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1. ノーウェア・ボーイ/ひとりぼっちのあいつ
《ネタバレ》 ジャーーーン♪ イカしたオープニング。 アーリー・ビートルズをただなぞるのではなくベースにとどめて、音楽にめざめた若者の青春とその母たちの愛憎を織り交ぜた物語。 「幻影師アイゼンハイム」で少年時代を演じたアーロン・ジョンソンが若きジョン・レノン、ポール役のトーマス・サングスターももう子役ではなく純粋で才能ある音楽青年を演じ(「バック・ビート」と違いポールのキャラクターは非常にいい)、ロック・ミュージックに魅入られ刺激しあう彼らからは50年代の音楽ムーヴメントの熱気と息吹が感じられる。 叔母ミミの元で育ったジョンに音楽の手ほどきをしたのは、離れていた実の母ジュリア。 水と炎のように違う彼女たちに息子として愛されるジョンにとってはいいことばかりではない。 ミミとジュリアの場合は確執が深くとも姉妹であることで和解の糸口もあり、嵐が去って彼女らが並んで庭に座るシーンでは、それまで2人の衣装に使われていた黒と赤がグレーとピンクに変わっていて、2人の拮抗する心が穏やかに薄まったのをうまく表現していた。 だからこそその直後の悲劇が痛ましいが、陽気なジュリア寄りだったジョンがミミの元に戻ってきた時には安堵を覚えた。 冷静なミミの方が自分のために「息子」を愛しているのではないように感じていたからだろう。(抑え目のK・S・トーマスがすばらしい) ジョンはその「母」からも巣立って仲間と共に音楽の道をゆく。 アート系の女性監督がアーロンによってマザーにされるというオマケもついた、映像感覚的にも優れた青春映画。[映画館(字幕)] 8点(2011-03-08 00:00:01)
2. ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア
《ネタバレ》 タランティーノやガイ・リッチーの簡単に人殺すチンピラ映画より、こういうのが好き。 監督は英国のエドガー・ライトのようにアメリカ映画に心酔しているらしくそれっぽいところもあるけれど、同時にドイツらしい真面目さ、律儀さが感じられまする。 銃撃戦で誰もケガしないのはズルイけど安堵、銀行から盗った分は後でちゃんと返したりして。 ママへのプレゼントもじんとくる。 女性をだしてもお行儀わるくならず、何といっても野郎ふたりの友情! マーティンの発作の演技が迫真、ルディはダウニーJrに似てるな~(笑) シリアスとコメディの切り替えがスカッとしてて、1時間半とコンパクトなのもいい。 貫禄ルトガー・ハウアーもいいところでBRのように詩的な台詞をキメてくれるぅ。 ラスト、「ショーシャンク」のようにきれいな海ではなくて荒れた海なのが、また彼らに合ってた。 あの赤錆びた色合い。 思いを遂げて一足先に逝った友を見やる相棒の心も、もはや半分地上を離れているよう。 今時あまりないような「青くさい純粋さ」が愛され好まれる理由?[DVD(字幕)] 8点(2010-12-03 00:00:04)(良:2票)
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