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1. 2001年宇宙の旅
映画という表現手段でしか与えられないインパクトを堪能した。意味ありげな映像をつなげただけの芸術気取りの作品は大嫌い 、のはずなんだけど、美しく青きドナウの使い方だけでもう10点放り投げたくなる、なんという映像と音楽の圧倒的な端正な美しさ。冗漫な最近のSFはまず、宇宙を静けさから学んでほしい。沈黙は時に何より饒舌。この作品の沈黙の中に、コンピューター「ハル」の意思と、彼が知っていて人類が知ってはならない秘密の深さが隠されている。テーマ?自分の解釈でいいかどうかわからないんだけど、このさいそっちはもういい。この作品の一シーン一シーン切り取ってもそれぞれに10点あげられる。私の望む名画の究極の姿はそれなんです。[映画館(字幕)] 10点(2003-06-25 16:38:43)
2. 28日後...
なんかぱっとしなかったなあ。
血液感染、つまりエイズみたいなものでしょ?
イギリス人全滅状態までいくのが早すぎ。
ゾンビ状態の感染者に襲われて死んだなら、町じゅうにもっと死体があっていいはず。
追い詰められた兵士の精神状態の心理描写も画一的だし…
主人公と黒人女性の間に芽生えるロマンスも、無理やりな感じ。
ゾンビものとしては目新しいとこがない。
で、この点でもまだ甘いです。
こういうたぐいの作品は好きなのに、残念感だけが残った。5点(2004-03-14 18:46:26)《改行有》
3. 日本沈没(2006)
《ネタバレ》 震災で日本中が右往左往している今だからこそとつい見てしまった。
見るんじゃなかった。わたしが悪うございました。
あれだけの大震災のさなかに原発崩壊による放射能汚染の描写が一切ないことはもうおいといて、
映画の命である「人間描写」が一切できていない。
日常に非日常が割り込んでくる、信じまいとしても現実だと誰の胸にも暗い未来が沁みこんでくる、
あの時間経過とともに盛り上がる不安感と焦燥が、国民の気持ちが全然描かれていない。
むやみに物資に群がったりフェンスにしがみついてガチャガチャやったり悲鳴を上げて走り回ったり。
どこでもここでも使い古された表現ばかり寄せ集めて、今ここでパニック映画を作ろうとするクリエイターの気概と誇りはいったいどこじゃい。
さらに致命的なのは登場人物の魅力のなさ。
いったい主人公はだれなのか、誰に感情移入してみればいいのかさっぱりわからない影の薄さ、人物描写の薄っぺらさ。
カップルと呼びたくもないレベルのお二人の付いた離れたの、始まりから発展から別れまでもう類型的で、こう来ると思ったらそう来た、な演出の連続に、映画作りを放棄してSFXを取りたかっただけかとみてるこっちも投げやりになってくる。
しかも日本中が火山爆発と反沈没状態でボロボロになっても、着物姿でツバメの帰巣に微笑む主役の母の住む福島県だけがどういうわけか絵に描いたようにきれいで無事なラスト。
いろいろととにかくご都合がよすぎます。
かてて加えてこの映画が53億ほど稼いだと聞いて、観客を含めた日本映画のレベルの低さに気分もずっぽりと沈没しました。[DVD(邦画)] 2点(2011-03-30 01:28:42)(良:1票) 《改行有》
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