|
1. イヴの総て
この作品がアカデミー賞を受賞した年に同時にノミネートされた「サンセット大通り」のほうが現在では評価が上になっていて、たとえば淀川長治さんなんかも生前「断然サンセット大通りよ」みたいなコメントをしていたような記憶があるのだけれど、自分はイヴ派。要するに芸能界の内幕モノなんだけど、個々のキャラクターの描き分けがとにかく鮮やかで、群像劇として超一級の出来。無名時代のマリリン・モンローが、まんま「スターを夢見る無名女優」役で出演してます。10点(2003-06-28 05:11:05)
2. 生きる
「羅生門」で自家薬篭中のものとした回想形式を最大限に利用した脚本の構成はたしかに見事。見事なんだけど、小役人批判になっちゃってるでしょ、後半。中村伸郎やなんかが出てきたとたん、志村喬の存在感が薄らいじゃう。通夜の席に悪達者の役者たちをずらっと並べてしまったのがマチガイだったと思う。そのせいでテーマが横滑りしちゃってるんですよね。ヒューマニズム云々なら「赤ひげ」のほうが上。四点はキツイかなーとは思うけど、過大評価されすぎてると思うんで、ま、こんなもんかな、と。4点(2003-06-02 13:03:54)(良:1票)
|