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1. クライシス・オブ・アメリカ
《ネタバレ》 まず、ブツ切り音楽が連続する不快なオープニングから、危険な臭いを感じました。湾岸戦争の謎から始まり、副大統領選にからめたミステリアスな流れは、スリリングになるはずでしたが…いかんせん、主人公・デンゼルが魅力に乏しく、全く興味をそそられませんでした。一体デンゼルは何がしたかったのか?漠然としか伝わってこないのです。それは、この映画全体のストーリーがどこへ向かっているか、全く不明な所によるものだと思います。
湾岸戦争での部隊の謎を解明するのか、副大統領選の陰謀をあばくのか、人間をコントロールするチップを追うのか…全てが中途半端に感じました。そして、結局は「母親が息子をコントロールする」という陰謀(欲望)を核に、企業や政治家の利権がからむという、半端なスケール感の結末。あの手術を湾岸戦争の戦場で行うのに、どれほどの手間や困難、組織力が必要なのか、それを考えると観客が期待するスケールの結末には程遠いと思います。
ほとんど見所や盛り上りを感じられず、最後の30分は眠気と戦うのに疲れてしまいました。唯一良かったのは、やはり多くの方が指摘するように、メリル・ストリープの存在感だったと思います。[DVD(字幕)] 2点(2007-09-09 22:27:26)《改行有》
2. グエムル/漢江の怪物
《ネタバレ》 大掛かりなモンスタームービーとして、かなり力の入った作品で、家族をテーマに、娘を取り戻そうとするストーリーも、なかなか良いと感じました。
しかし、全体の作りとして、いささかまとまりが悪いと思います。多くの方が指摘されているように、ウイルスや米軍の介入などは、必要な要素とは思えず、その分家族間のドラマを描いて欲しかった気がします。冒頭から怪物が暴れまくり、街がパニックになりますが、その危機感が持続しているとは言いづらいのも、マイナス点ではないでしょうか。
オーソドックスな展開として、1.夜中に怪物に襲われて、父親の前で娘がさらわれる 2.父親の言うことを誰も信じてくれない 3.娘から電話があり、家族が団結して助けに向かう 4.警察などと反目しながら、下水の怪物を探し当てる 5.怪物は人々の前に姿を現わし、パニックに陥る というものがまず考えられるが、家族の結びつきや、ラストの怪物退治のカタルシスは、こちらの流れの方がより高まると思います。
気になったのは、随所に見られるコミカルな演出です。病院からの脱出は、コメディ調にして誤魔化しているとしか思えないし、残弾の数え違いが原因で祖父が殺されるシーンは、笑えもしないし、悲しめもしないという、理解に苦しむものでした。
[DVD(字幕)] 4点(2007-02-18 23:08:27)(良:1票) 《改行有》
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