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1. トロン
リアルタイムでは本でしか接することができなくてかなり後になってネットで観た映画。今は配信にあるので改めて観てみました。
こりゃすごい!
まずですね、コンピューター世界の造形、衣装、戦車や戦艦、帆船(?)、そしてバイク・・・etc。このデザインがぶっ飛んでる。そして超かっこいい。このオリジナリティの塊の「異世界感」の創造性は比類がない。
驚くのはそれが1982年当時のCG技術(に似せたアニメ)や合成などの技術の限界こそが「コンピューター世界の擬人化」という、まったく非現実的な設定に、あろうことか「リアリティ」を与えていることだ。当時もそう思ったが2023年の今でも、いや今だからこそ余計そう思えるとは。
音楽は現実世界では生オーケストラ、コンピューター世界ではシンセサイザーと使い分けられている、と思いきやそれらは微妙に混ぜられていてそれがまた素晴らしい効果を生んでいる。
ストーリーもテンポが良いしラストもサクっと締める(重要)。全体のテーマも意外に現代に通じる話だしなぜこれがシリーズ化、ユニバース化されなかったのが不思議なほどだ。思うに多分この映画の奇跡は計算されたものではなかったのだろう。だから安易にリブートできないし「続編」ともなると・・・。
しかしこのローファイな未来感覚はこの映画1本で終わるのは惜しい。ゲームだってドット絵のスマホゲームが人気じゃないですか。こういう技術を反転させたデザイン勝負のSF映画をいま作っても良いんじゃないかなあ。[インターネット(字幕)] 9点(2023-05-03 23:53:30)(良:1票) 《改行有》
2. トスカニーニ
《ネタバレ》 フランコ・ゼフィレッリは解釈はオーソドックスながら豪華で劇的な舞台作りで人気なオペラ演出家。映画の方が実は本業だったのは今知りました。オペラというのは筋書きとかはわりとどうでも良くて場面場面の表現を堪能するものだが、この映画もその雰囲気があってどのシーンも美しい。アフリカの子供にチェロを聴かせるシーンは、創作の上に全く筋書きに関係がないが強く印象に残る。トスカニーニ役の人は元々チェロは弾けないがこの映画のために練習したらしい。さすがにゆっくりした曲しか弾かないがなかなかの腕前に見える。この映画は評判は悪くその筋の評価も低く興行成績は散々という大コケ映画らしいが、美しい品がある。変なカットインが入るクライマックスシーンはずっこけるがそれでも感動してしまった。人物はオペラ的にわかりやすくはっきりとした性格付けがなされている。こうした舞台作品感覚は映画には少々おおざっぱすぎるし、映画としては出来損ないの部類かもしれないが、それでも魅力のある作品だ。[ビデオ(字幕)] 7点(2013-10-06 04:08:44)
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