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プロフィール |
コメント数 |
1047 |
性別 |
男性 |
年齢 |
30歳 |
自己紹介 |
とにかくアクションものが一番
感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます
備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません 10点…大傑作・特に好き 9点…好き・傑作 8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く |
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1. 大平原
《ネタバレ》 デミルの西部劇の中でも「平原児」に並ぶ最高の1本。
西部劇の醍醐味がすべて詰め込まれているし、とにかくメチャクチャ面白いし。今見ても最後まで楽しめる指折りの西部劇の一つだと思う。
序盤は銃撃戦の一切ないドラマが25分続くが、コレがまた面白い。銃撃戦だけが西部劇じゃないって事を証明してくれる出だしだ。
25分を過ぎた辺りから次々と巻き起こる事件の数々。アクション、ガンファイト!特に中盤のスー連合(インディアン)との死闘は西部劇史上に残る屈指のスペクタクルだ。
物語は大西洋と太平洋を結ぶ「大陸横断鉄道」の施工を巡って繰り広げられる政治ドラマから始まる。
そこから鉄道工事に命を賭ける個性豊かな面々のドラマで楽しませてくれる。
武闘派エンジニアで列車の保安官を務めるジェフ・バトラー、
列車の運転手を務めるモナハン、
モナハンの娘で男勝りの元気な女性モリー、
アウトローでバトラーの戦友でもあるディック、
用心棒を務める鞭の名手フィエスタ、
フィエスタの相方リーチ、
過激なクレイトン、
工事の阻止を企てる悪党キャンポーと魅力的な登場人物たち。
特にキャンポーにつるんじゃいるが昔の義理でバトラーを裏切れないディックの存在が面白い。
酒場でのやり取りは絶対「やっちまいなバトラー」ってシーンだと思うぜ。ピカピカに磨かれた鏡に感謝だ。
セリフの方も熱い言葉が多い。
「拳銃で人の心を変えられないわ」
「顔を隠せ身元が判らなくなる」
「モーゼだって海を渡ったぜ」
「私は支持するわ」
俺も支持するぜ、インディアンを無闇に殺しやがった男をブチのめしてくれたバトラーに。
デミルの西部劇はただの娯楽じゃない。インディアンを撃つ前に「殺生も許されるわよね赤い悪魔なら」なんてセリフはデミルの作品じゃなきゃ言えねえよ。
命懸けで大陸に渡った開拓者たち、元々そこを故郷にしてきたインディアンたちの衝突。
交流もあったが、その多くは殺し合いの負の連鎖が続く悲劇を生んでしまった。今日に語られる西部劇はその負の連鎖を正直に告白してきてくれた。もう二度と同じ過ちを繰り返さないためにも。
西部の荒野を突っ走る列車に込められたフロンティア魂。線路は続くよ何処までも。未来に向かって今日も人々の夢と希望を乗せて走り続けるだろう。[DVD(字幕)] 9点(2014-03-03 04:29:43)《改行有》
2. 丹下左膳餘話 百萬兩の壺
《ネタバレ》 久々に再見したがやっぱりムチャクチャ面白い。前回は字幕付きで見たが、一度内容が頭に入っていたからか二度目は字幕なしでも超楽しんでしまった。今回は2004年に出された「幻のシーン」が収録されたソフト。
物語は百萬両もする一つの壺を巡って展開される。
出だしは淡々とした語りで始まるが、壺が次から次へと持ち主を変えていく様子がミソ。
道場主とその妻、貧しくも強く生きる町人の親子、そして我らが丹下左膳とその相棒お藤の二人。それぞれに掛け替えのないパートナーがおり、尚且つ壺が彼らを巡り合わせるこのドラマ。
偶然か必然か、運命のイタズラをユニークかつテンポよく描いていく。何といっても面白いのが夫婦揃ってツンデレという所。
左膳「誰があんなガキ!」→もうしょうがねえな~(照れ)
お藤「あたしは子供が嫌いなのよ!!」→暖かいご飯をたらふく食わせる
仕舞いには子供を寺子屋に行かせるか道場に行かせるかで夫婦喧嘩に発展する始末(ある意味終盤の道場への殴り込みよりもハードなバトル)。 幼いながら気丈に振る舞うちょび安が可愛い。
用心棒(居候)はいつの時代も立場があるんだか無いんだかハッキリしませんね。
怖い形相だけど本当は優しい左膳、口は冷たいけど体は腹の減った子供にご飯を食べさせたり物欲しそうな竹馬を買ってあげちゃったりうなじがちょいと色っポイお藤姉さん。
本作は終盤までほとんど戦闘がないが、一瞬で決まる戦闘の鮮やかさも素晴らしい。
懐に手を入れる侠客、顔は横を向いても目線は常に相手を捉える左膳、子供が数を数える瞬間の緊迫・・・一瞬の抜刀!
何?金がいるって?そんな時は道場破りよおっ!!
また2004年に日活から出されたDVDに収録された幻の場面。
クライマックスで左膳がちょび安を止めるべく家から出た矢先、左膳に恨みを抱くヤクザ連中が左膳に絡んでくる場面。
戦後に公開されたver.はGHQによって一部の殺陣がカットされてしまったそうだ(「人情紙風船」や「河内山宗俊」も同様に一部の殺陣がカットされてしまっているという)。
だが2004年にクライマックスの殺陣の一部を収めた数十秒のフィルムが発見され、見事にdvdで蘇った。
残念ながら音声トラックは行方不明の無声、画質も余り良くない。それでも一瞬の斬り合いが光る音が聞こえんばかりの迫力。ヤクザ連中をあしらう様に肩を突き離し、それでも「野郎ッ!」とばかりに斬りかかるヤクザたちを叩き伏せる!
本作で左膳を演じた大河内傅次郎。
伊藤大輔監督の元でも左膳を演じましたが、今作では喜劇役者としての才能も活かした演技が特徴。その独特の野暮ったさとセリフの聞き取れなさが左膳のエネルギー溢れるキャラにピッタリですね。山中貞雄監督の演出、傅次郎のパワー漲る演技が合わさった名演です。
お藤を演じた新橋喜代三(今村嘉子・後に結婚して中山嘉子)も好演。愉快なやり取りが忘れられません。
「野良犬」で貫禄ある演技を見せた山本礼三郎も出ていたりと、俳優陣も曲者揃いで楽しませてくれる。
字幕で楽しむも、字幕なしで味わうも絶品の1本です。[DVD(邦画)] 10点(2013-12-24 12:57:34)(良:1票) 《改行有》
3. 瀧の白糸(1933)
《ネタバレ》 「狂恋の女師匠」「日本橋」「唐人お吉」のフィルムが見つかるまでは、当分この作品が溝口のサイレント期の最高傑作の一つとして語られる事だろう。
誰かが見つけてくれるのが楽しみだ・・・。
この映画が面白くなかったという人は、恐らく状態の悪い物を見てしまったのだろう。
もったいない。
俺の見た奴も画質こそフィルムの状態が悪く荒れてはいたが、弁士の神調子、神BGM。
そして何といっても始めから終わりまで目まぐるしく展開されるストーリー。
飯を喰らい、心と心の交流、そして別れ。
溝口映画でも指折りのファースト・シーンは凄い。
初期の溝口はこんなにも動き、スピード、テンポに溢れ、女の描き方も素晴らしい。
カメラワークが凄いのよ。
馬車の中からのカメラ!
“手ブレ”のリズムはこの頃からあったのか!
馬丁とヒロインの粋なやりとりも相まって最高の出だしだったよ。
後半もテンションをほとんど落とさず、ラストの悲しくも凛々しい最後に繋がった。
水面、海、船、溝口映画の漆の藍色。
初期の溝口はクローズアップが多いので、その美しさをじっくり堪能できる。
そこからあの溝口映画独特のロングショットが挿入される時の威力ときたら・・・。
入江たか子のエネルギーに満ちた美しさもそうだが、この頃の溝口は脂の乗り切ったパワーがあった。
岡田時彦の演技も光る。
馬鹿正直な男が一人の立派な人間に成長した様子。
サイレントとはいえここまで違いを見せつけてくれた。
この後も数本の作品に出演するが、残念な事にそのほとんどのフィルムが未だ行方不明であり、すぐに亡くなってしまった彼の実質最後の出演作だ。
他のフィルムが発見される事を切に願う。
サイレントは絵で見せることが勝負。
小説の世界を絵で魅せる事に魂を燃やした描写、そして溝口映画の十八番とも言えるたたみかけるようなセリフ・・・もうね、密度が半端じゃないね。
何より男の心理にも迫った描写も良い。
泉鏡花の素晴らしい原作を、映像でも遺憾無く見せる。
オマケにこの上を行くほど面白かったという「狂恋の女師匠」「日本橋」「唐人お吉」の存在。
もっと凄いのか・・・見たいなあー・・・。[試写会(邦画)] 9点(2013-12-14 17:46:39)《改行有》
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