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プロフィール |
コメント数 |
1047 |
性別 |
男性 |
年齢 |
30歳 |
自己紹介 |
とにかくアクションものが一番
感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます
備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません 10点…大傑作・特に好き 9点…好き・傑作 8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く |
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1. 日本のいちばん長い日(1967)
《ネタバレ》 岡本喜八の最高傑作を1つ挙げるとすれば何か。それは意見が別れると思うが、日本人として最高傑作を挙げるならやはりこの作品になるだろう。
映画は日本列島を映した地球儀、鳴り響く爆撃音と共に始まる。20分に及ぶ“プロローグ”が。ドキュメンタリー映画のような映像がしばらく続くが、短いショットと殴りつけるように放たれるセリフは一切の退屈を許してくれない。
空襲で焼かれる都市、焼け焦げた遺体の惨たらしさ。それを何度も見せられ“くどい”と感じる者もいるだろう。だが、実際にあの日を生きてきた日本人は、ああやって何度も地獄を見せられ“慣れてしまう”現実が存在していた。どんなに嫌でも、眼を背けられないような現実に耐えるしかなかった。
20分に及ぶプロローグが終わり、そこからが本番。
戦争を終わらせようと人々が動き始め、歯車が回り、映画としての面白さも動き出す。彼らが流す涙の中には、本当に懺悔している者もいるだろうし、敗北した事への悔しさ、これから日本が辿る未来を絶望視して泣いている者、様々な人間がいただろう。
「日本の国民を生かすも殺すも」ってやり取りが強烈だぜ。
本土決戦だの特攻だの頭のおかしいトチ狂った言葉を並び立て、一体コイツらは何人同じ日本人を“見殺し”にしているのか。まだ殺し足りないのか貴様ら。
この瞬間にも、母親が丹精込めて作ったであろう握り飯を美味そうに食べ、守る者のために出撃していく漢たちがいる。死を覚悟して。ああ、早く、早く降伏してくれ・・・そう思ってしまう。
様々な人々の主義主張やイデオロギーのぶつけあい、口舌の刃による斬り合い。
それが本当に刃を抜き放ち、銃を突き付けて殺し合うまでに発展してしまう。実際にこんな事があったのだから恐ろしい。
自転車をこいで行き来するシーンの何と狂気地味た事か。本当に何を言っているのか解らないわめき振り。
斬られた首はイスに隠されても、事件そのものは隠蔽しきれない。
官邸に一人残っていた女性の胆力に恐れ入る。或る意味、今回唯一クレジットのある女優・新珠美千代が一番強烈だったかも。
複数の玉音版による撹乱、放送室で軍人を睨みつける放送員の加山雄三、そして力尽き、自らに“ケジメ”を付ける軍人、軍人、軍人たちの散り様。
男たちは走った。走って、走って、走り尽くした。でも一体誰がために?何のために?そんな虚しさが、画面を包み込む。[DVD(邦画)] 9点(2014-11-30 03:05:24)《改行有》
2. ニュールンベルグ裁判
《ネタバレ》 スタンリー・クレイマーは「渚にて」や「真昼の決闘(フレッド・ジンネマン)」がダメだったけど、この映画はとても見応えがあって面白かった。
冒頭でナチスのマークを吹き飛ばすシーン!ここからもクレイマーの凸精神?を感じられる。
物語はナチスの首脳陣を裁いた後、残った法律学者やナチスと関わった複数の人間の関与する占領した側と占領された側の法廷“闘争”。連合国にとっての残党狩り、ナチスいやドイツ人にとっての最後の抵抗戦。
アーネスト・ラズロのカメラは短いショットを繋げた映像で法廷特有の緊張感を生み、退屈を感じさせない。
でも、360度パンはちょっとクドいと思った。
同じく密室劇の傑作「十二人の怒れる男」が面白いのも、ボリス・カウフマンのカメラが退屈を感じさせないショットだったからだろう。
ドイツ本来の法を捻じ曲げて国民を苦しめた罪、だがそれを防げず逆に服従を選んだドイツ国民にも罪があるという意見のぶつけ合い。
その理由となる「ホロコースト」の惨状をドイツ国民も、ナチスの人も“心”に焼き付いているからだ。
ホロコーストの映像は人間の眼、耳、そして魂に訴えかける。
それに顔の表情の細かい変化や夕食のジョッキから法廷のハンマーへと繋がる演出、終身刑を言い渡される時に銃声のように響くハンマーが印象的だった。
リチャード・ウィドマークの、マクシミリアン・シェルの、そしてバート・ランカスターの叫び、叫び、叫び。
まるでヒトラーが演説するように時にはオーバーな叫びをあげてまくしたてるシェルの様子は恐怖すら感じさせる。
あっと言う間に過ぎ去っていく時間は3時間という長さを感じなかった。傑作です。[DVD(字幕)] 9点(2014-11-09 22:10:34)(良:2票) 《改行有》
3. 2001年宇宙の旅
《ネタバレ》 アーサー・C・クラークとタッグを組んで作り上げた超迷作。
「迷える名作」を撮らせたらアメリカ無双のキューブリック渾身の作品。
これは子供にこそ見せたい映画だね。
子供は何の抵抗もなく、取り敢えずありのままを受け入れようとする。
感受性の豊かな子供は何を思うのか。
そして大人になって再び見る・・・この映画はそれだけ難解でもあり、至極単純な映画でもある。
何者かが知識を得て何かに目覚め、それを繰り返して心理に迫る。ただそれだけ。
その過程が問題だ。
類人猿が「モノリス」に触れて知識に目覚めるファーストシーン。
動きだけで伝えるその世界観は流石。
アフリカの荒涼とした大地と類人猿を「創造」したその美術。
これ役者が演じてんだぜ?
メイクと俳優たちは人間国宝になっていいよ。
猿が放った「武器」は、近未来では宇宙を駆ける「武器」となった。
現代の宇宙時代の描写も中々。
宇宙船が音もなく飛び交う宇宙。
この頃は既に「宇宙は暗黒」って認識があっただろうけど、やっぱり絵的に見栄えが悪いよな。
実際こんなに光ってたら怖いわ。
超巨大恒星がどんだけ密集してんだってくらい。
宇宙空間における描写も、今見ると科学的交渉が食い違った部分も多いが、上下の無い宇宙空間、何処までも見渡せる広大な空間、無音の世界観の表現は今観ても凄い。
月の裏側の描写がほぼ完璧ってのが凄い。
だって公開当時は誰も月の裏側に行ってなかったんだぜ?やっぱキューブリックは宇宙人だわ。
月面のモノリスでの騒動、ちょっと長く感じた。
どうせなら「HAL」と木星星団の掘り下げに時間を割いて欲しかったなー。あるいわ上記の部分を削るか。
本作は何といっても「HAL」の反乱。
虚空の宇宙は言わば「密室」。
鬱憤が溜まるのは人間だけじゃない。
機械もいずれは「オーバーヒート」がやって来る。
まして人工知能の発達したコンピューターだ。
自分を排除する=船全体の危機と結びつけちゃうんだろうな。
プログラムに忠実だったのか、それとも本当に心が宿ったのか。
あの真っ赤なランプで、無言で語りかけるような感じが怖かった。
キューブリックは本当こういう「怖さ」を描かせたら天才。
ラストは多種多様な解釈が出来るだろう。[DVD(字幕)] 8点(2014-01-31 10:48:51)《改行有》
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