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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. JUNK HEAD 触るのも勇気がいるほど不気味なロケーションと生き物たちばかりなのに、なんでこんなに愛らしいの? 体に生えたキノコならぬクノコなんてもう、生理的にダメ、全身に鳥肌が立つほど気色悪いのに、ジャンク・ヘッドがだまし取られそうになったとき、何とか取り返せ!と心の中で叫んでいる自分に気が付いて、おいおい!ってなった。[インターネット(邦画)] 8点(2023-01-27 15:28:42)《改行有》 2. シークレット・アイズ 《ネタバレ》 13年間の前と後も同様に美しいクレアと、深い悲しみにすっかり老け込んだジェス(この無情な対比に、ジュリア・ロバーツがよくこの役を引き受けたなあと驚いた)。2人は決してハグを交わさないが、心の底で互いにリスペクトし、いたわり、大事に思っている。2人とも、低い声で話す抑えた演技がそれぞれ個性的で、どちらも目が離せない。間に入ったカステンがまた絶妙な位置にいて、トライアングルの均衡は崩れる気配がない。 ただ、ストーリーが痛い。モラレスのやり方もどうかと思うが、仲間内の不幸を最優先し、良心を傷めることなくテロリストの検挙を度外視しているカステンはプロ失格だ。この点だけは全く共感できない。9.11の事件が起こってまだ間もないのに、ジェスの娘のように命を奪われる犠牲者が多数発生するリスクを、なぜカステンたちは軽視するのだろう。そもそも、ビジネスライクに現場にやって来たカステンやジェスにかなり違和感があった。自分の人生に関わる人間が被害に遭わなければ、本気になれないのか。他の命を軽視しているように見えて仕方がない。テロ犯罪防止とレイプ殺人検挙の狭間で、主要キャストたちが悩みくドラマを見たかった。 また、被害者遺族が復讐を果たすことが許されるなら、納得できない法の裁きを受け入れ、一線を越えることなく耐え忍んでいる一般の遺族が浮かばれない。穴を掘り続けるカステンに、どうしても共感できなかった。ただ、愛する子供を理不尽に奪われた遺族は、加害者に対し、これほどの憎しみを生涯持ち続けるのだと訴えているこの作品は、一見の価値ありと思う。[インターネット(字幕)] 7点(2019-03-26 15:19:19)《改行有》 3. シン・ゴジラ 《ネタバレ》 高い発生率の南海トラフ地震におびえる太平洋側の住人としては、この映画は単なる娯楽として鑑賞できなかった。建築物の崩壊シーンはあまりにも生々しく圧倒的で、震災で身内を亡くされるなど、深刻な被災を経験した人がこの映画を観るにはかなりハードルが高い気がして心配になったほど。 巨大生物に善も悪もなく、ただ決して共存できない存在として描かれているため、ゴジラは生物というよりは、まさしく地震やその他の天災をつかさどる荒ぶる神の化身に見える。東日本大震災では、大きな地震や津波が起こったあと、二次被害として原子力発電所の重大事故が発生したが、そうした段階を踏んだ震災の様子が、ゴジラの上陸、建築物の破壊、放射能火炎放射らと重なって見え、考え込まざるをえなかった。何度もくり返された 「生物なら倒せる」 というセリフは、決して避けることができない天災を人類が直接手を下して牛耳りたい、防ぎたいという願望が込められている気がする。 海外のGODZILLAで描かれる人間ドラマは、怪獣と対比させるためにやむなく必要だったのだろうが(そのため、どうしてもとってつけたような感が残る)、このシン・ゴジラは、擬人化した「震災」に立ち向かう人間ドラマであって、どちらも重要な両輪の役目を果たしていた。核を使わず、ピンポイントでゴジラをしとめる人間の知恵と勇気は、東日本大震災の折、放射能拡散を防ぐため、命がけで発電所に放水をくりかえした東京消防庁の人々、バルブを閉めに行った熟練者たちへの思いに重なる。この映画を観た外国人の中には、退屈な官僚たちの人間ドラマなど不要という感想を持つ人が多いと聞くが、日本人にしかわからなくてもいいと堂々と開き直りたい。[映画館(邦画)] 10点(2016-08-06 01:08:26)(良:3票) 《改行有》 4. ジュラシック・ワールド 以前の「~・パーク」の方は、太古に生きた恐竜(草食種、肉食種を問わず)に対する深いリスペクトが感じられたが、今回は、人間と恐竜が当たり前のように共存している設定になっていて、なにもかもが薄っぺらい。恐竜を調教して心を通わせるというのも、未知なるジュラ紀の野生を操ろうとする人間のおごりに思えて全く共感できないし、ハイブリッド恐竜ときては、もはや太古のロマンなどみじんもなく、生物としてできそこないのモンスターとしか思えないので、これだけ強くて賢くても、その命自体に魅力を感じなかった。いくらでも創作が可能な怪物は、歴史上存在した恐竜の生の重みにはかなわない。ジュラシック・ワールドは、命をおもちゃにし、見世物にし、兵器にしようとした。人間たちはその報いを受けて、命からがら逃げ惑うことになる。本作を単純に言うとそんなところだが、パークの方は、人間と恐竜が同じ時代に生を共にするというあり得ない奇跡を起こし、歴史の彼方からかいくぐってきた未知なる野生の魅力や恐怖を、あますところなく描いていた。ジュラ紀の恐竜が現代の車を襲うなど、『バック・トウ・ザ・フューチャー』のように時代差の生じる面白さにあふれていた。残念ながら、ジュラシック・シリーズは続きをどう描いても、初作の二番煎じになると思う。[映画館(吹替)] 5点(2015-08-12 23:06:39)(良:2票)
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