|
1. 最後の人
《ネタバレ》 う~ん、まさに服装が人を作るとはこのことでしょうか…。制服を着ている時の主人公は威厳のある大男だったけど、それを脱ぎ捨てた瞬間あたかも化けの皮が剥がされたかのように酷く醜い存在に思えてきました。「サイレント映画は一つの形式としてほぼ完成形を極めていた」という先達たちの言葉通り、スポークンタイトル一つ表示されないこの映画は映像と役者の動きだけで実に巧みに物語を展開していきます。制服を盗んだことから罪の意識に苛まれホテルが倒れてくる幻覚を見るところや、白昼の夢のシーンなど、フリッツ・ラングと言い昔のドイツの監督たちはイマジネーションの止まるところを知らなかったのでしょうか。どんなに凄い人間でも肩書きを破ればただの人ということを教えてくれる、全ての映画の基本サイレントから学ぶべきことはまだまだ多いです。[ビデオ(字幕)] 9点(2005-07-29 19:09:02)(良:1票)
2. 裁かるゝジャンヌ
もう邦題から凄すぎる、裁かるゝって…。感想はジャンヌ・ダルクが一日で一気に老けたという感じ。最初は呑気にミカンなんか食べながら観ていたのだけど、皮を捨てに行こうにも矢継ぎ早に画面に繰り出されるショットがあまりにも強烈すぎて、リモコンのストップボタンが押せず結局そのまま最後まで観てしまいました。映画というよりは写真を連続で見せられているという印象が強かったけど、ラスト数十分間の流動感あふれる映像はやはり映画ならではのものだと感じました。火刑に処されているジャンヌを見て涙する人々のカットはあまりにも感動的、というか壮絶。壮絶と言えば主演のルイーズ・ルネ・ファルコネッティ、まるで実録としか言いようがないほどの熱演(というかそもそもあれは本当に演技なのか?)。「ジャンヌよ、貴方は一体何を見つめているのですか?」、、今はもうしばらくこの衝撃を噛み締めていたいので一先ず7点で採点します。7点(2005-02-06 12:54:14)(良:2票)
|