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【製作年 : 1950年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. ウィンチェスター銃'73(1950) 《ネタバレ》 父親の敵を討とうと追って行く間に、当人たちのあずかり知らぬ所でウィンチェスター銃が人から人へと渡っていく様が巧みで面白いですし、カードを不器用に扱いながらポーカーで儲ける銃商人や、騎兵隊隊長、スティーブといった僅しか登場しない人物たちまでもが魅力的です(誰もがビビるワイアット・アープは少々温和すぎますが;)。 しかしこれは何と言っても銃撃シーンが素晴らしいです。度々、高・低の構図を使い、相当な距離があるにもかかわらず射撃する者の姿と射撃される者の姿を一つの画面に収めてしまっているところが凄く、何だか妙に気分が高揚してきます。ラストの銃撃戦にしても、私の残念なTV画面で見ると豆粒のように小さいのですが、しっかりと高い所から撃つ姿を映し出しているのです。そんな中でもお気に入りは、リンがダッチにウィンチェスター銃を奪われる場面で、それに気付いた相棒が階下から射撃しガラスがパシャンと割れるのを二階の室内から見せるシーンで、あれはワン・ショットで起こる諸々の出来事をまさにワン・ショットで捉えています。こういうのを見せられますと、距離のある銃撃戦を撮らせたらアンソニー・マン監督の右に出る者はいないだろうと断言したくなります。[DVD(字幕)] 9点(2009-08-26 18:14:17)(良:2票) 《改行有》 2. 宇宙戦争(1953) 《ネタバレ》 スピルバーグのリメイク版を先に鑑賞したクチなのですが…まぁ50年という歳月で人類はどえらく進歩しましたなぁ。その進歩たるや今なら火星人が襲来しても大丈夫なんじゃないかと思えるほどです(火星人もどえらい進歩を遂げているわけですが;)。この特殊映像の雲泥の差ときたら!もし映像技術にも賞味期限なるものがあるとしたら偽造不可能なほどで、見えてはならぬ釣り糸が存在する宇宙船は現在見たらもう目が点です。でも本作はスピルバーグ版も受賞ならなかったアカデミー特殊効果ナンチャラをしっかり受賞しているわけで、当時としてはトップクラスの作品なのですよ。そんなわけで映像技術は致し方ないとしても、宇宙人が圧倒的パワーで侵略してきているというのに前半は良家のお子様のように人々が落ち着いていて緊張感の欠片も無い演出は退屈です(宇宙人の有無を言わさぬ攻撃性は凄いと思いますが)。ただ、暴徒に車が奪われるあたりからは圧巻。前半の不自然なまでの静から一気にパニックの動へ。やっぱりこうでなくっちゃね。それからスピルバーグ版に勝っているところが一つ、火星人が肩に手を置いて現れるシーンで一見ギャグっぽくもあるのですけど、これがなかなか怖い。[DVD(字幕)] 6点(2007-12-21 18:05:23)(良:1票) 3. 雨月物語 《ネタバレ》 朽木屋敷の幻想世界が最高の見せ場だとは思いますが、個人的にはその世界の入口と出口が印象深いです。入口は霧が立ち込める舟のシーンで、出口は妻の幽霊が待つ家に戻ったシーン、どちらも息を呑むほど素晴らしい。それから田中絹代さんが落武者に槍でつかれてしまうシーンは衝撃的ではないのに俯瞰気味に見せることによって傍観者のような冷たさを感じさせたまらなく悲しいです。…ただ一点気になるのが、説明台詞のようなものが何ヶ所かあることで完璧に近いからこそ逆に目についてしまいます。[ビデオ(邦画)] 8点(2007-11-19 18:16:41) 4. ウンベルトD ウンベルトの金銭的な問題だけでなく孤独も描かれているから不安にさせられます。社会的弱者となると居場所すら不安定であり周囲の理解も得られない哀しみ寂しさ恐怖を味わいます。将来への不安が募る現代日本社会を思うと他人事ではすまされない悲惨な状況が刻々と描き出され悲痛な心持になります。それでも完全に悲劇的でなく希望を存在させたことが救いとなっています。人間は一人で生きていけるほど強くはないが、何であれ支えがあれば生きていくことが出来る。デ・シーカ監督は本作で「自転車泥棒」と「靴みがき」の二作で描かなかった救いを描いています。愛犬フライクが実に愛らしいです。[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-04-12 17:23:55)
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