|
1. たそがれ清兵衛
藤沢周平の作品は読んでいると風景が目に浮かぶ。ストーリーも面白いので読み出すと一気に読んでしまう。けど、例えば池波作品のように「そー来たか!」みたいなガツーン!とブン殴られるような衝撃ってあまり無いように感じる。あくまでも緩やかに、日常から遠く離れることなく、「生活」と言う「のろくさい」部分を常に意識し続けることから独特の作風が生まれるのかも。それを映画と言う短い時間で表現するのは難しい。「生活」を描けば地味で退屈になってしまうし、さりとてそれを端折ってしまえば藤沢作品のもつ味を損なってしまう。この映画はそこんとこギリギリ上手く表現出来ていると思うけど、ちょっとまとまりすぎてて「まんまやないけ」と言うもの足りなさも無きにしもあらず。活字を映像にする時、何かひと工夫が欲しい。それが何かは私には分からないけど。それにしても真田広之は女心をくすぐる。私が世話したいゾ!6点(2004-05-18 12:20:11)(良:2票)
2. ダンサー・イン・ザ・ダーク
この映画では辻褄が全然合わないことは重要じゃないと思います。子供の頃などに殉教することを夢見たことはありませんか?自分がメチャメチャ不幸なお姫様かなにかで、徹底的に犠牲になって誰かに尽くして死んでゆく。そのマゾヒスティックな美学。「奇跡の海」にも同じ様なニオイを感じましたが、近年のトリアーはその辺を追求している感じです。犠牲になる本人はシアワセなんですが、それに振り回されるまわりは迷惑な話しで、こういう人には出来るだけ関わりたくないですね。ビョークの歌とミュージカルシーンに4点。4点(2003-02-19 11:20:04)
|