みんなのシネマレビュー
あにやん‍🌈さんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 2526
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順12
投稿日付順12
変更日付順12

1.  映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ 《ネタバレ》  ツイッターで大々的に話題になっているのだけど、ネットでの大騒ぎがこの映画にとって幸福なコトだとは思えないのね。作品への感想・評価が大袈裟過ぎて、ここに登場するキャラたちが持つココロと乖離しまくっちゃってる状態じゃない。「何気ない佳作」くらいがちょうどいいポジションだとは思わない?  映画を見るに当たって身構えてしまったけれど、幼い子供向けだけにワリとシンプルね。前半、絵本の中に入ってバリエーション豊かな展開をする割にはどうにも単調で見てるのが結構キツいわ。キャラ1人1人のドラマを深読みしようと試みたけど、それぞれの成り立ちに背景はありつつも基本みんな仲良し良いコ状態なので特に深い闇を見せてくれるとかいう訳ではなくて(当たり前)。ナレーションで全部説明してくれちゃう映画だし。  後半の展開は感動的に描けていたわ。ただ、こういうほのぼのシンプルなデザインのキャラで怒涛の泣かせの展開に走る点に意外性があるわけで、その設定そのものはありがちと言えばありがちね。  ネットで取り沙汰されてる『攻殻機動隊』とか『ジョーカー』とかって、真面目に受け止めない方がいいわ。アタシ個人の印象として近かったのは『学校の怪談』シリーズね。  尺も短いし、何か凄いモノを期待して見るのは間違いかしらね。っていうか平日昼間の新宿ピカデリー、子供はちょぼちょぼ、大きいお友達で溢れかえってたわよ・・・[映画館(邦画)] 7点(2019-11-14 19:38:24)(良:1票) 《改行有》

2.  映画 HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ 《ネタバレ》  『プリキュア』の映画。映画をいっぱい見てきてる中でも最も敷居もハードルも高くて、これまで手が出せなかったわ。想像してみてよ、トシ食ったオカマが女児達に囲まれて一体どんな顔して見てられる?  テレビの『プリキュア』は(ニチアサ総じて)これまでなんとなく映ってた的な、見てるってほど見てはいない状態ね。『プリアラ』のあきゆかにはヅカみが感じられて、あきゆか回はわりとしっかと見てたけど。  『HUGプリ』も最初はキャラがキラキラ綺麗な、あとは毎度のプリキュア程度の印象だったのだけど、えみるとルールーが出てきて、その二人がアンバランスなコンビを形成してゆくあたりから注目し始めたのね。抑圧されたプリキュアファンの小学生と敵が送り込んだスパイのアンドロイド。その二人がプリキュアになるに至って、もうのめり込むようになって。  『HUGプリ』は徹底的な自己肯定の物語。その攻めの姿勢は大人が見てびっくり。いじめや差別や固定概念を否定し、ジェンダーフリーを高らかに謳うのね。「女の子だってヒーローになれる!」がキーワードの作品の中で、主人公が言った「男の子だってお姫様になれる!」というセリフ、世の中のどれだけの男の子が救われたことか。今日の放送では遂に男の子のプリキュアが誕生して、その姿勢を更に確固たるモノにしたわ。  映画版は『HUGプリ』と初代の『ふたりはプリキュア』をメインにした作り。歴代プリキュア55人が登場!とは言っても全員が物語に絡んで大混乱、みたいなコトにはなってなくて。過去作のファンには物足りないかもしれないけれど。  オリジナルな物語にはちゃんとドラマがあってメッセージがあって、1つの作品として完結してるのね。テレビシリーズにあるような攻めの姿勢は抑え気味だけれど、新旧プリキュアの競演は感動的。  クライマックス、怒涛の55人プリキュア大競演の盛り上がりは『レディ・プレイヤー1』のクライマックスをも凌駕するわね。心で応援して(応援グッズ、大きいお友達は貰えないのよね)リアルで涙ダダ漏れ。  マシェリ(えみる)とアムール(ルールー)の出番は少なかったけど、あの美しい変身シーンを大きなスクリーンで見られて感激。ルールーのネジネタ笑えたし。  ミデンの世界の間、フルCGになるのだけれど、そこはキャラをゆらゆらと動かし過ぎな気がしたわね。リミテッドな手描きシーンに合わせちゃダメなのかな?  でも、テレビシリーズと併せて、この眩しく煌びやかな世界が東映動画の魔女っ娘モノから変身ヒロインモノに連なる大きな歴史の到達点だと思うと感動もひとしお。『魔法使いサリー』から『HUGっと!プリキュア』までその歴史に立ち会えてる自分って、もしかして幸せなのかも。『プリキュア』のある世界に生まれて良かったわ。  ちなみに平日の昼間に見たので、女児より大きいお友達の方が多くて身の置きどころ無し!ってコトはなかったけど、映画終わって涙目で「プリキュアのパンフレットください」って言うのは最大のチャレンジだったわね・・・[映画館(邦画)] 9点(2018-12-02 20:35:10)(笑:1票) (良:1票) 《改行有》

3.  エイリアン:コヴェナント 《ネタバレ》  亜流がいっぱい出た『エイリアン』ですが、ここまで来ると本家もまたその亜流たちとさして印象変わらないようなモンで『ライフ』と比べたってどっちもどっち、くらいなモンで。相変わらずプロフェッショナルにしてはお粗末、お馬鹿な方々が出てきてはエイリアンが出たー、ギャー、ってのを繰り返すばかり。  ヒロインには決定的な何かが足らないし(映画背負って立つほどの存在感の欠如とでも申しましょうか)、各人意味もなく勝手気まま、バラバラに行動してるようにしか見えないエピソードのブツ切れっぷりだし、結構引っ張るけどオチは丸見えだし(いやもうアッチだって判ってるしYOU早くバラしちゃいなよ)。  アンドロイド同士で創造主について語ってる時点でレプリカントやりたいんか、『ブレードランナー』に繋げたいんか、って思いましたが、そこ、この映画の中でも特に面白くないところで。ダレまして。でも、そういう起源からの変遷を語るのならば、その先、人類が進化してアンドロイドとエイリアンを克服してゆくか、或いはアンドロイドかエイリアンが人類を凌駕して宇宙を支配してゆくか、そういうところまで描いてこそなワケで。広げた大風呂敷の結果が『エイリアン』~『エイリアン4』だと、それはそれで小さくまとまって終わる事になるんだなぁ、と。今考えてみれば『4』のリプリーにはその予兆みたいなモノはあった訳ですが。  エイリアンの基本設定はもう変えようがありませんから手詰まり感たっぷり。ジェリー・ゴールドスミスにオマージュ、な音楽も1作目に対する回帰志向を強調しているように感じられて後ろ向きな印象。  もっと変化したエイリアンをやるには歴史を先に進めるしかないんじゃないかと思います。大風呂敷をしっかとたたんでみて欲しいところで。[映画館(字幕)] 5点(2017-09-25 21:47:19)(良:3票) 《改行有》

4.  映画 妖怪ウォッチ/空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン! 《ネタバレ》  CGとの合成を前提として撮られている実写パートがかなりぎこちないとか、アニメパートの作画がテレビアニメレベルのお手軽さとかっていう明らかな難点はありますが、もっと基本的なところで「この映画は大丈夫なのだろうか?」って心配になりました。  アニメのキャラクターがこちら(現実)側の世界の存在になってしまう事に対する違和感、異常さを描いているわけですが、それはつまり『妖怪ウォッチ』という作品そのものがアニメの世界の話である、現実とは違う世界の物語であると主張しているんですよね。こちら側を毛穴世界(アニメのキャラクターには毛穴がありませんから)と呼ぶ主人公を始め、全てのキャラはあちら側の存在であり、そこには明確な境界が存在しているのですよ、と作品をメタ化してみせます。  更にこちら側の人間が逃避という形であちら側の(アニメゆえの)飛躍的に自由な能力を獲得し、あちら側のキャラはこちら側に来る事で現実に引っ張られて能力が極端に低下するという描写によって、その差異を強調してみせた上で、現実を生きるための努力が必要ですよ、アニメに逃避してちゃダメですよ、と釘を刺してきます。  それが劇場に来ていたメイン層である未就学~小学校低学年の子供達に受け入れられるのかどうか、ちょっと心配。むしろ人間側ヒロインの15歳という設定年齢、そのくらいの世代の人に向かって発信されているようにも思えます。大人に向かって社会と自己とに向き合ってゆかなければならない、そんな時期の人。  夢の側から「夢は夢として現実を生きろ」と主張してくる、なかなかに辛辣で侮れない作品だったりするのでした。  まあ、私なんかは遠い昔に手遅れになってますが。CGジバニャンかわいー。[映画館(邦画)] 7点(2017-01-05 22:56:15)《改行有》

5.  映画 聲の形 《ネタバレ》  耳が聞こえないというのは、この映画では障害ではなく個性であるのだと思います。これは障害者の映画ではなく、いじめの映画でもなく、個人と個人についての普遍性を持った映画、なので障害やいじめに固執すると矮小化してしまう、そこを山田監督は真面目に丁寧に、バランス良く描いています。  それぞれの自分を守るための戦いが生む摩擦、その戦いから逃走する事で更に生まれる摩擦、ひたすら繰り返される闘争の傷とその痛みの容赦の無さ。映画はそこに真正面からぶつかっています。他者のパーソナリティを受け入れると共に自分のパーソナリティも受け入れる、それがどれだけ大変な事か、どれだけの傷を乗り越えてゆかなければならないか、その闘争について映画もまた表現の闘争を繰り広げている訳です。ゆえに受け手は見ていて古傷が痛む訳ですが、映画が戦っている以上、受け手もまたその戦いに向き合い、見届ける必要があって。  そんな映画の心を示す映像表現の数々が秀逸です。アニメならではの心象風景とリアルとの共存を端的に示す、顔の上のバッテンマークは勿論ですが、足だけ、顔が欠けている、誰かが収まっていていい筈なのに空いている、そんな不安定な構図が重ねられて、ほのぼのとした絵柄とは裏腹なヒリヒリとした痛みを伴う緊張感をずっと投げかけてきます。  同じ監督と脚本家、そして同じ京都アニメーション製でありながら、この作品とは正反対に位置しているとも言える『けいおん!』(摩擦は意図的に最小限に抑えられています)では複数のキャラのモノローグによって人称がブレて、流れがおかしくなってしまう箇所も見られましたが、今回はモノローグにも制限が与えられ混乱をきたす事がない点も成長が感じられます。  決して心地良い時間を運んでくれる映画ではありませんが(そもそも主人公のパーソナリティを受け入れられない人もいるかと思います)、そこに向き合う事に大きな意味のある作品です。その闘争の真摯な姿勢を高く評価したいと思います。[映画館(邦画)] 9点(2016-09-26 21:05:11)(良:4票) 《改行有》

6.  エベレスト 3D 《ネタバレ》  IMAX3Dでドーン!と立体感溢れる峰々が、って、どうして大ロングの景色に立体感付けちゃうとミニチュアにしか見えないってのが判らないかなぁ。遠くの景色ってのは左右の視差なんて殆ど生じないわさ。  映画自体は「撮るの大変でしたね」って状態は伝わってくるのですが、地理が明確じゃないの。一体それはどの部分なの?っていうのがまるで判らない、っていうかそもそも判るように描かれてないんです。  その上、みんな似たような風貌になっちゃうので「誰が誰やら」って事になって、エベレストのあちこちに大変な事になってる人が散りばめてあります、って状況ばかりがあって、物語としての流れは諦めちゃってる感じ。実際に何があったのかはネットで調べないとちゃんと見えてこないっていう。  災難に遭った人達に寄りそう事で「臨場感こそが大切、状況の把握なんて出来ないからこその恐怖なんです」とでも言いたいのかな? でも特定の人とポイントの間でシーンがポンポンと飛ぶのでエベレスト全体が大して広くも高くもない、ごくごく限定された空間に映ってしまって、それは大きな間違いなんじゃないかなぁ。  そこにある筈の大自然に対する畏怖とか人間の非力さとか、そういうのは案外伝わってこない、だけどそここそがこの映画では大切なんじゃない?  いや、最大の問題点は見終わって結局人は何故山に登るのか?って事に対してなんの答えも見いだせなかったところですか。利己的な人達が他人を巻き込んで自滅しました、っていう状況ばかりが見えてきて。それじゃ実際に亡くなった人達が浮かばれないわ。  それでも難波康子さんのエピソードはやはり日本人として胸に迫ってきました。でも、最終キャンプ地からわずか300メートルのところで亡くなったっていうのは映画じゃ判らないんですよね・・・。[映画館(字幕)] 5点(2016-04-07 20:55:26)(良:1票) 《改行有》

7.  映画 暗殺教室 《ネタバレ》  面白かったです。でも、それはもうひたすら設定の面白さ、原作未読ですが、多分原作自体の持つ面白さ。  「月を破壊し、地球をも破壊しようとしている謎の生物が何故か落ちこぼれクラスの担任になる」  そのぶっ飛んだ設定だけで楽しめます。しかもバカだけど生徒思いの良い先生。途中『HK/変態仮面』みたいに単なるネタ集状態になっちゃいますが、それもまた楽しく。  でも映画としては結構シンドいデキな部分もあって。  クライマックスでの脱出のシチュエーションを抜く事で説明すべき事を放棄しちゃってます。  鉄塔での戦いでの、いかにも後からCGをハメ込む事を前提として演技してます、ってぎこちなさは手描きアニメとの合成で制約の多かった『メリー・ポピンズ』や『ロジャー・ラビット』の昔よりもずっと未熟。  結局「続く」になるラストも投げっぱなし感がハンパないですし。  生徒達の家庭なんかどうなってるのよ?とか、殺せんせーの存在が国家レベル以外の外部の誰にも気付かれないってあり得る?とか、まあ、そこら辺は割り切って見る部分だとして、もう少しキャラにリアルに生きてる感が欲しかったかな。  結局、マンガを読む代わりにお金払って映画にして見せて貰いました、みたいなモノで、でもまあ最近すっかりマンガ読む気力が無くなってる(アレも気力よね)私には便利なシロモノでした、みたいな?  それが今の邦画の最大の問題点だとも思うんですけどもさ。マンガの映画化ばっかりだもんねぇ。じゃないと商売にならないっていう。[映画館(邦画)] 6点(2015-05-21 21:26:46)《改行有》

8.  映画 ビリギャル 《ネタバレ》  有村架純ってこんなに可愛かったっけ?って。『女子ーズ』や『ストロボ・エッジ』ではそこまでじゃなくって、じゃあ、その2作の撮り方が下手だったのかな?とも思うんですけど、とりあえずこの映画は彼女の可愛さだけで半分勝っちゃってるようなもので。その魅力だけで映画を楽しむ推進力になりますもんね。  物語はダメな女子高生が頑張って慶應大学に合格する話(ここでは省略されちゃってるサブタイトルが付いてますが、その時点でネタバレしてます)、でも、宣伝展開から受けるイメージよりも実際の映画はヘヴィな話で。  主人公には複雑な家庭環境があって、息子だけを偏愛する父親と、二人の娘に愛情をかけ、身を粉にして働く母親と。父親と断絶し、母親の溺愛によってダメっぷりを発揮するヒロインと、父親の期待に押し潰されそうな弟と。バラバラに壊れそうな危うい家族の姿を描いた映画としての側面が強かったりします。  また、ヒロインは学校の教師からはクズ扱いされ、ただ友人達との時間だけが生きがい。  そんなヒロインが進学塾に行き、生徒に理解を示す真面目でひたむきな講師との出会いによって変化してゆく、その講師とのコミュニケーションは軽妙で楽しく、幾つもの対比構造の中で輝きを放つパートとなっています。ここら辺、計算されているなぁ、って感じで。  前記の通り、有村嬢が大きな魅力を放っていたのですが、吉田羊もとても印象に残る母親を演じていて、幾つもの感動を誘います。  講師の言説は理想論に過ぎる感もありますし、いい人なイコン伊藤淳史を起用しているあたりからも、あまりに善悪のイメージを描き分けし過ぎていて、やや鼻白む面が無きにしもあらずですが(このあたり原作本をヨイショし過ぎって感じ?)、ここまでしょーもなく生きてきた私から見たら、大人が子供の可能性を潰しちゃいけないのも、子供が目標を持って頑張るのも、全く正しい事だと思うのでした。  ネタ映画のように思えて、実はとても真っ当な青春映画なのでした。[映画館(邦画)] 8点(2015-05-05 20:57:55)(良:1票) 《改行有》

9.  エイプリルフールズ 《ネタバレ》  決してつまらない訳ではなかった、長所と言えばそれくらいでしょうかねぇ。  ポスターの絵柄にモロに表れているように、『ラブ・アクチュアリー』とか『ニューイヤーズ・イブ』とか『バレンタインデー』の邦画版をやりたかったんでしょうね。幾つものドラマが同時進行で描かれ、それぞれが繋がってゆく、っていう。  だけどこの映画には、構成や繋がり方にそれらの映画ほどの感心させる技巧は感じられません。元々の基本となる各ドラマに無理があるために、繋がりもまた無理を重ねているだけのように思えて。  タイトルを挙げた映画達と違って、この映画は最初に現実的ではないバカ映画ノリ、どちらかと言えば『ハングオーバー!』だとか『メリーに首ったけ』だとかに近い感覚のドタバタ演技、エピソードを重ねてゆきます。そこからシリアスなドラマを生み出そうとしているのがおかしな気がして。登場人物の誰もが「お笑い用に作られたキャラ」に見え、言動に全く説得力が無いので、そこで感情移入して泣いて下さいと言われても、心を重ねてゆける部分がなかなか見当たらないという。  それでも散らばったエピソードをどんどん畳み掛けてサッと〆てみせれば、面白いモノを見たって感覚も生まれたかもしれません。ところがこの映画、大体のエピソードの繋がりが見えてからが長い長い。実質的にはエピローグな部分に延々30分くらい。何度も何度もクドクドと各エピソードの行く末を念押ししまくって、ここで映画の流れが崩壊してしまいます。感動させよう、盛り上げようとタメまくって無駄なカットと時間を重ねて映画の価値を下げるという、日本映画の悪いクセがここで存分に発揮されちゃっててゲンナリ。10分以内で描きましょうよ。  あと、水商売、風俗を差別的に、人間の中でも下位のものとして描いているのが気になりました。そこで働く人々にも心はあるのです。  次々繰り出されるバカな小ネタを楽しむ映画としての価値はあったので、下手に感動ノリに走らない方が良かったんじゃないかと思います。大体、ここで描かれる感動ネタそのものはどれも古典的過ぎちゃってて。  大勢のスターが演じるバカキャラ、この映画の価値はそこにだけあったんじゃないかと。つーか、この映画、みんなそんなに嘘ついてなくない?[映画館(邦画)] 5点(2015-04-07 22:53:14)《改行有》

10.  エクソダス:神と王 《ネタバレ》  ドラマ的には微妙な感じで。兄弟のように育ってきた二人の対比、その愛憎があーんまり見えてきません。二人ともただ状況に流されてゆくだけのように見えて、ある意味、哀れな存在のようにも思えます。  まあ、それもあんまり感情移入できないレベルなんで、むしろ「馬が~仔山羊が~」ってとこに感情移入しちゃってましたが。  それにエピソードもブツ切れの飛び飛びで、ヘブライ人の子だ!~追放~放浪~結婚~9年後、って怒涛の展開に「早っ!」みたいな。後半になるともう神の力を免罪符に更に展開が強引になっちゃいますしね。  でも、ヘンな意味で面白かったです。中盤に訪れる天罰シーンで70年代のB級パニック映画群を思い出しちゃって。『スウォーム』とか『世界崩壊の序曲』とか『世界が燃えつきる日』だの『吸血の群れ』だの『巨大生物の島』(SFが付かない方)だののノリを思い出して、リドリー・スコットは現代に甦ったアーウィン・アレンか?みたいな。  でもやっぱりどうせなら「海が割れるのよ~道ができるのよ~」って映像が見たかったかな。ヘタに「津波です」って事にしちゃってるので物理的にそれってどうよ?って画になっちゃって。  映画が進むにつれ、チャンベルがどんどんヘストン似になっていったのは御愛嬌?  でも、どんなに真面目に生きてようが信仰心が厚かろうが、所属する国のトップがダメだと思いっきりとばっちり喰らいますってのはしっかり現代に繋がりますね。恐い恐い。[映画館(字幕)] 6点(2015-02-11 22:17:13)(良:1票) 《改行有》

11.  映画 ST赤と白の捜査ファイル 《ネタバレ》  ドラマ版は第一話をなんとなく見て終了状態だったのですが、映画版、面白かったです。ひたすらキャラものとして。  【以降、映画の仕掛けそのもののネタバレになりますのでご注意を。】  脚本的には結構無理があって。そもそも赤城が逮捕され脱獄し追われるという展開にかなり無理があるので追う方の警察がひたすら無能&お遊び状態に思えてしまい。そこにもちろん裏がある訳ですが、それを事前に100%把握していた人間はごく一部なわけですから、やっぱり無能&お遊びは否定できないんですよね。  それに犯人が犯行の妨げになるSTの解散を目論んだ、っていう設定も疑問。STさえ存在しなければ捜査能力が低下するなんて考えるものなのでしょうか?  大体、ウィルスソフトをばら撒いてワクチンソフトを売りつけるって、そもそも商売として無効化するのが明白なので誰も入札しないんじゃ?  で、だけどキャラが面白くて。赤城・百合根コンビのバカみたいなテンションはアリだと思いましたし(ドラマはあまり見ない私ですが、日頃映画でお馴染みなお二方なわけで、この二人のハイテンション演技が楽しく)、STメンバーや脇キャラも個性的で楽しく。途中、道中を共にする事になる女の子の毒舌っぷりがまたいい感じ。  ユースケ・サンタマリアは毎度のつまんない演技してて、この人ってこんなのしかできないの?とか思っちゃいましたが。  サスペンス映画としてはともかく、キャラものとしてかなり笑わせてもらったので見終わってスッキリ爽やか。なので甘い評価になりました。テレビシリーズをちゃんと見たい感じ。  それにしても、この監督さん、『ガッチャマン』ではなんでこの感覚が全く出せなかったんですかねぇ? 『ガッチャマン』こそはキャラものの基本中の基本ワールドでしょうに。[映画館(邦画)] 7点(2015-01-25 23:03:44)(良:1票) 《改行有》

12.  エクスペンダブルズ3 ワールドミッション 《ネタバレ》  東京国際映画祭で鑑賞。  スターの出オチ映画だった1作目に対して2作目はそれなりに物語を作ってみせていた感じですが、3作目の今作はすっかりキャラもの映画に。毎度おなじみのキャラの活躍をご覧ください、と。寅さん化。  で、今回はまた脚本がB級ワールドです。大きな問題点は2つ。  1つは新旧チームの対立を描いているものの、その意味が薄い事。中盤から旧チームを排除して新チームでの作戦を描き、その危機に旧チームが救いの手を差し伸べるのですが、新旧の対比構造が上手く機能しておらず、単純に人数が増えて全員の出番が分散したために新旧どちらも存在が薄くなっちゃいました、という印象。  むしろクライマックスの見せ場はハン・ソロの再現な3番目のチームがさらっていった感がありますし。  もう1つの問題点は悪役の凄さ、恐ろしさを上手く描けなかった事。何が具体的に脅威なのかは全く判りませんし(経歴? 組織力? 残虐さ?)、形勢逆転はGPSに気付かなかったというあまりに単純なミスによるものでしかありません。その上クライマックスでのマヌケっぷりはB級映画の悪役並みでメル・ギブソンが可哀想。罠を張っていたのはいいけれど、敵が思ったよりもずっと強くてオロオロ、って。  全体的にちょっと低空飛行気味な印象は否めませんでしたがクライマックスの力技で結局コレで満足だろ?とばかりに押し切ってる感じで。とにかくアクションシーンの積み重ね、ゴリ押しでぐいぐいとねじ伏せて。このシリーズってそれでいいんでしょうね。とやかく言うだけ野暮というもの。  個人的にはいつもの映画と大きく印象の異なるバンデラスの面白さが儲け役って感じました。  あと、なんかオフィシャルな腐ってる系カップリング設定はどういう事なんでしょうかねぇ。あれ、誰を喜ばせようというのかしら?[試写会(字幕)] 6点(2014-10-29 21:45:24)(良:1票) 《改行有》

13.  X-MEN:フューチャー&パスト 《ネタバレ》  シリーズをちゃんと真面目に見てるとは言い難い状態ですが、面白かったです。  お馴染みパターンの歴史改変モノなので最後はどうなるのか、っていうのは最初から見えてるような状態なのですが、何しろあのメンバーじゃそこに至るまで絶対に一筋縄ではいかない、波乱に富んだ展開になっちゃうのが予測できるのでハラハラドキドキ。  結果的にウルヴァリンは終わり良ければとは言うものの、散々なメに遭ってましたが。  ただちょっと、じゃないや、大いに気になったのがセンチネルによる虐殺描写。見ててドン引き。  そして、それは『X-MEN』のテーマと矛盾するんじゃないかと。ミュータントが惨殺される映像は、あれ、ミュータントだからOKなわけで、もしあれが生身の人間だったら確実にR-15+です。もげた首を更に踏みつぶすとか、胴体真っ二つとか。ミュータントで半分モノと化している状態なので惨殺されても画的には大丈夫でーす、って。  元々ミュータントへの差別や迫害から生じた闘争を描いたシリーズなわけですが、映像表現でミュータントと人間とを差別しちゃってますね、この映画。それでいいのかいな???[映画館(字幕)] 6点(2014-06-25 21:09:23)(良:1票) 《改行有》

14.  エージェント:ライアン 《ネタバレ》  テンポ良くラストまで全く飽きさせず引っ張ってゆく感じは良かったと思います。ですが、この映画独特の個性、魅力があったか、っていうと、そんなには・・・  世にエージェントモノが色々と出ている中で、他に無い「コレ!」と言った決定的な個性がエピソードからも役者からもあまり感じられないのですよね。  ライアンは大学で論文を書きつつ海兵隊で英雄的な活動をしたって事で、頭もキレるし体も動くし、でも、それが映画をフツーにしちゃってます。  予告編で描かれていた「なんで分析官がスパイの真似をしなくちゃならなくなっちゃったんだ?」って危うさ、それが実際の映画には殆ど無くて、いきなり襲われても勝っちゃうし、潜入しても上手くやっちゃうし。もっと「助けられつつ」ってところを強調した描き方にして欲しかった感じ。前半はドジ踏みっぱなしくらいでね。結局ずっと上手くいきまくりなわけで。  後半、婚約者にさっさと正体がバレたり、その婚約者が危険な任務に協力したりするあたりの甘い設定はともかく、ロシアからアメリカに戻る過程でテロの実行犯に迫ってゆく展開は、いくら頭がキレるって言ったって、あれじゃ魔法みたいで。メチャクチャハイテンポな展開は「いやいや、ちょっとその推理は待って」っていうツッコミを入れさせないため?  国家対国家が背景にある事件の、そのテロ実行犯の意外なまでの計画性の無さ、杜撰さもツッコミどころ。いよいよその時が来た、とか言うわりに危機に陥ったところで誰からもフォローされない孤立無援状態じゃ、そりゃ失敗もしますわ。  ケネス・ブラナーの演出は人物シーンの表情の捉え方、空間の中の人物の置き方がイイ感じですが、アクションシーンになるとゴチャゴチャして見辛くなっちゃってます。  最後に国家にとっての英雄として持ち上げられるライアン、アメリカの危機は世界の危機、アメリカの正義は世界の正義とオチを付けられた映画の監督がイギリス人なのは、そこに何らかの皮肉が混じっているのかしら? いや、どうか混じっていて欲しいものですが。[映画館(字幕)] 6点(2014-02-16 15:24:48)《改行有》

15.  エリジウム 《ネタバレ》  予想外の凡庸さ。  こういう貧富が二極の世界で描かれるSFって定番じゃないですか。最近でも『TIME』『トータルリコール』『アップサイド・ダウン』なんかがあって。  で、この映画からそれらを越える独自の魅力が感じられたか?っていうと全然。むしろダサいというか下手というか。  なんでこの程度の表現力で定番に手を出しちゃったかなぁ?  デザインがモロに『HALO』を思わせるのはこの監督での映画化がポシャったゆえかもしれませんが、にしてもイコール既視感バリバリ、あのリング状世界のビジュアルは既知のものとして驚きが無いわけで。  更に悲惨な地上はこってり描いても、エリジウムの人々の描写はスカスカなので対比構造が成立していない感じがしますし。  そもそもエリジウムがサイズ小さすぎであれでは社会が機能しないんじゃないかと思いますが。(脳天気な)ラストの医療システム、あんな小さな空間から飛び立ったあれが世界全体をフォローできるわけはありませんよねぇ。  あの医療システム自体が都合のいい、魔法のような存在であるがゆえに、お話しがファンタジー化しちゃってる感じもあります。  もう少しエリジウムが成立している背景や、その均衡が崩れてゆくさまを見せて欲しかったのですが、映画の興味はアクションシーンにあるようで、バイオレンスたっぷりのアクションシーンが連続、だけどそれも既視感たっぷり。  でも何と言っても残念なのはジョディ・フォスターの勿体ない使い方。彼女が抱えたもの、その人物を形作った背景、そんなのが全くすっ飛ばされているので、基本誰が演じてもいい役。演じた人なりの雰囲気が出るだけ。  結局『第九地区』で引き出しの全てを晒して、新作と言ったところでそれ以外は特にありませんといった印象でした。[映画館(字幕)] 5点(2013-09-22 21:39:09)《改行有》

16.  映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館 《ネタバレ》  去年の『クレしん』と同じ状況になってます。ひたすら状況説明が続くばかりで物語が全く動いてゆかない状態。  ほぼ博物館だけを舞台に展開する内容で、『ドラえもん』世界でお馴染みの道具については色々と語られてゆきます。エンドクレジット部分を含め、カタログ的な価値としてはとても大きいと言えます。  でも、物語はクライマックスでの展開を除くと殆ど台詞によって説明されてゆくばかり。博物館という閉鎖空間で動的な展開をさっさと諦めひたすら点による情報の羅列に終始している感じ。  大体、のび太とドラえもんが物語を殆ど動かしていないのですよね。ゲストキャラクター達の暴走と自己完結を見守る狂言回し的な存在でしかなく、ただ盗まれた鈴にまつわるエピソードのみが辛うじて脆弱な芯として存在しているようで。  キャラクターの個性を生かす事もなく、明確な教訓を残す訳でもなく(またやらかすぞという繰り返しの日常へと戻ります)、ひみつ道具の存在に依存した一編、『クレしん』と共に原作者亡き今、シンエイ動画はドラマを構成する力に問題を抱えてはいませんか?[映画館(邦画)] 4点(2013-03-14 19:52:33)《改行有》

17.  ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q 《ネタバレ》  見ている間はとても楽しめ、だけど終わってみるとツッコミどころや疑問点、そして猜疑心でいっぱいになってしまったという感じで。  前作でテレビシリーズや前世紀末の映画とは違った分岐した道を辿る事を示した上で、今回は全く未知の『ヱヴァ』が展開してゆく、その、これまで見た事のない全く新しい『ヱヴァ』にはワクワクドキドキできる訳ですが(シンジの置かれた状況と観客の置かれた状況とがシンクロするように何が起きたのかが判らない冒頭からしばらく続く「見るもの全てが未知」な感じに心躍ります)、ゼーレ、ゲンドウ、冬月という老害的キーワードが結局は元の方向にあっさりと軌道修正してしまう訳で、カヲルくんの奮闘虚しく同じところに収まってゆこうとしてるじゃん、みたいな感じで。下手をするとこの一作そのものが大して意味のない寄り道になるような危機感すら抱かせ、監督、今度もまたまた逃げるのか?と疑いたくもなるような、そんな展開。  一方、掴みで東映まんがまつりから『ウルトラマン』、天地真理へと至る世代限定お遊びにウケ、お馴染みキャラ達の一挙一動に心奪われ(もうずっとアスカ好き)、そして何と言ってもシリーズ初のシネスコサイズ、六本木7番の20メートル超スクリーンに展開する壮大なスケールの絵の気持ち良さを堪能しました。  つまり、そういうオタク的快楽って点ではとても優れた作品であると思うんですよね。それは昔の『ヱヴァ』、いやもうガイナックス、更に遡ってDAICON FILMあたりからの伝統的快楽とも言えるようなモノ。でも、そう受け取ってしまうと、それはそれで停滞もしくは退化だよねぇ、って感じもしてしまって。  時代の先端、先進的なもののように思えながらその実懐古主義に支配されているという点で同時上映の『巨神兵東京に現わる』と同様、何かパワフルな作風とは裏腹に停滞して淀んだ精神世界が垣間見えるようで、それは自身の嗜好に対する自戒の念も含めて、あまり気持ちのいいものではないなと。  大劇場が満席状態で老若男女集まった状態ですっかりメジャー化した『ヱヴァ』な訳ですが、その肥大化した知名度に見合っただけのモノが作れるのか否か、そこら辺の覚悟はあるんでしょうかねぇ?  今回は結局バカシンジのバカっぷりが宇宙規模でした、みたいなところで終わっちゃいましたねぇ。なんだかんだ言いつつ面白かったですけど。[映画館(邦画)] 7点(2012-11-18 15:01:05)《改行有》

18.  映画 ひみつのアッコちゃん(2012) 《ネタバレ》 なんで『アッコちゃん』で『ビッグ』からの明らかなパクリ設定(子供が大人になるってところから安直にね)を元にしたドロドロとした企業内内紛話を延々と見せられなくちゃならないの・・・。ハッキリ言って内紛話、全く面白くありません。類型的で予定調和的なプロットと優等生的な教訓が描かれるばかり。アッコは能動的に大人になれる設定なのだから、そこを活かしたプロットが書けると思うのですが、肝心なところでアッコは変身しないんですよね。あくまで優等生的に素のアッコ(しかしそもそも大人に変身した状態のアッコだけど)で物事を解決しようとする、それはテーマに縛られているから、でも、それは『ひみつのアッコちゃん』という作品のアイデンティティの否定にすら繋がる・・・。下手にモコや大将、少将、チカコ等のオリジナルメンバーを出して原作を知る人達に色目を使いながら、実際には映画が対象としている人は大きく異なっている印象。綾瀬はるかがヒロインなテレビドラマ的映画が見たい人向け、という感じでしょうか。その点、確かに綾瀬はるかのキャラは立ちまくっておりましたし(テレビドラマと大きく異なる部分と言えば、綾瀬はるかはシネスコフレームに映えるって事ですか)『プリンセス トヨトミ』とカブっておりつつも岡田将生とのコンビも良い雰囲気で(『アントキノイノチ』に続いて岡田くんは観覧車キャラ)。でもせっかくの素材を随分ともったいない使い方しちゃったもんだなぁって。あくまで『ひみつのアッコちゃん』が見たかったのにこのコレジャナイ感をどうしてくれよう。あと、鹿賀丈史はマトモに喋れていないのですが、一体どうしちゃったの?[映画館(邦画)] 3点(2012-09-04 18:09:19)

19.  映画 けいおん! 《ネタバレ》 【リピーターシート2枚を埋め、ポスカをコンプリートした私に、商法を批判する資格はないので書き直し】『けいおん!』は原作、テレビ1期2期と、ずっとこのままでいたいという思いと、時は移り人は変わるという現実感の間でせめぎあいを続ける作品でした。2期13話『残暑見舞い!』は、梓の見る夢が主となる、軽音部の先輩4人が、実は梓の見た夢の中にだけ存在するかのような不安感を煽る一編で、それは『けいおん!』を支配する『うる星やつら2 ビューティフルドリーマー』と同様の閉塞された理想郷に対する(それを否定するのではなく、作品世界全体が単なる幻ではないかという)不安感に繋がり、映画の惹句にもなった20話での唯の「私たちはいつまでも放課後です」という台詞に象徴されるようでもあって。一方で1年生で軽音部を築いた4人は2年で後輩を迎え3年で受験、卒業に向かい、作品内に時が流れているというルールが明示される事によって(永遠を過ごす『サザエさん』や一時代が無限増殖しパラレル化する『ちびまる子ちゃん』と違い)1つの終わりを迎えるのは必至である事が明白であって。そのせめぎあいに1つの結論をもたらすのがこの映画だったように思います。永遠の日常からの飛躍のようにロンドンへの卒業旅行があり、更に成り行きとはいえロンドンライブを行う事によって『けいおん!』は次への変容を見せるかのように思えます。しかし、そのライブによって唯達が辿り着いた結論がクラスメイトのための教室ライブであり、最後はたった一人の後輩のために歌われる歌であり。歌の最後の1フレーズは「ずっと永遠に一緒だよ」。ひとつの作品として閉塞されるのではなく、この先、時が移り人や時代が変容しようとも、『けいおん!』世界の大気は不変であると宣言してみせたのが映画版だったのではないかと思います。なので、某ラジオで指摘されていた、映画として『けいおん!』世界を終わらせる程の徹底的な終わりを求めるのは見当ハズレなんじゃないの?って気もします。普遍的なヌルさ、心地良さを否定しなければ生きてゆけない訳ではないですものね。映像的なミス、不自然な箇所が散見される作品ではあるものの、ジブリを過去のモノにもしかねない「無駄たっぷりの作画」(人の所作が常に重要で必要なものばかりな訳もなく)を細やかに駆使した京アニとメインを女性が占めるスタッフの今後に更なる期待が持てました。[映画館(邦画)] 9点(2012-03-02 21:50:57)

20.  X-MEN:ファースト・ジェネレーション 《ネタバレ》 とても面白かったです。ちょっと前半、話が飛び飛びになるので、どうなってるのか咀嚼しきれないところもあったのですが(恥ずかしい話、エリックとショウがごっちゃになってて、途中で「あれ?」って)、話の全体像が見えてくると、正義VS悪ってシンプルな構造ではない、元々は同じ立場の人々が、袂を分かってゆかねばならない悲劇が伝わってきて。『X-MEN』でさんざん説明されてはいても、元々は共に生きた、っていう物語をここまできっちりと見せてくれると、シリーズ自体の見方がこれまでと違ってくる気がします。ドラマ中心なこの映画を、ジェームズ・マカヴォイ(@タムナスさん)がいかにも人当りの良さそうな人物(ゆえに心が読めるクセにちょっと人の暗部に疎い)を好演して支えている感じ。ただ、ナチやソ連に「悪」を求めきれず、「悪の根源」としたケヴィン・ベーコンが結局はミュータント側の存在である事によって、『X-MEN』というのは、その起源からしてひたすらミュータント同士の内輪揉めの話であった、ってカタチになってしまうのがねぇ。旧人類こそが彼らを迫害・弾圧する悪しき存在である、っていうのを明確にしきれないあたりは、この物語の限界ですかねぇ。って、そこまでしちゃうと『デビルマン』になっちゃいますか。とにかくこの映画、見応えのあるドラマと能力を発揮する見せ場の面白さとで『X-MEN』の魅力の底上げをしてみせた作品だったと言えます。1作目と『ウルヴァリン』しか見てないんですが、早速シリーズ通して見てみよう、って気にさせましたもの。[映画館(字幕)] 7点(2011-06-14 20:15:41)

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS