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プロフィール |
コメント数 |
111 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
日本映画好きです。以前、Yahooブログに1000本掲載していたのが削除されてしまいました(涙)DVDよりスクリーンで観た作品の方が点が高い傾向にあるようです。月に3・4回は東京にある名画座に通ってます。 |
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1. 日本のいちばん長い日(1967)
《ネタバレ》 この作品は、数年前のNFCの特集で鑑賞したのですが、その後、半藤一利さんの幾つかの著書を読んだり、日露戦争・満州事変の本まで手を出したり・・・ 「東京裁判」もしかりですが、いかに戦後の教育(特に戦争に関する情報)が歪んでいたものか、私自身教えれた、その契機となった作品です。
戦争を扱った作品は、特に観るものの感じ方が違ってくるのでしょう。8月15日正午を終点とし、そこへ向かう様々な人間のドラマといえばそうですが、日本がはじめて「負け」を認め、迎えようとしている未曾有の事態を国のトップから軍人・庶民にいたるまで、様々な行動と思想が凝縮されている。かなり難しい題材で、よくぞ岡本喜八監督がやり遂げたといった印象があります。
また、俳優陣のテンションが凄かった。三船・笠・山村らの堂々としつつも、国の重圧をずっしりと背に受けたかのような演技の素晴らしさ。高橋悦史と島田正吾(森師団長)の緊迫感、天本英世の芝居を超えたといえるハイテンション。等々、きりがありません。
「アメリカに勝つ可能性はゼロ」という事は、誰しもが解っているのに何故・・・日露戦争のように「6対4で講和に持ち込む」という政治判断が、軍部によって完全に機能停止。軍部も一番軍隊で必要である組織としての体制がなっていない。ほんと、はじめから玉砕の運命だった・・・ある意味、その幕をよくぞ下ろしてくれた・・・いや、何故もっと早く・・・ 複雑な心境でありました。
日本がかつて持っていた気概というものが、戦後アメリカの影響で大きく失っていく現状(勿論、恩恵も沢山受けているのでしょうが)。明治から昭和、戦後から現在までの変遷を知らない事には、この先、日本は日本でなくなってしまうのではないかと真剣に考えてしまいます。映画から追っていくというのも有りかと思います。[映画館(邦画)] 10点(2010-04-06 22:02:48)《改行有》
2. にごりえ
《ネタバレ》 DVDではなんだか良く解らなかったのだが、文芸座で観て「フィルムの方が遥かに画像・音声が良いじゃねえか」と驚いた。私は「映画的」には第一話が素晴らしいと思う(原作は第三話と「たけくらべ」が好き)。
他の二作は写実的な描写であるのに対し、第一話は叙情味に溢れている。『嫁ぎ先の理不尽な扱いにお関は離婚を覚悟して実家へと帰るが、父に諭されて再び嫁ぎ先へと帰る』という話ですが、彼女が実家の門を出たところからの描写に映画の真価が発揮されていた。
上野広小路(鶯谷あたりから)までの暗い夜道、幼馴染(芥川)と出会うが、彼は落ちぶれているわけです。相手はお関の事を「裕福な家に嫁いだ幸せ者」と思っている・・・が、お関は「そうではない、私もとても辛いの・・・」と訴えたいのだが、言葉にできないまま上野広小路へと着く(右手にはセットながら不忍池が!)、二人の別れの先には全く希望は見えない。今井正はこの二人の刹那の時間そして空間に着目した。映画的だと思う。
第二作・三作ともに良い出来なんですが、二作目はドラマチックにカメラを動かしていたのが面白く、久我美子の行為は『是か否』ということが気になった。
三作目は、原作の素晴らしさに監督が映画化に困ったのではないかと思わせる印象を受けた。山村聡と淡島千景よりもとにかく杉村春子が持っていっているような・・・
三人の女主人公ともにともかく悲惨です。
ただ、第一作の丹阿弥谷津子が、一番の成功者のようにみえて一番残酷なような気がしました。子供・家族の経済的支援のために半ば奴隷になるかのような決心をし、更に幼馴染の落ちぶれを見、暗い夜道で別れていく。希望が本当にみえない。
溝口健二「浪華悲歌」のラストのような暗さです。[映画館(邦画)] 9点(2008-09-15 23:10:56)(良:1票) 《改行有》
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