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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. エグザム 《ネタバレ》 よくあるシチュエーションスリラー。閉鎖空間サスペンス。範囲が狭いと動きや展開が限定されるため退屈に感じちゃうこともあるのですが、この作品は面白かったです。 全人類の約半数が感染?っていう謎の終末感は個人的には蛇足な味付けでした。 急にSF。急にザ・フィクションって感じになってしまいまして。 当事者の気持ちで映画の世界に浸っていたところ、急にはじきだされた感じがします。『いや、これ作りもののお話だから。フィクションだから。マジになってんじゃないよ。』って、リアルな雰囲気をぶち壊されたような気持ちになりました。 ただ、この設定がエンターテイメント性を強くするのに一役買っているのも確か。 『しょせん入社試験』だったのが『命や人生に関わる試験』へとその意味を変えていきます。 ある者は自分のパートナーを救うため。ある者は病に冒された自分自身を救うため。文字通り命がけでこの入社試験に臨んでいるわけです。 登場人物はみな個性的。ホワイトにしろブラックにしろブラウンにしろ、ちょっと暴力的かつサディスティックな人間が多いのは気になるところではあります。 ラストのオチは一休さんかと思いました。さんざんもったいつけといてそれかー。なんか答え教えてもらってもスッキリするようなカタルシスはないですね。第一、このオチであればメガネ+ガラスで見える文字のトリックは不要でしょ。 オチはともかく、緊張感の作り方はうまく、攻守交替していく展開はスリリングで見応えがあります。 状況次第で誰しもが加害者にも被害者にもなりうる。これぞシチュエーションスリラーの醍醐味です。[DVD(字幕)] 7点(2020-07-14 07:57:55)《改行有》 2. 永遠のこどもたち 《ネタバレ》 正直ちょっとわかりにくい映画でした。結局ラウラがシモンを誤って閉じ込めちゃってたってことなのかな?だとしたらちょいちょい出てきたトマスの霊はなんだったのでしょう。 シモンを探しに海辺の洞窟まで行って足を怪我していたけれど、そのときに見たトマスの霊はなんだったのか。それともラウラの見た幻覚だったのか。最後に出てきた子供たちは本物の霊?それともラウラの空想の産物? はっきりわかっているのは、どうやらラウラが一緒に育った子供たちはこの孤児院でみんな殺されてしまったらしいこと。犯人は孤児院の職員。その息子トマスがみんなのからかいの対象になって命を落としたのが原因みたいです。 う~ん、だとしたら、トマスの霊がいたとして、そのトマスがシモンを死の世界に導いたりラウラを襲ったりするのは筋違いのような気がします。 ラストも、ラウラとシモンが助かったのかと思いきや、やっぱり二人とも死んでいました。なに、このバッドエンド。父親かわいそうじゃないですか。こーゆーのは嫌いです。[DVD(字幕)] 5点(2019-12-16 00:58:55)(良:1票) 《改行有》 3. EX MACHINA/エクスマキナ(2007) 《ネタバレ》 最初はもうとにかくかっこいいです。画面に釘付け。映像の美しさ。キャラクターのビジュアル。アニメーションが生み出す躍動感。そのどれもが芸術の域。すばらしすぎます。日本のアニメもここまできたかと、誇らしくなります。 サイボーグによるテロ活動から物語がスタートするのも大変グッド。アニメーションがこれだけイケているのだから、ストーリーはむしろ単純なほうが良い。オープニングのテロ鎮圧のシークエンスが一番好きです。デュナンが一番かっこいいのもこのシークエンスでしょう。 で、美人が3日で飽きるように、素晴らしい映像もずっと見ていれば次第に慣れてきます。やはり最後にものを言うのはストーリーの面白さ。キャラクターの魅力。で、個人的には『バイオロイド』の設定が蛇足。『人間』と『サイボーグ』、これだけで十分です。バイオロイドの設定が、物語の面白さに結びついているとは思えません。テレウスじゃなくとも良い。負傷したブリアレオスの代わりに配属されたイケメンルーキーがいれば、同じプロットでいけたはずです。 そして後半のメインストーリー。陰謀系でいくのであればそれもいいでしょう。ただその陰謀がふわっとしすぎです。『皆一つになれば、争いは起こらない。』は観念であり、そこから導きだされるテログループの目的はもっと具体的なものにしていただきたい。『人間もサイボーグもバイオロイドもみんな洗脳』、それはわかります。で、洗脳した人たちに結局何をさせたかったのでしょう。そこが大事なのに、そこが明らかにされないまま、みんながゾンビみたいになって、突然走り出します。みんな、いったい何を目指しているのでしょう。それがよくわからないので、どーゆー危機が迫っているのがピンときません。だから緊張感も半減。『1つになる』をバカみたいに連呼されてもねえ。[DVD(邦画)] 7点(2019-04-07 22:28:28)《改行有》 4. エグザイル/絆 《ネタバレ》 ちょっと説明不足気味の作品。説明しすぎってのも確かに良くないんですけど、説明が全然足りないってのも困ったものです。 『5人は若い頃からの親友』『ウーがボスに何らかの理由で命を狙われている』の2つは、ストーリーの背景として教えといてもらわないと。突然3人が撃ち合って、その後5人で仲良く食事して。『ああ、5人は仲良しだったんだ』って背景は感じ取れるものの、それ以上の感情が湧きません。 どうやら組織を裏切ったらしいウー。粛清か友情か。その狭間でゆれるかつての仲間であり友人たち。それがどうもこの映画の肝らしいですが、それに気付き、そして共感を覚えるのに、結構時間がかかっちゃいます。だから思い入れも中途半端なまま、ウーが殺され4人はあてもなく逃亡。そこから復讐するわけでもなく金塊狙って逃亡資金稼ぎ。確かに5人の絆みたいなものは感じられますが、信念みたいなものは感じられず。だからストーリーが中途半端に感じるし、アクションに至るまでの動機付けも中途半端に感じるし、それがラストのカタルシスにつながらない一番の原因かもしれません。 5人の戦闘力が高いため、アクションは及第点。ウーが殺されるシーンなどは残酷でなかなかショッキング。よって演出面は悪くありません。4人で夢を語り合っていた夜のシーンがあるから、ラストの哀愁が本来であればグッとくるはずだったのに、なんだか惜しい作品です。 ついでに言うと、射撃の上手い警察官や、お金を盗っちゃう商売女にウーの嫁さんとその子供。この辺りの使い方もえらく中途半端だと感じます。[DVD(字幕)] 6点(2019-03-11 04:19:33)(良:1票) 《改行有》 5. エミリー・ローズ 《ネタバレ》 怖いよー。ドアがバーンって開くより、ドアはそーっと開くほうが怖い。何かがおきそーで、何も起こらない。でもその何かおきそうな雰囲気が怖い。午前3時で止まる時計が怖い。とゆーわけで、雰囲気だけでひたすら怖いっていう、技ありホラー。いや、むしろこれこそが正統派ホラーなのでしょうか。 でもこの映画の本質は、むしろ法廷劇。 若くしてこの世を去ったエミリー・ローズ。その死因は、精神薬の服用によるものか。それともその服用を中止させたムーア神父の業務上過失致死なのか。 訴えられているのはムーア神父。弁護人は本作の主人公エリン。敏腕弁護士。対するは、やり手検事のトマス。審判、じゃなかった裁判官は、ブリュースター判事。厳格かつ公明正大。3人が3人ともプロフェッショナルなので、荒唐無稽になりがちなテーマも、大変見応えのある裁判となります。 そもそも『悪魔憑き』なんか証明できるわけありません。検察側は遠慮なく医学的証拠と証人を喚問しまくって、裁判は一方的な展開に。そこに現れたカートライト医師。有力な証言と、証拠となる『悪魔祓いを録音したテープ』を所有する人物。これで逆転裁判となるのかと思いきや、まさかの展開。 正直言うと、カートライト医師に何かが起きるのは、もう雰囲気でわかっちゃうわけですが、それをふまえても見応えのある法廷劇。内容はオカルトなのに、それを理路整然と証明しようとするのが面白い。もちろん、この作品より面白い法廷ものはいくらでもあります。ただ、これはこれで、オカルトチックなテーマならではの裁判劇を堪能することができます。 悪魔祓いには父や彼氏も同席していたのに、何故神父だけが裁かれるのか。服用の中止を求めたのはエミリー本人なのに、なぜ神父が強要したことになっているのか。ふに落ちない部分はありつつも、クライマックスの陪審員と判事の出した結論に、なんだかすっきりしちゃいました。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2018-05-27 03:37:49)(良:1票) 《改行有》 6. SPL/狼よ静かに死ね 《ネタバレ》 雰囲気はシリアスで重厚な感じなんですよねー。でも雰囲気だけな感じがします。内容は陰惨なわりに、薄っぺらくないかな。 そして序盤のストーリー展開が雑。証人夫妻の暗殺もそう。潜入操作の若い刑事の殉職もそう。こーゆーシリアス調でいくのであれば、もう少し丁寧に作ってほしいものです。 だから、チャンが『証人夫妻が殺されてしまったことに対する罪悪感』をどれくらい感じているのかが全然伝わってきません。証人夫妻の娘を養子に迎える描写くらい入れてくれれば、もっと感情移入できたかもしれません。これじゃあ可哀想な遺児を育てているだけの、ただのボランティアだよ。 潜入捜査の彼だって、無理矢理潜入させた挙句、『絶対守ってやる』とか言っといて、むざむざ殺されています。せめて、なぜ潜入捜査がばれちゃったのか、その経緯くらい見せてくれても良さそうなもの。 なんだか、全体通して、じっくり見せるところと、はしょるところの取捨選択が間違っているような気がします。 とまあ、素人ながら偉そうなことを述べさせてもらいましたが、確かにカンフーアクションは凄い。中盤以降、特に潜入捜査の彼が殺されちゃった辺りからは、ストーリー面白くなります。だから悪くはない。つまらなくもない。 ただ期待していたような映画ではなかったというだけです。 ラストもよく言えば余韻がある終わり方なんでしょうが、女の子可哀想すぎて、すっきりしないです。[DVD(吹替)] 6点(2018-05-18 03:20:34)《改行有》 7. エイリアンVS. プレデター 《ネタバレ》 つっこみ所があったとしても、つっこむ気にならないくらい面白さ際立つ映画。待ってました、こーゆーの。『フレディVSジェイソン』より好き。 『エイリアン』シリーズに比べるとホラー要素は控えめ。『何かいる・・・』ってゆーのが、まずホラー映画の恐怖の始まりなんだろうけど、この作品では『人間とのコンタクト』の前に、両者の姿をさっさと見せちゃう。つまり、最初からホラー映画として作っていないのだと思います。むしろ、見ている人をわくわくさせようとすることに比重が置かれている気がします。つまりは『エイリアンVSプレデター』の異種格闘技戦、アクションとして楽しめるわけです。それにしてもエイリアンと同じくらい人間を殺しまくっているプレデターと仲良くなってしまう展開を、あまり違和感なく見せちゃっているのですから、これは意外と脚本がうまいのでわ・・? 個人的に『惜しいな~』と思う点。それはギャラリーであるはずの人間をあまりにたくさん殺しすぎたこと。主要人物も含め、エイリアンとプレデターにあっという間に全員消されてしまいます。気付けばウッズただ一人。やはり『ガヤ』や『ギャラリー』が少ないと盛り上がりに欠けますね。 映像は暗い色調ながらも鮮明で大変見やすく、CGもなめらか。映像技術の進歩によって、こーゆージャンルの作品って凄く面白くなりましたよね。良い時代になったもんだ。個人的にはスマッシュヒットの良作エンターテイメントです。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2018-01-03 11:29:15)(良:1票) 《改行有》 8. エリザベスタウン 《ネタバレ》 いわゆる『人生失敗してもやり直せる。頑張ろう。』という人生応援ソング。 ただ内容を見る限り、仕事で上手くいっていない人は元気をもらえるかもしれませんが、恋愛でうまくいっていない人には、神経逆なでするだけかもしれないですね。 それに、言っていることは正しいのかもしれませんが、なんとなく説教臭い雰囲気がちょっと嫌。 映画としての面白みにも欠ける。 『良い話』をただ『良い話』として見せるのと、『映画』として魅せるのは、違うと思うんですよね。 この作品は、はっきりいって冗長。それでいて工夫もない。もう少し感動を演出しても良いんじゃないかな。 単純にラブコメとして見る分には、面白いと思います。なんたってこの作品のキルスティン・ダンストは魅力抜群。キュンときちゃうシーンだって、結構あります。 ですが冒頭の出だしがあれでは、純粋なラブコメとして見るのは最初から無理なんですよねー。 『ドリューの失敗が世に知れ渡り、そのうえでエリザベスタウンの人たちは、彼とどう接するのか。』そーゆードラマ展開を期待しちゃっていたわけです。私の期待とはちょっと違うストーリーでしたね。 この作品にいまいちノレない理由がもう一つ。この作品は『結果』ばかりを並べすぎです。 『母親は精神安定剤を飲んでいる』⇒なぜ? 『全く靴が売れず、10億ドルの損失』⇒どこが悪かったの?その靴が出来上がるまでのプロセスは一切なし。 『ドリューにやたら興味をもつクレア(キルスティン・ダンスト)』⇒どこに惹かれたの? などなど、数え上げるときりがありません。 当然それらに対する回答は、劇中一切触れられません。でもそれって手抜きなんじゃ。 どうでも良いシーンが多いわりに、肝心なシーンや説明が抜けている、そんな印象の映画です。 雰囲気がいいだけに惜しい。[DVD(字幕)] 5点(2017-04-08 00:04:37)《改行有》 9. エージェント・コーディ 《ネタバレ》 とても気楽に見られるライトなコメディアクション。 ティーンズ系のこの手のエンターテイメントは子供っぽくなりがちで、この作品も例外ではありません。 ですが、子供っぽい映画ではあっても、子供だましでなければ楽しめる、この作品はその良い例と言えそうです。 そう、この作品は面白いです。自信をもってオススメできます。 主人公のコーディはCIAの特殊訓練を受けていて、身体能力が高くて、機転が効いて、格闘技に精通している優れもの。 でも女の子の前だとアガッてしまってうまくしゃべれません。 なんでしょう。この昭和の少年漫画のようなヒーロー像。たまんないっす。 コーディが、その力を発揮するシーンがあるたびに、興奮が止まりません。 こーゆーテイストの作品で、大切なのはギャラリー。誕生パーティでいじめっ子たちをこてんぱんにしたのは痛快です。要はギャラリーがいればいるほど、爽快感が増すわけですね。 なんだかんだと、二度三度と、ヒロインを助ける演出だってベタすぎるけどグッド。 昭和生まれの世代の心をくすぐる主人公のヒーローっぷりが完璧です。 CIAの面々も良い人ばかり。本当にCIAがこんな風だったら、世界は思ったよりずっと平和なのかもしれない。 ストーリータイプのコメディも自分の好みとばっちりあっています。 コメディのバランスも程よい。 大作ではありませんが、子供はもちろん、大人も童心に返って楽しむことが出来る良作エンターテイメントでしょう。[DVD(字幕)] 8点(2016-09-06 02:27:35)《改行有》 10. エイプリルの七面鳥 《ネタバレ》 この作品からは、優しさが感じられます。 それも、押し付けがましい優しさではありません。 演出された優しさではなく、自然体から滲み出るような優しさ。 鑑賞中、まるで小説を読んでいるときのような、人物の心の機微を感じられる良さがあります。 とは言え、映画として、これって面白いのでしょうか。 よくある話をドラマ仕立てにしただけで、映画として見応えのあるものになっているとは思えません。 七面鳥を持って行ったり来たり。もっとコメディタッチであれば笑えるのですけど、変にリアルな作風であるため、こんなに誰もオーブンを貸してくれないものかと、不自然さを先に感じてしまいます。 それに、そんなに家族との再会を大切にしているのであれば、『事前にもっと準備しておけよ。』とも思うのです。 家族が様々なトラブルに見舞われて、来るのが遅くなったのはただの偶然。 実際は、七面鳥を持ってうろうろしていた時に来た可能性だってあります。 段取りの悪さ、見通しの甘さに、若干イライラしたせいで、ストーリーに入り込めません。 『人生をきちんと生きている自分を、家族に、母に見てもらう。そして母ともう一度やり直す。』 素材はすごく良いのに、うまく調理しきれなかった感じです。 まさにこの映画に出てくる料理のようです。[DVD(字幕)] 5点(2016-07-10 23:16:23)《改行有》 11. 8 Mile 《ネタバレ》 ラップ調で、ラップ風に、レビューをここに、書いてみよう♪ 『いったい何?こいつは何?』 『こいつはいったい何がしたい?』 『利己的。暴力的。目的何?』 『いったい、誰に、共感、できる?』 『そもそも、文化が、わからねー。』 『エミネム、知らねー。』 『英語も、知らねー。』 『ラップが、字幕じゃ、伝わらねー。』 『勝った?負けた?わからねー。』 『当然、映画は、つまらねー。』 『1、2、3、4、なんの数?』 『時間を、確認、した回数。』 『残り、何分?あと、何分?』 『30、20、あとちょっとー。』 『せめて、ラスト、決めてくれー。』 『「仕事に戻る」』 『何だ、そりゃー。』 ええー、このレビューを読んでくださった方。 あなたの今の心境が、まさに私がこの映画を見終わったときと同じ心境です。 この2点は、こんなクソみたいなレビューを読んでくださった方へ、敬意を込めてささげる点数です。 映画は0点です。[ブルーレイ(字幕)] 2点(2016-05-30 01:41:47)(笑:2票) 《改行有》 12. エルフ ~サンタの国からやってきた~ 《ネタバレ》 バディの性格、振る舞い、発言を、温かい目で見守ることができるかどうか、その辺りで評価が分かれそうな作品だと思います。 私は、・・・はっきり言ってイライラしました。 特に、回転ドア、スキップ、電話、偽サンタ。そもそも人に迷惑をかける行為が好きではありません。多少空気が読めないのは許せますが、極端に空気が読めないのは純粋ではなくただのバカだと思っちゃうんですよね。 だいたい冒頭で、自分が周りのエルフより役に立っていないとか、その辺の空気が読めるわけです。つまり、人としての学習能力があるので、人間社会で我を貫くというのは、逆に不自然なわけです。 バディの行為を好意的に受け止めてくれる人たちはいます。エミリーであったり、ジョヴィであったり。ただあそこまで親切なのは不自然ですが。それに、そういった人たちに好感が持てるからといって、バディを肯定的に受け止められるかというと、そうではないんですよね。 一般人の自分ですらそう思うのですから、『悪い子リスト』にさえ載るようなウォルター(バディの父)が急に心変わりするのも無理がありすぎます。 冒頭のエルフの国のシーンや、雪合戦のシーンなど、一つ一つのシーンを見ると面白い演出も多いです。また、都合が良すぎるとは思いますが、ラスト10分のストーリー展開は夢があります。『サンタのリスト』は大変良いアイデアです。ゾーイ・デシャネル演じるジョヴィは大変可愛くて魅力前回です。 キャストは良い、アイデアも良い、骨子となるストーリーも良いのですが、詰めが甘く、ディテールが粗いのがもったいないです。それとも子供向けだからって観客を甘く見ているのでしょうか。 子供向け映画だからこそ、もっと説得力のある作品作りをしてほしいものです。 そもそも、子供にとって良い映画かどうかは疑問です。教育上良くない気がします。無邪気なら何をしても許されるわけではありません。『仕事=悪いこと』と間違った認識をもったらどうしましょう。 良いところはたくさんあります。ですが、一本の作品としてみると、評価は厳しくなります。[DVD(字幕)] 4点(2016-04-29 15:40:09)《改行有》 13. エバーラスティング-時をさまようタック- 《ネタバレ》 かなり童話、童話していて、思っていたより退屈なストーリー。 なにしろ、『不老不死の水を飲んで死ねない体』、この秘密一本で90分のストーリーを作るわけですから、間延びしても仕方ありません。 ラスト15分、そしてウィニーの選択は大変興味深いものでしたが、逆に言えばそれ以外は無くても差し支えの無いエピソードばかりです。 ジョナサン・ジャクソンとアレクシス・ブレデルは大変美しい青年とお嬢さんですが、二人の美しさだけでこのストーリーをひっぱるのはさすがに辛いです。 それに、黄色い服の男の存在価値も想像以上にしょぼくてがっかり。何か重大な秘密を握るキーマンかと思いきや、ただの不老不死狙いで、その辺のこそ泥と変わりません。拍子抜けも良いとこです。 まさにこの作品は、絵本に書かれていそうな内容を、本当にただ映像化しただけのような作品です。 全編通してやや説教臭い感じも、この作品に限っていうと小うるさく感じます。 ただ、説教臭さの一因になっている名言が、ちょっと良かったりもします。 特に、ボートを漕ぎながら父親が言う名言は、ストレートだけど心にぐっとくるものがいくつかあります。 名言好きの私としては、なかなか好きなシーンなんですけど、やっぱちょっと説教臭いですね。[DVD(字幕)] 5点(2016-04-17 02:50:27)《改行有》 14. エンジェル・アイズ 《ネタバレ》 久しぶりに『心にくる』映画でしたね。 事故ですべてを失った人の悲しみと再生を、共感、応援、後押し、愛情といった感情表現でストレートに表現した感動作。 こういったプロットってバランスが難しくって、場合によっては現在の彼女が可哀想に見えることもあるでしょうし、その逆に亡くなった奥さんと子供が可哀想だと映ることもあるかもしれません。 ところがこの作品にはそのどちらもない。 なぜならキャッチ(=スティーブ)が、奥さんと息子をいかに愛していたか、ということが痛いほどに伝わってくるからです。そして事故を起こしてしまったことを、いかに悔いて、嘆き悲しんでいるかということが、これでもかっていうくらいに伝わってくるからでしょうね。だからシャロンとキャッチの二人の再生を素直な気持ちで応援することができます。 これはもうドラマ好きにはたまらない作品でしょう。 希望と人間愛に満ちた類まれなる傑作。 そして、ジェニファー・ロペス、ジム・カヴィーゼルをはじめとて、出演者のみなさんが素晴らしい。特にキャッチの義母とシャロンの相棒が、それぞれキャッチとシャロンの精神的な支えとして大変重要な役割を果たしています。 客観的な眼差しで、それでいて暖かくシャロンとキャッチを見守る『二人の目』がなければ、この作品の評価はまた全然違ったものになったかもしれません。 今作で唯一難癖をつけるとしたら、やはりシャロン側の家族でしょうか。特に父親の器の小ささもそうだが、呼ぶだけ呼んどいて、勇気を出してやってきたシャロンをだれも気遣ってあげない態度は許せん。[DVD(字幕)] 9点(2015-12-16 06:51:41)《改行有》 15. エリン・ブロコビッチ 《ネタバレ》 エリン・ブロコビッチという一人の女性の物語としても面白いし、大企業相手の公害訴訟のストーリーとしても面白いです。 本作の主人公エリンは、その言動、性格から、共感したり感銘を受けたりは、見る人によって差が出るかもしれません。ですが、応援したくなるという点においては、多くの人がそう思うのではないでしょうか。 にしても、この作品、大変面白い作品ではあったのですが、本音を言うと、『法廷もの』=『裁判』という固定観念が邪魔をして、『調停』⇒『和解金』⇒『めでたしめでたし』、っていうのは、どうにも釈然としないものがありました。 子宮や乳房を摘出したり、幼い子供が癌に苦しんだり、これだけ多くの人の健康と命を蝕み人生をふみにじっておきながら、お金だけ払ってめでたしめでたしっていうのはねえ。 大企業側が追い詰められて、住人達が心の底から喜ぶような、そんなカタルシスを味わうシーンをもっと観たかった気がします。 それに、当然の権利とはいえ、3億3000万$の40%であれば、そりゃあ法律事務所は潤うんでしょうけど、それをラストでああもあからさまに『もうかりましたよ。』って見せられれば、『結局は金目当てかいっ!』って感じがして『公害訴訟ドラマならではの感動』が薄れちゃうんですけど・・・。 個人的には、企業側の弁護士3人を相手にして、エリンが完膚なきまでに3人を叩きのめすシーンが今作最高のクライマックスです。『どうぞお水をお飲みください。あなたたちのために特別に用意した、ヒンクリーの井戸水です。』は、最高でしたね。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2015-09-16 02:33:25)(良:2票) 《改行有》 16. X-MEN:ファイナル ディシジョン 《ネタバレ》 お祭り騒ぎで大団円。細かいシナリオ、サイドエピソードは、なし崩し的に割愛。思い切ってます。ファンからすれば消化不良感の残る完成度です。 まあ、そうは言っても、本作ではシリーズを通して最大の超能力バトルが見られるのが、最大の見所。もちろん、要所要所でさりげなくミュータントたちの能力を小出しにする演出だって、監督が変わっても健在です。きっと本作を楽しみにしている観客が一番見たいであろうものはしっかり見せてくれるので、その辺りは安心して楽しめますね。 ただ、サイクロップスが死に、プロフェッサーXが死に、ジーンが死ぬ。エンタメ色の強いこのシリーズにしては、犠牲が多く、悲しくなっちゃいます。ついでに言うならば、ミスティークとマグニートの師弟関係、信頼関係も好きでしたので、マグニートがあっさりミスティークを切り捨てたのはかなりショック。ミスティークはミスティークであっさり昔の仲間を売っちゃうし、もう残念で仕方がないです。がっっかりです。 また、このシリーズではとにかくいろんなミュータントが出てくるのが面白いわけですが、それが同時に短所でもあります。なにしろ、既存のメンバーに加えて、新メンバーも追加されるわけですから、今作はマグニート軍団だけでも大所帯。こうなってくると、一人一人にスポットが当たる時間は必然的に短くなります。エンジェルやキュアの元になった少年のエピソードはそのまま放置だし、ミスティークや分身の男、パイロだってその後どうなったのか全然わかりません。こんな感じで放置されっぱなしのエピソードがあってあたりまえみたいなのより、個人的には『1』くらいの丁寧な作りが好きでしたね。 ってゆーか、『1』の主要メンバーがとにかく好きでしたので、個人的には『1』の面子+新戦力(アイスマン、シャドウキャット、コロッサス、できたら2のナイト・クロウラー)で、新マグニート軍団とガチンコバトルしてほしかったです。 新生マグニート軍団の新メンバー3人なんて、建物から出てきた瞬間、フェニックスの力で塵にされて、扱いの雑さが悲しすぎます。これじゃあ『フリーザ、スーパーサイヤ人、その他大勢』と同じじゃないですか。Xメンはそれぞれの長所を活かしたチームバトルが面白いのに![ブルーレイ(字幕)] 7点(2015-08-03 05:54:33)(良:3票) 《改行有》 17. エアブレイク 《ネタバレ》 原題を絶対にいじくっちゃだめなパターンですね。『CUTAWAY』=『他のものを切り捨てる』というのが、本作最大のテーマであり、それを潜入捜査官の主人公が実行しちゃうってのが最大のオチでありミソなのに、『エアブレイク』ではわけがわからないです。 娯楽作品としてはなかなか優秀です。潜入捜査のサスペンスとしてもそれなりに面白いし、なんといってもスカイダイビングにかける情熱とそのパフォーマンスがアツい。これはもうジャンルとしては、『スポ根もの』に近いです。一番の盛り上がりが、『VS陸軍』のスカイダイビング大会ですからね。 マイナー映画と切り捨てるにはあまりに惜しい作品。 スカイダイビング、してみたくなります。[DVD(字幕)] 7点(2015-07-12 03:49:54)《改行有》 18. X-MEN2 《ネタバレ》 前作よりも、ミュータント個々人の見せ場が増加。前作の主要メンバーの活躍はもちろんのこと、ナイト・クロウラーという新メンバーの目覚しい活躍が楽しい。また、パイロの火炎ショー、アイスマンの氷の壁、シャドウキャットの物体すり抜け、全身鋼鉄のコロッサスの活躍など、主要メンバー以外の見せ場がちょっとずつ出てきたのも、この世界の広がりが見えて嬉しい。 ストーリーは前作に比べると複雑化。ストーリーが複雑というより、見せかたが複雑になっています。『ストライカーはミュータントの息子に奥さんを殺されたことを逆恨みして、全ミュータント抹殺の復讐計画を立てる。それは困るとマグニートとX-MENが手を組む。』たったこれだけのことなのに、随分わかりづらい脚本にしちゃったせいで、わかりづらさのほうが目に付いちゃいます。そうでなくともこの登場人物の多さに加え、多種多様な能力のオンパレードなんだから、ストーリーはスパイダーマンくらいシンプルなほうが絶対面白いと思うんですけどね。 今作は能力の見せかた、能力の使い方が理にかなっているシーンが多く、それだけでも盛り上がります。『能力展覧会』という点に関しては、前作よりスケールアップで楽しめます。ビジュアル的にも迫力あるシーンが多いですね。『学園襲撃⇒パイロの火炎ショー⇒戦闘機の追跡をかわすときのストームの竜巻⇒ナイトクロウラーのテレポレスキュー』の一連の流れを見られる中盤が、個人的には一番盛り上がります。後半はいささか失速気味になりましたが、3作目へのつなぎと考えればこんなものかもしれません。 昔ゲームセンターで、『ウルヴァリン』と『サイクロップス』をよく使っていました。この二人、めっちゃ強いんです。格ゲーが苦手な僕でも使いやすくて。ですので、脇役が活躍するのが好きな自分としては、自分が使っていたキャラ以外が大活躍するこのシリーズはほんと好きです。 3作目はまだ見たことないので、3作目にも期待ですね![ブルーレイ(字幕)] 8点(2015-06-22 14:59:33)(良:3票) 《改行有》 19. X-メン 《ネタバレ》 大好きな映画のひとつ。エンタメ作品としてひとつの完成形に達していると、個人的には思える作品です。 いわゆるよくある『超能力』系。きっと、マンガ好き、ゲーム好き、であるならば、つい手にとってしまいがちな作品。そういった作品群の中でも、今作は非常に完成度が高く、面白みにあふれていると思います。 登場人物たちの能力が個性的で、視覚的にまず楽しい。それにこういったタイプの作品にしては、各動機付けがはっきりしていて、プロットがわかりやすい。ぐだぐだ説明されるのも面倒ですが、かと言って適当にとってつけたようなストーリーだと盛り上がりません。そういった意味では、今作のストーリーは絶妙なバランスの上に成り立っていて、非常に面白いです。 ただ難を言うならば、ストーム、サイクロップスの能力が強力すぎるのに対し、相手方の戦闘能力が何とも物足りないところでしょーか。何にでも変身できるミスティークは戦闘用の能力は無いわけだし、セイバートゥースだって、これじゃあただ力が強いだけの人です。(ってゆーか、セイバートゥースはこれでミュータントって言っていいのか?)唯一トードだけはミュータントっぽい戦闘能力を有しているわけですが、ストームの電撃バリバリ、サイクロップスの目からレーザーに対し、舌ビヨーンだけですからね・・・。 とてもイカス能力を有しているのはマグニートなわけですが、残念ながらこの人との本格的なバトルってほとんど無いんです。残念。 まあ、とは言え、本筋とは関係ないところで、炎を操る少年や、氷を操る少年や、壁をすり抜ける少女など、まさに超能力の世界感を楽しむ演出が随所にされていて、最初から最後までわくわくしながら鑑賞できるので、やっぱこの作品はいいですね![ブルーレイ(字幕)] 8点(2015-05-31 15:35:41)《改行有》 20. A.I. 《ネタバレ》 10年前くらいに、「シックスセンス」で「ハーレイ・ジョエル・オスメント」という子役を初めて見て、すっかりファンになってしまいました。 彼が出ている他の映画を見てみたくて、「ペイ・フォワード」を見て感動しました。 それから、何かのテレビで、「この子役は本当にすごい役者さんです。今度上映される『A.I.』の役づくりのために、まばたきをしない練習をしているそうです。」という裏話を聞いて、「A.I.」を見たくて見たくてたまらない日が続きました。 そして、何週間かして、ようやく鑑賞する日がやってきました。 やっとやっと、見ることができました。 冒頭からすぐに物語にひきこまれ、ずっと画面に釘付けでした。 次が気になって気になって、ずっと見ていました。 人類が滅んでしまいました。 宇宙人が出てきました。 ・・・その日以降、すごく楽しみにしていた「A.I.」への熱意とともに、「ハーレイ・ジョエル・オスメント」さんへの熱も少しだけ冷めてしまったみたいです。 [DVD(字幕)] 2点(2012-05-13 19:44:59)(笑:1票) 《改行有》
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