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1. ゼロの焦点(2009)
《ネタバレ》 戦後という混乱期にあって、男も女も変身願望を持ち、生まれ変わりたい、過去を消して、新しく生きなおしてみたいという人々の悲願が悲しい。佐知子が提案した、一度死ぬという「儀式」に乗ってしまう憲一の気持ちも分からなくもない。作品のタイトルの「ゼロ」は、まさしく過去のない、擬似的なスタート地点を表しているのでは? 無理やり過去をむしり取って、ゼロの位置に立ってみる。しかし、その場所は、実は意外にもストレスのたまる、罪悪感まみれの、とんでもない立ち位置なのだ。まるで、虫めがねのレンズで光を集められ、じりじりと焦げていく紙の一点のように。運命に翻弄される3人の女性の哀れさが涙を誘った。一方、男たち(鵜原兄弟)のふがいなさは・・・・・・。
挿入歌「Only You」や主題歌「愛だけを残せ」については、せっかくの余韻を撹拌しているとしか思えない。特に「愛だけを残せ」は、雄叫びのような歌声で、凪いだ海にそぐわないこと甚だしい上に、「ゼロの焦点」の世界にどっぷり浸かった歌詞で、さすがに満腹になる。(みゆきさん、ごめんなさい。単独で聞く分には全く問題ないです!)[DVD(邦画)] 7点(2013-07-20 01:50:25)(良:1票) 《改行有》
2. 千年の恋 ひかる源氏物語
とにかく女優さんたちがかわいそう、につきる。聖子ちゃんだって、ああいう風に演出されてしまったからそれに従っただけじゃないの? それとも本人が希望したのかな。どっちにしろ一番の被害者だよ。笑いものにされて当然の演出でそのまま出しちゃった監督が悪い。役者たちの言葉遣いがまずメチャメチャ。後はいわずもがな。難解な源氏をソフトに分かりやすく現代向きに仕上げたっていうのが狙いだとしたら的はずれもいいとこ。古典をまだ読んだことない子供に見せられる作品じゃないからね。とんでもない先入観を植えつけるようなものだよ。源氏の世界を常識として知ってる年頃になってから見たんじゃうんざりだろうし。ビジュアルに凝りすぎて、哲学というか精神を描いてないから軽いんだ。日本の誇れる最高の小説をよくもこんなでたらめに作ってくれて、どうして自分の国の宝をメチャメチャにしてしまうのか、その神経がわからない。(我々日本人てのはマゾなのか?)バラエティで面白さを前面に出して興行的に業績をあげたいのなら、オリジナルのファンタジーを生み出しゃいいだろ、こんな素晴らしい古典を軽々しくダシに使わないでくれ! 1点(2003-12-29 00:54:48)(良:2票)
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