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【製作年 : 1980年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  タンポポ 《ネタバレ》 『死』のハウツー映画の後に『生』の根幹にある『食』をテーマにしてるところが見事。ショートコントみたいなサブストーリーを散りばめてますが、本作のメインテーマがラーメン。ラーメン歴40年の老人が伝授するラーメンの食べ方。いきなり口に運ぶのでなく、見て、箸で撫でて、心のなかでつぶやく…「何が『後でね』だよ~」って、私までラーメンを食べたくなってしまう。 この、口に運ぶ前に食べ物の情報を味わう事こそが、'80年代半ばから今でも続くグルメ・ブームの基本だと思います。そしてこのブームの最大の火付け役が、漫画『美味しんぼ』と、映画『タンポポ』だったと思ってます。 この2作品がキッカケとなり、「あの店の◯◯が美味い」なんて飲食店の情報がメディアで取り上げられるようになり、単に『美味い・不味い』だけだった味の追求に『何がどう美味いのか?』って理由・根拠が求められるようになり、一億総グルメ評論家となって、誰でも楽しめる娯楽として、お店に点数やランクを付けるようになっていきました。 さて、令和の時代に小説の老人が食べるラーメンを観ると、まるで社員食堂のラーメンだ。あれ?こんなだったっけ?当時は美味そうに観えたんだけどなぁ…このおよそ40年の間に、ラーメンってとんでもなく進化してしまったんだなって思う。言い換えると、この映画が発端のラーメンブームがあったからこそ、今のラーメンがあるんだろう。余談だけど40年前に大人気だった札幌のラーメン屋で、今でも人気なお店って少ないです。当時大人気だった玄咲は閉店。時計台は様変わり。味の三平や純連は頑張ってます。 ラーメンの次に出てくるのが、タンポポが作る朝食。おひつのごはん、豆腐の味噌汁、たまご納豆、ぬか漬けに鯵の開き。これがまた実に美味しそう。この40年で進化したものもあれば、変わらないものもある。食ってとっても面白い。 ここでターボーが言う「母ちゃんの作った料理は美味いからねぇ~。ラーメンも日本一だよね!」ここがもう、この映画の答え。伊丹監督が創った食ブームの答えなんです。 たとえ他人にはどんなに不味くても、母親が自分のために作った料理こそが、最高のご馳走なんだ。って。 やれ、あそこのラーメン屋が美味いだ不味いだなんてのは、お金が動く情報の世界の話だよね。って。 数あるサブストーリーの中で、きっと一番印象に残るのが、死に際にチャーハンを作るお母さんじゃないでしょうか? チャーハンをガツガツ食べる家族。それを見て微笑み、死んでいくお母さん。こんな短時間の物語から、食べることは、生きていくことなんだなって、改めて思わせてくれました。 そして“お母さんの母乳を吸う赤ん坊”で映画は終わる。どれだけお金を掛けたグルメも母親の味は超えられない。 余談だけど伊丹監督の次の作品は“看護婦の乳首を吸う死にかけの老人”から始まるマルサの女。人間の『欲』を扱った映画。 神がかってる。[地上波(邦画)] 9点(2024-01-20 18:24:10)(良:1票) 《改行有》

2.  旅立ちの時 《ネタバレ》 - Running on Empty - “スタミナ切れ” なんか意外なタイトルでした。邦題のイメージとぜんぜん違う。劇中の何を表すタイトルなのかイメージ沸かない失敗した最初にタイトル調べとくんだった~ぁ 生まれ育った環境が特殊な少年の成長物語。FBIに追われ続けて14年。しかも家族4人で…って、そんな生活ってあるのかい?ちょっと想像が追いつかない。身の丈にあった想像に落としたら、交番の前の指名手配犯のポスターを思い出した。あぁ、あんな人が家族連れて逃げてる感じか…アメリカって広いな。 リバー・フェニックス。若くして才能とカリスマ性を開花させていた少年。将来絶対凄い名優になると思った矢先の、突然の死。彼の短かすぎる生涯と、この映画のダニーが被ってしまう。というか、私が勝手に映画の登場人物とリバーの私生活をリンクさせているんだろう。恋人マーサ・プリンプトンとの2度目の共演というのも、銀幕の中のリバーと生身のリバーを同じ人物のように観てしまう。まるでピーター・フォークとコロンボ。渥美清と寅さんのように。 潜伏はあくまでエッセンスであり、焦点は家族愛とダニーの成長。潜伏生活でありながら追われる身のハラハラ感が少ないのは、追うFBI側の視点が出てこないからだろう。ここに来て表に出たダニーの才能。その才が母親から譲り受けたものと解る連弾のシーンはホロリとしてしまった。 自分の足で歩き出そうとする少年と、変わることが出来ない両親。と思いきや、あのエンディングは唐突であり、無計画であり、無責任であり、父親が子に与えられる最大の愛。捨てざるを得なかった夢を子に託す母親の愛。 ダニー=リバーの人生が、これからどんどん良くなる兆しで溢れる、素晴らしいエンディングでした。[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-11-11 22:45:58)《改行有》

3.  台風クラブ 《ネタバレ》 初めて観たのは、私が登場人物と同年代のときだったから、自分の延長を見ているようで、なんか嫌だったんだな、きっと。 そもそも相米監督作品とは相性がイマイチだから、今回の再見も何の期待もしてなかったんだけど、それがまぁ、すごい映画だったんだわ。 台風、子供の頃は怖くて仕方がなかったけど、中学生くらいになるとワクワクして待ったっけ。ここ(家の中)は安全だけど、明日になったら外の世界や日常生活が吹き飛んでしまうのではないか?という淡い期待。 教室から見える台風直前の揺れる木々。極端に照明を落とした夕方の職員室の暗さ。学校に取り残される心細さ。壊れていく理性。大人の居ない世界。深夜のバカ騒ぎ。 主人公は三上くんだ。勉強が出来て、女の子にモテて、野球部で彼女も居て、優等生でもありバカも出来る。何不自由無い中学生活を送る三上くん。 そんな三上くんに、身近な大人の梅宮は「お前は15年も経てば今の俺になるんだよ」と言い放つ。「僕は貴方にはならない」と言い返す三上くんの出した結論。「死は生きることの前提」。死んだような大人になるより、今の自分のままの死を選ぶ。あぁいかにも中学生な結論。 翌月曜日の明の話から、三上くんは生きているんだと思う。けど、犬神家やっちゃって、社会的には死んだのかも。 中学生。まだ学力で分けられる前の、雑多な集団生活。まだ子供でもあり、身体は徐々に大人になりつつある。ヒョロヒョロの身体にブラジャーを付けた工藤夕貴ほか主演の子達、子供っぽさを残した彼らがとてもリアルに当時の中学生を演じている。清水の「おかえり」「おかえりなさい」「ただいま」。子供にもそれぞれの世界があることを思い出させてくれる。 思春期に起きる副作用。大人と子供の中間。今でこそ中二病という言葉でくくられているけど、この年代の難しさ、脆さ、危うさは、エヴァ辺りがしっかり描くまで、“そんな時期もあるから”と、適当に描かれていたと思う。 教室越しの揺れる木々は、彼らの内面のざわめきを表現し、職員室の暗さは彼らの将来に対する不安感を描いていたのかもしれない。 私の世代には直球ド・ストライクな、中学時代の“何も経験してないのに妙に悟りきった”こっ恥ずかしい過去を思い出させるトリップ映画。[地上波(邦画)] 9点(2022-03-13 17:29:51)《改行有》

4.  ターミネーター 《ネタバレ》 ~The Terminator~信号回路の終端抵抗。無機質でカッコいいネーミングだ。 レンタルビデオ屋に並ぶシュワルツェネッガーのポスターたち。コマンドー、ゴリラ、近くプレデターってのもやるらしい。そして人気急上昇の彼を、一躍ヒーローに押し上げた作品こそ、このターミネーターだ。 …という認識だったが、詳しい友人の話を聞くと、このターミネーターは悪者ロボットらしい。そして主人公は別の人で、シュワと戦って死んでしまうそうな…なんかイメージと違う。 初見は日曜洋画劇場だったと思う。そんなにお金の掛かっていない映画なんだけど、とにかく衝撃だった。 主人公カイル・リース。未来からただ1人、援軍も武器もなく、無敵のサイボーグから1人の女性を守るためだけに、身一つで過去に来た男。どこか影があり、疲れ切った表情を見せつつも、絶対不利な状況でも諦めずに戦うカイルは、今までのヒーローとは違う魅力を見せてくれた。 当初はシュワの活躍に期待していたが、物語が進むうちに、カイルとサラの逃避行が成功するように、祈るような気持ちで観てしまった。皮膚が破損し、焼かれ、骨だけになっても襲ってくるターミネーター。最後自分の身を呈してサラを守るカイル。自己犠牲。こんな悲しい結末ってあるだろうか?スカッとするSFアクションを観るつもりだったのに、私には最高に悲しい恋愛映画に映った。 同姓同名殺人事件に巻き込まれ、友達まで殺され、一方的な被害者だったサラ。当然ながらカイルの突飛な話は信じられない。一番安全なハズの警察署さえ襲う殺人鬼から自分を守ってくれるカイル。信頼関係と愛情の芽生え。終盤ボロボロになったカイルを鼓舞、最後は自らターミネーターにとどめを刺す。最初ドン臭い普通の女子大生で、守られるだけの存在だったサラが、最後は銃を手に嵐が来る未来へと旅立つ。こんな絶望的な結末ってあるだろうか? …余談だけど最後サラが南米に行ったのは、唯一生き残った(ハズの)家族、イグアナのパグちゃんを安全に逃がすためだろうと推測。 ノストラダムス、マッドマックス、北斗の拳…当時小学生だった私たちにとって、数年後の世紀末に核戦争とかで地球が滅びるのは当然の出来事で、避けられない確実な未来だった(半分本当にそう思ってた)。 核戦争が起きるキッカケは諸説あったけど、米ソの対立ではなく、コンピューターが人類に対し戦争を始めるという、ターミネーターの設定はリアリティーがあった。2029年にもなれば、人間そっくりなサイボーグはもちろん、タイムマシンの一つも出来て当然だろう。って。 カイルは死に、世界は近い未来滅びる事は変えられない。だけど小さな希望(ジョン・コナー)は守りきった。 悲しい結末なのに何度も見直してしまうこの作品の魅力。何十回、何百回と観ているうちに、そのうちカイルが生還する結末(タイムパラドックスだ)にならないかな?って、気持ちで観てたこともあったな。 いつまでも大好きな映画。[地上波(吹替)] 10点(2021-07-31 23:50:43)(良:1票) 《改行有》

5.  Wの悲劇 《ネタバレ》 ダブリューの悲劇。アメリカの推理作家の『Xの悲劇』『Yの悲劇』『Zの悲劇』のオマージュとして、日本の作家が作った推理小説『Wの悲劇』を劇中劇とした、舞台女優の悲劇を描いた映画…へえぇ~~。 薬師丸ひろ子の脱アイドル、本格的な映画女優を意識してか、処女喪失というショッキングなオープニングから始まる。彼女が感情の微妙な変化を、声と表情の演技で出そうと頑張っているのが伝わる。…良く言えば今の薬師丸ひろ子の演技は、この時ほぼ完成されている。 オーディション後に落ちたと知らず、静香に花束を渡す昭夫。その花束でバシバシ叩かれたあとの、キラッキラの笑顔と優しい言葉が印象的。なにか思っていた世良公則のイメージと違って違和感を感じなくもない。脱いだパンツ挟んでの昭夫と静香の電気のひもバトル。何とも青春していて良いね。 こんな過去のアイドル映画の集大成っぽい内容が1時間弱続き、いきなり物語が動き出す展開は見事。 羽鳥翔の自分を語りつつ、静香に頼んでいるようで、逃げ道を作らせない有無を言わせぬ圧。演技の勉強を頑張りすぎたせいで、役と事件を天秤にかけ、事の重大さを故意に鈍らせる静香。記者会見で女優として現実の自分を演じ通す静香の姿は痛々しくもリアル。一方、翔がかおりを摩子役から下ろすためのいびり方は演技とは思えないくらい、本当にありそうで怖かった。 昭夫が刺されてからが駆け足で、主要メンバーのその後が気になって仕方ない。特にかおりは、あんな事件を起こさなかったら実力から再起は確実だったろうし、可愛そうでならない。 でもそういう、蛇足になりそうなところを敢えて描かないで、静香と昭夫の別れでアッサリした終わりも悪くないと思えるようになった。[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-06-20 23:58:13)《改行有》

6.  ダイ・ハード 《ネタバレ》 ~Die Hard~頑強に抵抗する。思いつくイメージはゴキブリ。テロリストが悠々と通路や部屋を動くのに対し、マクレーンはダクトの中やエレベーターの隙間を煤まみれになって這いずり回る。ピッタリなタイトルだ。 リムジンに初めて乗るジョンが助手席に乗るのが面白い。この映画を単体作品と考えると、話し相手が欲しくて寂しいから助手席に乗ったと解釈できるし、シリーズものとして考えると、頼んでもいないリムジンに警戒している用心深い性格にも見える。最後はホリーと後部座席に乗るのも、どちらに解釈しても納得できる結末。上手いな。 そもそもホリーとの関係はどうなのか?私は悪いのはジョンだと考える。 日本の社風だからとジェナロ姓で働くが、本社はともかく直属の高木社長にはきちんと「夫はジョン・“マクレーン”」と伝えている。高木は彼女の立場を理解しているし、不仲の夫にリムジンを用意するくらいの立派な人物だ。 ちなみにナカトミの会長の名前はオズ。日本の古風な映画監督・小津安二郎と、エコノミックアニマル・日本だけに金の単位のOzも掛かっていると思う。…ってオズの魔法使を観て思いついた。 よりを戻したいホリーに対し、ジョンはカリフォルニアに着いても家に連絡入れてない。パーティだと言うのにラフな格好で来るし、パーティ中はシャワー浴びて部屋で一人でくつろいでる。なんか高木社長に失礼だ。家に泊まるよう誘うのもホリーから。ホリーも夫より仕事を選んだ負い目もあるんだろうけど。ジョンは卑屈で心の狭い内弁慶な人みたいだ。 ハンスの最後、会社からもらった腕時計をジョンが外す結末も、仕事より夫婦愛を選んだ象徴的なシーン。シリーズ化して2人は別れたが、単体として観ると、とても素敵なハッピーエンド。 ジョンのヒーローらしくない口の悪さ。窓際の自分に気が付かないパウエルに「スティービー・ワンダーかよ!」は酷いけど面白い。 この時パウエルが「雪よ降れ~雪よ降れ~」って歌ってる時に死体が降ってくる演出、これも酷いけど面白い。 音楽繋がりで、もしかしたらだけど、この映画の音楽は全部、クリスマス・ソングやニューイヤー・ソングがベースになってる?今回初めて気がついたけど、トニーが電話線を探すシーンの不気味な音楽、よく聞くと『Winter Wonderland』なんだ。…他のは知らんけど。 今回気がついたもう一つ、ジョンがガラスの散らばる部屋から逃げるけど、ダメージを減らすため片足だけを犠牲にしてる。片足ケンケンしたのか、大ジャンプしたのか… TVの学者「これをヘルシンキ・シンドロームと言います」キャスター「スウェーデンの?」学者「…フィンランドです」ディレクター「…(ストックホルム)」ボインのポスター。違うほうのジョンソン。トゥインキーの味。こういう小ネタも面白い。 今から33年前の映画で、当時はタバコ喫煙やカセットテープが現役なのと、携帯がない事を除けば、時代を感じさせない映像とアクション。 ちなみに戦後43年目の作品となると、公開からどれだけ年数が経ったか、思い知らされる。 たぶん今から10年後も、アクション映画の代表作として君臨しているだろう。[レーザーディスク(字幕)] 10点(2021-06-07 16:07:51)《改行有》

7.  探偵物語(1983) 《ネタバレ》 赤川次郎の原作自体が、薬師丸ひろ子をイメージした作品だって聞いた記憶があるが、このタイトルからして、相手役は松田優作をイメージしていたんだろうか? 探偵事務所に所属しているけど単独行動・孤立無援な辻山は、個人事務所だけど仲間とワイワイな工藤ちゃんとは、人物像が真逆と言うか… 本で見るとナルホドってなるかもだけど、実際画で見るとかなり無理があるトリック殺人。ものすごい偶然が重なってたどり着く推理。都合よく置いてあるペンダント。ゆるく楽しむのが正しい観方なんだろう。 事件解決からが見応えがあって、辻山の部屋での長回しが素晴らしい。というか、ここから先だけでも良いんじゃないか?って思ったりする。 今まで直美を“調査対象の子ども”として、一歩引いた距離で扱ってきたが、ホテルの話を聞き、落胆の表情を見せる辻山。 「ずっと一人で寂しかった!」「…一人で居て寂しくないやつなんていないよ」直美を大人としてみて本心を話す。 「帰ります」と2回。背中に向けて投げ捨てるような告白の言葉。そんな事解ってるから振り向きもしない辻山。 アイドル映画の告白シーンなのに、重苦しく物哀しい。切ないテーマソングの入り方もイイ感じ。 空港での別れのシーン。エスカレーター逆走から手を重ねて無言のキス。 キスの後も名残惜しそうにしがみつき、胸に頭をくっつける薬師丸ひろ子の演技は素晴らしい。 …ただディープキスにしたのはどうだ? 欧米の映画に比べて日本の映画界が劣っていると考えている松田優作が、ちょっとやり過ぎてしまったんじゃないかと思うんだけど。どうだろう。 普通のキスで良かったんじゃないかな。話題作りにはなったと思うけど。 もう一回ちょんとキスして、小さく手を降り去っていく直美。しばらく後に小さく手を振り返す辻山。 棒立ちの松田優作と、ディープキスのあとだけにホンワカした音楽がちょっとシュール。[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-05-21 11:04:34)《改行有》

8.  ダーティハリー5 《ネタバレ》 ~The Dead Pool~…って名前のゲーム。 ダーティハリー・シリーズとは思えないくらい、方向性が異なった映画。 中国系の相棒がカンフーを使うとか、ロック歌手の歌を結構な時間流すとか、この映画の見どころがシリーズらしくない。 そもそもガンズンの歌をロック歌手のジョニーが歌うけど、どういう設定だろう?あの世界ではジョニーの歌なのか? 最大の見所がたぶんラジコンカーとのカーチェイス。路面を這うようなカメラは結構迫力もあって、それ自体は面白いんだけど、やはり観ていて『あれ?いま、ダーティハリーを観てるんだよな?』ってなってしまう。 最後が愛銃M29じゃなく、より強力な銃でもなく、銛なのもどうだろう?シュワちゃんやスタローンでなく、キャラハンが銛を撃つ姿を観たい人がどれだけ居たろうか? キャラハンを主役にして撮りたい映画が思いつかない中、他にどうしても撮りたい映画があって、お金を集めるためにキャラハンのキャラクターを使ったのかな?って中身。シリーズを通して、これが最後の作品になったのも残念。たぶん作りたい映画が興行的にハズレた場合、このくらいのクオリティの6や7がポコポコ作られていた可能性もあったかもしれない。 3部作(1,2,3)+スピンオフ(4)で完結とするか、もっとプロットをしっかり練り込んで、最終作として5を作るかしてほしかった。 今回シリーズをぶっ通して再鑑賞したけど、5の評価だけは今も当時も上がらない。 アルバート・ポップウェルが出ないからかもなぁ。[ビデオ(字幕)] 3点(2021-04-03 19:17:20)《改行有》

9.  ダーティハリー4 《ネタバレ》 ~Sudden Impact~不意の衝撃。 4作目にしてアルバート・ポップウェルはハリーの相棒刑事になった。これは覚えていたわ、悲しい最後も覚えてた。しかし友人の出張先になぜ犬を届けるか。 今作はハリー・キャラハン・シリーズのスピン・オフの趣で、主人公はジェニファー。犯人側の心情が撮られたのは初めて。 舞台はサンフランシスコから、架空の街サンパウロに移る。キャラハンは出張でこの町に来ている。 『??俺たちって誰だ?』「スミスと、ウエッソンと、俺だ」カッコイイ。 復讐の相手を見つけるジェニファー(寄り)→事件のフラッシュバックの流れは、キル・ビルにそのまんまインスパイアされてると思った。 ジェニファーの描く自画像と、メリーゴーランドのユニコーンの顔が似てる。銃を手に復讐の為だけに生きる空っぽの自分と、ハリボテで出来た一角獣がダブったんだろうか? タイトル回収は最後のキャラハンの心変わりの事かもしれない。自分があんなこと言ってしまうなんて…的な?ジェニファーには、妹に復讐完遂を伝えたあとは、ぜひキッチリ自首してほしい。 今回、サンフランシスコから飛び出したり、途中から武器をオートマグにしたり、犯罪を見逃したり、最後に歌が流れたり…意欲的に新展開を盛り込んでいるが、この方向でのシリーズ延命はしなかった。色々反響があったのかもしれない。[地上波(吹替)] 6点(2021-03-31 23:52:09)《改行有》

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