みんなのシネマレビュー |
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161. 灼熱の魂 内戦での憎悪の連鎖が生み出す残虐なシーンが満載。更に、テロ行為の報いであっても、これ以上の出来事はこの世には無いと思うあまりにも残酷な真相に言葉がありません。宗派の対立が端を発しているならば神とは一体何なのかとの思いが募りました。ストーリー展開の巧みさが見事な作品でした。[映画館(字幕)] 8点(2012-03-25 10:48:29)(良:1票) 162. ジョニー・イングリッシュ いやぁ、もう、声を上げて笑い通しでありました。勘違い→気づく→取り繕う 部下の存在も相まってこのサイクルがサイコー。それにしっかりとしたストーリーがあり、アクションシーンもなかなかなもの。そして嫌味で大層な悪巧みを企むジョン・マルコビッチ演ずる悪役が何ともいえない味わいがありサイコー。これぞコメディと言える快作です。[DVD(字幕)] 8点(2012-03-11 03:34:05) 163. 昭和残侠伝 死んで貰います 阿漕さに欠ける悪方、淡白な情の絡み。琴線に触れないパッとしない作品でした。「所詮畳じゃ死ねない」因果な稼業を認識させられた重吉さんが見せた滅びの美学に加点。[DVD(邦画)] 5点(2012-02-17 18:18:41) 164. 昭和残侠伝 唐獅子仁義 私がシリーズに惹かれる「滅びの美学」を本作では感じられませんでした。本作の収穫は重厚な存在感を見せてくれた志村喬。滅びの美学なんぞありゃしないと逝った姿が印象に残ります。[DVD(邦画)] 5点(2012-01-27 11:56:28) 165. 昭和残侠伝 血染の唐獅子 今作の風花コンビの絡みは道行きを始めとして今一つ趣きに欠けていました。しかし、 本シリーズが魅せてくれる滅びの美学を存分に堪能できました。今作では竹>染次>風間重吉でありました。個人的に苦手な津川雅彦が唖然とするほどの男振りで、文代の「あんたも行くの」に答えた台詞に涙腺決壊寸前となり、「三社祭の馬鹿踊りだいっ」に鳥肌が立ちました。[DVD(邦画)] 7点(2011-12-23 03:57:28)《改行有》 166. しあわせの雨傘 《ネタバレ》 「飾り壺」と自虐する満ち足りた暮らしをしている社長夫人。何の困難もなく社長になり議員になりメデタシメデタシ。からりとしたコメディタッチのストーリーに目くじらたてることはないのですが、お若い時からやりたい放題なさっているのを見ると白けてしまいます。「終電車」で共演した二人、30年の時を経て、ブクブクに肥えたドパルデューは痛々しく正視に耐えなかったのに対して、まろやかで艶やかなドヌーヴは一見の価値がありました。[DVD(字幕)] 5点(2011-12-04 17:11:30) 167. シャンハイ(2010) 脚本に深みが無い為に、サスペンス・ミステリー・ドラマ・ロマンス全てが味わい薄いものでした。いぶし銀の役者が揃っていたのに各々の好演が活きていないのが何とも勿体ないことです。[映画館(字幕)] 5点(2011-08-31 23:19:10) 168. 仕立て屋の恋 「愛されずとも愛する」「愛されても愛せない」想いが描かれた作品が数ある中で、本作は私にとって最上です。愛した人が他の人を心底愛しぬいている。その姿を見せつけられ悲しみや苦しみにのたうつ時、その思いから逃れたいため憎しみが沸き起こってきそうな時、仕立て屋イールの生き様が思い浮かびます。彼はどんな状況であろうと愛する事を喜びと感じ、どんな結果になろうと「止む無し、悔い無し」と割り切れたのです。本作から最近考えさせられる事が、残りの日々を負の感情に支配されたまま過ごして生涯を閉じるのか否かという事です。やはり後者でありたい。ならば、どう生きるかであって、どう思って欲しいかではないのでしょう。 【前回の変更から4年が過ぎて思うこと】人を好きになる、なれないは理屈ではない事を達観できるには時間がかかります。イールを見て直ぐにイールにはなれないものです。[DVD(字幕)] 10点(2011-08-13 11:47:51) 169. しとやかな獣 団地の一室二間を舞台としたホームドラマ。工夫を凝らしたカメラワークは飽きさせないもののそれ以上の意味を感じません。「獣」と言うよりは飼育ケースの中の食虫植物のよう。気味が悪くて薄汚いと見るか、種の保存の為の堂々とした営みと見るか、結論が出ません。始終交わされる会話の、お上品ぶって取り澄ましてのご丁寧な言葉遣いであっても、中身は恥知らずの下劣である様子から、監督の軽蔑が「しとやかな」に込められているように思えました。本作に限っては若尾文子は山岡久乃の軍門に下っていました。上には上がいるものです。恐るべし。[DVD(邦画)] 7点(2011-06-25 20:17:17) 170. 少林寺木人拳 当時、ジャッキー・チェンの3本立てを観て、この作品だけ記憶に残っていました。その後、数多くの彼の作品を観ましたが、この作品が最高です。師を敬い、人間離れした修行に一途に励む姿。「何故、殺したんだ」と搾り出すように叫び、師に立ち向かう姿。「小僧強くなったな」と迎え撃つ師。バックに流れる「ミラクルガイ」に、そして、若きジャッキーの面持に切なさを一層かき立てられてしまいます。[映画館(字幕)] 8点(2011-03-20 21:52:18) 171. 沈まぬ太陽 山崎作品に共通する、職場で筋を貫き通す男とそれに振り回される妻子。本作では鈴木京香演ずる妻の静かな強靭さが一家を支えているように見えました。会社更生法を申請するに到る事を作者は予見していたのかと思わせる私欲に塗れた幹部と政治家、官僚達。こういう連中が淘汰されて再建を果たせれば正直に真面目に働いてこられた方々が報われるのに、と思いました。原作の第三巻以降は未読なせいもあるのかラストに唐突さを感じました。ただ、恩地に自身の辛苦を「取るに足りないもの」と語らせるご遺族の胸中を思うと生ある有難味を感じさせられます。[DVD(邦画)] 6点(2011-02-13 15:46:41) 172. 死刑台のエレベーター(1958) 気だるい雰囲気に覆われているものの話の中身自体は取るに足りないものでした。ただ、ラストで二人の悪事がそれと共に浮かび上がってくるシーンに、空気を切り裂くような出来事をも淡々と見せるルイ・マル監督テイストを味わえました。[映画館(字幕)] 5点(2010-12-18 11:01:42) 173. シッピング・ニュース 全編を通して、これ見よがしな悲痛な出来事のてんこ盛り状態。映画とはいえ現実離れが過ぎているように感じました。一方で展開と結末はそれに反比例して棒読みの如き味わい無きもの。多数出演しているいぶし銀の俳優、風景に溶け込んだ音楽が活きておらず残念です。[DVD(字幕)] 4点(2010-01-17 02:31:38) 174. シンドラーのリスト 7,8年前の年明け早々の深夜に一人で観ました。子供がトイレに逃げ込んだら子供で満員状態、その中の一人が「出て行け」と言うシーンに泣きそうになりました。このシーンのために以降一度も本作は観ていません。所長を始めとするナチスの行為。平時ならごく普通の精神の持ち主が戦争という状況ではどんなことでも何とも思わずにやってのける事を、数ある戦争ものの中でもイヤというほど見せ付けます。そのような皆を狂わせる戦争の空間に於いて、聖人君子でないシンドラーが自らの立場で精一杯自らの意志を通した事に千金の重みを感じるのです。[ビデオ(字幕)] 7点(2009-11-20 02:22:09) 175. 白い巨塔 個人的に、原作は国内外の作家で最も尊敬する山崎豊子さんの最高傑作、田宮版ドラマはTVドラマ史上の最高傑作であり、本サイトの制限字数内はもとより、一日や二日では語り尽くせないものがあります。150分に収めると通り一遍になってしまうのは止む無しとしても、肩に力が入り過ぎている田宮二郎に対する違和感と、唯一、人物像を逸脱していた小川真由美演ずるケイ子が物語の質を下げている点が残念です。[DVD(邦画)] 5点(2009-10-16 00:37:58) 176. 知りすぎていた男 冷酷非情さに欠けた間抜けさの目立つ犯人グループのせいで緊迫感が味わえず、親子の情愛もぼやけてしまいます。監督の小手先のテクニックの小賢しさが鼻につきます。一方で、ラストシーンに代表される上品なユーモア感覚は心地良く、2点にプラス2点です。[DVD(字幕)] 4点(2009-10-13 13:25:08) 177. 地獄の黙示録 特別完全版 不完全な所を補う何かがあるのだろうかと6年前に観ました。慰安婦さん、カーツの如き仏人入植者からも何も観るべきところはありませんでした。だらだらだらだら時間をかけている愚劣さにオリジナルから-1点。[DVD(字幕)] 0点(2009-09-19 13:15:40)(良:1票) 178. 地獄の黙示録 共に戦争で頭がおかしくなっちゃった犯罪人カーツ、処刑人ウィラード。ミッション過程における、それぞれのエピソードをこれ見よがしな演出で描く事により戦争の「狂気」を際立たせようとしているのでしょう。チープな発想とリンジョウカンが噴飯モノです。そもそも戦争などどのような大義を掲げようと正気の沙汰ではない行為なのです。本作の「狂気」などその大義すらカケラも見当たらないという点での失笑・嘲笑でしかないウスッペラ~イものなのです。おかしな者同士の「どーにでもなれ」と言わんばかりのヤケクソ感漂う結末に、立ち見での鑑賞と相まってグッタリ・ガッカリした事は今も忘れられません。大枚をはたいて作り上げたという事ですが、桁違いの額の税金を使う本物の戦争に比べれば「愚劣」さも他愛ないと思えるところに1点加算。[映画館(字幕)] 1点(2009-09-19 12:36:44)(良:1票) 179. 白い恐怖(1945) 物語の展開の面白さへの期待感を打ち消してしまうテンポの悪さに閉口しました。結末も鮮烈さに欠けたもので、気だるい思いが晴れぬままのひと時にグッタリとさせられました。[DVD(字幕)] 4点(2009-08-15 21:39:15) 180. 紳士協定 《ネタバレ》 個人の価値観や人となりを知らない状況で、人種や宗教、(職業にも言えます)でのみの判断で見下して優越感に浸る事の愚かさ、それを無垢な子供達に刷り込む事の罪深さ。紳士協定という言葉の響きと実態の乖離を突きつけられます。主人公が自ら望んだ8週間のユダヤ人生活は、「被虐ごっこ」の如きは言い過ぎとしてもどこか上からな目線を感じて釈然としません。最後の方でユダヤ人である友人が語る「君はその時どうした?・・・口に出した?」に、体験ではなく生涯ユダヤ人である事実の重み、思う事から実行する事への一歩の距離の長さを知らしめられます。[DVD(字幕)] 7点(2009-08-13 17:23:30)
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