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プロフィール |
コメント数 |
1047 |
性別 |
男性 |
年齢 |
30歳 |
自己紹介 |
とにかくアクションものが一番
感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます
備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません 10点…大傑作・特に好き 9点…好き・傑作 8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く |
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1. 駅馬車(1939)
《ネタバレ》 フォードの傑作は「リバティ・バランスを射った男」や「捜索者」を見てきたが、他のフォード西部劇は余り好きじゃ無い・・・けど面白い。
前半はゆったりした感じで退屈だが、丁寧にドラマを積み重ねるストーリー。登場人物がみんな個性豊かで良いね。
中盤の出産の場面。世の中からつまはじきにされた人間が、本当は誰よりも心の優しい人間だったって場面がさ。
そして終盤の二段構え。8分にも及ぶ駅馬車の爆走シーンは今見ても鳥肌が立つ。
普通ここをクライマックスにして終わるが、凄いのはこの後さらに見せ場があると言う事。
いや、リンゴにとってはコマンチとの戦いは「過程」に過ぎず、復讐こそリンゴにとっての「本番」だ。
一瞬の銃撃までの緊張感が凄い。
保安官のオッサンと医者は本当良いキャラしてるぜ。ラストの去り際も見事だった。[DVD(字幕)] 8点(2014-03-13 00:13:39)《改行有》
2. M(1931)
《ネタバレ》 ドイツ時代のフリッツ・ラング最高傑作。
こんな凄い映画を撮りまくったラングをヒトラーがほっとくワケが無い。
ドイツ時代のトーキー作品をもっと見たかった・・・。
犯罪映画はラングの十八番であり、その中でも「M」はサイコ・スリラーの祖にして今でも抜きん出た完成度を誇る。
本作はBGMがまったくない。
なのにまったく飽きることもダレも無い独特の呼吸、サイレント映画さながらの演出と語りが見事にはまっている。
警察署でのやり取りは10分縮めても良かったかも知れないが、42分を過ぎたあたりの舐めまわすようなカメラワーク、犯人と警察たちの追走劇、“M”の強烈なイニシャル。
耳を抑えると音が消え、離すと音が聞こえてくる場面も面白かった。
物語は少女ばかりを襲う猟奇殺人の真相を追う内容。
ファースト・シーンが凄い。
街で遊ぶ子供たち、そこに現れる黒い影。
盲目の老人が配る風船は、死にゆくの魂を運ぶ「船」か・・・。
「ペール・ギュント」の「山の魔王の宮殿」を口ずさむ殺人鬼。
ピーター・ローレの狂気に満ちた演技。
何処までも歪んだ男の筈なのだが、少女と戯れているこの男の妙な愛嬌は何なのだろうか。
まさか筋金入りのロリコンを描く映画があろうとは・・・!
ドイツはヒトラーにしろ、シュトロハイムにしろ、ルーデルにしろマジで「変態」ばっかりだな(大賛辞)・・・ドイツ万歳。
後のフィルム・ノワールに与えた影響が尋常じゃなく、ピーター・ローレルがアメリカのフィルム・ノワールの祖「マルタの鷹」に出演したのは偶然なのか必然なのか。
この後「カサブランカ」やヒッチコックの「暗殺者の家」など多くの犯罪映画に出るローレルだが、やはり一番強烈なのは「M」。
それと本作は当時活躍していたドイツ演劇界の巨匠ベルトルト・ブレヒトの「三文オペラ」からの影響があるという。
ラスト20分の法廷劇は正に舞台上の論戦だ。
本作の犯罪心理は後のジャン・ルノワールの「十字路」と共にフィルム・ノワールの祖となり、ラング自身もアメリカで「飾窓の女」を始めとするフィルム・ノワールをいくつか撮る事となった。[DVD(字幕)] 9点(2013-12-17 11:26:17)(良:1票) 《改行有》
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