みんなのシネマレビュー |
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21. どん底(1957) 間仕切りもなく、ただ寝床にムシロを敷いただけのルンペン宿、暗く薄汚れた雰囲気はまさしくゴーリキーの戯曲、よくぞロシア文学を日本に置き換えたと感心。それぞれ癖のある人物描写が良い。台詞に舞台劇のおもしろさがあるのだが、やや聞き取りにくい。主人公のこそ泥が侍っぽく見えるのはやはり三船だからだろうか。[DVD(邦画)] 5点(2013-08-09 02:04:11) 22. どん底(1936) 暗くて重い這い上がることができないどん底かと思っていたが、最低の暮らしをしている宿泊者たちは意外と楽観的。這いだそうという気持ちはあっても半ばあきらめ気味、切実さは感じられない。それでも自分の命を絶つ者もいて・・・。ロシア文学とはちょっと違うような気もするが、私はかえってこの方が好き。先の見通しは立たないけど、一応のハッピーエンドだし・・・。[DVD(字幕)] 6点(2013-08-06 20:19:39) 23. トッツィー ダスティン・ホフマンの化けっぷり(女装)と演技力に脱帽だけど、肝心のストーリーはいまいちしっくりこなかった。[DVD(字幕)] 6点(2013-06-21 19:33:21) 24. トーク・トゥ・ハー 「オール・アバウト・マイ・マザー」で驚かされたアルモドバルだったけど、この映画はもっと強烈、衝撃的だった。いつもながらついていけない部分は多々あるのだけど、美しい映像とすばらしい音楽が独特の雰囲気を作り出し、甘美なそして切ない世界へと引きずり込む。この際、ベニグノがとった行為についてどうこう言うのはよそう。それを遙かに上回る愛の深さを感じた。[DVD(字幕)] 8点(2013-06-08 16:04:25) 25. ドン・キホーテ ~ラ・マンチャの男~ <TVM> ミュージカルとはちょっとまた雰囲気が違う「ラ・マンチャの男」だ。ドルシネア姫の出番が少ないのが不満だけど、その分パンチョ・パンサの人柄で救われる。[DVD(字幕)] 6点(2013-04-29 20:28:33) 26. トト・ザ・ヒーロー 最初はサスペンスかなと思ったけど、明るく楽しげな主題歌が重い空気を吹き飛ばしてくれた。姉のアリスがかわいい、いや魅力的。主人公のトマが何もなかった人生と言っている割にはいろいろあっておもしろかった。ピストルを構えているにしては、ファンタジックで、爽快感がある。[DVD(字幕)] 8点(2013-04-12 06:36:58) 27. 透光の樹 原作は高樹のぶ子の同名小説、谷崎潤一郎賞を受賞したベストセラーだそうだが、未読。それでも何となく文学作品ぽい台詞が端々に感じられる。大人の恋愛ドラマというわけだが、流れに一歩乗り損なうと18禁映画のエロティシズム(大胆な脱ぎっぷり)だけが残ってしまいそう。それに日野皓正のトランペットというのもこの映画に合っているのかどうか疑問が残る。[DVD(邦画)] 4点(2013-01-26 13:11:16) 28. 東京家族 東京物語のストーリーを追いながらも、2012年の現代にうまくマッチさせ、しかも老夫婦、長男長女のそれぞれの夫婦、そして次男とその恋人の4組のカップルを丁寧に描いている。さすがは山田監督、寅さんを初めとする様々の日本の家族を映画にしただけにまず文句のつけ所がない。家族への想いや絆は時代を経ても永遠なのか、静かに切々と情感に訴える映画である。それと同時に改めて小津安二郎監督「東京物語」の偉大さも感じた。[映画館(邦画)] 8点(2013-01-22 15:15:23)(良:1票) 29. ドラえもん のび太の日本誕生 前半はまずまずおもしろい。こりゃ、社会科の勉強にもなるかなと思ったが、後半ギガゾンビが出てくるあたりから急にお子様向けアニメレベルになってしまった。それにしても、ドラえもんのポケットに頼りすぎで安易。[ビデオ(邦画)] 5点(2013-01-21 18:54:06) 30. とんかつ大将 川島監督の映画は好きなものが多いのだけど、この映画はちょっと深みがなく都合行き過ぎじゃないのかな。特に思ったのは、酒を飲んだ後に火事場で手術とはあんまりだろう。現実離れしているところが、日本のキャプラなのかもしれないが・・・。[地上波(邦画)] 5点(2013-01-16 14:28:56) 31. ドラえもん のび太の魔界大冒険 ドラえもんは漫画やテレビでたくさん見たけど映画館で見たのはこれだけ。小学校に入ったばかりの姪っ子たちを連れて行ったのだけど、一番熱心見たのはもちろん私。これ以降たくさんのドラえもんをビデオで見る羽目になる。ちんからほいでスカートがまくれあがるのに思わずニンマリ。[映画館(邦画)] 7点(2012-12-28 11:36:23) 32. ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い 主人公はダ・ポンテでモーツァルトは脇役なのだが、モーツァルトの美しい音楽がちりばめられ、映画「アマデウス」が好きだったならば、この映画もまた好きになれるだろう。(ただしオープニングの曲はモーツァルトでなく、ヴィヴァルディの四季の「夏」)ドンジョヴァンニの製作過程が映画の軸となるが、ダ・ポンテの恋愛も重なる作りになっている。しかし美しい音楽に酔っているだけでは、内容がいまいちつかみにくいので、オペラの筋書きやアリアなど、知っているに越したことはない。 [DVD(字幕)] 7点(2012-12-25 00:11:13)《改行有》 33. ドライビング Miss デイジー 人種差別やユダヤ人に対する偏見、老後問題などを扱いながらも、大上段に振りかざさず、静かに淡々と進む流れがとても良い。その効果を高めているのがハンス・ジマーの音楽だ。時にはなつかしく、時にはさびしさを交え、実に印象的。そして何と言っても主役の二人、ジェシカ・タンディとモーガン・フリーマンの演技のうまさが光る。もはや演技というより、デイジー老婦人と運転手ホークそのもので、実にぴったりとした役作りだ。映画全体もすばらしく、何気ない小さなシーンの連続だが、見終わった後の感動がしみじみわいてくる映画だ。[DVD(字幕)] 9点(2012-12-15 08:03:07) 34. 隣りの八重ちゃん とても仲の良いお隣さん同士だけど、昔はさほどめずらしいものではなかった。だが隣家におじゃまして飯までとなると格別、恵太郎と八重ちゃんも兄妹同然というかそれ以上。割って入るのが高杉早苗の女友達かと思いきや出戻りの姉とは。そうか岡田嘉子と言えば実生活でも波乱に富んだ人生を送ったんだったっけ。このモーションをかける姉と落ち着かない態度の妹の心理描写が実に良い。[DVD(邦画)] 6点(2012-11-25 19:18:15) 35. 殿方ご免遊ばせ これまた、かわいければわがままも許されるというような映画だ。スタートの信号無視からして「今度からは気をつけてください」で終わってしまう。甘いの一言。ストーリーもまた内容に乏しい。ところで原題のパリジェンヌはパリ市民の意味だが、これが何と「殿方ご免遊ばせ」になるのだからすごい。[CS・衛星(字幕)] 5点(2012-11-02 21:27:58) 36. 扉の影に誰かいる 《ネタバレ》 自分の妻の不倫を、記憶喪失の男を利用して精算させようとする計略は、大変すばらしいと思う。ちょっと考えつかないようなアイデアだ。しかし考えがすばらしければすばらしいほど、およそ現実性がないと思う。ちょっとした手違いや突発的なことで簡単に崩れるはずだ。そういう思わぬことに対して十分に計画が練られているようにも思えず、おあつらえ向きの記憶障害者が飛び込んでくる偶然に頼っているようではお粗末だ。 映画全体に緊迫感が足りないと思ったらあの音楽だ。いくら何でもドヴォルザークの「家路」はないだろう。雰囲気をぶちこわしているしか思えない。それにタイトルだ。邦題は原題をそのまま訳したものだが、いくら何でもそのまんま。味も素っ気もなし。 前年の「雨の訪問者」が良かっただけに、非常に期待はずれだった。[映画館(字幕)] 5点(2012-08-10 15:03:43)《改行有》 37. TOMORROW 明日 投下前日に結婚式を挙げた二人や当日早朝に生まれた赤ん坊、彼らに未来はなかった。今日できなくなくても明日があるからという願いはむなしく消えたのだ。長崎の原爆を描いた映画としてはやや物足りなく感じるものの、制作者のメッセージは強く心に残った。[DVD(邦画)] 6点(2012-08-05 21:42:30) 38. 東京タワー オカンとボクと、時々、オトン(2006)<TVM> 《ネタバレ》 田中裕子の熱演に尽きる。湿りがちでウジウジするようなストーリーも、脚本演出と田中の力で明るく吹き飛ばしてくれる。それに時々現れるオトンのハチャメチャぶりがまた良い。 音楽(主題歌)も実に良い。BEGINの「東京」という曲だが、これは昔マイペースが歌っていたもの。オリジナルもBEGINもどちらも良いが、あの“東京へは、もう何度行きましたね~”というメロディーが流れると思わず涙が出てくる。2時間というドラマがあっというまに過ぎ去ってしまった・・・ なおこの映画ではNHKテレビドラマ「カーネーション」の尾野真千子が端役で出ているが、テレビではまったく気づかなかった(違う、まったく知らなかった)さらにもう一つ、映画のオトンとオカンがこのTVドラマでは大家さんと東京タワー職員というちょい役なのもおもしろい。[地上波(邦画)] 9点(2012-04-22 06:15:17)《改行有》 39. 東京タワー オカンとボクと、時々、オトン(2007) 先に田中裕子主演のドラマを見ていたこともありあまり感動できなかった。原作小説は読んではいないが、映画の方が原作に近いということはすぐわかる。リアルだし、映画的だし、淡々とかつしみじみと物語を語っていく。ナレーションがはいるので、なおさらそう感じる。そしてオカンが死ぬ前も死んでからも長い。だがどうしても盛り上がってこない、そうあのTVドラマの印象が今も長く強く残っているからだ。 TVと比較するとどうして役者が地味だ。田中裕子のオカンを、樹木内田の親子で演じアイデアは良しとしても、田中の芸達者には遠く及ばない。そのほかの人物にしても、迫力不足を感じた。 [DVD(邦画)] 5点(2012-04-22 05:52:15)《改行有》 40. 東京キッド 歌は前作の「悲しき口笛」にかなわないけれど、映画はこっちの「東京キッド」の方が好き。 花菱アチャコ、榎本健一という喜劇役者が加わっただけに、映画全体がコメディムード、特にエノケンのとぼけ具合が良い。花菱アチャコはラジオドラマ「お父さんはお人好し」でさかんに聴いただけあって、あの独特なしゃべりが懐かしかった。[DVD(邦画)] 6点(2012-03-01 21:27:18)
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