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プロフィール |
コメント数 |
23 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
点数は一応表記してますが、それはこのサイトの方針ゆえやむをえずって感じで理解して下さい。作品を総合して点数をつけるのではなく、単なる好みで判定しています。むしろ、テキストを読んでくれることを願っています。
苦手な映画のジャンルは、ホラーです。
現代日本映画とバイオレンス映画が好み。
好きな作品:スカーフェイス,ゴッドファーザーシリーズ,ヒストリー・オブ・バイオレンス,クラッシュ,シティ・オブ・ゴッド,スナッチ,ロック・ストック・アンド・トゥースモーキング・バレルズ,バートン・フィンク,ブルース・ブラザース /ソナチネ,BROTHER,AKIRA,天空の城ラピュタ,殺し屋1,サブ(SABU)
好きな男優:浅野忠信,アル・パチーノ,ベニチオ・デル・トロ
好きな顔の女優:小雪,鈴木京香,広末涼子,天海祐希,ナタリー・ポートマン
くそったれブログ: http://blogs.yahoo.co.jp/do_you_like_violence |
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1. オリバー・ツイスト(2005)
《ネタバレ》 孤児院に預けられた名前も親もないオリバー・ツイストの少年期の物語。孤児院を追われ、物乞いに失敗し、泥棒の仲間入りをするなど、破天荒な生き方を経ながら遂には裕福な家庭に引き取られていく。
こんな大河ドラマのようなドラマティックな物語であり、個々の豊富なエピソードがあるわけだが、盛り上がらないのはなぜなのか?それは物語と個々のキャラクターとのつながりが、密接でないことに由来している。個々人のキャラクターだけに焦点をあてるだけではなく、物語とキャラを見せる映画である本作が、物語を面白くするためにキャラを掘り下げて描いたり、キャラの設定を具体的なものにしないのは、明らかな戦略ミスだった。子供を泥棒に育てる悪党のフェイギンや、やくざな人殺しのビル、泥棒集団のリーダー格のドジャーなど、魅力的なキャラクターは数多いが、それらが物語をドラマティックに結び付けてくれるのではない。
例えば、フェイギンが単なる子悪党にしか見えないのは、終盤で富豪に引き取られたオリバーが牢獄に収容されたフェイギンと対面した後にみせた”涙”の意味を観客には理解させないと思う。やくざのビルとナンシーの関係もいまひとつピンと来ないのだが、結局ナンシーは、オリバーを助けるためにビルを裏切る。だが、やはりここでも描写はいまひとつで、ナンシーがビルを愛していて、それでも尚オリバーを助けるためにビルを裏切るという設定にしてくれれば面白くなった。オリバーの先輩格にあたるドジャーなどは、利用しようとすれば物語を面白くするためにいくらでも利用できるキャラだ。顔もオリバーに劣らず綺麗だが、やってることは汚いことばかり。彼がオリバーをとことんダメにするメフィストになって、オリバーがふと精神的に目覚めてそこから脱出する、というストーリーなら、どれだけ興奮できたろう。
ロンドンの街も人も、皆がもっと汚くて良かった。欲望にまみれた人間の中でオリバーが一人だけ変わっていくのなら面白いのだ。この映画では、オリバーは受動的過ぎる。自分で何かをしようとする意志がない。結局ナンシーや運が味方をして富豪に引き取られていくに過ぎない。私が共感できないのはそこかもしれない。悪に徹することもできない者が善にならんとしても魅力はない。酸いも甘いもしってこそオリバー・ツイストの物語なのではないのか。[映画館(字幕)] 4点(2006-02-01 22:55:58)《改行有》
2. オールド・ボーイ(2003)
《ネタバレ》 タランティーノ氏絶賛というマスコミのお触れによって、遅ればせながらDVDビデオで本作を鑑賞させてもらったが、原作よりは遥かに面白いものの、ミステリーや暴力映画として観ると評価を低くせざるを得ない映画だ。
原作の設定である、10数年に及ぶ監禁生活から解き放たれた中年男が、なぜ自分を監禁したのかと問う。多くのミステリのように、犯人探しに燃える男がいるのではなく、犯人が明らかになっている上で、その理由を探すという設定はなかなかに刺激的で独創的だ。ここまでは原作通りだが、原作はそこから徐々に規模が小さくなっていき、最後は小学校時代の「羞恥心」が原因という、全く意味の分からない展開へと進んでいく。
そこは、翻案というものの良い点で、映画は、原作の余りに退屈な謎解きを排除している。原作を既に知っている身からすれば、原作がひどい謎解きを提示している段階で、それを超えるのは当然と思うが、しかしここまで刺激的な謎解きを証しするか、と思うと、うれしくなった(抽象的な言い回しで申し訳ないが、さすがにこの謎をバラすと本作の魅力は落ちるので許して欲しい)。原作つきの映画をどう料理するかが映画監督の手腕だが、うまくいっている。
だが、やはり原作と同様、疑問に思わざるを得ないのは、監禁をした理由が家庭内の問題に端を発した殺人という点である。説得力に欠けると思う。
「10数年に及ぶ監禁生活」という凄みのある事件が、序盤に起こっているのに、そこから謎が急速にしぼんでいくようでは、ミステリとしての評価は高くできない。それを超えるショックがなければいけない。私的でもいいが、もっと極めて陰惨でどうしようもなく静視できないような内容でなければ、あつくなれない。ワイドショーの一場面的な理由で監禁するというのでは、単なる社会学的な考察の域を出ていない。
暴力シーンはワイヤーがないだけいいが、へたくそなカンフーアクションでつまらない。オ・デスがわめくシーンは良い。舌を切るのもいいが、切るシーンを露骨に見せないのは駄目。観客は暴力を観に来る時、汚くてひわいな人間の姿が観たいのだから、惜しみなく見せるべきである。
主人公オ・デスを演じたチェ・ミンシュクの演技はなかなかのもの。タランティーノが本作のどこを観て審査員大賞をやろうと思ったのか不明だが、やるなら男優賞にして欲しかった。[DVD(吹替)] 6点(2005-11-21 00:02:53)《改行有》
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