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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 2101
性別 男性
自己紹介 善人が苦労が報われて幸せになるハッピーエンドの映画、
悪人が出てこないゆる~い世界観の映画、
笑いあり、涙ありの人情喜劇が好きです。

2008年11月19日の初投稿から、早いもので10周年を迎えました。
この間、みんシネのおかげで出会ったいい映画もいっぱいありました。
管理人様、レビュワーの皆様、いつもお世話になっております。
これからもよろしくお願いいたします。
2018.11.19

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1.  シェーン 時折見返したくなる大好きな西部劇がいくつかありますが、やっぱり「シェーン」が一番好きなんだよなあ・・・。 僕の映画鑑賞史の中で忘れることができない「男」が何人かいますが、間違いなくシェーンもその中の1人。 やはり本作の魅力はシェーンのキャラクターと、演じるアラン・ラッドにつきると思います。 他にも寡黙なシェーンとは対照的に喜怒哀楽の分かりやすい男気キャラ、スターレットの存在もいいし、 ただ妻子のいる男という設定のためだけでなく、彼の妻と息子も欠くことのできない本作の重要なピース。 彼らの生活を脅かす悪役ライカーですが、彼の言い分もしっかり拾い上げているところも印象的。 本作で最も有名なのは言うまでもなくラストの「シェーン!カムバーック!」ですが、 一番好きなのはその直前。見る度に涙腺が緩むシェーンとジョーイ少年の“男と男の会話”は何度見てもたまりません。 強くてかっこいいシェーンにただ憧れていた少年に対し、最後はシェーンが1人の男として少年に接している。 「親を大切にしろ」というシェーンの言葉に「約束するよ」という男と男の約束。少年の表情が急に大人びて見える。 一方のシェーンは「変わろうと努力したけど無理だった。1度でも人を殺してしまうと、もう後戻りできないんだ。」 ずっとシェーンに憧れ銃の扱いを習いたがっていた少年ですが、安易に銃で物事を解決しようとする大人にはならないだろう。 ただカッコいいヒーローではなく、そんな過去を背負って生きるシェーンにつきまとう哀愁とその眼差しもまたたまらないのです。[DVD(字幕)] 10点(2019-05-05 09:53:23)(良:2票) 《改行有》

2.  シェルブールの雨傘 《ネタバレ》 台詞を全て歌にするという大胆な試みを今なお愛され続ける名作に仕立て上げた監督・脚本のジャック・ドゥミによる話術が見事で、一つ一つのシーンが実によく計算された色の配置と音楽がとても美しい映画です。 上からとらえた雨の石畳の歩道、色とりどりの傘、ミシェル・ルグランの音楽。このオープニングから素晴らしい。オープニングから全編にわたり大胆にピンクや赤を多用しそこに青や緑を配した色彩感覚と、常に流れるルグランの音楽、台詞が全て歌のフランス語の響きも、カトリーヌ・ドヌーブも、全てが見事に美しい。 台詞が歌ということに不思議なほど違和感を感じず、歌になっているので台詞による感情表現が実にシンプルでストレートなものになっており、それが新鮮で純粋に感じられ、テンポの良さと独特の心地よさも感じられます。 オープニングに降っていた雨はラストシーンでは冷たい雪に変わっていた。その間には戦争があった。ジュヌビエーブが今幸せなのかははっきりと語られませんが、黒い衣装に身を包んだ彼女が立ち去る淋しげな姿と、子供とはしゃぐギイの幸せな姿が実に対照的な戦争により人生を大きく変えられてしまった二人の姿に、白い雪とルグランの音楽が重なる見事なラストシーンは悲しくも何度見ても感動します。迷わず10点満点とさせていただきます。[CS・衛星(字幕)] 10点(2010-01-20 21:25:07)(良:3票) 《改行有》

3.  終身犯 《ネタバレ》 主人公の終身犯の男は社会に復帰しても再び罪を犯す心配の人間になった。その一方で彼は2人を殺害し、一度は死刑判決を受けた。「更生」と「犯した罪を償う」こと。日本でも今、死刑廃止論争がありますが、一人の実在した終身犯の獄中の生涯を通して観る者に非常に重く難しい問題を投げかける作品でした。しかし、小鳥たちに囲まれたバート・ランカスターの素晴らしい演技や、母親、獄中結婚した妻、人情のある看守、隣の囚人達との心が通い合った温かい人間描写が優しさを感じさせてくれる作品でもありました。それにしても殺人を犯した血の気の多い若い囚人だった頃から、悟りの境地に達したかのような晩年までを演じたバート・ランカスターの演技は凄かった。余談ですが、ラストシーンの彼の表情を見て思わず、本作から30年近くが経過した後の作品「フィールド・オブ・ドリームス」で彼が演じたムーンライト・グラハムの表情を思い出してしまったのでした。[DVD(字幕)] 10点(2009-11-09 23:54:55)

4.  シャレード(1963) 《ネタバレ》 初見は随分前ですが初めて観た時の楽しさは今でも忘れません。オードリーが親しみを感じさせる魅力に溢れ、何が嘘で何が本当なのか、誰が敵で誰が味方なのか、25万ドルの行方は?殺人の犯人は誰?と観る者を飽きさせない見事なテンポの良さ、オードリーとグラントのオシャレでウィットに富んだ会話が実に楽しく、コバーン・マッソー・ケネディの胡散臭さ怪しさ全開トリオも存在感たっぷりの見事なキャスティング、マンシーニの音楽も完璧、コミカルでロマンティックで、地下鉄からラストにかけてはハラハラもさせてくれて、え!そうだったの?と鑑賞後の爽快感も格別。大好きな映画です。[DVD(字幕)] 10点(2009-02-21 02:28:29)(良:2票)

5.  ジャッカルの日 《ネタバレ》 久しぶりに見ましたが、やはり何度見ても手に汗を握る面白さがある作品です。 こういう作品は実行犯、黒幕、警察、諜報機関、政府高官などの相関図が複雑になるケースも多いですが、 登場人物の中には暗殺のターゲットであるドゴールもおらず、暗殺の黒幕である組織の幹部の登場も序盤のみ。 ほぼジャッカルと彼を追う警部の一騎打ちと言えるところまで登場人物を絞っています。 音楽も使われず、アクションもかなり限られ、徹底してシンプルな作風となっており、 それらが独特の緊張感とテンポの良さを産み出しています。 中盤まではソフトな印象を与え、スマートな装いで淡々と大統領暗殺の準備を進めていくジャッカルがカッコよくうつる。 彼に感情移入しそうにさせておきながら、後半に入るとパリに向かう道中で出会った人間を容赦なく手にかけ、 目的達成のためなら手段を選ばない冷酷な暗殺者ぶりを見せていく過程もよく考えられています。 相手は大国フランスの大統領。恐らく成功しないだろう。ジャッカルに待っているのは死だろうと予想される。 彼にどんな散り際、その最期を用意するのかと思っていたら、その結末は実にあっけなかった。 結局彼は誰だったのかも分からず葬られる。暗殺者の哀しき末路もまた印象的です。[CS・衛星(字幕)] 9点(2019-09-20 22:12:26)《改行有》

6.  シザーハンズ 《ネタバレ》 ティム・バートンのダークファンタジーの傑作。 周りの様子を伺うように目をキョロキョロさせる。Jデップはコミカルな演技の中にに孤独感のようなものを見事に両立させて見せる。 ダイアン・ウィーストも素晴らしい。彼女ならではの微笑をたたえた独特の演技、魅力を存分に見ることが出来ます。 作品の舞台となる町の家の外観に、朝いっせいに出勤するクルマの色に室内装飾に女性達の衣装。 淡いパステルカラーでまとめられ、エドワード作の奇抜な植木が家々の庭先を飾っている街並。 夜の暗闇の中、エドワードが降らせる雪の中をウィノナが舞うシーンも美しく印象的。 ファンタジーならではの架空の世界を思わせる町。しかしそんな町にいるエドワードはやはり徹底的に異質な存在。 まるでゴシックホラーの雰囲気を漂わす町外れの古城の雰囲気もやはり異質。 中盤まではハサミを活かした特技を発揮し町の人々との交流にも温かみを感じさせながらも、 噂話好きな町の住民達にウィノナ演じる娘のカレの存在には思いっきり現実感が漂う。 架空と現実のバランスもいいのですが、これらは確実に悲しい結末を予感させるものでもあります。 エドワードとキム、2人の純愛ラブストーリーでもあるのですが、”goodbye”そしてキスの後、"I Love You” 短い単語に込められた2人の思いが確実に伝わってくる悲しきラブストーリーの結末でした。[CS・衛星(字幕)] 9点(2016-07-18 22:39:44)《改行有》

7.  ジャージー・ボーイズ 《ネタバレ》 これまでも映画の中で様々な人間の人生を描き続けてきたイーストウッド。 本作でイーストウッドが取り上げたのが、60年代に一世を風靡したフォー・シーズンズ。 とりあえずその名は聞いたことがある程度の知識しかなかったですが、 曲が始まると、「これも彼らの曲だったんだ!」と聴いたことがあるある曲が幾つもありました。 盗みを働き、仲間が塀の中に出たり入ったりを繰り返しながらも音楽的に実力を付けていく、仲間と苦楽を共にした青春時代。 少しずつ演奏するステージが大きくなっていく。自分たちの曲が次々ヒットする。 やがてグループは人気の絶頂を極めますが、その後は大きな成功を収めたグループの光と影を描き出す。 友情、成功ゆえの苦悩、挫折、グループの分裂、大切な家族の死。それらを力強く乗り越えての復活。 60年代というビートルズをはじめ、魅力的なグループ、ロックスターが数え切れないほど存在した時代。 そんな彼らの人生のドラマを見ていると、イーストウッドが彼らを取り上げた理由が分かるような気がしました。 勿論音楽の使い方も素晴らしく、エンドクレジットでのミュージカルシーンも楽しかった。 (ぎこちなく手拍子を打ちながらリズムをとるウォーケンがなんか良かったな…) 鑑賞後に重く考えさせられることも多いイーストウッドの映画ですが、 素晴らしい音楽にのせて軽快に魅せる本作はとても楽しく鑑賞させてもらいました。 もうとっくに80歳を過ぎたイーストウッドですが、まだまだ元気で映画を撮り続けてほしいと心から思います。 そしてまたいつか自身の映画の主要キャストに俳優イーストウッドを起用してくれると嬉しいのだけど・・・。[映画館(字幕)] 9点(2014-10-01 16:59:38)《改行有》

8.  幸せへのキセキ 《ネタバレ》 今年の上半期、楽しみにしていた映画のひとつ。期待通りのいい映画でした。 冒頭からごく短時間でマット・デイモン演じる主人公の男と家族の抱えている問題を簡潔に見せ、すぐに家族は動物園にやってくる。主人公の男が動物園の愛すべき仲間達と共に、動物園を再生していく過程と同時に、彼の人生と家族の再生をひねることなく実に分かりやすく見せてくれる作品です。クスッと笑わせてくれる、控え目な笑いドコロの挿入も良かったです。 やまない雨は無いという。動物園開園前夜まで降り続いていた雨も開園当日にはカラッと晴れ上がった。それは天気だけでなくこの家族と仲間達の人生の好転を予感させてくれます。そして開園以降ラストまで、実に気持ちよく生きることの素晴らしさを感じさせてくれました。  息子と娘をはじめ、子役が本当に素晴らしい作品でした。もう1人、そろそろ子役とは呼べなくなってきましたね。エル・ファニングは去年見た「SOMEWHERE」と比較すると驚くほど大人っぽくなって、とてもいい演技を見せてくれました。 ”20秒の勇気”が良かったなあ・・・。[映画館(字幕)] 9点(2012-06-18 21:36:33)(良:2票) 《改行有》

9.  シラノ・ド・ベルジュラック(1990) 《ネタバレ》 剣の達人にして詩人。まさに文武両道の誇り高き男シラノ。冒頭の決闘の中で装飾品も身に付けない田舎者と馬鹿にされたシラノの「私の飾りは心の中にある。私は心の手入れを怠らないのさ」という台詞がシラノをよく表しています。 そんな男にも容姿というコンプレックスがあり、愛する女への思いの丈を詩にしてもそれを告白する事ができない。もう一人容姿端麗な男クリスチャン。そんな男にも無学というコンプレックスがあり、愛する女に告白する事ができない。同じ女を愛した2人の男の心の機微を見事に描いた人間ドラマです。 クリスチャンの外見を借り、思いの丈を綴り続けるシラノのこの女への純情を演じるドパルデューが極上の素晴らしい演技をみせる。思いの丈を言葉にする滑らかなフランス語の響きが実に美しい。字幕でどれ程本作の台詞の美しさが理解できているのかという疑問も残りますが、本作の日本語字幕もまた素晴らしいと思いました。多様な表現方法を持つ日本語の美しさも再認識。 最後に手紙の主の正体を悟る女。以降ラストまでのドパルデューの演技は圧巻。なかなか味わえない哀しき余韻が残るシラノの人生のハッピーエンドでした。[ビデオ(字幕)] 9点(2011-08-06 22:06:50)(良:2票) 《改行有》

10.  シティ・スリッカーズ 40歳前後。仕事にも人生にもちょっと疲れがたまってきた冴えないシティ・スリッカー(都会のヘナチョコ)のオッサン3人組が人生リセットの牛追い体験ツアーの旅に出て、バカやったりしながらも元気を取り戻していくというとても単純なお話。 3人組と共にツアーに参加する顔ぶれもいいし、彼らがバカをやる度に大いに笑った。こういう映画は出てくる連中がみんないい奴らで話が単純なほどいいんじゃないかなと思います。 年はとったけど馬にまたがるカウボーイのジャック・パランスがカッコいいんですよ。彼らに多くの影響を与えていく台詞の一つ一つもとても良かったです。それだけに、いなくなるタイミングがちょっと早すぎたのが残念。 今、本作のシティスリッカー3人組と同世代になって見直したら、彼らの弾ける様な笑顔にも辛い思いをぶつける姿にもしんみりと人生を語り合う姿にも、全てに思いっきり感情移入してしまいました。音楽も素晴らしく、途中で挿入される歌の歌詞もとても良かったです。「どんな夢でも叶えられるよ。心さえ若ければ。さあ、105歳まで生きのびて、この世に生きる喜びを知ろう!」とこんな感じだったかな。出来る事なら今、彼らと一緒にこの牛追いツアーに参加したい!と感じながら見ていた僕もちょっと疲れがたまっているのかな・・・。[DVD(字幕)] 9点(2011-02-04 23:29:57)《改行有》

11.  白バラの祈り/ゾフィー・ショル、最期の日々 最初から最後まで観る者に目を離させない、全く途切れることのない緊張感。非常に重厚で丁寧に作られている映画でした。「白バラ」の活動を伝えるよりも、その中にいたゾフィー・ショルという一人の高潔な人間を伝えることに集中した映画ですが、ゾフィー役の女優さんの演技は本当に素晴らしかった。また、尋問を担当したモーアがゾフィーを見つめる様々な感情の入り混じった表情も印象に残る。特に2月20日の尋問の際に発する一つ一つの言葉には非常に重みがあり、演じる二人も見事な演技でした。事実に忠実に作られたというこの映画。実に立派な映画でした。[DVD(字幕)] 9点(2010-09-09 23:23:53)

12.  情婦 《ネタバレ》 チャールズ・ロートンの素晴らしい名演技を堪能しました。前半は予想外にロートン演じる卿と看護婦のおばさんとのやりとりをたっぷりと見せる。これが非常に味わいのある可笑しさがあるとともにこの前半に描かれる卿の人間性と退院したての体調という要素が後半以降も重要な役割を果たしており、非常によく練られた脚本の素晴らしさが感じられます。 舞台が法廷に移った後半もロートン演じる卿の老獪にして人間味あふれる弁護士ぶりが素晴らしい。結末に大どんでん返しの仕掛けが施されている事で有名な作品。何かある、と身構えて観ていましたが、それでも騙された!と思ったのもつかの間、もう一度騙された!の二重のどんでん返しが仕掛けられていたラストには参りました。 このどんでん返しに続く卿の「殺したのではない。処刑したのだ。」という台詞と旅行に出る予定を延期する決断をする締めくくり方も見事でした。[DVD(字幕)] 9点(2010-03-24 00:50:06)《改行有》

13.  潮風のいたずら 《ネタバレ》 ゴールディ・ホーンがとても可愛く、コメディエンヌとしての魅力あふれる何度でも観たくなる映画です。実生活でも夫婦であるカート・ラッセルや子供たちとの息の合った掛け合いが微笑ましくとても楽しいです。笑って、泣いて、ケンカして、一生懸命生きて、普段着の自分と高級ドレスに身を包んだ自分のどっちが本当の自分なのかに気付いて、本当の1つの家族になって、最後はみんな幸せ。観ている僕たちにも幸せな気持ちと元気を分けてくれる陽気な人生賛歌です。沿岸警備艇の乗組員の「違反行為に愛の告白は入っていない」の台詞が素敵でした。[DVD(字幕)] 9点(2009-03-07 13:20:27)(良:1票)

14.  ショーシャンクの空に 友情の素晴らしさ、誇りを失わず希望を持ち続けることの大切さ、屋上で飲んだビール、刑務所中に響き渡った繊細で美しい旋律、そしてラストの海と空の青さ・・・何度でも観たくなる映画です。[映画館(字幕)] 9点(2009-01-27 22:22:14)

15.  シンプル・プラン 雪深い森の中でたまたま見つけた墜落した飛行機。その中には440万ドルが残されていた・・・。 安月給だが真面目に働き、妻と、妻のお腹の中にはもうすぐ産まれくる子どももいる主人公の男。 冒頭はこの夫婦が一番まともに思える。あとは一緒にカネを見つけてしまった失業中の兄と、兄の友人。 ヤバいカネかもしれないが黙ってれば、うまくやりさえすれば目の前のカネは自分たちのもの。 あぶく銭を前に、普段は見えない人間の持つもう1つの顔を表面化させ、 あぶく銭を前に人間が豹変していく様を地味に、ひたすら地味に見せていく。 見る者に、ここに自分がいたらどうするだろう・・・?と考えさせる、登場人物を絞り地味ながらも設定が見事。 登場人物の冒頭の印象とは裏腹に、このシンプルプランに次第に精神的に耐えられなくなって壊れていく兄が印象的。 演じるビリー・ボブ・ソーントンがこの役に素晴らしくはまっています。 サム・ライミにはこういうスケールの映画ももっと撮ってもらいたいなと思いますね。[CS・衛星(字幕)] 8点(2022-02-22 18:11:42)《改行有》

16.  死への逃避行 出会った人間を次々と殺していく魔性の女を演じる。イザベル・アジャーニの静かなる、そして美しき怪演。 そんな彼女の美しき七変化に目を奪われる2時間です。それは見る者だけでなく、彼女を追う1人のくたびれた中年の探偵も。 依頼人もボスの指示ももはや関係ない。自分の娘とこの女を重ね合わせるように彼女にのめりこんでいってしまう。 全編を通して聞こえてくるこの男の回想のような心の声、そのフランス語の響き、テンションを抑えた品を感じさせる語り口。 これぞフランス製サスペンスという雰囲気をたたえた作品です。[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-07-17 18:12:18)《改行有》

17.  人生はシネマティック! 「人生の1時間半を捧げたくなるような価値のある映画を作りたいんだ。」とは本作に登場する脚本家の台詞。 戦時下のイギリスで、国民の戦意高揚のための映画製作に関わる人々を描いた人間ドラマ。 彼らの映画人としての誇り、イギリス人としての誇りをかけて 制約だらけの映画製作に挑んだ人々の人間模様をコメディタッチで描いた佳作。 BBC製作ということも関係しているのか、イギリスらしいユーモアを挟みながらも真面目に作られた作品です。 しかし暗い世相を感じさせる作品の世界観の中、このささやかに挿入されるユーモアの匙加減が素晴らしい。 主演はジェマ・アータートン。当時の女性の雰囲気をとてもうまく表現する好演でした。 そして脇を固めるビル・ナイ。出番はそれほど多くないですが、流石の存在感です。 作品を見る者に勇気を与えたり生きる喜びを見出したり。それは最後の映画館の観客の反応が物語っています。 原作、監督、音楽、脚本など、女性が中心の映画らしい雰囲気をたたえながらも映画の持つチカラを感じさせてくれる良作でした。[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-10-20 15:16:01)《改行有》

18.  15時17分、パリ行き 《ネタバレ》 15時17分パリ行きの特急に乗り合わせた乗客とテロリストとの闘いを再現するサスペンスと思っていたので この列車に乗り合わせた3人のアメリカの若者たちの生い立ちから見せるストーリーは意外でした。 悪ふざけをしては校長室に呼び出されるような、アメリカのどこにでもいそうな子どもたち。 その生い立ちや遊びを通して、3人のうち2人は軍人を志す。アメリカのどこにでもいそうな青年たち。 それもエリート軍人ではなく、戦地の村で忘れ物をしたり訓練に遅刻したりする姿が。 俳優を使わず、実際に英雄となった3人にそのまま自分たちを演じさせ、 ヴェニスやアムスを観光する彼らの姿は、本当にどこの観光地でも見かけそうなごく普通の若者の姿だった。 そんなごく普通の3人の若者の姿が効いてくる。15時17分パリ行きに乗り合わせた色んな国の名もなき人々が力を合わせ、 勇気を振り絞り被害を最小限に食い止めるべく闘い、重傷を負った乗客の命を必死で救おうと奮闘する様を描く。 思っていた映画とはかなり異なりましたが、これもまたイーストウッドらしい映画だと思えました。[映画館(字幕)] 8点(2018-03-09 16:22:31)(良:1票) 《改行有》

19.  人生タクシー 《ネタバレ》 既に世界的な名声を得ているイランの監督ジャファール・パナヒの作品ですが、 反体制的であるという理由でイランでは映画製作を禁じられており、彼の映画は本国イランでは公開されていないという。 そんなパナヒ自身がタクシー運転手に扮し、次々と乗っては降りていく乗客たちとの会話から今のイランの庶民の日常を映し出しながらも パナヒらしく、ユーモアのある乗客とのやりとりの中にイランという国の今に対し物申すという作品になっています。 中国に次ぐ死刑大国であるイラン。最初に乗り合わせた男女の客2人に死刑制度に関し議論を戦わせる。 次に乗ってきた、もっと人々に自由に外国映画を見てほしいというレンタルビデオ屋の男とのやりとりも面白い。 そして〝上映可能な映画〝なるものを撮るという課題を出された姪っ子を乗せる。 その〝上映可能な映画〝とは何なのか?―姪っ子が課題のテキストに書かれているその内容を読み上げる。 「俗悪なリアリズムは避けろ、政治や経済には触れるな・・・」などなど。 俗悪なリアリズムとはあくまでも体制側からの評価であり、つまりはパナヒみたいな映画は撮るな、ということか。 最後に乗せた、バレーボールを観戦して逮捕され、長期間にわたり拘禁されている女性の面会に行くという女性弁護士も印象的。 イスラムの戒律のもとに、女性のスポーツ観戦が禁止されているというイラン。 パナヒの傑作の1つである「オフサイド・ガールズ」に描かれた内容そのままの話です。 こうして文章にすると抑圧的な世界に生きる人々を描く重苦しい映画のように見えますが、 登場する人々の多くは明るく強く、日々を懸命に生きていて作品の空気も実に明るい。 タクシーに乗って来る乗客それぞれの事情を通し、イランの現状の一端を世界に向けて発信する朗らかな語り口が見事な作品です。 最後にパナヒの短いメッセージが字幕で出ますが、本作もまた本国イランでの上映は許可されなかったという。[DVD(字幕)] 8点(2018-01-07 17:59:21)(良:1票) 《改行有》

20.  シング・ストリート 未来へのうた ジョン・カーニーの音楽映画を見るのは本作が3本目。いずれもハズレが無い。本作もいい映画でした。 本作は過去の2作の落ち着いた味わいがある"音楽と大人のラブストーリー"とは異なり、 ベタな青臭さも魅力の躍動感あふれるロックと恋の青春映画の秀作です。 ジョン・カーニーの青春時代の実体験がベースになっているというこの作品、 キャメロン・クロウが同じく青春時代の実体験を映画化した「あの頃ペニー・レインと」のテイストが好きな方、 また、僕は40代のおじさんですが、80年代に洋楽を聴きまくった同世代の方にもぜひお勧めしたい作品です。 ジョン・カーニーもまた同世代。作品の至る所にロック愛がにじみ出ている。 台詞の中に次々とあの頃ヒットチャートを賑わしていたグループやアーティストの名前が出てくる。 The Cureの曲も挿入されていますが、主人公の少年のメイクした姿なんて、もろにロバート・スミスです。 また、主人公の少年が初めて出会うメンバーが何となくジョン・レノンを髣髴とさせる。 2人が作曲を始めるシーンは、かのレノン=マッカートニーもこんな風に曲を作っていたのかな?と思わせます。 こんな風にジョン・カーニーの思惑を想像しながら見るのも面白いと思います。 終盤のライブでの、ロック魂あふれる"校長に捧げる歌"など、オリジナルの曲も素晴らしい。 他のメンバーのキャラがほとんど立っていないのは残念ですが、主人公の少年の兄貴が実にいいキャラです。 ちょっと前のアメリカのロック映画ならジャック・ブラックがこういう役を演じて散々作品をかき回すところでしょうが、 ブッ飛び具合と落ち着き具合が絶妙で、この兄貴を演じた俳優さんを本作のMVPとしたいですね。 ラストは邦題"未来へのうた"の通り、希望を胸に未来へ向け、彼女と一緒に大海原へ飛び出していく。まぶしすぎる2人の姿。 そのラストに続く、エンドロール前の「すべての兄弟たちに捧げる」がなんか良かったな・・・。[DVD(字幕)] 8点(2017-01-21 21:15:39)(良:1票) 《改行有》

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