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プロフィール |
コメント数 |
216 |
性別 |
女性 |
ホームページ |
http://plaza.rakuten.co.jp/maika888/ |
自己紹介 |
正直、生まれは平成じゃないです。かなり、昭和なムード。昔みた映画を思い出しながらレビューしますので、記憶がずいぶんあやふやかも。なにか変なところがあったら、http://plaza.rakuten.co.jp/maika888/のほうにツッコんでおいてください。
好きな女優 「或る夜の殿様」の山田五十鈴、「近松物語」の香川京子 好きな男優 「お茶漬けの味」の佐分利信 好きなキャラクター グレムリンちゃんとマシュマロマン
☆評価基準 10点:超絶。ほとんど奇跡。 9点:傑作。かつ大好きなんだもーんッ! 8点:傑作だし、好きデス。 7点:素晴らしいです。好みの映画です。 6点:まあ、悪くないと思います。 5点:なにか気になるものはあります(~~; |
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1. 天気の子
《ネタバレ》 新海誠の作品において「人間」は脇役なので、あくまで主役は「自然」です。光や、風や、雲の動きを見なければならないし、天体の軌道と運行(たとえば隕石の衝突)、細菌による発酵や腐敗(たとえば口噛み酒)、そして人間をふくめた生き物たちの生理現象(たとえば意思に反して零れ落ちる涙)のほうを見なければならない。個々人が自分の意志でやっていることに、さほどの意味はありません。そもそも人間に出来ることはほとんど無いし、せいぜい自然の変化に波長を合わせて生きていくことしかできない。
そもそも人間が「異常気象」と呼んでいるものは、長い地球の歴史のなかでみれば微細な変化でしかありません。人間の力を使って局所的な天候を一時的に変えたとしても、それは「ガイアのホメオスタシス」によって引き戻されます。新海誠の作品は、過激なくらいに唯物主義的です。「彼岸/此岸」という言葉が出てきますが、これも精神論的な概念ではありません。死んだ人間は「魂」となって天に昇るのではなく、むしろ「物質」に戻って大気中に還元されるという発想です。
社会も狂っているし、自然も狂っている。暴力やブラック労働が社会にはびこり、自然が温暖化で異常気象になったりするのは、人間のせいかもしれないし、そうではないのかもしれない。でも、もはや誰のせいかを問うても仕方がないし、与えられた運命だと思って受け止めていくしかない。もともと世界は狂っているのだし、ピンチの先回りをしても効果はない。ピストルがあっても社会は変えられないし、天に祈っても自然を変えることはできない。人間に出来ることは限られている。主人公のふたりに出来ることは「狂った世界のなかでも自分たちが生きていけますように」と祈ることだけです。そこから先は、世界のためでも死者のためでもなく、ただ自分自身のために祈るしかありません。この物語が、いわゆる「セカイ系」とは真逆の構造になっているのが分かります。
自然現象の変異を描いたサイエンスフィクションは、おりしも酷暑や豪雨や新型ウィルスなどの話題がトップニュースになっている現状にもリンクして、とても同時代的なリアリティを感じさせます。とくに今回の作品は、前作の「君の名は」の世界観をさらに推し進めて、いっそう過激になっている。ここまで唯物主義的な表現に取り組んでいる作家は、世界的にもほとんど例がないだろうと思います。実写でやるのはほとんど不可能だし、だからこそアニメーションで表現することに意義がある。その非凡さを最大限に評価します。[地上波(邦画)] 9点(2021-01-07 18:29:57)《改行有》
2. テルマエ・ロマエ
《ネタバレ》 初めての鑑賞です。面白かった。ものすごくくだらない内容なのに、それなりの教養にもなるところがスゴイ(笑)。たんに「顔が濃い」という理由だけで集められた俳優たちも笑えますが、これが驚くほど古代ローマの風景に溶け込んでおり、これならイタリア人でも違和感なく観れるんじゃないかと思いました。まあ、いくらファンタジーとはいえ「日本人が古代ローマ文明を発明した」という歴史修正主義はイタリア人から見れば噴飯ものでしょうが、さすがに日本人とは言わないまでも「属州の異民族文明を吸収することで古代ローマ文明が発展した」という面は実際にありそうな気がします。古代ローマ人にお姫様抱っこされるのがヤマザキマリの願望だったのかしら?続編も楽しみです。[地上波(邦画)] 8点(2023-02-12 22:33:01)
3. テリー・ギリアムのドン・キホーテ
《ネタバレ》 GYAOの無料動画で視聴。現代的に解釈した「ドン・キホーテ」の設定を借りて、さながらフェリーニの「8 1/2」みたいなことをやろうとしたんでしょうか? 映画人としての贖罪と同時に、性懲りもない映画愛・映画賛歌をテーマにしているようです。
壮大に突き抜けたホラ話に期待したものの、じつは意外に真面目な内容だったので、やや窮屈に感じないでもありません。凝りに凝った緻密な作品なのは分かるけど、いまひとつ面白みに欠けるのは、きっとテリー・ギリアムのなかに本質的な意味での「ラテンの血」が流れていないからでしょうね。ラテンの作家が醸し出す「滑稽と哀愁」みたいなものが英国人のテリー・ギリアムからは滲み出てこないのです。やはり英国人の真骨頂は達観したブラックユーモアであって、いくらスペイン人の真似をしようと思っても超えられない壁があるのだと感じました。[インターネット(字幕)] 7点(2022-05-14 02:41:02)《改行有》
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