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プロフィール
コメント数 854
性別 男性
自己紹介 <レビュアー引退について>

他の方にとってはどうでもいい事ですが(笑)、
こちらでのレビュアーを引退させて頂きます。
理由はあまり映画自体を見なくなった事と、
結局、映画以外にもレビューを書けるAmazonが
レビュー投稿の中心になってしまった事ですね。

長い間、お世話になりました。 2021/11/27
   
<ジャンルの好みについて>

・好きなジャンルは「ホラー」「サスペンス」「ミステリー」。
・嫌いなジャンルは「ミュージカル」「恋愛」「韓国映画」「感動押し付け系」。
・どちらでもないのは「アクション」「SF」「コメディ」「時代劇」。

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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順12
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1.  トラウマ(2004) 《ネタバレ》 確かに中盤あたりまでは「ジェイコブズラダー」そっくりの演出をマネる事で、意図的に「死者の見た夢オチ」に誤誘導している感じ(こんなマイナーな作品まで見るような人は、大抵、有名どころのサスペンスやミステリーは見ているだろうし、実際、自分も最初は「また例のパターンか」と思ったw)。 基本的によくある「妄想系サスペンス」の亜流でしかないけど、その辺はさすがに多少は考えたみたいw。 んで、自分なりの解釈は、この主人公は「自分の望んだ現実以外は受け入れられない」人間で、結局、別れたエリッサをストーキングしていただけの男。自分が事故った事で、エリッサと自分が「事故で死に別れた」という妄想に改変してしまった(エリッサはローレンのマネージャーと付き合っていた)。 そんな主人公にとって最も受け入れがたい真実は何かと言えば、「エリッサと自分が無関係になった」という現実で、その次は「自分の運転でエリッサが死んだ」という事だろう。 つまり主人公にとって最も都合の良い妄想は、「エリッサと自分は別れておらず、彼女は事故で死んでいなかった」というもの。 シャーロットが妄想じゃなかったのは、主人公以外の視点で死体が発見されている事から明白(それすら疑うと推理の仕様がない)。 では何故シャーロットを殺したかと言えば、彼女が「心の空白を埋めるための存在」として主人公が作り出した妄想上の存在なら、エリッサが事故で死んだ事を補強してしまう存在になるからだろう。しかしエリッサ本人が目の前に現れた事で、「エリッサは事故では死んでいないし、やはり自分とは夫婦だった」となり、どちらにしてもシャーロットを妄想だと思い込まざるを得なくなる---。 この辺が妥当な解釈かな。違うかも? 他にも突っ込みどころや異論はあるだろうけど、これ以外にも色々と解釈(妄想?)をして楽しめる余地はある作品。 [DVD(字幕)] 6点(2006-11-01 18:40:56)《改行有》

2.  ドクター・ドリトル2 <前作未見> 中途半端な家族愛と中途半端な自然愛がテーマの、中途半端な動物コメディ。駄作と言うほどつまらない訳ではないが、特に面白くもない。売りである動物の仕草やおしゃべりも、みんなして好き勝手にベラベラしゃべってるだけだし、やたらヒネた事ばかり言うのでまったく可愛くない。ギャグも下品なネタが多く幼稚だし、終わり方も予定調和以前に、あまりにも生温いご都合主義。とにかく全てが薄っぺらい。むしろ子供にこそ見せたくない作品。子供向けではなく、子供騙し映画と言った方が適切。 [地上波(吹替)] 3点(2006-01-09 16:40:19)(良:1票) 《改行有》

3.  dot the i ドット・ジ・アイ 《ネタバレ》 低予算サスペンスとしてはギリギリ及第点。 ただ、前半の「恋愛ドラマ」が、後半のどんでん返しのインパクトにとって必要なものであるとは言え、やはりちょっと長過ぎる。最初、サスペンスと間違えて普通のドラマ作品を借りてしまったのかと思ったくらい。ここが大きなマイナス点。 <以下、完全にネタバレです>  後半、それまでの恋愛ドラマが「映画制作のための芝居だった」と判明するところからテンポアップするものの、オチには特に意外性は無い。「騙されていた女」と、「騙した女を愛してしまった男」による復讐が上手く行き過ぎて、その予定調和的な終わり方に物足り無さを感じる。 細かい部分のご都合主義も気になる。あの結婚前のレストランでのキスシーンからして、彼女があの主人公を指定するとは限らないし、あんな情熱的な恋愛に発展するという保障も無い。 こういう展開なら、むしろそこを「伏線」として、映画に採用される前からふたりは知り合いで、監督に対する何か別の復讐のために、今回の映画制作を逆に利用したってオチにした方が良かったように思う。やはり、単に「映画制作のために騙された」というだけでは、殺人の動機としては無理がある(実際、この映画で一躍有名になれた事は事実なんだし、出演料も払ってもらったんだから)。 サスペンスとしてはちょっとした謎解き要素もあり、見て損をするほどのものではないが、突出したものが足りないのも事実。どうせ低予算なんだから、もっと作品として冒険をして欲しかった。 [DVD(字幕)] 5点(2005-06-29 23:43:56)《改行有》

4.  トータル・フィアーズ 散々、他の方も書かれていますが、あまりにも「核」に対する認識が甘すぎる。あれじゃただの「大きい爆弾」という程度じゃん。この描写のいい加減さは、ある意味、製作側の意図的なもののように感じる。 戦争や核の脅威に対する警鐘が目的にあるなら、本来あるべき「爆心地周辺の惨状」をもっと生々しく描写すべきだろう。被爆国に対して失礼だ。[ビデオ(吹替)] 0点(2005-05-01 10:33:19)《改行有》

5.  DRIVE 《ネタバレ》 たまたま深夜に放送していたので見たけど、一発でSABU監督と分かる作品の個性はスゴい。 ただ、独自の世界観を作ってしまった事は評価できるけど、逆に、あまりにも各作品のノリに違いが無さ過ぎる。これは監督の作品を何作も見ている人なら誰でも感じる欠点だと思う。 脚本構成の基本がどの作品も、「平凡な主人公」が、「突拍子も無い事件に巻き込まれ」、「どんどん破綻した様相を呈していく」、というもので、その間に、各登場人物がお互いの心の補完をし合う人間ドラマが盛り込まれていくのもワンパターン。 今作もいままでの監督の作品とまったく同じノリ。メインキャラが毎回同じだから余計にそう感じられるのだろうけど、さすがに食傷気味。 途中のコンサートシーンや穴から手が抜けない強盗、幽霊との決闘など、何となく言いたい事は分かるんだけど、ちょっとおふざけが過ぎる感じ。各イベントの繋がりや必然性が薄いので、余計に見ていて散漫で冗長な印象になっている。 途中、良いシーンもあるにはあるけど、「犯罪者にも色々と事情があるんだなあ」って言う所で共感させようとするパターンで、これまた薄っぺらい。 こういう「あえてメチャクチャやる事で個性を出す」という時期はそろそろ卒業して、次回からはもう少し地に足の着いた脚本が見たい。監督の才能はこんなものではないはず。[地上波(吹替)] 5点(2005-03-27 15:16:46)《改行有》

6.  ドーン・オブ・ザ・デッド 《ネタバレ》 映画にはたまに「緻密な計算」と「偶発的要因」の相乗効果によって出来た「奇跡的な作品」が存在する。ホラーで言えば「悪魔のいけにえ」や「ゾンビ」がそうだが、問題はリメイクをするには、余りにもオリジナルが完成され過ぎている事だろう。絶妙なバランスの上に構築されている作品を変にいじっても失敗するだけ。 今作の最大の失敗は、ゾンビを全力疾走させてしまった事だ。そのせいで、単に「怪物に襲われる」という肉体的な恐怖感がメインになってしまい、「生と死」、「日常と非日常」というテーマについて考えるヒマもなくなっている。これではただのモンスターパニック映画と何も変わらない。 「ゾンビ」におけるテーマの本質とは、よく知る肉親や恋人が、まるで「異質」な存在に変貌してしまうという絶望と哀れみから命の意味を考え、「人間性を失われた存在」を目の当たりにする事で、人間の心のあり方を考える事にある。死すら相対化された世界で、生き残った者の生き様を観客が見る事で、自分自身の人間性と向き合わされるという構造が「ゾンビ」という作品の本質だろう。 今作は登場人物が多い事もあり、ひとりひとりの人間ドラマも薄く、先述したように、とにかく悩むヒマもないくらいのスピードと数のゾンビが襲ってくるので、どうしたってアクション寄りの内容にならざるを得ない。ゾンビを走らせるだけで、作品の本質がこれほど変化してしまうのだ。その差を見比べるのも面白いかも知れないが、オリジナルのテーマ性を著しく損なったリメイクである事は確か。 3点(2005-01-30 09:53:53)《改行有》

7.  ドリヴン 個人的にまったく車やレースに興味が無い事もあるけど、それを別にしても、基本的に作りが安易と言うか、「ま、レースを通じて適当に人間ドラマや恋愛要素を散りばめておけばいいかな」と言うような、素人がシナリオの教則本でも見ながら作ったような出来。 と、ここまで書いたところで脚本担当が誰かと見てみれば、スタローン本人かい!俳優としては一流でも、脚本家としては三流。見ていて感じた「素人臭さ」という印象は大正解。[地上波(吹替)] 3点(2005-01-17 21:02:45)(良:1票) 《改行有》

8.  ドラゴンストーム<TVM> 《ネタバレ》 やっぱり外国はファンタジーものを撮るためのロケーションに事欠かないから羨ましい。恐らく舞台となった城も本物を借りて撮影しているのだろう。その方が手っ取り早いし、当然セットより雰囲気も重厚になって、一石二鳥。しかし残念ながら、それは監督やスタッフの手柄ではない。 肝心の内容はお粗末の一言。アクションをやりたいのか、ファンタジーをやりたいのか、どっちつかずで中途半端。ドラゴンのCGも昨今のレベルから言えば低い。ただ火を吹くだけのドラゴンなのに、わざわざ「宇宙から来た」なんて設定にする必要があるのか疑問。デザインもそのまんまだし、おまけに弱い。もっとサンダードラゴンとか、アイスドラゴンみたいに属性があってもいいのに。 中途半端なアクションに中途半端なファンタジーに中途半端な人間ドラマに中途半端なコメディ要素に中途半端な恋愛模様。金がかけられないなら、もっと別の部分で工夫しなきゃダメでしょ。[ビデオ(字幕)] 1点(2005-01-14 21:50:37)《改行有》

9.  ドミノ(2002) 《ネタバレ》 真面目なホラーかと思えば、こりゃどう見ても「おバカホラー」ですな。少しだけ爪先立ちで歩いている女性とか、トイレでひとりで笑っている女性とか、前半は「ゾクっ」とするうまい演出が多いものの、国民性なのか、後半に行くに従って、微妙にストーリー展開や「恐怖のツボ」がB級路線にズレて行ったような気がする。 あのラストのどんでん返しも無理があると言うか、強引と言うか…。4点(2005-01-11 13:31:46)《改行有》

10.  トロイ(2004) 映像表現に金をかけているので、一見すると重厚だが、原型になっている叙事詩から「神話性」を取り除いてしまったため、何とも中途半端な内容になっている。神話や叙事詩には興味があるものの、伝承を単に「実写化」するだけでは、こんなにつまらなくなってしまうものかと驚かされた。 戦闘シーンは「ロードオブザリング」同様、ただ単に集団でワーッとやりあっているだけで、戦略もクソもない集団戦の連続にウンザリ。人や船をコピペしまくっているような画面からは、もはや驚きよりも、表現における「下品さ」しか感じられない。 メインの「トロイの木馬」のシーンも、こういうリアルな映像で見せられると、その作戦の幼稚さが目立つ目立つ。いくら何でも敵さん由来のものなんだから、城内に入れるにしても、燃やすにしても、まず調べろよ(w。もう少し、独自の解釈による大胆な変更があっても良かったのでは。 ブラピも悪くはないものの、あの不死身のアキレスにしては、いまいち迫力不足。それは決闘シーンの演出の仕方にも問題があるからだろう。「強いんだな」って事は伝わるものの、それはあくまでも「人間レベル」のもので、あんな程度では「神の血を引く者」としての凄味は感じない。例えば、ヤリを投げるにしても、何人もの敵兵を鎧ごと貫いて串刺しにするくらいのパワーがあるとか、身体を切りつけられても、すぐに傷口がふさがるとか、デカい戦斧の一撃を素手で受け止めるとか、たった一人で何千人もの敵兵を屠っていくとか、まさに「一騎当千!」と言うべき「見せ方」ってものがあるはず。それは神話ベースだからこそ出来る、そして「やって欲しい」演出なのに、ハリウッド映画はそういうアクション面の演出が本当に下手くそ。 全体の展開も、重厚さや長大さを出したいのか、無駄に長くなっていて、ダラダラとしているのもマイナス。どうせやるなら、原作の解釈を変えて、もっと現代風にアレンジした、エンターテイメント性の高い叙事詩を見てみたかったなあ。 PS.ブラピの身体はなかなかスゴかったけど、まさかCGじゃないよね?4点(2004-12-19 06:59:10)《改行有》

11.  トランスポーター 《ネタバレ》 導入は良い。でもそれだけ。 序盤以外、「運び屋」の設定がまったく無関係。いかにしてプロの運び屋として難しい依頼をこなしていくかと言う、アクションよりも頭を使う知的なストーリーだと思っていたので、中盤以降の内容の幼稚さには期待を裏切られた気分。 それでもアクションとして面白ければ文句も無いが、如何せんカーチェイスもカンフーアクションもキャラクターも、すべてが中途半端でどうしようもない。 この手の「ありがちアクション映画」の典型として、主人公にはどんな近距離でも絶対に弾丸が当たらないとか、そのくせ主人公の攻撃は百発百中とか、何度も銃を突きつけられていながら、いつまでたっても悪役は引き金を引かないとか、どんなに不利な状況でもテキトーになんとかなってしまうご都合主義的展開の連続にはもうウンザリ。 導入に1点。[ビデオ(字幕)] 1点(2004-09-27 22:36:36)《改行有》

12.  ドラキュリア 《ネタバレ》 予想的中の中途半端さ。特に「現代に蘇った吸血鬼もの」って駄作が多いよなあ。何がダメって、どの作品も、吸血鬼の「恐ろしいんだけど、抗い難い強烈な魅力を備えた危険な魔物」っていう基本的な描写がぜんぜん出来てないんだ、これが。 最近では「アンダーワールド」や「ブレイド」なんかもそう。こういう作品に限って吸血鬼と言えば、「ちょっと力が強くて、ピョンピョン跳ねる」という程度の描写で、それ以外は牙を剥いて「シャー」とか「ハー」とか言ってるだけで、「闇と血に生きる者」としての凄絶さや悲壮さ、それでいて気品に満ち溢れた「貴族」のような華麗さを併せ持つ「不死の魔物」という凄味をまったく感じない。この作品も同じ轍を踏んでいて、吸血鬼がただの「陰気な兄ちゃん」や「ポルノな姉ちゃん」にしか見えないw 「実はユダだった」というオチも「だから何なの?」といった程度で面白くない。 アクションも実に中途半端で安っぽい。できないならやるな。やるなら徹底しろ。つまらない作品に共通しているのは、とにかくやることが「中途半端」という点に尽きる。 こういう作品を見ると、同じ「吸血鬼」を題材にしていても、やはり日本の漫画や小説は、ストーリー性や吸血鬼のキャラクター性、アクションの演出にも独自の工夫とセンスがあり(「ジョジョの奇妙な冒険」の1~2部や、「吸血鬼ハンターD」等)、レベルの高い世界観やキャラクターを確立しているが、海外の作品にはいつまで経ってもそういう発展性が見られない。 「ゴシックホラー」として作っているならともかく、アクション要素も加えた「娯楽映画」として撮っているにも関わらず、いつまでも原作のイメージを引き摺っているから、ちょっと解釈を変えただけのような中途半端なものしか作れないんだろう。今や「吸血鬼=ヴァンパイア」と言えば「妖艶な魅力」と「危険な不死の魔物」という二面性を兼ね備えつつ、「滅びの悲哀」をも持っているイメージが基本。[ビデオ(字幕)] 1点(2004-09-25 14:11:50)(良:1票) 《改行有》

13.  ドッグヴィル 《ネタバレ》 かなり監督の意図的な「挑発」が見える映画。人間社会の縮図としてのドッグヴィルには、負の人間性を象徴するような出来事ばかりが起こる。閉ざされた共同体に入り込む「異物」としての主人公。異物を受け入れることで、他者からの見返りを期待する村人たち。その彼女を受け入れさせたりと、他者を説得する行動自体が自己目的化する男。その善意が彼女のためではなく、内側に向けられた自己満足であることにも気付かない愚かしさ。そして、期待が裏切られたという一方的な思い込みから、その感情を相手に対する憎しみに転化させる自己正当化と自己欺瞞。 監督は人間社会で起こりうる典型的な人間性の露悪を、壁の無い舞台セットを使って文字通り「劇的」に描こうとする。そしてラストにおける「粛清」こそが、この作品を見ている我々に対して向けられた挑発であり、監督が最も言いたかったことであろう。 私自身がそうであるように、誰でもあの虐殺シーンを見て少なからずカタルシスを味わってしまうという脚本構成が曲者。詰まるところ、それは自分が見てきた村人たちの「罪」に対する「罰」として、今度は彼女の立場に一方的に同調して「殺されて当然」と殺人をも許容している自分自身の人間性と向かい合う構図になっている。良くも悪くも嫌らしい作品である。7点(2004-09-12 04:07:32)(良:2票) 《改行有》

14.  東京ゴッドファーザーズ 《ネタバレ》 優れたアニメ作品の見本のような出来。 基本的には泣かせるための脚本だけど、演出センスの良さによって、その「感動させるための計算」を感じさせない。コメディ部分と真面目な人間ドラマの対比のバランスが取れているため、ご都合主義的な展開があまり気にならない。「真剣になるべき部分」で真剣になる彼らの行動が、結果、ラストの感動に説得力を与えている。 この手の「コメディ+ドラマ」パターンの作品は、この「おふざけと真面目さ」のバランスが取れていない場合が多く(真剣になるべき部分や命をかけなくてはならないような難局を「コメディという免罪符」でごまかしがち)、そのため主となるべきドラマ部分にも説得力が無くなっている作品が多いが、今作はその辺りの描き方が丁寧で、コメディ部分がラストに至るまでの感動演出の伏線になるという理想的な展開になっている。 自分が失ったものを捨てられた赤ちゃんに見出し、その子を助ける過程で自分自身の過去を見つめ直し、心の補完をしていく浮浪者たち。その行為は純粋な善意だけではないものの、それゆえに嘘偽りの無い、人間らしい弱さや優しさを感じられるし、その悩み苦しみながらも必死で足掻く生き様は、見ている者の人生にも重なる部分があり、嫌でも泣ける。 OPのスタッフ紹介の秀逸さ、押し付けがましさを感じないデジタル処理の上手さ、背景の丁寧な描き込み等、作品全体にセンスの良さを感じる傑作。 ただ、それでも満点をあげられないのは、脚本自体の「完成された平凡さ」のため。計算が行き届いているのは良いが、それゆえ良くも悪くも不安定要素が無く、展開に意外性が無い。そしてそのまま作品としてあるべき着地点にきちんと着地する「予定調和的な大団円」には少し冷めてしまう人もいるかも。完成度が高いがゆえの欠点と言えるかも。[ビデオ(字幕)] 9点(2004-07-06 13:42:45)《改行有》

15.  ドッペルゲンガー 《ネタバレ》 内容的にはタイトルズバリの映画だけど、単にドッペルゲンガーが死を予兆するという、ホラー的な展開ではなく、その人間の内面に密かに息づく二面性が具現化し、本人との対話を果たすという、まさにフロイト的アプローチを試みた作品。そこにこれまたいかにも黒沢監督らしい、ホラーともサスペンスともコメディともつかない独特な世界観で味付けされた映画。 「自分にウソをつかずに生きること」を主題に据えつつ、思うがままに欲求をさらけ出す行為のリスクとリターン、また自分の内面を否定し、押さえ込もうとする行為の意味を見つめ、そのふたつのバランスの取り方を考えさせられる。大きなリスクを取らず、自分の内面を押さえ込んで終わる方が良いのか、リスクを取る代わりに自分に正直に生きた方が良いのか。もうひとりの自分も他ならぬ自分自身であり、自分から生じたものは、「正邪」含めて、すべて自分が受け入れるくらいの器と余裕が無いと、人間として危ういのかも知れない。 ただ作品の評価としては、「設定だけ考えて、あとは成るがままに撮った」といった印象が強く、少し散漫。展開に緩急が無く、これと言って意外性のあるオチも無し。ドッペルゲンガーに翻弄される人がもっといれば面白くなったかも。惜しい。[ビデオ(邦画)] 6点(2004-06-25 21:37:27)(良:1票) 《改行有》

16.  閉ざされた森 《ネタバレ》 基本構成は「羅生門」や「ユージュアルサスペクツ」を踏襲した作り。結局、軍内部での麻薬密売の黒幕を炙り出すための大芝居だったってコト?どうにも細部に矛盾があるような気がするなあ。私も人物名の把握が追いつかないまま見ていたので、はっきりと「どこが」とは言えないのが口惜しい。また見直す気にもなれないし…。やはり「始めにドンデン返しありき」で作られたような脚本には抵抗がある。事実ではない、ただの「ウソ」をいくらひっくり返しても、それは「ドンデン返し」とは言わないでしょう。4点(2004-06-06 19:32:06)

17.  ドラゴンヘッド 《ネタバレ》 <原作未読・映画版の評価> これはヒドイ。覚悟はしてたが、ここまでつまらないとは。まさに駄作の見本。とにかく映画化する上での脚本構成や編集、演出の仕方等が下手くそ。監督さんにクリエイターとしてあるべき「基本的なセンス」を感じない。 原作の問題なのか、そもそも「日常が崩壊した後の世界」というありがちなシチュエーションに新鮮味が無いことに加え、独自のアイデアや解釈も皆無。序盤からダラダラとした展開にイラ立ち、早々に「早送りモード」に突入。いちいちワンシーンが長く、見ているこっちはとっくに状況を把握しているのに、作中人物はいつまでたっても生まれたての子鹿みたいにヨタヨタして「な、何が起こったんだ~」とか、「う、うわ~!」とパニくってるだけで、話が一向に進まない。とにかくダラダラし過ぎ。監督さんも自分で見てみて「テンポ悪いな~」とか思わないのか?「観客のテンション」を意識する事って、映画作りの基本だと思うけどなあ。 非常時における「醜い人間性の露呈」という展開もワンパターン。それくらいしかやるコト無いだろうけど、もう少し何か工夫があるべきなんじゃないの?それぞれの話が独立していて、まったく相互関係が無いというのもお粗末。漫画の連載上、話が断片的になるのは仕方ないかも知れないけど、だったらそのままバカ正直に映画化するんじゃなくて、もう少し独自の解釈なりを加えて、各登場人物やストーリーに「繋がり」や「流れ」を持たせるべきなんじゃないの? 「感情を殺すカンヅメ」も何でそんなモノがあるのか説明されないし、双子の話共々、必然性が無く、ストーリーに絡んでいない。期待していた「全身ペインティング男」も結局、「主人公の内面の暴力性が象徴として幻覚化した」ってだけ?ホントにそれだけ?まさか原作でもそうなの? ラストも「希望か、絶望か」だ?そんなもん絶望に決まってるだろ!生態系も狂って人間も動植物もほとんど絶滅してそうだし、その日の飲み水にも事欠くような状況で、サバイバル経験も無い高校生が生きていけるかっつーの。単に「偶然」と「ご都合主義」によって生き残れただけで、「絶望に立ち向かう姿勢」を丁寧に描かないからカッコつけた言葉だけが空回りするんじゃないの? CG・特撮担当の人のガンバリに敬意を表して、せめて+1点献上します。1点(2004-05-16 06:01:11)(良:2票) 《改行有》

18.  トリプルX 《ネタバレ》 「旧ソ連の生物兵器を使うテロリストと、それを食い止める正義の国・アメリカ」という図式の単純なプロパガンダアクション映画(笑)。「プラハの町に翻るアメリカ国旗のパラシュート」というシーンがこの作品の本質を見事なまでに表している。 純粋に娯楽映画として見ても、ここ何十年も発展性の見られない、思考停止したようなありがちな設定に、ご都合主義をツギハギしなくては成り立たない幼稚なストーリー展開。大量の火薬を使った「無意味な爆発の連続」、「主人公には絶対当たらない銃撃戦」という、これまた惰性的に繰り返される独創性皆無のアクションシーン。おまけにあれだけマッチョなくせに、肉体を駆使した格闘シーンも無し。普通あるだろ。 格闘アクションを入れないなら、レストランでの「知的で抜け目の無い悪党」という点をもっと突き詰めて、「体力よりも知性で勝負」というようなキャラにしてくれたら面白くなったのに、当然そんな知的なキャラでもストーリーでもない。まさに大味なだけの、色々な意味でアメリカ的な映画。[ビデオ(字幕)] 2点(2004-05-02 10:34:36)(良:1票) 《改行有》

19.  トゥームレイダー2 《ネタバレ》 駄作。ゲームの場合、自分でキャラを動かすという能動性があり、アクションや謎解きがメインだからこそ、多少のシナリオの粗さや陳腐さには目を瞑れるが、そこから映画化に伴って「ゲーム性」を取り除いてしまっては、受動的なストーリーの幼稚さが目立つだけ。 基本的に脚本がどうしようもなく稚拙。今どき「パンドラの箱」って…。案の定、ラストまで見ても、「箱」がどういう由来のモノかという説明も無いまま。教授も人類の大半を死滅させうるバイオテロを起こすだけの具体的な技術力も資金力もあるんだから、こんなよく分からんモノを必死に手に入れようとする動機に説得力が無い。単に「災いの象徴」として有名だからっていうイメージばかりが先行している。 さらに肝心のアクションがどうしようもない。「ルパン三世」並にご都合主義で、やっていることも中途半端。やっぱり主役はどんなに近距離で銃を乱射されようとも絶対に当たらないのに、こっちの撃った弾は百発百中なのが基本ですか?そろそろ、この手の安易な「危機脱出パターン」は変えなきゃいけない時期でしょう。いくら娯楽作品とは言え、見ていてまるで危機感を感じない思考停止したような演出は止めてもらいたい。私はこれを「ストーリー中盤の時限爆弾解体作業に伴うリアリティの喪失理論」と呼びたい(笑)。 また、ラストの「生命のゆりかご」とかの舞台や怪物のCGのチャチなこと。凄まじく安っぽい。途中で金が尽きたのか?もう欠点を挙げるとキリが無いのでこの辺で。 PS.こんなもの見てるくらいなら、ゲーム版をやってるほうがはるかに面白いですよ。難易度は高いけど、未プレイなら是非一度遊んでみることをお奨めします。[ビデオ(字幕)] 2点(2004-04-26 04:05:09)《改行有》

20.  ドリームキャッチャー 《ネタバレ》 本当にスティーブン・キングの作品は当たりハズレが極端。「ジーパーズ・クリーパーズ」や「ホーンティング」のような、「駄作のお手本」としての反面教師的な価値しか見出せない。 とにかく作品として何がやりたいのかが、さっぱり意味不明。SFとサスペンスとホラーとコメディが闇ナベの如くごった煮で、各要素がまったく溶け合わないまま話が進んでいく。食い合わせの悪さもそのままに、観客の腹痛なんてお構いなし。これで「各要素が上手くまとまっている」という評価ができる人が不思議すぎw。 せっかく各キャラに面白そうな特殊能力があるのに、作中でその能力が活かされることもほとんど無し。どうせなら過去のエピソードのように、各人の能力を活かして皆で失踪者を探すという、「少年探偵団」のようなストーリー展開にすれば面白くなったろうに。 それなのに何故にエイリアン?序盤の各キャラのエピソードは何?何であの状況下で爪楊枝を取ろうとする?意味ありげな魔除けの意味は? 要するに限られた時間の中に色々な要素を入れれば、それだけ各要素が中途半端になるに決まっているというコト。[ビデオ(字幕)] 1点(2003-12-26 21:56:43)《改行有》

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