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1. 運命じゃない人
《ネタバレ》 確かにくすくす笑えましたが、どんなタイプの映画か全く情報を伝えてなかった家族からは不評。何も知らずに見て「わけわかんない」じゃやっぱダメでしょ。そもそも軸になる役者さんたちが、こういっちゃナンですが、ヘタすぎ。組長の山下さん、サギ女を演じた板谷さん特別にうまい方々とは思いませんが(失礼)、せめて全員がお二人くらいのレベルだったら、逆にもっと爆笑できる作品にすらなってたかもしれませんね。残念賞。[DVD(邦画)] 5点(2012-02-04 11:46:02)
2. ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~
「告白」で、松たか子は案外いいなあと思い、太宰や周辺の女性には殆ど興味なかったものの(ちなみにまあまあ小説好きの同世代の中では私はたぶん少数派)、見てみた。あーやっぱり根岸監督って古臭い、という思いが一番強かった。たとえば太宰の女性たちに焦点を当てるなら、そしてそこに今の時代を投影させたいなら、太宰の人物像にもやはり今の時代性の投影がほしいけど、この中の太宰は、人がボンヤリ思い描く太宰像を1ミリも超えていない。浅野は確かに太宰役に向きそうな役者ではあるけれど、そこに頼り切っているだけで、人間・太宰の深みがまるでない。せっかくいい役者なのに、もったいない。それにひきかえ、松もよかった(演技がね。だけどこういう女性像は同性として好きにはなれない。男に都合のいいだけの女だなあ、と思うわ)が、意外なことに広末が、破滅にしか向かえない女をちゃんと表現できていて、よかった。あの人はヒロインなんかではなく、もっとクセのある脇役に転じていったほうが飛躍しそうな気がする。ところで、太宰を少し思い出したついでに、太宰の娘である津島佑子を思い出し、帰りに書店で津島の作品の文庫が書棚にあれば読もうかなと探したら、全然置いてなかった。ネット書店で買ってみようとおもうほどの動機ではないのであえて探そうとは思わないけど、太宰だけでなくその娘もとっくに過去の人になりつつあるということなんですかね・・。[映画館(邦画)] 6点(2010-09-14 13:00:06)
3. 海辺の家
地味で落ち着いた作品かと思いきや! ぜーんぜん違うんじゃないですか!これ。予定調和的であっても、こういう「ダメ人間・ダメ人生賛歌」のような映画って、わたしヨワイんです。全編通してすべて、「悪いことが良いことを導く」っていうスタンスですよね。もうメチャメチャ好み~! 早く見ればよかった。キャスティングもいいし、それぞれ抑え気味の演技もなかなかいい。私は何気ないカットに反応してしまうところがありまして、今回も、作りかけの家で夕日に向かってたたずむケビン・クラインの後ろ姿に、涙がとまらなかったです。こういうさりげないシーンもいいし、ご飯感覚のセックスみたいな「軽さ」と、人生や死をしみじみと考える「重さ」が共存している、ぶっとびのシーンもいい。リアルな「生」というものは、どちらかいっぽうだけに偏っているものではなく、まさに混沌と共存しているものなのだから。ところで、「海辺の家」という邦題がいけないんですよね。これじゃあ文芸作品かと勘違いしてしまうもの。一つ提案なんですがね、配給会社はタイトル決定前の試写会、というものをやって、そのリサーチから邦題を決めたらどうでっか? 収益を左右すること、間違いなし!と思いますよん。 8点(2003-07-21 15:24:46)
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