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【製作年 : 1970年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. サンダカン八番娼館 望郷 《ネタバレ》 山崎朋子さんのノンフィクション小説「サンダカン八番娼館」の映画化であり、栗原小巻さん演じるルポライター三谷圭子さんは、まさに山崎さんその人であろう。彼女は女性史研究の第一人者であり、この小説によって「からゆきさん」を広く紹介した。 戦前の日本の恥部とまで言われ海外で働くことになった娼婦たち。映画は田中絹代、高橋洋子の二人のおサキさんによって、つらく悲しく物語られる。そこには私たちが目を背けてはならない「からゆきさん」の実態がある。 しかし、この映画はそれだけではない、人間が何を信じどう生きるかを教えてくれているようにも思う。 映画の最初の方で、田中絹代さんが栗原さんのことを息子の嫁と紹介するが、映画が進むにつれ、なぜ嫁と言ったのかわかってくる。そして圧巻なのがラスト近くの栗原さんが明日帰ると田中さんに告げた場面だろう。「私の素性を聞こうともしなかった」「人には都合というものがあるじゃろう。」このあたりになると私は何度見ても涙が止まらない。 誰かが言った、「役者は演じるのではなく、その役になりきることだ」と。[映画館(邦画)] 9点(2011-07-01 23:52:08)《改行有》 2. サブウェイ・パニック まず言えるのは、見事な落ち、あっぱれ! サスペンスであり、パニック映画でありながら、全編を通じてのコミック感、映画の作りがすばらしい。緊張感を欠くことなく、ウォルター・マッソーの公安局警部補と犯人たちとの知恵比べもおもしろい。人物描写もすばらしく、最大興味は、あの地下鉄のトンネルからどのように犯人たちが逃走するかだったが、それも見事。いろいろな分野をすべて兼ねそろえた映画、お勧めの1本! [映画館(字幕)] 8点(2012-04-18 23:23:37)《改行有》 3. サスペリアPART2 《ネタバレ》 この時代のホラー・サスペンス、「キャリー」「オーメン」とともに好きな映画である。もともと残酷なものやオカルト的なホラーが嫌いな私が好きになった理由は、サスペンス的要素が強いからだ。中でもこの「サスペリアPART2」はホラーとサスペンスがほどよくミックスされ、秀作だと思っている。 この映画を見たのは30歳を過ぎてから、キャリーやオーメンより先に制作されたにもかかわらず日本公開が遅れ、直接関係のない「サスペリア」の続編であるかのようにして上映された。 この映画のあの奇妙で印象に残る独特な音楽とからくり人形は、予告編からして私を引きつけるのに十分だった。そして本編ももちろんのこと・・・。 むろん殺され方が残酷な場面もある。特に犯人の身体が切断されるところでは、思わず目をつぶった。だが何という映画構成だろう、随所に伏線がちりばめられている。それだけでなくDVDでくり返し見てみればわかるが、最初の事件の鏡のように親切にも犯人は○○ですとちゃんと描かれている。見事である。 ところが逆に、えっあの人が犯人? どうして主人公より先回りができるのだ、どうしてあの男まさりの力が出るのだ、ありえないという疑問も出てくるだろう。私も最初はそう思っていた。 しかし後年DVDで何度も見ているうちに、なるほどこれがホラーなのだ、これをサスペンスとしてしか見ないから疑問に思うのだということがわかった。 最初に被害に遭った女性が超能力の持ち主であったように、犯人もそうだったと思えば辻褄が合う。そもそもの発端は、超能力のため変人と思われ、無理矢理精神病院に入れられようとしたので夫を殺害した。そして、その現場を見た子どもがトラウマになったと解き明かされているではないか。 [映画館(字幕)] 8点(2011-05-14 05:21:49)《改行有》 4. サンチャゴに雨が降る 《ネタバレ》 9.11といえば米国の同時多発テロを指すのが普通だが、中南米諸国では1973年に起こったチリクーデターを指すらしい。世界で初となる自由選挙で誕生した社会主義政権が、米国の支援を受けた軍事クーデターによって倒されたのだ。「ミッシング」などの映画を通じてチリクーデターについては大方知っているつもりだったが、この映画はクーデターそのものを描いており、生々しさは半端ではない。また外国人記者の目を通して、アジェンデ政権の誕生から軍事政権の弾圧迫害までもつぶさに伺うことができる。なおチリ国民に呼びかけたアジェンデ大統領最後の演説は本人自身のものであり、映画を見る者にも感動を与える。映画を見るまでは、クーデター当日は大雨だとばかり思っていたが、危険が迫ったことを知らせる放送局の暗号だとは知らなかった。[DVD(字幕)] 7点(2017-07-18 13:18:12) 5. 讃歌 原作は春琴抄だが、作者が春琴の家で働いていた女中にインタビューするというおもしろい形で作られている。わがままな娘とひたすら尽くす男という点は痴人の愛とも似通っている。いわゆるSとMと言ってしまえば通俗的になるが、それを耽美な世界として表現しているのが谷崎文学。渡辺督子の裸体は非常に美しい。[映画館(邦画)] 7点(2015-05-15 11:00:51) 6. サタデー・ナイト・フィーバー ビージーズの歌は当時大ヒットしていたけど、トラヴォルタに関してはあまり知られてなかったと思う。第一ダンス自体が品のないもののように思われていたし、トラヴォルタという若者も腰をくねくねと動かす妙な奴という感覚だった。それが映画とともにずいぶん印象が変わったと思う。またフィーバーという流行語さえ生まれた。 映画も若者たちがただ踊る青春映画でなく、ハドソン川を隔てたマンハッタンとブルックリンの街の違いや当時の若者たちの社会を表して意外と良かったと思う。 [映画館(字幕)] 6点(2012-08-06 23:08:42)《改行有》 7. 39階段 (1978) 《ネタバレ》 DVDのジャケットには、「ヒッチコックの傑作『三十九夜』をリメイク」としてあるが、見れば一目瞭然、ヒッチコックのとはかなり違う。(別物と言っても良いと思うくらい) 調べてみると原作小説(ジョン・バカンの「三十九階段」)は同じあっても脚本がまったく違う。もちろんヒッチコックが断然有名だけど、原作の小説に近いのはこっちの方だと思う。(ただし記憶の達人は登場しない) 映画はギリシャ首相暗殺計画を巡って、ロバート・パウエル演じるハネイは警察と暗殺一味の両方から追われスリリングな展開となるが、ラストのビッグベンのシーンはやや現実離れ。途中で牧師を襲ったり浮浪者の帽子を取ったりするのはどうか。[DVD(字幕)] 6点(2012-02-02 14:51:03)《改行有》 8. さらば夏の日 若い頃はたくさんの映画を見たが、これもその中の一つ。派手な映画ではないが、フランシス・レイの甘いメロディーに乗って、ロマンティックなムードが漂う。またある時は、そのメロディーが切なく響く。実に印象的だった。何十年もたってDVDを購入し、その頃の感傷に浸った。[映画館(字幕)] 6点(2011-08-30 18:44:36) 9. サスペリア(1977) PART2がサスペンスならば、これはまさしくホラー映画。残酷なシーンは大嫌いで見たくないはずなのにまたまた見てしまったのだが、嫌いな映画なのに私を惹きつける何かがある。人はゴブリンの音楽だというが私にはうるさいとしか感じられないし、ジェシカ・ハーパーの魅力かな。[ビデオ(字幕)] 5点(2017-05-18 15:47:23) 10. さよならエマニエル夫人 《ネタバレ》 夫婦の間に女性を加えて3人で愛し合ったり、別の夫婦を加えて4人で交わったり(4Pと書くと下品になるのでこうは書かない)、自由な恋愛とセックスは前作、前々作で確立されたはずだった。お互い干渉せず焼き餅を焼かず、そして秘密を持たない。そういう夫婦の主義が、映画監督グレゴリーの出現によって崩れる。今まではセックスは楽しむためだけのものと思っていたエマニエルが、グレゴリーに対して最低の人と思ってしまったのだ。これは裏を返せば彼を相当意識したということに他ならない。エマニエルもそしてまた彼女の変化に気づいた夫ジャンも、初めて嫉妬という感情が芽生える。そしてさよならエマニエル夫人となるのだが、忘れていた昔の自分に戻ったのか、一時的な気の迷いなのだろうか。少なくともジャンはまだそう信じているみたいだ。 今までのエマニエル夫人はストーリーがあってないようなものだったが、今度のは結構ストーリーがはっきりしていて良かった。しかし同じようなストーリーの繰り返しでは続かないと見て、監督が終わらせたのだろうかとも思うが定かではない。 それはそうと、昔映画館で見たときは肝心な部分がぼかされていたが、ヘアー解禁になったせいか、DVDではしっかり拝めるようになった。時代も変わったものだ。[映画館(字幕)] 5点(2012-04-28 22:14:15)《改行有》 11. 三銃士(1973) 豪華キャストなのにドタバタしすぎて軽薄に思える。コメディなのだろうが、笑えない。[映画館(字幕)] 4点(2013-03-01 15:53:37) 12. サマータイム・キラー オリビア見たさに見た映画であったが、結果的には記録的大失敗だった。もともと殺し屋というのが嫌いな上に、ストーリーもまったくおもしろくない。誘拐した娘と恋に落ちるという設定も安易だ。 ところでクリス・ミッチャムだが、ほんとに親父に似ている。いや親父以上に甘いマスクだ。それゆえ黒眼鏡をはずしたらまるで殺し屋に見えない。また警察側のカール・マルデンもさえないし・・・。[映画館(字幕)] 3点(2011-08-31 21:22:57)《改行有》 13. さらば冬のかもめ 40ドルを盗もうとしただけで8年の実刑もおかしなことだが、その囚人を護送する水兵はもっとおかしい。狂っているとしか思えず、そういう異常な神経を作り出すのが米国の軍隊なのだろう。途中でお経を唱えれば願い事が叶うというとんでもないまちがいまでする始末。もうその後の筆おろし?に至っては開いた口がふさがらなかった。 こういうおかしな社会を映画にするのもどうかとは思うが・・・。 「カッコーの巣の上で」が良かっただけに、非常に残念だった。(日本公開は順序が逆)[映画館(字幕)] 2点(2012-08-02 14:49:10)《改行有》
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