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プロフィール |
コメント数 |
1047 |
性別 |
男性 |
年齢 |
30歳 |
自己紹介 |
とにかくアクションものが一番
感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます
備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません 10点…大傑作・特に好き 9点…好き・傑作 8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く |
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1. SOSタイタニック 忘れえぬ夜
ジェームズ・キャメロンは好きな監督だが・・・何故か「タイタニック」だけは惹かれなかった。
その理由がジャン・ヴィゴの「アタラント号」やロナルド・ニームの「ポセイドン・アドベンチャー」、そしてこのロイ・ウォード・ベイカーの「タイタニック」にある。
1958年に公開されたこの作品は、あくまでドキュメンタリー風のタッチでタイタニック号が沈みゆく姿を描いていく。
登場人物の描写は「タイタニック」よりも希薄だし、キャメロンの映像に比べるとこの作品は見劣りしてしまうかも知れない。
けれども、この作品は無駄なものが無く、船が沈むまでの人々の動静を克明に映像化した作品だ。
登場する船もセットも総て本物ではないのかという危機迫る映像、白黒画面の黒い映像がより沈みゆく船の恐怖を倍増させている。
死を前に人は何をすべきか?
最後まで船に残り最善を尽くそうとする人々の生きる姿。
善悪のあるドラマではなく、人間味のあるドキュメンタリーだからこそ極限状態の緊張感と凄惨な絶望感を肌で感じられると思う。
この作品の持つメッセージやドラマ性の方が、キャメロン版より圧倒的に上だ。
かつてキャメロンの「タイタニック」を酷評した淀川長治さんも、恐らくこの作品を見ていた事だろう。[DVD(字幕)] 9点(2014-06-16 23:00:19)(良:2票) 《改行有》
2. エル(1952)
《ネタバレ》 最も狂っておらず、最も狂った作品。
同時にもっともエロくなく、もっとも官能的なブニュエル作品。
精神を病み、自分が正義だと信じ続け身を滅ぼしていく男の悲しきドラマ。「昇天峠」より強烈だ。
精神病の症例記録を映画化しようと思うのは、ブニュエルくらいか。それをスリリングなサスペンスのように魅せるブニュエル。
男は、礼拝堂で聖母のように美しい女性(脚)と出会ってしまった。歪んだ正義は独占欲となって彼女を束縛する。
他人への憎悪。嫉妬で荒れては、愛する女に許しを請う。教会の上から「俺がてっぺんで、下を歩く連中はクズだ!」と言わんばかりに軽蔑する。
遂には「俺の思い取りにならんなら、いっそ!」と愛する女にまで憎悪を向ける。階段の手すりをガンガンガンガンと叩き続けるシーンの狂気と怖さ。あらゆる事が思い通りにならない苛立ちと恐怖。
男の様子を見て怯える女よりも、男は何かに怯えているのだ。
女はそんな男から逃げる。こんなもん逃げたくもなるわ。
男は「俺のものにならんなら、ブチ殺してやる!」と街に飛び出す。礼拝堂で周りから嘲笑される幻覚に襲われる主人公。自分の何もかもが否定される絶望感、怒りは神父の首に向かう。
女が向かった新天地の不気味なくらいの平和が、後を引きずる。[DVD(字幕)] 9点(2014-06-13 21:06:35)(良:1票) 《改行有》
3. エデンの東(1955)
《ネタバレ》 ジョン・ スタインベックの原作を映画化。
原作は聖書の英語訳版である「欽定訳」と「アメリカ標準訳」の異なった訳を比較し、登場人物たちに新しい解釈をさせようという狙いを含み親子3代に渡る葛藤と苦悩を通して家族愛を描いていく。
本作は一人の少年の青春を軸に描かれる。
大戦の暗い影が差す1917年のアメリカの片田舎を舞台とするエリア・カザンの「エデンの東」は聖書の一節を元に、
一人の女性をめぐって対立してすれ違っていく兄弟、
母親の真実、
父親との確執、
「許されざる恋」が「許される恋」へと変わる瞬間、そして親子の絆。
聖書のアダムの如く東の街へと逃れてきた父親。
今度はその息子も兄と対立し逃げようとしている。
そこに訪れる救い。
現実と向き合い、真っ向から取り組む道を進むことを決める主人公。
相手の誠意が自分を傷つけ、自分の行いが相手を苦しめる・・・そんなすれ違いを丹念に描き、決裂し、修復していく・・・。
父と和解し救うことが出来たキャル。
まるで天から見守られるように穏やかな締めくくりを迎える。
が、唯一決別したままとなってしまった兄のアロン。
劇中では彼の行く末は語られない。
原作のラストにしても、誤解が生じ互いに心に傷を負わせ、それが修復しない内に悲劇が訪れる。
傷心しきった兄の心同様、キャルの心にも傷が残るもう一つの結末が暗示されている。
[DVD(字幕)] 9点(2014-01-22 00:17:08)《改行有》
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