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1. 市民ケーン
人生における成功ってなんだろう。孤独を抱えて生きる運命の人間は、どんなに努力して様々なものを手に入れても結局は満たされず、老いることによってその空洞は更に深まっていくのだろうか。オーソン・ウエルズの冷え々とした映像も相まってすっかり気が滅入ってしまう映画でした。ところで『ザ・ディレクター・市民ケーンの真実』では「薔薇の蕾」とはハーストの大事なところでは?それくらい小・・(以下略)7点(2003-07-01 11:52:48)(笑:1票)
2. 紳士協定
反ユダヤ主義に関する連載を掲載するにあたり、ジャーナリストである主人公のグレゴリー・ペックがユダヤ人になりすまし、その苦悩を自ら経験することによって差別がどこに存在するのかと言うことを暴いて行く非常にストレートなコチコチの社会派ドラマ。この映画の肝はグレゴリー・ペックではなく、その婚約者の女性にある。つまり、積極的に差別をしていない自分には罪がない、自分はリベラルだと思っている私のような人間である。「沈黙していると言うことは現状を認めていることだ」と言うことをこの映画で教えられた。これは何も差別問題に限ったことではない。例えば選挙。或いは戦争。「自分ひとりが言ったところで・・」と沈黙したなら後から文句言う資格なんて無い。自分も同罪なのだ。7点(2003-03-06 11:22:54)(良:2票)
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