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プロフィール |
コメント数 |
3271 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
監督別鑑賞作品数
成瀨巳喜男 69 溝口健二 34 川島雄三 41 小津安二郎 37 石井輝男 24 豊田四郎 19 石井岳龍 18 矢崎仁司 12 西川美和 8 山下敦弘 15 今泉力哉 21 フェデリコ・フェリーニ 24 ミケランジェロ・アントニオーニ 14 ピエル・パオロ・パゾリーニ 16 ルキノ・ヴィスコンティ 17 ジャン=リュック・ゴダール 36 フランソワ・トリュフォー 24 ルイ・マル 17 ジャン・ルノワール 15 ジャック・ベッケル 13 ジャン=ピエール・メルヴィル 11 ロベール・ブレッソン 12 イングマール・ベルイマン 27 アルフレッド・ヒッチコック 53 ジム・ジャームッシュ 15 ホウ・シャオシェン 19 ウォン・カーウァイ 14 ジャ・ジャンクー 9 |
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41. 元禄忠臣蔵 後編
《ネタバレ》 前篇は、かたぐるしい公の場での出来事が中心であったが、後篇はうって代わって人情劇に。
これが功を奏したのだ。
比較的、分かり易いセリフが増えたせいか、物語に入っていくことができた。
特に討ち入り後の切腹前のシーンは素晴らしかった。
一同は切腹を前にして落ち込むどころか宴会を始める。
死を前にしていくら覚悟を決めたお侍とはいえ、心中穏やかではないはず。
それとも、あだ討ちをしてあとは切腹という制裁を待つだけだから、立派なお侍として気は晴れやかなのか?
どちらかは分からないが、とにかくこの宴会シーンの表面的な騒がしさとその裏に潜む哀しさの対比がとても良い。
死を覚悟した男達の、鬼気迫る宴会シーン。
これは見応えアリの必見シーンだ。
大石内蔵助を演じた河原崎長十郎と、富森助右衛門を演じた中村翫右衛門の二人。
これが何とも素晴らしかった。
『人情紙風船』(山中貞雄)でも共演したこの二人。
本作でも、あの時と負けず劣らずの素晴らしい演技。
特に河原崎長十郎の理屈くさいセリフの数々が、妙に説得力を発揮していて、十二分に引き込まれた。
ところで、本作は最近いっせい発売された溝口健二のDVDをレンタルして観たもの。
それらのDVDには、付録として新藤兼人のインタビューが収録されている。
新藤兼人は本作『元禄忠臣蔵』で“建築監督”を担当していたせいか、他作品に比べ、本作へのインタビューの受け応えはかなりの熱の入れよう。
そして、その話の内容も非常に興味ひかれるものであった。
本編もそうだが、この新藤兼人のインタビューも必見である。
特に驚いたのは、本作の予算。
なんと、当時の映画5本分の予算が本作の江戸城松の廊下のみに使われたというのだから驚き。
国家予算から出ていたとのこと。
これは膨大な数字だが、本作であのセットを見れば間違いなく納得するはず。
はっきりいってズッコケます。
あれを映画のためだけに作ったとは・・・
いくら国家予算とはいえ、溝口健二やりすぎです。[DVD(邦画)] 7点(2007-09-02 23:24:30)(良:1票) 《改行有》
42. 元禄忠臣蔵 前篇
《ネタバレ》 誰もが知っている『忠臣蔵』を、溝口健二が撮った。
それが『元禄忠臣蔵(前篇・後篇)』だ。
前篇と後篇合わせて、怒濤の224分!
しかも私、恥ずかしながら『忠臣蔵』そのものが初体験。
そんな私に果たして本作の224分が耐えられるのか?!
まずはオープニングから。
溝口作品を観るに当たっての楽しみの一つに「オープニング」がある。
特に溝口作品の中でも、時代劇系の作品はオープニングがカッコイイことが多い。
本作は超大作ということもあり、予想通りのかっこよさ。
大体この時代のオープニング・ロールって短くてアッサリ気味のものが多いのだが、本作は違った。
長い長い。
しかも重厚でかっこよすぎ。
しょっぱなから大満足である。
そして本編のはじまりはじまり・・・
しかしいきなり問題発生。
『忠臣蔵』のストーリーを私はほとんど知らなかった。
しかも本作はフィルムの保存状態が悪くセリフが聞き取り不能な部分が多数あったのだから致命傷。
そしてかたぐるしい文語調の昔言葉。
さっぱり分からないのだ。
しかも冒頭から浅野内匠頭が吉良上野介を切りつけてしまうというシーンから始まり、『忠臣蔵』のストーリーを知っている人なら難なく理解できたであろう場面が、その時の私には全く理解できなかったのだ。
結局、前篇が終わるまでストーリーを把握しきれず終了。
このまま後半も終わってしまったらどうしよう・・・という不安に襲われつつ、後篇へ。[DVD(邦画)] 7点(2007-09-02 23:22:45)(良:1票) 《改行有》
43. 夏至
撮影を担当するのは、リー・ピンビン(マーク・リー)。
彼が撮影を担当した作品の中で、既に私が観たのは『花様年華』『フラワーズ・オブ・シャンハイ』『珈琲時光』『ミレニアム・マンボ』『戯夢人生』等で、意外に沢山あったりする。
しかしそれに気付いたのは、今回の『夏至』を観てのこと。
それまでリー・ピンビンがこれらの作品の撮影担当だったことは知らなかったし、名前すら知らなかったのだ。
彼の映し出す映像は、かのクリストファー・ドイルを思わせる。
上の作品群を見て気付いた方もいらっしゃると思うが、『花様年華』はドイルの代表作の一つだ。
じゃあなぜリー・ピンビン?となると思うが、『花様年華』に関しては二人で撮影を担当している様だ。
ドイルは『地球で最後のふたり』を観て以来ファンだが、この『夏至』を観てリー・ピンビンのファンにもなってしまった。
『青いパパイヤの香り』はまだ荒削りの感じがあった。
トラン・アン・ユン監督の描く、いわば“癒しの映像”がまだ中途半端だったのだ。
しかし今作『夏至』では、その瑞々しき映像が徹底的に追究されている。
これは半端じゃあない。
「ベトナムはきっとこんなには美しくないんでは・・・」と、余計なことを考えてしまうほどの、息をのむ美しさなのだ。
ストーリーは何てことのないものだし、正直、途中で少し眠くなってしまう様な内容だ。
しかし、この監督の描き出す「ベトナムを超越したベトナム」と、リー・ピンビンによる「美しすぎる映像」とが、それを帳消しどころかプラスにしてくれる。
特に三女とその兄とが暮らす部屋のインテリアは、“素晴らしい”の一言。
この部屋のインテリアを観れただけでも、この作品を観た価値があったと思える程だ。
その色合いの美しさに圧倒されてしまった。
よく、「映像だけ素晴らしい映画は映画とはいえない」みたいなことを耳にするが、そんなことは関係ない。
観ていて心地よくなれる映画なら、それでいいのだ。
どんなに名作と呼ばれ、どんなに評判の高い娯楽作品でも、“心地よさ”が得られなければ、私にとってはどうでもいい作品であるからして。
そういう意味でこの『夏至』は、今後繰り返し観ることによって、ぐんぐん点数がアップしていくことになるかもしれない。[DVD(字幕)] 8点(2007-09-01 20:39:50)(良:1票) 《改行有》
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