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【製作年 : 1930年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. 何が彼女をそうさせたか 《ネタバレ》 主演の女優さんが、なんとも幸薄い感じで、目がとにかく可愛らしい。 悲惨で過酷な人生のオンパレード。 とにかくいじめ抜く。 最後は救われたかと思いきや…そうきましたか! いやはやアッパレです。 久しぶりに凄い無声映画を見てしまった。 いや、こんなに凄みのある無声映画は見た事がない。[インターネット(邦画)] 7点(2021-06-16 15:44:45)《改行有》 2. 嘆きの天使(1930) 《ネタバレ》 単純は話にも思えるが、よくよく考えると、なかなか奥深い内容。 堅物の独身デブハゲおっさんが、若い女に誘惑され、あれよあれよという間に熱を上げ、教授の地位を捨ててまで求婚をしてしまう。 女は求婚を受け入れ、結婚するが、その後の扱いがひどい。 男はプライドをズタズタにされ、最後は野たれ死に。 結婚をするという設定は、さすがに合点がいかないが、この作品がうったえたいことは理解できた。 男とは愚かな生き物、女とはしたたかな生き物。 教授として、学校では立派なことを説きながら、少し女に誘惑されただけでメロメロになってしまう。 生徒の前で言っていることと、陰でやっていることがまるで違う。 例えば、会社で立派な地位にいて、立派なことを部下に言っておきながら、女の前ではまるでだらしがないという、現代にも通ずる普遍的な話。 男と女の関係性を、普遍的なテーマとして、今に伝える作品という意味では、名作たる所以を理解できる。[ビデオ(字幕)] 6点(2016-04-01 00:36:11)《改行有》 3. 生さぬ仲(1932) 現存する成瀬巳喜男映画の中でも、最古の部類に入る作品。 “産みの親”対“育ての親”の構図。 劇中の岡譲二のセリフが印象的。 「子供を産むのが母親ではなくて、子供を育てるのが、母親の母親たる所以だ」。 まあ確かに理屈ではそうなんだけど、お腹を痛めて産んだ我が子を、手元に置きたいという、産みの親の心情というものがあるのでは? ここは少し、一方的な善人の主張という感じだが、まあ、分かりやすくて良い。 成瀬巳喜男作品にしては、軽いノリで分かりやすく、心情的にも感情移入しやすい作品である。 それにしても、1930年代の成瀬巳喜男映画は、本当に鑑賞にこぎつけるだけで大変である。 正直なところ、映画の内容より、貴重な成瀬巳喜男映画を観られたということに、より満足感を得た感じである(苦笑)。[映画館(邦画)] 6点(2012-01-12 23:32:40)《改行有》 4. 泣蟲小僧 泣き虫小僧をとりまく、ほのぼのとした家庭劇。 内容は平和そのもので、後年の男女のもつれや女の情念を描くことを得意とした豊田四郎からはちょっと想像できない内容。 やはり、豊田四郎には大人の女をとことん描いてもらいたい。[ビデオ(邦画)] 3点(2008-12-08 19:39:53)《改行有》 5. 雪崩(1937) 1930年代の邦画としては素晴らしい出来。 何より、セリフの一つ一つに含蓄があるのが良い。 例えば、「現代において幸せでいるためには、他人の不幸を見ないようにしなければならない。」なんて、実に的を射ている。 あまりに痛烈すぎて、こんなことに同意してしまうと、周りから冷たいと思われるかもしれないが、生きていく為には必要な割り切りでもあり、偽善者ぶって否定したところでそれは嘘になる。 自分がいかに幸せな状態にあったとしても、他の人間は幸せとは限らないわけで、全員が全員幸せなんことは実社会であり得ないのだ。 それを見事に言い表したセリフだが、こういった歯に衣着せぬ痛烈な風刺的セリフが、本作では沢山飛び交うのである。 1時間程度の短い作品であるが、処世術の様な、実にためになる印象的なセリフがそこかしこにあり、何度も観れば人生勉強になるかもしれない。 そういう意味で、本作は実用的な作品であり、また、純愛とは何かをテーマにした恋愛劇でもある。 ところで、助監督に本多猪四郎や黒澤明の名があるのが興味深い。[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-07-13 22:50:19)《改行有》 6. 浪華悲歌 溝口健二の代表作の一つにして、『祇園の姉妹』と双璧を成す、溝口の作品の中でも“初期の傑作”と呼ばれている作品。 主演は山田五十鈴。 彼女は本作出演時には20歳になったばかりだったらしい。 この年齢にしてあの演技。 確かに凄い。 さて、溝口健二の代表作の一つということで気合いを入れて鑑賞した。 でも実はそんなに期待もしていなかった。 何故かと言えば、同時期に作られた同じく代表作と言われる『祇園の姉妹』が、世間で言われているほどには感銘を受けなかったからだ。 実際、本作についてもそれは同じだった。 本作はとかく、日本映画で初めて“リアリズム”というものを高いレベルで表現した作品ということで高い評価を受けている。 社会的に高い地位にいる人を中心に描いた作品ではなく、社会の底辺にいる人を中心に描き、観る者の共感を得た歴史に残る作品なわけだ。 しかし、そんな歴史的経緯よりも、少なくとも私の様な一映画ファンにとっては、鑑賞してみて実際に楽しめるかどうかが重要な意味を持っている。 個人的には、溝口作品としては『祇園囃子(1953)』や『山椒大夫(1954)』や『雪夫人絵図(1950)』等の1950年代の“溝口後期作品”が好きである。 ただし1930年代の作品でも『残菊物語(1939)』は好きだったりもする。 そういうわけで、溝口初期作品としては“『残菊物語』に続いて『浪華悲歌』が二つ目のお気に入り作品になるのか?!”と期待して鑑賞したわけだが、残念ながらそうはならなかった。 まだ修行が足らないせいだろう、日本映画、海外映画を問わず、いまいち1930年代中盤以前の作品には感動できないでいる。 いつか1930年代中盤以前の作品でも感銘を受けることができるようになれればいいのだが・・・[ビデオ(邦画)] 6点(2007-09-02 22:43:56)《改行有》
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