり役にはまりまくりで、素晴らしい兄弟愛を見せてくれました。何が良いかって、二人とも完璧ではないところが良いです。 弟ビリーはただの問題児では終わらなかった。兄や母に見守られ、励まされ、支えられる存在から、いつの間にか兄や母を励まし、支え、気遣う存在に。 兄のジョーも、品行方正の優等生お兄ちゃんでずっといくのかと思いきや、終盤に来てまさかのドロップアウト寸前。えぇ?もしかしてそこで道ふみはずしちゃうの?っていうくらいハラハラ。ハラハラ。 あぁ、でも人としての倫理感や正義感は、なくしていなかった。(少年に薬を売り渡す不良に、お兄ちゃんキレる。そう、そこはキレとこう!) そうか。ジョーが弟に優しかったのは、少なからず優越感がそこにあったからなんですね。弟をかばったのも、陸上部への入部をすすめたのも、弟をほめちぎったのも、不良を追い払ったのも、陸上シューズを買ってあげたのも、朝練に誘ったのも、すべては優越感からくるもの。 ところが、弟に負けるはずがない、という過信がもろくも崩れ去る瞬間が。それからのジョーの行動は、まさに等身大の「ザ・お兄ちゃん」って感じで良かったですね。こっそり朝練に行こうとするのなんか、わかりやすすぎ。 最後まで観ると、兄弟愛、家族愛が本当に強かったのは、弟のほうだったのかな・・・とさえ思えてしまう、素晴らしい出来。 素晴らしいスーパーど直球青春映画。最高です。[DVD(字幕)] 9点(2013-05-06 03:51:36)《改行有》 9. ギャラクシー・クエスト ここ数年で見たSF映画の中では、ファンタスティック4の次に好きです。小さい宇宙人がたくさん出てくるところで、けがをしている仲間に「水を飲みなよ。」て水を飲ませておきながらそこへみんなで襲いかかるシーンだけやたら怖かった。あそこだけホラーテイストですね。[DVD(字幕)] 8点(2011-07-08 14:14:37)(良:1票) 10. 危険な遊び(1993) 《ネタバレ》 ホームアローンの主人公がとても危ない人になっていましたね。正直、なぜカルキン演じるヘンリーがあそこまで残虐なことをするのか、その動機はいまいちわかりませんでした。でも面白いです。[DVD(字幕)] 7点(2011-07-06 21:34:15) 11. きっと忘れない 忘れそう。[DVD(字幕)] 3点(2011-07-06 20:45:51)
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