|
プロフィール |
コメント数 |
293 |
性別 |
|
自己紹介 |
【好きなジャンル】 ミュージカル/恋愛/戦争/コメディ/SF/社会派・人間ドラマ 【苦手なジャンル】 格闘技/動物/トムハンクス/アレン関係
最高の映像作品だと思うのは実は映画ではなく、NHKドキュメント「映像の世紀」。 |
|
1. それでもボクはやってない
《ネタバレ》 周防監督が満を持して発表した,まさに渾身の一作。痴漢という「微罪」から,日本の司法の構造的問題点に深く切り込むというアイディアも素晴らしいし,「無実の人を罰するべきでない」というテーマへの,最初から最後まで全く揺るぎのない視点も素晴らしいし,これらを支える小細工無しのてらいのない脚本と演出,芸達者な役者陣の抑えの利いた演技も素晴らしい。「娯楽性が無い」という向きもあるようだが,私はそうは思わなかった。最初の裁判官が,裁判官事務室で修習生に心得を説く場面。彼の背後の机に将棋雑誌があったのをご記憶だろうか?裁判官の人となりを表す小道具として,特に他意なくおかれていたものだろうけれど,よく考えてみれば「考えるだけ」の娯楽が将棋というものである。「もし自分が,被告/被害者/裁判官の立場ならどう行動するだろう」と自分が考え始めたのなら(そして物語に没入して2時間強を過ごしたのなら),泣いたり笑ったりのわかりやすいカタストロフィなどがなくても,「娯楽作」と言ってよいのではないだろうか?ベテラン,主役は別として,他にも最初の裁判官を演じた正名僕蔵,新人弁護士役の瀬戸朝香,取調べ刑事役の大森南朋が強く印象に残った。丁寧に作りこまれ,作り手の志も感じる傑作で,満点と行きたいところだが,民事専門弁護士の益岡 徹,マンション管理人竹中直人のシーンが不用かつ甘さと冗長さを感じたので残念ながら-1点。[映画館(邦画)] 9点(2007-03-03 03:16:31)(良:2票)
2. ソウ
監督ジェームズ・ワンと脚本リー・リネルの「僕達2人はこのストーリーの大ファンなんだ」という言葉。この映画はこれに尽きる。この手の映画を観ると,得てしてストーリーのアラ探しをしたり,「犯人は初めからわかってました」みたいなことを得意げに語りたくなるが,この2人の言葉はそういう下らない観客のプライドの表出を軽やかに飛び越えている。彼らの言うとおり,この映画は,観た人がこのストーリーのファンになれるかなれないか,そういう視点で評価をするのが最もふさわしい。同じように見えるかも知れないが,そこが「セブン」と大きく異なっている点だと思う。
9点(2005-03-15 21:30:29)《改行有》
|