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【製作年 : 1990年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. イベント・ホライゾン 《ネタバレ》 全体的に、雰囲気で押していくような作品で、このような抽象的なホラーは好みではありません。SF全開のスタートに期待が高まったのですが、物語が進むにつれて次第に興味が薄れてしまいました。 『2040年に消息を絶ったイベント・ホライゾン号。ブラックホールの向こう側へと行き、そこで闇を連れ帰ってしまう。その闇は人のトラウマや罪の意識を具現化させる能力をもつ』簡単にまとめるとこういう話なわけです。今作の場合、ミラー館長やウェアー博士、クレア、ジャスティンが標的となります。完全に闇に魅入られちゃったのはウェアー博士のみ。ほとんど人間をやめてしまいます。ただその状態までいっちゃったのがウェアー博士だけっていうのは、何とも物足りない話です。 これだったら、航海日誌の映像に残されていたイベント・ホライゾン号の惨劇のほうが、よっぽど興味をそそられます。 トラウマを完全に具現化させてしまうという素晴らしい発想が、思いのほか活かされきれずに終わってしまったのが残念。いくらでも怖く、スリリングな映画にできそうなのに、肝心の恐怖演出は効果音やBGMに頼りっぱなしになっている印象です。 期待が大きかっただけに、このストーリー展開は残念。悪くはないんですが良くもないって感じの作品ですね。[DVD(字幕)] 5点(2014-05-29 01:34:07)(良:1票) 《改行有》 2. イレイザー(1996) 《ネタバレ》 シュワルツェネッガーものとして、アクションものとして、十分に楽しい良作だと思います。 ジョン・クルーガー(シュワルツェネッガー)は筋肉ばかりに目がいきがちですが、意外と頭脳プレーも頻繁に挟み込んでいて、その辺見ていて小気味良いですね。守られ係兼驚き係のリー・カレンも、そのべたな存在感がこの映画にはぴったり。 EM銃、ワニ、スカイダイビングなど、視覚効果で楽しませる演出がたくさん用意してあるのもとても嬉しい気配りです。 この手のタイプの娯楽映画は、遊園地に行くようなものです。何が出るかは、誰だってある程度の予想はつくわけです。なんとなく予想がついちゃうエンターテイメントだからこそ安心して楽しめるんですよね。超個人的な感想を言わせてもらうと、それがこの作品の最大の長所であり、最大の魅力だと思います。 まあでもね、仮にも連邦保安官達なんだから、さすがに裏切り者が多すぎるでしょうというところは気になりました(笑)それくらいかな。あとはつっこみありきのジャンルですから。それも込みで楽しんじゃいましょー。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-04-13 08:55:04)(良:1票) 《改行有》 3. インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア 《ネタバレ》 人間ドラマとホラーを絶妙なバランスでミックスさせた傑作です。この映画特有の雰囲気を作り上げちゃっているところに、この映画の個性が感じられます。 トム・クルーズのレスタトは、ヴァンパイアという運命を受け入れ貪欲なまでに欲望に忠実であるところに美しさと魅力を感じます。そしてブラッド・ピットのルイスは、人としての魂の輝きが失われないままヴァンパイアとなってしまったその切なく、苦悩する姿にひきつけられます。そして、このレスタトとルイスの相反する個性が、お互いの存在をよりくっきりと鮮明に浮かび上がらせるわけです。相乗効果というやつですね。 更に、この二人だけでも充分すぎるほどの存在感なのに、そこへ登場するのがキルスティン・ダンストのクローディア。てっきりルイスのおまけのような、マスコット的なキャラクターかと思いきや、立派な第三勢力として強く輝きます。 彼女ははっきり言ってレスタト側です。だからこそ、レスタト同様、ルイスに強くひかれたのでしょう。レスタトもクローディアも、人間としての心の最も美しい部分を残したままヴァンパイアとなってしまったルイスのその魂の輝きに、メロメロになっちゃっています。この危ういバランスの三角関係が何とも背筋が寒くなるような緊張感を生んでいる前半が、個人的にはこの映画のハイライトでした。 難を言うならば、前半の完成度が高すぎたために、レスタトが退場になってからの後半がどうしても蛇足気味に感じられてしまうのが残念といえば残念。 もちろん、後半は後半で楽しめるんです。映画としてのエンターテイメント性は十分です。でも前半ほどの魅力が感じられないというか、半減しちゃっている気がするんです。それくらい、レスタト、ルイス、クローディアの3人のドラマが良かったってことなんですけどね。[ブルーレイ(字幕)] 9点(2013-12-09 00:50:50)《改行有》 4. 生きてこそ 《ネタバレ》 「生きる」ということは「食べる」ということなんですね。「生きる」=「食べる」。当たり前すぎて普段何も考えずに享受していることってたくさんあります。食べることなんて、その最たるものですよね。 飛行機が墜落。零下40度。食料は僅か。捜索の打ち切り。この絶望的な状況下で生きるために起こした行動は、きっとそのすべてが正解なのでしょう。 私は、70日間生きるために行動し続けたことが最早奇跡だと思います。この状況下で、70日間生きることをあきらめなかったことに、すごく、すごく、すご~く感銘を受けました。 一日食事を抜いたことがありますが、頭の回転は鈍くなり、力は入らず、気力がわきませんでした。飢餓状態で、最善の選択、最善の行動をとるということは、ほとんど不可能に近いことのはずなのです。にも関わらず、これだけの人数が生還できたということは、彼らはその極限状態の中で限りなく最善に近い選択をし最善に近い行動をとってきたのではないでしょうか。もしそうだとしたら、私が考えているより、人間ってもの凄く強く、そしてものすごく可能性を秘めた生命体なのかもしれないです。 ひとつだけ難を言うならば、どうしても役者さんたちの顔が、後半も生命力に満ちているように見えちゃうんです。時間の経過を感じづらかったです。そのため、臨場感?リアリティ?をやや損なってしまっている部分があるのがもったいない気がします。 最後に、この経験を映画化し、記録として後世に残す決断をくだされた関係者の方々に深い尊敬の念と感謝の気持ちを捧げたいと思います。 [DVD(字幕)] 7点(2013-07-19 02:57:03)(良:2票) 《改行有》 5. 泉のセイレーン 《ネタバレ》 普段無意識のうちに、人は自分の「欲」に関する部分にはストッパーをかけるものです。それは自分の社会的地位であったり、長年の経験で培われてきた良識やモラルだったり、さまざまな心理的制限がそこに働くからでしょう。 ましてや本作の牧師夫婦なんてものは、普通の人以上に倫理感とモラルを求められる存在。その二人が、今までの人生でおそらく関わることのなかった、倫理感やモラルとはかけ離れた芸術家一家としばらく一緒に過ごすわけです。当然、何か起こりそうな予感は最初からしていまして、そして当然何かが起こるのです。 ただそれは、著しく常識を逸脱したものではありません。確かに不倫のような行動もあっちゃうわけですが、どちらかというと精神的抑圧からの解放というほうが本作のテーマに近いと思います。 そういうわけで、決して画的にもストーリー的にも派手な展開にはなりません。かと言ってリアルかと言えばそうでもなく、むしろ後半は精神世界の解放を夢の描写を交えながら幻想的に描きます。 したがいまして、観る人によっては、退屈極まりない映画になってしまうかもしれませんね。僕はそれなりに楽しんで観る事ができました。なんかちょいちょいイギリスジョークみたいなのが入ってくるせいか、みんながぽんぽん脱ぐせいか、出てくる人達がみんな個性的な割に、他者に対して愛情とか思いやりみたいなのを持っているせいか理由はよくわかりませんが、なんか最後まで飽きることなく観られました。 ちなみに最後に一瞬だけ、ちょっとしたサプライズ演出があります。多分そーじゃないかなーとは思っていましたけどね。[DVD(字幕)] 6点(2013-06-16 17:00:27)《改行有》 6. イントルーダー/怒りの翼 《ネタバレ》 トムキャットやイーグルといったいわゆる花形戦闘機ではなく、A6イントルーダーのような地味な攻撃機が好きな方にはきっと楽しめる映画。ずんぐりむっくりの鼻がいかす造形でたまらないです。 地上からの攻撃シーン、まるでゲームのように無数の弾やミサイルが地上から飛んでくる様子はなかなか迫力がありました。かなりきれいな映像で見やすかったのも良かったです。 A6の装備で最も驚いたのはレーダー。今、何から攻撃されているのかまでわかるあのレーダー。すごいです。「ミサイル」とか、「機銃」とか。 A6イントルーダーの魅力がつまったこの映画。ストーリーは確かに今ひとつな部分はありますが、兵器好きな人だったら見て損はないかもです。[DVD(字幕)] 5点(2013-04-25 17:07:48)《改行有》 7. IT/イット〈TVM〉 《ネタバレ》 「もしもこんなスタンド・バイ・ミーがあったら?」のコーナー! ・・・パチパチ。 ってな感じでしょうか。個人的には楽しかったんですけど。 中だるみしそうなところで出てくる恐怖演出。 本人たちにしか見えない幻覚。「本人たちにしか見えない」というのは、当事者たちを精神的に孤立させ、恐怖感や不安感を助長するのでとても良かったです。 それはそうと、ITの正体は「巨大タラバガニ説」と「巨大蜘蛛説」で真っ二つに分かれているようですが、蜘蛛が正解みたいですね。蜘蛛の巣みたいなのにみなさん捕まっていましたからね。 ・・・・んー。最後のオチというか、正体は、正直なんとも思わなかったなぁ。 なんの憤りも感じませんでした。 「おぉ!とうとう正体あらわしやがって!お前がITか!正体あらわした途端急に無口になりやがったな、おい!」 くらいは思いましたけど・・・。[DVD(字幕)] 6点(2012-07-03 12:07:00)(笑:1票) 《改行有》 8. いとこのビニー 《ネタバレ》 チャラチャラして見えるビニーとリサ。ところが中身は二人とも全然チャラチャラしていない、真面目人間。しかも二人とも良い人。更に一生懸命。このギャップが、二人をとんでもなく魅力のあるキャラクターにしているのでしょう。 寝不足で経験不足。実力はあるのだが、ぜんぜん本領発揮できないビニー。 観ている側も、最初は「こいつだめなんじゃ・・・」と不安に。 ところがビルがスタンにビニーを擁護するシーン。 ここでビルは、ビニーが過去に凄腕マジシャンのネタをことごとく看破するエピソードを話します。「ビニーって実はすごい力を秘めているのでは・・・?」と、期待させるのに十分な伏線。 そしてついに・・・!ビニーならではの弁護が炸裂し始めます! この爽快感!最高ですね! 「父が整備工。」「父の父も整備工。」「兄弟も、・・・」のシーン、超笑っちゃいました。[DVD(字幕)] 8点(2012-06-17 12:04:01)(良:1票) 《改行有》 9. インファナル・デイズ 逆転人生 面白くないことはないんですけど、何か物足りない・・・。 アクションとしてはもう少しキレがほしい。 どたばたコメディとしては思い切りが足りない。 サクセスストーリーとしては爽快感が今ひとつ。 ん~。成り行きで二人の生活が上手いこと入れ替わるのはすごく良かったのですが、そのせっかくの設定を生かしきれなかった感じでしょうか。 ・・・面白い。でも何か物足りない・・。 [DVD(字幕)] 6点(2012-06-15 16:39:06)《改行有》 10. インディアン・ランナー 《ネタバレ》 「現代に生きるインディアンランナー」を象徴するフランク。 彼自身がメッセージであり、そのメッセージを運ぶのも彼自身。 兄ジョーがそのメッセージを掴み取った瞬間、そのメッセージはいつも間一髪で手からすり抜けます。 ジョーがフランクを刑務所に迎えに行ったとき。 フランクに仕事を紹介し、結婚式をあげたとき。 バーで喧嘩をしたフランクを、わざと相手に殴らせて救ったとき。 ・・・車の中での二人の会話で、ジョーも私たちもフランクがもはやランナーではなくなったと錯覚したはずです。もうフランクは大丈夫だと。 ですが、ジョーと一緒に私たちも忘れていたのです。子供が生まれることを。 フランクにとっての最後の試練。 そして、ここを救ったのもジョーの存在でした。ジョーは畑を耕しているときに見つけた、おそらくは「インディアンの矢じり」で手のひらを切り裂きます。そして言います。「これがすべてだ!」と。正直何のことやらわかりません。しかし、フランクには伝わりました!ここ大事です!フランクは結婚指輪を再びはめ、バーを出ようとします。最後の試練を乗り越え、ランナーではなく父親として生きていくことを決意した瞬間・・・ ところが、バーのマスターが、無造作にジョーが流した血を拭き取ってしまいます。 これさえなければ・・・ ハッピーエンドで終われたのに・・・ 椅子で殴打するシーンに、交互に挿入されるインディアンランナーは、他の全てをシャットアウトしたフランクの純粋な感情の爆発をイメージしているのでしょう。 今回の点数は、映画のクオリティに対するものではなく、どうしても終わり方に納得がいかないという意味での採点です。 ちなみにこの映画は娯楽作品ではありませんので、観賞する際に注意力、理解力、想像力、記憶力が要求されます。ですので疲れます。 [DVD(字幕)] 5点(2012-05-28 03:25:16)《改行有》 11. いつか晴れた日に とても心がきれいな人たちと、ちょっぴり心が貧しい人たちと、ひたすら普通の人たちの共演。これは、近代ヨーロッパを舞台にした、一昔前の少女漫画的なストーリーじゃないですか?テンポが速いわけではありません。ですがなぜか飽きない奇跡のバランス。飽きなかったひとつの原因は、ところどころに、人が気になるような謎を入れているからですよね、きっと。エドワード・フェラース(ヒュー・グラント)やウィロビーが何故会いに来ないのか、その理由が知りたくなってしまいましたからね。とても面白い映画なのに、なぜか人に薦める気にはなれません。でも間違いなく面白いです。でも、お薦めするほどではありません。 でも、見ないと損するような気もします。[DVD(字幕)] 8点(2011-07-09 19:41:08)(良:1票) 12. 依頼人(1994) 《ネタバレ》 この映画は、法律や裁判に疎い方でもわかりやすく盛り上がれるように作られています。序盤の、少年とスーザン・サランドンと検事達のやりとりは爽快感があります。もちろん、凄腕の検事グループがあのような取調べをするはずはありませんが、そこで検事達も道徳的かつ優秀にしてしまえば、映画としてはきっと面白さを損なうと思います。目の肥えた映画評論家からのつっこみ覚悟で、あんなあほな検事グループにしたことで、見ている人たちを楽しませる、映画人のサービス精神を感じます。おかげさまで、前半から中盤にかけては完全に少年の心理で見ることができて、ハラハラドキドキイライラムズムズしました。後半は正直すんなり事が運びすぎたことと、お約束的な展開でちょっと退屈な部分もありました。そういえば、証人保護制度の存在は、この映画で初めて知りました。この映画のためだけの制度ではありませんよね?[DVD(字幕)] 8点(2011-07-09 11:15:38) 13. 妹の恋人 《ネタバレ》 「恋しくて」のメアリースチュアートマスターソンだ!このサイトを見るまで気付きませんでした。雰囲気が違いすぎて。アイロンでパンを焼くシーンが最高に面白い。しかも、最後その秘伝の技を教えていました。僕も教えてほしい。[DVD(字幕)] 7点(2011-07-06 21:20:36)
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