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81. 将軍たちの夜 《ネタバレ》 クリストファー・プラマー目当ての鑑賞。「待ってました~、オトコマエ~」と座り直した途端に・・・流れ星のような存在でした。 1942年ナチスドイツ占領下のワルシャワで起きた娼婦猟奇惨殺事件。目撃者の証言をもとに絞られた容疑者はガプラー大将、タンツ中将、カーレンベルク少将。上官であっても犯罪は許さないという執念で捜査にあたる情報部少佐グラウ。1944年ヴィシー政権下のパリに舞台は移り異動してきた容疑者たちとグラウが顔を揃え第二の事件が起きる。1964年ハンブルグに舞台は移り第三の事件が起きる。 ワルシャワロケにおける実際の火炎放射器、戦車の砲弾を使用したど迫力の戦闘シーン、ハルトマン伍長とガプラー大将の娘の純愛、グラウとモラン警部の友情、ワルキューレ作戦。詰め込み過ぎのエピソードのせいで冗長になったのは惜しい。 謎解きの面白味は皆無でありながら、大量殺人が行われている戦時下に於いては一人の娼婦殺人の罪を問うグラウは変わり者だと錯覚する事を考えさせられる。 本作を支配するタンツ中将の空前絶後の怪異なキャラクターは特筆もので演ずるピーター・オトゥールに拍手喝采。[DVD(字幕)] 7点(2017-11-03 21:09:48)《改行有》 82. シャイン 《ネタバレ》 幼少時から父親に勝つことを義務付けられ、鬼気迫る名演奏を披露した直後に精神が崩壊してしまった天才ピアニスト。父親からの抑圧はさぞ苦しかった事でしょう。回復後の演奏で喝采を浴びて流す嬉し涙が胸に迫ります。長い暗闇の中でも光を浴びれる日が訪れる事を信じられる作品です。[DVD(字幕)] 7点(2017-09-30 23:50:07) 83. 終着駅 トルストイ最後の旅 秘書ワレンチンの目を通して語られるトルストイ夫妻の愛憎劇。深い絆で結ばれているのに、互いの価値観を振りかざして折り合えない姿がもどかしい。激情の根底に愛情があるソフィアを演ずるヘレン・ミレンの名演に釘付けでした。[DVD(字幕)] 7点(2017-07-30 22:07:02) 84. 人生劇場 飛車角 《ネタバレ》 初見。描かれる義理と人情。人情が三角関係のメロドラマであったが為に二つを秤にかける切なさがあまり感じられなかった。生き残る健さんしか見た事がなかったので人力車もろとも放り捨てられた最期に仰天。同様に放り捨てられるであろう鶴田浩二の最期を想像させるラストショットに加点。[DVD(邦画)] 7点(2015-05-06 01:23:24)(良:1票) 85. 銃殺(1964・英) 《ネタバレ》 家族への戦死通知。「戦死」の一部始終を観た者としては不条理な組織で果たす義務のやり切れなさに鬱々とさせられます。銃殺隊は義務を果たさなかったのか? あの演出は無理のあるやり過ぎなもので減点です。[DVD(吹替)] 7点(2015-03-21 01:05:33) 86. 十戒(1956) 人種がヒトを隔てる理不尽さを見せつける、モーゼがエジプトを追われるまでは見応えがありましたが、それ以降は苦痛に耐えての鑑賞でした。やられたらやり返す、正当防衛と言わんばかりに殺してしまう。そんな神さんが起こす奇跡に崇高さは感じられずオカルトチックなご都合主義に萎えました。老若男女、アヒル、羊、牛等の大移動のド迫力の映像とエドワード・G・ロビンソンのお姿を拝めたところに加点。[DVD(字幕)] 7点(2014-02-04 01:59:23) 87. 処女の泉 《ネタバレ》 信仰心厚いテーレは常々一家を悪の手よりお守りくださいと祈ります。最愛の娘が山羊飼い兄弟に受けた仕打ち。丹念に描かれていて思い出すと吐き気がします。厚顔無恥が災いしてテーレにばれてしまいます。このシーンも丹念に描かれていて母の絶望を思い出すと血圧計が振り切れます。テーレは悪に対する復讐を果しますが、無辜の幼い末っ子まで亡き者にしてしまいます。これもまた悪。神に縋っている姿とそれに応えたかのようなラストに少し違和感がありました。インゲリの存在価値が不明だったのが残念でした。[映画館(字幕)] 7点(2013-08-23 22:53:57) 88. 主婦マリーがしたこと 《ネタバレ》 やりたい放題が過ぎたマリーに何の同情も湧きませんが受けた罰が斬首刑とは理不尽です。亭主の報復が強烈でマリー亡きあと甲斐性無しが子供らを育てる事が出来るのか。後味の悪さが残る作品です。[DVD(字幕)] 7点(2013-04-29 11:33:35) 89. 白バラの祈り/ゾフィー・ショル、最期の日々 常軌を逸して喚きまくる裁判長が下す判決は予想通りで、この理不尽さはナチスものの定番。本作で特筆すべきはモーア取調官。酷薄さを漂わせながら理詰めで追いつめてゆきながらも、じわじわと追い込まれてゆく葛藤が滲む姿。ゾフィーとの対決は圧巻でした。実話とはいえ、犯行の計画と実行と発覚が全く物足りないのが残念です。 [DVD(字幕)] 7点(2013-04-28 00:37:53)《改行有》 90. 昭和残侠伝 唐獅子牡丹 しっかりしたストーリーを、強欲ながら石工魂が垣間見られる親爺と知性の「ち」の字もないアホ息子ども(特に山本麟一がいい仕事をしています)の悪方陣が盛り上げています。善人役で特筆するのは三田良子。漂う気品に見惚れました。残念だったのは池部良の役どころで、何時もの厭世観が感じられなかった点です。[DVD(邦画)] 7点(2013-01-28 02:23:56) 91. ジャガーノート 《ネタバレ》 曇天の荒海へ降下の際の臨場感、爆弾解体の緊迫感は特筆ものの素晴らしさ。一方、登場人物の掘り下げの浅さに比例した物語の深みのなさが残念。数ある突っ込みどころで目を瞑れないのがクライマックスの切断シーン。あれが判断違いであれば部下達も揃って吹き飛ぶことになります。余談ながら「マクレオド警視は誰かに似ている、誰に?」の答えを知り「若いっ、ふさふさしてる」仰天しています。[DVD(字幕)] 7点(2012-10-07 23:28:24) 92. 昭和残侠伝 吼えろ唐獅子 鶴田、池部、高倉そろい踏みの、痛みがヒシヒシと伝わる大立ち回りの迫力。「義理」「筋を通す」事の苦悩。これ等をシリーズ中最も感じた本作。惜しむらくは物語の発端が駆け落ちであった事で今一つグッと迫ってくるものがありませんでした。[DVD(邦画)] 7点(2012-06-09 14:16:44) 93. 昭和残侠伝 破れ傘 筋を通そうとした者が命を落とす滅びの美学に惹かれる本シリーズ。今作では安藤昇にそれを見ました。特筆すべきは鶴田浩二の物凄い存在感。侠客とは、男の中の男とは、かくあるべしと見せつけます。風花コンビが霞んでいました。[DVD(邦画)] 7点(2012-06-03 13:29:22) 94. 死に花 《ネタバレ》 人も羨む悠々自適の毎日を送る老人が咲かせようとした死に花。優雅な悪巧みの成功譚は突っ込みどころ満載ですが名優達が醸し出す人柄にそれほど目くじらをたてることもなく。一方で目に焼き付いて離れないのが遠山貞子が咲かせた大輪の死に花。空前絶後の衝撃的なショット。生きていく張り合いや喜びについて考えさせられました。[DVD(邦画)] 7点(2012-05-24 19:24:00) 95. 昭和残侠伝 血染の唐獅子 今作の風花コンビの絡みは道行きを始めとして今一つ趣きに欠けていました。しかし、 本シリーズが魅せてくれる滅びの美学を存分に堪能できました。今作では竹>染次>風間重吉でありました。個人的に苦手な津川雅彦が唖然とするほどの男振りで、文代の「あんたも行くの」に答えた台詞に涙腺決壊寸前となり、「三社祭の馬鹿踊りだいっ」に鳥肌が立ちました。[DVD(邦画)] 7点(2011-12-23 03:55:09)《改行有》 96. しとやかな獣 団地の一室二間を舞台としたホームドラマ。工夫を凝らしたカメラワークは飽きさせないもののそれ以上の意味を感じません。「獣」と言うよりは飼育ケースの中の食虫植物のよう。気味が悪くて薄汚いと見るか、種の保存の為の堂々とした営みと見るか、結論が出ません。始終交わされる会話の、お上品ぶって取り澄ましてのご丁寧な言葉遣いであっても、中身は恥知らずの下劣である様子から、監督の軽蔑が「しとやかな」に込められているように思えました。本作に限っては若尾文子は山岡久乃の軍門に下っていました。上には上がいるものです。恐るべし。[DVD(邦画)] 7点(2011-06-19 15:48:15) 97. シンドラーのリスト 7,8年前の年明け早々の深夜に一人で観ました。子供がトイレに逃げ込んだら子供で満員状態、その中の一人が「出て行け」と言うシーンに泣きそうになりました。このシーンのために以降一度も本作は観ていません。所長を始めとするナチスの行為。平時ならごく普通の精神の持ち主が戦争という状況ではどんなことでも何とも思わずにやってのける事を、数ある戦争ものの中でもイヤというほど見せ付けます。そのような皆を狂わせる戦争の空間に於いて、聖人君子でないシンドラーが自らの立場で精一杯自らの意志を通した事に千金の重みを感じるのです。[ビデオ(字幕)] 7点(2009-11-20 02:21:08) 98. 邪魔者は殺せ 安易に通報出来ない市民と恋は盲目状態の彼女が醸し出す緊迫感を単に役立たずでヨタヨタしているのみの主役がかき消しています。虚無感漂う良質な映像や音楽に生煮えなストーリーが応えていない所が非常に残念です。 2018.10.15再見 ジェームズ・メイソンに対して大それた物言いをしていた自分に驚きます。言い方は改めるとしても感じた事は前回同様でした。ただ、ジョニーのする事をも含めて一途に愛したキャスリーン最期のシーンの切なさ極まる演出にプラス1点。[DVD(字幕)] 7点(2009-08-23 03:48:54)《改行有》 99. 紳士協定 《ネタバレ》 個人の価値観や人となりを知らない状況で、人種や宗教、(職業にも言えます)でのみの判断で見下して優越感に浸る事の愚かさ、それを無垢な子供達に刷り込む事の罪深さ。紳士協定という言葉の響きと実態の乖離を突きつけられます。主人公が自ら望んだ8週間のユダヤ人生活は、「被虐ごっこ」の如きは言い過ぎとしてもどこか上からな目線を感じて釈然としません。最後の方でユダヤ人である友人が語る「君はその時どうした?・・・口に出した?」に、体験ではなく生涯ユダヤ人である事実の重み、思う事から実行する事への一歩の距離の長さを知らしめられます。[DVD(字幕)] 7点(2009-08-10 16:08:32) 100. シャレード(1963) 予備知識はヘップバーン出演と音楽。初鑑賞。25万ドルの行方は、犯人は、2日間で3回名前が変わるグラントの正体は?全貌が明らかになるまでの展開は見応えがあり、マッソー・コバーン・ケネディの一癖も二癖もあるキャラクターの味わい深さも併せて、サスペンスものとして見事な出来映え。一方、作品の最大の魅力であろう主役二人のロマンス部分は、小粋な会話が上滑りしているように感じ、いまひとつ。その部分を差し引いても作品全体としては満足のいくものでした。センスの良いオープニングとエンディングが印象に残ります。[DVD(字幕)] 7点(2009-05-03 15:57:08)
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