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1. 伝説巨神イデオン 発動篇
《ネタバレ》 リアルタイムでなんとなく憶えていた超展開、この映画のラストだったのかと全39話と劇場版2本観てわかりました。そして全部の話がここに行き着くための1本道だということも。その1本道が映画の尺にはどうにも収まらない。映画だけ観て話が分かりにくいのは編集のせいだけではないと思う。そもそも映画には向いていない。
映画としての問題以前に『イデオン』は群像劇の成長物語なので最初はどいつもこいつもろくでなし(笑)。そして最後は全員成長してしまって葛藤がなくなるのでシェリルにとんでもない悲劇を背負わせて「嫌な女役」を続けさせる。やはり「大いなる意志」などにゆだねてしまってはダメだな。作品も現実世界も。
そしてテーマが大きすぎるせいでこの作品が根本的に持っている80年代初頭の時代性に違和感を感じてくる。女は戦いなどせず好きな男と結ばれるのが幸せなのだという価値観。終盤カーシャがイデオンを降りてしまうのは製作者がこの古さから抜け出せなかったせいだろう。
とはいえ美しい映画だとは思う。特に終盤にコスモとカーシャがキスしようとしてヘルメットに阻まれるシーンは映画史に残るキスシーンではないだろうか(未遂だが)。[インターネット(字幕)] 6点(2022-04-15 23:41:55)《改行有》
2. 伝説巨神イデオン 接触篇
《ネタバレ》 リアルタイム世代だがまったく話を憶えていないので全39話を観てから劇場版へ。『ガンダム』がTV放映版より劇場版の方がまとまっているのに比べ、こちらはかえって散漫な印象を与える。
それもそのはずで、そもそも『イデオン』にはストーリーが1本道しかなく、その中で群像劇としてそれぞれの物語と葛藤が描かれる。だからカットするなら人物ごとカットして主要キャラクターに焦点を当てないといけなかったが、この映画ではそこまでできなかった。なぜならこれは不本意な打ち切りで終わったTV版を補完する作品、をさらに前説として補完する作品であって、シーンのカットにも新作にも限界があったからだ。
まだビデオが完全に普及する前の時代、当時の製作者は「本編」が残ることを前提に編集できなかったのだろう。もしもう数年後のプロジェクトだったらこの作品では一気に最終回まで進めて続編でじっくり作る予定だった回を進められたに違いない。[インターネット(邦画)] 5点(2022-04-14 20:48:08)《改行有》
3. デューン/砂の惑星(1984)
何度か観てもストーリーがよく解らず、それでも映像と独特の世界に魅了され、あの長大・難解な原作まで読破する羽目になった作品。興行的にコケたのはよくわかる。これがヒットしていたら世の中おかしい。しかし高校生をしてフランク・ハーバートの世界に引きずり込んだ魅力はたしかに、ある。
カイル・マクラクランとユルゲン・プロフノウのアトレイデス父子は、生まれた時から貴族という人間はこういう顔をしているものかと思わせる説得力があった。後に原作を忠実に表現したTVシリーズがあるが、この二人のおかげで安っぽく感じてしまった。
個人的には9点。でも他人にはとても薦められない(笑)。TVシリーズの方は原作ファンにはお薦め。とくにこの映画の後の話のシリーズが素晴らしい。8点(2004-06-11 03:09:59)《改行有》
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