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21.  俺たちに明日はない 《ネタバレ》 -BONNIE AND CLYDE- “ボニーとクライド” 普通に名前を並べただけだけど、これだけで通じる辺り、ロミオとジュリエット並みに神格化されてたんだと思う。ボニー(女)が先に来ているのは、語呂の良さだろうか? 邦題の“俺たちに明日はない”は、かなり魅力的なタイトル。明日など無い。今日、いま、この瞬間を刹那的に生きた2人の生き様を見事に表現していると思う。 2人きりの犯罪者カップルだと思ったら、バロウ・ギャングというある意味身内で固めた犯罪者集団だったのは意外。 貧乏人からは金は取らないと、義賊的な活躍が神格化された原因かと思ったら、案外あっさり銀行員を撃ち殺したモンだから、これにもビックリ。ネットの時代なら盛大に手のひら返しをされてた可能性大。 新聞がメディアの中心だった時代、社会も彼らを過剰に持ち上げていたんだろう。実際の犯罪もあれば、疑わしい犯罪を彼らのせいにしたものもあったろう。 OPから斬新。無音にシャッター音(?)だけが響き、サブリミナル並みの速さで映されるモノクロ写真。フェイ・ダナウェイのセクシーな唇。見えそうで見えない裸。退屈な毎日から抜け出させてくれそうな運命的な出会い。銃を撫でる手のエロさ。突然始まる非日常。強盗してから名乗り合う2人。場違いにも思える陽気な音楽…この新しさは、当時相当ショッキングだったんじゃないかな。 ユージンを乗せてからの変な空気も面白い。本当にその日その場を楽しんでるというか、後先考えてないというか… あの有名な射殺シーンから、無音の THE END の流れ。あそこでブツリと終わるのも“俺たちに明日はない”感がとても良く出ている。 ボニーとクライドが出会ってから、死ぬまでを描いた映画、それ以上でも以下でもないと言う意味で、-BONNIE AND CLYDE-も魅力的なタイトルだと思う。 撃たれる瞬間の、お互いの表情を交互に映すカメラも良い。[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-07-07 22:58:07)(良:1票) 《改行有》

22.  オールド・ボーイ(2003) 《ネタバレ》 -Oldboy-“男子卒業生”…いわゆる“OB”ですね。 和製英語だけど原作が日本の漫画とのことで納得。あと“中年の男”って意味にもなるそうな。 いやいやいやいや…なんとも痛々しい映画だわ。肉体の痛みはもちろんだけど、精神的にズンと来るものがあった。 そしてオ・デスの復讐劇に見せて、彼の行動がウジンの復讐になっていたという、見事なシナリオ。 ミドと結ばれるのは、ある意味理想的な…というか、よくある展開だな、と思いきや、あんな気持ち悪い復讐が用意されていたなんて… このウジン、姉と相思相愛だったのは置いておいて、オ・デスに姉の死の責任を全部おっ被せるのは、八つ当たりとしか思えない。八つ当たりだけど、復讐を生きる糧にして、そのためだけに生きてきたのが、ウジンの最後も含め、悪役ながら悲しいものがある。 そもそもあんな公共の場所でコトを始めたあんたら姉弟が不用心だったんじゃ…?だけど大好きな姉が目の前であんな死に方されちゃ、心を病んでも仕方ないか。最後に写真を撮るシーンなんて何とも言えない美しさがあった。 ミドの所に箱があると知った時のオ・デス、ウジンと姉への心からの謝罪からの行動というより、自分とミドの関係を守るための行動に思えてしまう。そして最後の催眠術師への依頼なんてどう考えても自己保身からで、今後ミドと、親子ではなく恋人のままでいようとしたと思うと、まだ学生だったウジン姉弟より気持ち悪いかもしれない。どうしてミドから自分の記憶(中年男を好きになったこと)を消してもらおうとか、もっと常識的な依頼にしなかったのか。そして抱き合うオ・デスの表情が笑顔から悲しみに変わることから、催眠術は失敗したんだと思う。父親である自覚を持ったまま娘のミドを愛し続ける。地獄だ。 何とも恐ろしく悲しく、そして気持ち悪い。でも、正直言ってスゴい。[インターネット(字幕)] 7点(2021-11-19 19:07:30)《改行有》

23.  おっぱいバレー 《ネタバレ》 読み終わったエロ本は雨に濡れないよう物陰に捨てて、次世代に引き継ぐ優しさ…こっそり11PMを見て、エロ回じゃなくてガッカリした思い出…今ほどエロが手軽じゃなかった時代設定にしたのは正解だったと思う。 1979年の再現にこだわりが感じられる。当時の乗用車が置物でなく何台も走ってるのが凄い。スーパーカーライトの自転車、部室やアパートの小物。電車や街並みなんかCGには見えなかったけど、集めるのも動かすのも大変だったんじゃないかな。 本作は寺嶋先生の教師としての成長を描いた物語。…美人教師に道程をあれだけ連呼されたら、中学生ならあぁなるよな。 美香子は前の学校で保身の為に嘘をついたトラウマがある。そんな彼女が教師を目指すきっかけになったのは感想文。金賞受賞の達成感と、恩師の原田先生。 原田先生の補習最後の本は、初めから道程に決めていたはず。ちょっと道を踏み外した生徒の将来のため、日々彼女の読解力を見ながら、易しい本にしたり難しい本にしたり、興味を持って読書を続けさせて、最後の道程を素直な気持ちで読めるように、悩みながらの本選び。 ベテラン原田先生でさえ、日々悩みながら生徒と接していたこと。雲の上の存在の恩師も、当時は今の自分と同じだったんだと気が付いた美香子の涙に、こっちまで涙腺が緩んだ。道程のあるあるネタをこんな型で回収するなんて。 教頭に詰められる寺嶋先生を庇う優しい生徒たち。 バレーの第2試合、寺嶋先生の応援で1ポイント取ったけど、実は相手は2軍でしたオチ…からの強豪校1軍相手にスコアボードに刻まれた4点。本当にすごい、頑張った。 でもそんな生徒たちに金賞受賞のような達成感を与えられず、引っ越していく寺嶋先生への最後の手紙。おっぱいの感触。 おっぱいを見たいばかりにミスリードさせてたが、ここでオープニングの空気圧おっぱいの伏線を見事に回収。 『寺嶋先生からちゃんと達成感も貰ったよ』って生徒達のエール。ホント優しい子たちだ。[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-01-22 22:19:54)《改行有》

24.  オースティン・パワーズ:デラックス 《ネタバレ》 “Austin Powers: The Spy Who Shagged Me”『オースティン・パワーズ:私をヤッちゃったスパイ』。『私を愛したスパイ』のパロディタイトルです。 下品なギャグ、スパイコメディ、'60年代のお洒落さ。パッと見は前作と同じようでいて、前作にあった『このジョークのどこが面白いの?』という'60年代とのジェネレーションギャップを笑うところはほとんど無く、特に考えさせられるような深みもない、普通にスタイリッシュなコメディ映画でした。 いきなりバネッサが暴走します。ここでもう、私はダメでした。『え?それじゃ前作は、Mrs.ケンジントンの娘とかしっかりした設定なんかは、一体何だったの?』って、エイリアン3と同じようなショックを受けてしまいました。シリーズ化は想定外だったのかなぁ?シリーズを続けるには結婚をブチ壊して…ってのは解る。バネッサが殺されたりしたら重くなるのも解るから、制作側の判断は間違ってないと思うんだけど、何だかなぁ…笑えるところを笑うだけでした。 素っ裸でホテルを歩くオースティン。下品な影絵。卑猥な形のロケットを見て異口同音にアレを連呼するトコなんてバカバカしくも面白い。やることがえげつなくて、カワイイとは思えないけど何故か可愛く観えるミニ・ミー。ファット・バスタードは…最初は思いっきり嫌悪感を抱いてしまったけど、慣れれば嫌いじゃないです。 バネッサに代わってヒロイン役のフェリシティも可愛くて良いですね。カメオ出演も相変わらず豪華です。マイケル・マクドナルドは映画が始まってすぐにレーダー監視員で出てました。音楽のチョイスとセンスは相変わらず素晴らしい。マドンナの主題歌よりレニクラの『アメリカン・ウーマン』の印象が強かったかな。う~ん…シリーズ化しても面白いけど、やっぱ一作目は至高だったわ。[ビデオ(字幕)] 6点(2024-06-09 22:50:05)《改行有》

25.  お早よう 《ネタバレ》 小津監督の映画を観るのは本作が初めてです。低い位置から見上げるように撮るカメラが特徴的に思えました。風景では家々の間の狭さ、東京の空の狭さが感じられましたし、屋内では足元がつま先までしっかり入るカメラアングルが『家では靴を脱ぐ日本の文化』を感じさせてくれます。あと話している人物を正面から(話される相手側から)観るポジションのカメラ位置も、小津監督の特徴のようですね。 些細な親子の衝突から、挨拶をしなくなった林家の兄弟。急に話さなくなったことから色々想像し、それが近所や学校で、林家の悪い噂が広まってしまう。ご近所がそんな考えになっているとは知る由もない民子。う~ん、怖い。 挨拶の大切さを小さな町内の騒動で、解りやすく見せる構成は、小さい頃に観たNHKの子供向け道徳番組を思い出します。『みんななかよし』ってタイトルらしいです。「口笛吹いて~空き地へ行った~♪」とかってOPのやつ。調べたらこのドラマは'62年から始まったそうなので、この映画は少なからず影響を与えたかもしれません。「昨日のズボンは~、も~お履けな~い♪」って歌も意外な形で影響を与えてるかもしれません。(※みんななかよしの歌じゃなかったわ) 伝わらないジェスチャーで給食費を学校に持っていけない兄弟。駅のホームで挨拶は出来ても、節子への心の内を言い出せない、平一郎のもどかしさ。言葉で伝えることの大切さは、幾つになっても変わらないものですね。でも気持ちを伝えないでいる、あのもどかしいような時間も心地よく感じられます。 しかし、昔の新興住宅地って道路が狭いんだな。車も通れない道幅の向かいにご近所さん。家の鍵も掛かってるんだかいないんだか。酔っ払って帰宅したらお隣さんの家だったなんて、のどかな時代です。近年、若者の間でシェアハウスなんてのがあって、一人の時間が無いと生きていけない私には、理解不能な生活スタイルだと思っていましたが、案外、この映画の時代の人々の暮らしと、そう変わらないモノを、現代の若者は求めているのかもしれませんね。[CS・衛星(邦画)] 6点(2024-05-23 22:07:34)《改行有》

26.  男はつらいよ 寅次郎の告白 《ネタバレ》 シリーズ44作目。満男中心の物語に世代交代って印象の本シリーズですが、今回はきちんと、寅の物語に戻っていたと思います。“ 満男と泉の寅との触れ合い”とでも言うのか、寅を観たい層も満足出来る創りに思えました。 一人旅で心細い泉の、偶然立ち寄った駄菓子屋のお婆ちゃんとの触れ合いなんてホロリとさせるし、そこに偶然寅が現れて溜め込んだ気持ちが爆発するのは納得するし、その後三人で酒宴になるのも、場の和ませかたが、寅の本領発揮って感じでとても良かったです。 「ママを一人時の女性としてみることが出来ないのは、私の心に何かイヤらしい汚いものがあるから」この話は前々作の満男の語りと繋がってる。そして寅の告白、さくらとは腹違いの話。重たい話をこうもサラッと言える寅がカッコいい。 今回は満男が、寅の若い頃みたいな“バカ”をよくやります。階段から砂丘から、コロコロ転がってます。額を打った時は、やりすぎなくらい出血してます。寅が大人しくなったぶん、満男がバカをやるって役割分担なんでしょう。 マドンナの聖子がまたイイ女で、フワフワした雰囲気がとても可愛らしい。過去に結婚を考えたほどのマドンナが未亡人として出てくる。体調の悪い渥美さんが、一目惚れするクダリを省略するためかもしれないけど、寅の秘められた過去話として、とても面白かったです。「い!今更そんな事言われてもなぁ~」満男が居なかったらどうなっていたんだろう?? さて満男と泉。3年掛かってやっと手を握るなんて、平成の若者にあるまじき進展具合。満男は無鉄砲に泉を追いかけ、泉は毎度正月には諏訪家にアポ無し訪問。寅のマンネリは大歓迎だけど、こっちのマンネリは、これ以上続くのはシンドいかも? ここ最近、柴又界隈やくるまやの出番があまり無くなって、たまに出てきても、なんだか時間が止まっているかのよう。[CS・衛星(邦画)] 6点(2024-03-05 22:39:07)《改行有》

27.  男はつらいよ 寅次郎物語 《ネタバレ》 シリーズ39作目。同年公開された『次郎物語』から付けられたタイトルなんだって。冒頭の夢が、中学時代に寅が家を飛び出した、回想と呼べるものでした。 秀吉みたいな小さい子が出てくると、満男が大きくなったなぁって実感が湧きます。寅のことを「俺買ってるんだ、割と」なんて、年上に対すると言うより同格な言い方。ヘタしたら母親のさくらのほうが寅のことを敬ってるかも? マドンナはてっきり秀吉の母のふでかと思いきや、たまたま旅館の隣に泊まった客。ひょんな事から「母さん」「父さん」と呼び合う自然な流れが微笑ましい。告白とかの恋愛のステップを飛び越えて、突然夫婦役として2人を着地させるのは、また面白いアイデア。 外堀は埋まって、寅と隆子も居心地良く夫婦ごっこをしてるけど、どうも寅が一歩引いた立ち位置で、冷めた気持ちで夫婦ごっこしてる雰囲気がつきまとう。あぁ、もう寅は燃えるような恋は出来ない歳なのかなぁ… 秀吉がまた、子役子役した演技派でなく、自己主張しないリアルな子供なのもいい塩梅。ただ別れ際が「おじちゃ~~ん!!」と泣き叫んで船を追い掛けるなんて、ちょっとベタかな。 でも最後、家を出る寅とさくらの会話「働くってことは」に、悩む満男が寅に問いかける「人間は何のために生きてるのか」と名言が続く。 二見ヶ浦でふでと秀吉を見つけて、とっさに隠れる寅。「俺達のような人間が、声をかけたら迷惑なんだよ」と。これが寅の、カタギになった人との付き合い方なんだな。33作目で登との別れが随分素っ気ない印象だったけど、あの時はついつい嬉しくて、自分を曲げて登の家まで行ってしまったんだな。って思えるようになったわ。[CS・衛星(邦画)] 6点(2024-01-24 22:21:18)《改行有》

28.  男はつらいよ 柴又より愛をこめて 《ネタバレ》 シリーズ36作目。タイトルはまぁ、雰囲気で付けたのかな?酒井がロシア語関連の仕事してるのと、ロシア料理が出てくるくらい? 登場から一気にレギュラー化した個性派キャラ・あけみ。4作目で準マドンナ枠の大活躍の裏には何があったのか?歳を重ねた寅の代わりに満男の恋を描く流れは、何となく知ってたけど、高齢化していくとらや一家に対し、まだ子供な満男。あけみは満男が成長するまでの中継ぎリリーフとして、登場したのかなぁ? それと今さらだけど、1作目で結婚してしまい、まるで寅の姉のように落ち着いてしまったさくらに対し、寅の妹分の役割を持たせたかったのかな。マンネリ打破には良い方向性だけど、それなら、あけみとポンシュウの好いとこ取りの、テキ屋の弟分・登をもっと活かせばよかったのになぁ。とも思う。 まぁでも登だと、今回みたいな露天風呂のお色気シーンは撮れないか。ってか、寅さんでヌードが観られるとは思わなかったから、驚いたわ。ロマンポルノ出身の美保純にどれほどの集客効果があるか解らないけど、長寿シリーズの苦労の跡に思えた。 子供の頃から寅を知っている女から見ると、今の寅はどう映るのかが、よく描かれていたと思う。登場する度にずっと結婚の愚痴ばかりだったあけみが、遂に家を飛び出してしまう。旅先でのほのかな恋模様。あけみに一切その気がなかった描写、悪気なく人妻だと伝えてなかったから起きた失恋に、マドンナ目線から見た寅の失恋を見たような気になった。そう、告白した茂は知らなかったけど、私たちはあけみが人妻だと知っている。過去のマドンナも、想い人が迎えに来て寅の恋が終わったりしたけど、マドンナにも自分で歩んできた過去があるんだよなぁって。 オープニングのNASAは可笑しかった。『ロシアより愛をこめて』が、アメリカのロケット打ち上げをスペクターが妨害するのをボンドが止めたのが話の発端(観たのが昔過ぎて内容覚えてない)だそうで、今回は寅が打ち上げを邪魔するのが類似点と言えるのかも? 久々に寅自身が恋をするのと、貧弱装備で海釣りに行こうとする姿が、『馬鹿だねぇ』って言われてた寅さんっぽくて良かったな。[CS・衛星(邦画)] 6点(2024-01-08 12:28:22)《改行有》

29.  男はつらいよ 寅次郎真実一路 《ネタバレ》 シリーズ34作目。怪獣だぁ。そのうち出るだろうって思ってたけど、ギララっていうのか。コレ当時の特撮の使い回しかなぁ?撮り直しだとしたら、お金掛かってるなぁ。 マドンナは大原麗子が再登場。だけど同一人物で別人のマドンナ役ってのは“シリーズ初”? 今回やたらと東京の風景が多い。今まで柴又と地方が舞台だったせいか、随分と時代が進んだ印象を受けてしまった。第一作から15年も経っていて、寅もとらや一家も柴又も当時と全然変わらないのが馴染んでしまっていて、急に東京が近代化してたような、そんな印象を。大都会の証券会社で働く富永にスポットが当たったのもあって『あれ?これ“男はつらいよ”だったよな?』なんて思ってしまった。差し入れのバナナのシーンは寅さんっぽくなかったけど面白かった。 マドンナが失踪した夫を心配する人妻。しかも夫は一緒に飲んだ仲ということもあり、寅でなくても全力で恋が出来ない、居心地の悪さを感じる。二人っきりの枕崎旅行も、どこか後ろめたさが先立って、観てる側としても純粋に応援できない状況。寅の恋愛成就を応援できない回って、初めてかもしれない。 冨永が家庭に戻り、寅がそのまま旅に出ることを察したさくらとの電話「良かったねお兄ちゃん」『あぁ、良かったよ』「ホッとした?」『あぁ…ホッとした』。自分の幸せのために、冨永の不幸を望むような男にならなかったことを、さくらは喜び、寅の心の底の気持ちを引き出してあげる兄妹愛が美しい。[CS・衛星(邦画)] 6点(2023-12-24 00:22:32)《改行有》

30.  男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎 《ネタバレ》 シリーズ33作目。本サイトでは寅さんシリーズ・ワースト3に入るくらい低い点に警戒する反面、私の好きな登が久々に登場する回(※事前に調べてた)ともあって、複雑な思いで観始めました。 当時私は中原理恵さんが大好きでした。欽ドン!毎週観てました。綺麗で可愛くて面白くて、こんな人が私のママンだったらなぁ…なんて思ったこともありましたよ。欽ちゃんブームが下火になった辺りから、彼女もあまり観なくなりましたね。今回久しぶりに彼女を観られて、そしてやっぱり綺麗な人で、なんかすごく当時を思い出せて嬉しかったです。 更に釧路(うわっ都会だ!)に根室(…田舎だ)に霧多布に中標津と道東てんこ盛りな回で、それもまた嬉しかった。あの樽の中をぐるぐる回るオートバイ・サーカス。札幌はじめ北海道の夏祭りの花形イベントでしたが、最後の一座もコロナの最中に人知れずひっそりと閉業されたそうです。 登の再登場は良かったけど、あの別れ方は悲しかったなぁ。だけど、カタギになった登と、時代に取り残された寅のフーテンぶりを敢えて観せる演出と思えば納得です。悲しいけどね。タコ社長の娘のあけみ。むか~し社長一家が出た時に、わらわら居た子供の一人なのかな?なんかぶっ飛んだキャラクターで好きです。美保純かぁ。味があるなぁ。トニー。名前からして住む世界が違う人です。ハーフ役かな?あだ名かな?思わせぶりなセリフを最後に出なくなるのは、確かにモヤモヤする。栄作。欽ドン…じゃないか、でも欽ちゃんファミリーの懐かしい顔。こちらも退場のしかたがちょっとだけど、面倒くさい旅の仲間っぷりが良いアクセントになってたわ。 マドンナ・フーテンの風子。中原理恵が好きなせいもあるけど、この後先考えずに憎まれ口叩いてしまう性格なのは、作中自分で言ってる通り。とらや&寅連合VSマドンナって図は初めてかも?最後のとらやでの言い方に怒りを覚える気持ちも解ります。みんなで優しくしたのに掌を返すようなやり方でって。その気持も解るけど、弾かれ者だった風子が、同じ境遇のトニーを嫌いになれない気持ちも解るなぁ。 最後の熊。モロぬいぐるみのニセモノ熊には失笑だけど、前作でレオナルド熊がニセモノ寅を演じた繋がりってことで、最低マドンナの烙印押されてる風子共々、許してやっちゃ、くれないだろうか? ちなみに私の中の最低マドンナは高見歌子(吉永小百合)です。[CS・衛星(邦画)] 6点(2023-12-17 23:00:15)(良:1票) 《改行有》

31.  男はつらいよ 寅次郎紙風船 《ネタバレ》 シリーズ28作目。きちんと出るには出たけど、あまりに本作に絡まない紙風船の小道具っぷりよ。 寅の夢にマドンナ2人が出てくるのは、シリーズ初かな? ガードが硬そうで、いったん心を許すとノーガードな愛子が可愛い。そんな愛子に、相部屋なのに変な気を起こす気配も感じさせない寅の落ち着き具合。この2人はそれはそれでイイコンビ。マグロを抱えた兄の登場が、これまた勢いがあって好き。 一方でマドンナの光枝は可愛らしい大人の女。それでいてどこか影があって。どうして歳の差もあるテキ屋の常三郎と一緒になったんだろう?って女性。だけどなんか、この夫婦に説得力を感じてしまった。 旅館で働き出した光枝。寅と話してる最中、ガラッと窓を開けて掃除する、同僚の視線に背を向ける光枝。察した寅が「何か辛ぇ事ないのか?」に「大丈夫、仲居みたいな仕事は前にやったことあるから」って。あぁ、この人同僚なんかと上手くやれないタイプなんだ。だから夫の仕事仲間の愚痴も出るんだ。 駅前の別れのシーン。光枝の方から話を振ったくらいだから、寅の回答次第だったんだよな、ここは。病人相手だから適当に相槌打ってた事にする奥手の寅と、それ聞いて安心した事にする人付き合い下手な光枝。なんでか常三郎を悪者にして話をまとめる二人。常三郎はこの不器用な二人が大好きだったんだね。 失恋に追い打ちを掛けるように、不採用になった寅の乾いた笑いが忘れられない。 何より全編通して流れる笛の音のテーマが物悲しい。でも嫌いじゃない一作だなぁ。[CS・衛星(邦画)] 6点(2023-11-21 01:00:13)《改行有》

32.  男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎 《ネタバレ》 シリーズ27作目。オープニングの夢は、過去一番の脱力系の夢でした。タコ社長のタコの着ぐるみ、よく着る気になったなぁ。 タイトルの河川敷ではサイクリング仲間が女の子の取り合い。今までなら寅が引き金になってドタバタが起きるんだけど、今回寅は単なる傍観者。おぉ前作同様、寅は一歩引いたスタンスで若者を見守る話かな?と思いきや、結構スタンダードな一目惚れ回でした。 満男が吉岡秀隆になってた。さくらのノーヘルスクーターにビックリ。そういう時代だったの?気にしたことのなかった源ちゃんの意外な過去。 この作品も以前テレビで観ていた記憶があって、マドンナふみの弟の死が印象深かったです。本作では特に、とらやでの子供みたいに馬鹿でワガママな寅と、旅先での大人としてしっかりした一面を見せる寅の両面が観られます。 神社の絵馬にさくら一家の幸せを祈願する寅。一方で弟のみを案じるふみ。たった一人の姉弟がために、寅も自分に重ねてふみに協力したんでしょう。心のこもった葬儀をあげてくれた会社の人々への、寅が発した感謝の言葉がもう、こんな事言える大人って格好良いなって思ってしまいます。 一方のふみ。「何で一言言ってくれなかったんです!?」と弟の上司に怒りをぶつけます。幼い頃別れてから、一度も会ってない弟。父方と母方に別れてそれっきりと思いきや、務め先は知ってる(どこでそれを?)。お骨は若狭の叔母さんが持って行ったのに、その叔母からふみには一言もない(※その叔母さんがふみのことを知らない可能性も少々)。ふみに怒る資格はないように思えるけど、まぁけっこう表裏が激しい、自己中な女です。 絵馬のところで「寅さんに、ええお嫁さんが…(はぁと)」と言いつつ、弟のことを書いてる。まぁ照れ隠しって感じだけど、芸者さんの職業病らしく、寅が喜ぶ事を言っただけに思えました。 旅館で一晩共にしたあとの置き手紙についても「“1人で”考えてゆきます」なんてあたり、男の気を引いてナンボの芸者さんらしいなって思いました。 とらやに来て、いきなり接客始めるのも、日常と仕事の境界線が曖昧だからかなぁ?って。ある意味アイドルタレントと似ていて、仕事(撮影中)と、日常生活(インスタとか)と、その裏に人に見せない私生活があって、だから結婚っていちばん重要なキーワードを、あんな残酷なカタチで言えてしまうんだなって思いました。「こっちの気持ちにもなってくれっていうんだよ。」寅がさくらにマドンナの愚痴(というか恨み節)を言うのは初めてかも?いつもと同じようなフラレ方に観えて、今回ばかりは寅が可哀想。[地上波(邦画)] 6点(2023-11-16 01:14:19)《改行有》

33.  男はつらいよ 寅次郎かもめ歌 《ネタバレ》 シリーズ26作目。たまたま『学校』を観た直後。『黄色いハンカチ』以前から構想があったという夜間学校映画の、まさに試作品のような本作を観られたのは、なかなかなめぐり合わせ。 諏訪家がやっと手に入れたマイホーム。タタミ1畳分くらいの狭い庭、窓を開けると手が届きそうな隣の家、言葉を選んで褒める寅が素敵。そして「お兄ちゃんの部屋」は泣けるわ。いつまでも叔父叔母夫婦の家に頼ってないで、兄妹で独立したかまどを持とうとするさくらの考えと、義理の兄と妻の絆の強さに協力を惜しまない博。寅が悩んだ末に2万円も包んだ、嬉しい気持ちが伝わってくる。それに対しお釣りって…それは寅が怒っても仕方ない。 セブンイレブン。私も近所にセブンが出来たときのことを覚えてます。スプライトとかがデザインされたアメリカンヨーヨーが売ってましたね。店内に流れる長渕の順子。ついに寅さんが私の記憶にある時代に追いついたわ。 ちなみにキャンディーズは私が物心つく頃には解散してました。マドンナすみれは、寅のテキ屋仲間の娘。年齢の差もさることながら、仲間の娘ということもあって、最初から恋愛対象ではなく、親子のような構図です。うっかりお風呂を覗いてしまうところなんて、まさに娘と父親のあるあるネタ。 すみれの突然の朝帰り。「だって私、結婚するのその人と」まっすぐ寅の目を見るすみれに、それ以上怒れなくなって二階に上がってしまう寅。あぁ、娘を男に取られる父親の気分。今まで若いマドンナと青年の恋愛を応援する回はあっても、父親の立場でマドンナを見守る回は無かったと思います。 最後の入学願書もホロリと来ました。さくらと博はマイホームを持ち、満男は10歳になり、テキ屋仲間は死んで、その娘は結婚を考えている。'80年代に入り、寅なりに“俺もどこかからやり直さなきゃ”って思ったからなのかもしれません。 そうはいっても、あの2万円が源から借りただけってオチは、何歳になっても子供のままな寅をよく表現していました。 私は、前作が最終回でも良いと思ったくらいだから、本作はまさに『男はつらいよ・後編』のスタートです。 寅と同年代のマドンナばかりでは客層も固定されることを考えると、この路線変更はアリだと思いました。[CS・衛星(邦画)] 6点(2023-11-07 20:39:51)《改行有》

34.  男はつらいよ 柴又慕情 《ネタバレ》 シリーズ9作目。ついに吉永小百合が寅さんデビュー。そして私のお気に入りの登が出てくるのも嬉しい一作。 寅さんといえば夢から始まるオープニング。過去に“瞼の母”や“おいちゃんの死”の夢があったけど、寅たちが何かの役を演じてる夢は本作が初かな? それと本作から観光地の描写が旅の情報番組っぽくなった気が。観光地巡りと名物の食べ物の組合わせ。まぁ田楽美味しそうだったけど。 貸間騒動から博の「酷いこと言うなあ」に続く流れが良いね。家の話は今後も出てくるんだろうか? さて本作のマドンナ歌子。「いつも『寅さん!寅さん!』って言ってる」なんて気を持たせ、とらやに2回も遊びに来る。だけどそもそも寅に対しては恋愛感情なし。一番困るパターンかも。 この歌子。結婚した陶芸家の男を考えると、どうもブサメン好きのよう。気難しい小説家の父はそこを理解していたんじゃないだろうか? 歌子の昔の失恋話として相手から「バラの手入れだけしていれば良い」って言われて怒るんだけど、それを聞いた父は「そんな男やめちまえ」って後押しする。バラの話云々じゃなく、相手がブサイクだったからじゃないだろうか? イマ彼の陶芸家の男に対し「(会ってくれたって、あんなブ男と…)結婚したいなら勝手にしろ、俺は知らん!」と突き放す…自分で気付いてくれと。 自分からフッたのにフラレた気になってる歌子だから、結婚を諦めて父の面倒を診なきゃいけないというのもきっと、歌子の思い込みなんだろうな。言う割に金沢とか旅行してるし。 一緒に旅行に行く友だちの2人にも、恋人の存在は言ってないのに、父が“変わり者の小説家”だとは伝えてる。面倒な女だわ。 劇中、父の反対を押し切って陶芸家との結婚を選んだ歌子。吉永小百合はこの映画の翌年、両親の反対を押し切って、15歳も年上のプロデューサーと結婚している。披露宴には両親が来なかったそうだから、これまた面倒な女かも?[CS・衛星(邦画)] 6点(2023-07-25 01:11:32)《改行有》

35.  男はつらいよ フーテンの寅 《ネタバレ》 フーテンとは、瘋癲と書いて…精神疾患の意味??とんでもない事を知ってしまった。 順番に観て3作目。監督は違いますが、さほど作品としての違和感や、キャラクターの破綻なんかは感じませんでした。きっとTVシリーズで既に車寅次郎というキャラクターが一人歩き出来ていたからでしょう。 一人歩きと言えば、本作は寅次郎の日常、日本中を旅する姿がメインとなっていて、お馴染みの柴又へは一度しか行ってません。そのため寅次郎のフーテン具合がよく伝わる作品となっていて、ある意味面白かったです。 家族写真のさくらを奥さんだって見栄を張る寅。博と喧嘩になって、あっさり負けて呆然としている寅。染子の父の気持ちを代弁し、その父に対しテキ屋として最大級の礼儀を示す寅。普段は馬鹿で子供だけど、テキ屋の世界に長く居るだけの人物であることを観せてくれてます。最後の桜島行の船での口上の実演なんか、定番だけどやっぱり聞き入ってしまう。 このシリーズをキッカケに、フーテンという言葉の本来の意味から、何ものにも縛られない、自由気ままな暮らしをする人物。みたいな意味が書き加えられたそうな。 マドンナとしてお志津が配されていますが、彼女との恋の駆け引きは今回殆どなく、お見合いから駒子夫婦の復縁に必要以上に大盤振る舞いさせたり、信夫と染子の駆け落ちを後押ししたり。自分の為でなく人の為に奔走する寅次郎が印象的でした。 でもそこはフーテン。無断でとらやのツケでご馳走用意したり、ハイヤー呼んだりと、どこかズレてるんだけど、さくらの「でもお兄ちゃん、別に悪い事した訳じゃないもんね」って一言と、大晦日に駒子夫婦も招いているおいちゃんに、ホッとさせられました。 『ゆく年くる年』がとらやのモノクロテレビから、お志津の家のカラーテレビへ。これだけでお志津が裕福で不自由のない暮らしに入ったことを表す手法はお見事。[CS・衛星(邦画)] 6点(2023-06-07 22:40:53)《改行有》

36.  オブリビオン(2013) 《ネタバレ》 - OBLIVION - “ 忘却 ” 地球侵略から60年という時間が流れた2077年。ミスリードという意味でも意味深なタイトル。 荒廃した地球と宇宙人の侵略を描いたSFを下地としながら、相思相愛の夫婦と、一方的な片思い。三角関係がメインなのは面白い。 ブレードランナー辺りからの近未来サイバーパンクなゴチャメカSFが過去のものになった今、スッキリした球体コックピットの飛行機は、動きの観せ方も機内からの視界も面白かった。 2013年って、ドローン(兵器)の世の中への浸透具合って、どんなものだったろう?ジェットエンジンか何かが着いてて、何かを燃焼させて推進力を作っているのは、今のドローンとは違うけど、警告音?の不快感と威圧感が怖い。顔の真ん中の(×)印も怒ってるみたいで怖い。ジャックに直してもらって無愛想に飛び立つのも、テットが創ったものと考えたら納得。 物語の流れから「これトム・クルーズでなくウィル・スミスの映画っぽい」とは思ったけど、ウィルだとイマイチ三角関係が成立しないんだよな。やっぱ色気のあるトムでないと。 で、この結末に納得して良いのか悪いのかも解らないけど、ジュリアにしてみれば49番くんでも52番くんでも同じ…かな。かな? エンディングは3年後。その3年間にジャックとサイクスがジャックのクローンたちを一人残らずプチプチ殺してきたんだと思ってたけど…なんかイヤだな。他のはともかく、52番ヴィカはどうしてるんだろう?52番ジャックが帰ってくるのを、一人寂しく待てるんだろうか?それはそれで、切ないね。 タイトルだけど、“忘れてた”んでなく“知らなかった”が正しい気もする。テットの技術力で、記憶は作り替えてしまうとか、出来なかったものだろうか?[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-11-03 21:43:46)《改行有》

37.  俺たちは天使じゃない(1989) 《ネタバレ》 - We're No Angels - 原題ままで。 異質の来訪者がやって来て、小さな街が色々変わっていく系の映画です。砕けた言い方をすると吉本新喜劇的な。 序盤の脱獄こそ気合の入った(血が飛び出る)アクションシーンだったけど、町に入ってからはハラハラドキドキって感じでもなく、さぁ今度はどうやって切り抜けるのかな?って、ワクワクしながら観てたかな。 コメディの部分も大笑いとかでなく、フフってなる感じで、デニーロの顔芸とペンのスッとぼけた雰囲気が、なんか観ていて癒やされる感じ。 初めて観たのは高校の頃だろうか?覚えてなかったけど、デミ・ムーアが出てて、5ドルでカラダ売ってたなんて。あんなのんびり・ほのぼのした町で、結構生々しい設定だったのね。 涙のマリア像が実は雨漏りだって、神の奇跡を否定する方向なのかな?と思ってたところ、後半に起きる奇跡。ジムが町に残る決心をして、ネッドと無言のジェスチャーで別れを伝えるシーンがとても印象深い。 子供を助けた後、刑務所長たちは何してたのか?とか、本物の2人の神父の行方とか、ネッドはこれからどうするのかとか、気になる点もいくつかあるけど、とてもバランス良く気持ちよく観終わりました。[ビデオ(字幕)] 6点(2022-10-14 19:27:57)《改行有》

38.  オリエント急行殺人事件(1974) 《ネタバレ》 -Murder on the Orient Express- 邦題まま。幼少期から名前だけは知っていて、初めて観たのは高校生の頃だろうか?「犯人は誰だ?」と考えながら観ていて、この結末は驚いた。いやいや、このオチは反則だろうって。 豪華列車の旅と流れ行く異国の風景。名優たちの絡み合いが楽しめるかと思いきや、列車は雪で埋まって景色は流れない。(雪を砕いて救助に向かう除雪車の、なんか男らしさが好き。) 名優たちもポアロとは絡むけど、客同士で疑い合い、探り合い、犯人探しとかはしない(そりゃ結末があのようなカタチだと仕方ないけど)。 大女優イングリッドに「名女優の資質はない」というポアロ。「マザー、マザー」を連呼するアンソニー。アクション(?)担当はコネリーと、知れば知るほどくすりとさせられるシーンが多そう。 呼ぶ人呼ぶ人犯人呼ばわりするビアンキは、推理している鑑賞者のモヤモヤを代弁して整理させる役割として、良いアクセントになっていた。 殺害方法はもちろんだけど、モトは1934年の小説。当時これだけの人たちに、どうやって連絡を取ったのか?誰も欠けることなく、どうやって集めたのか?またどうやってあの列車に詰め込んだのか?世界を股にかける豪華列車だけに、奇跡のようなタイミングを作るに至った経緯が、とっても気になるところ。 傷の深さの違いとか、何回か観ても楽しめそう。もし結論が2案だった場合、最初の人だけが重罪になったのかな? 最後にグラスを合わせるシーン。成功を喜ぶのではなく、事を成し遂げ、もう二度と合わない顔ぶれの最後の別れとして、コレはコレでありだなって思った。(小心者なんでネタバレとは言え濁して書いてます。) 私は初めて観た時、ガウンの謎の女性が実はマックイーンで、彼が犯人だと推理していたように思う。 うん、当時サイコを観たばっかりなのがバレバレな推理です。[地上波(吹替)] 6点(2022-06-05 14:40:19)《改行有》

39.  男はつらいよ お帰り 寅さん 《ネタバレ》 シリーズ50作目というか、後日譚ですかね。これ、もしシリーズ最終作品数が43作目とか74作目とか、中途半端な数だったら、果たして本作は創られていたかどうか。“50年50作”という節目の作品数になるから創られた、そんな数合わせ作品かもしれません。 オープニングの桑田佳祐。うん、前作の八代亜紀には感じなかった『作品に馴染んでない感』が湧いてしまいました。寅さんのコスプレしたご本人登場も、桑田さんのMVを観てるようです。 本作は満男の今と回想で進んでいきます。満男は後半の準主役だったので、本作でも語り部になるのは自然な流れですよね。でも満男が期待の新人小説家になっていたのは、思いっきり不自然な流れでした。 海外生活が馴染んでしまった後藤久美子を活かすための、国連云々の職員設定。それはわかるけど、小説家なんてどこから出てきたんだろう?夢はパイロットでなかった?大学は経済学部でなかった?小説家になったのは、クワッと見開いた目があまりに怖いからかなぁ?いややっぱり国連職員の泉と靴のセールスマンでは釣り合わないと思ったからかなぁ?きっとそっちだな。 回想でも出てきたけど、小さな印刷所で働く肉体労働者の博と、オフィスビルでキーパンチャーをしていたBGさくらとの、釣り合わない恋が実ったのが第1作目。制作陣はかつて自分たちで創った“理屈じゃない恋の面白さ”すら忘れてしまったのかなぁ。 最後のキスシーン。昔の別れのキスシーンとシンクロさせたかった意図はわかるけど、きっかけが唐突だったのと、泉と夫の関係も不透明で、まだ小学生の子供が居るママが自分からキスするとか、ホッペならともかくだけど、強引な気がしないでもないです。 懐かしい顔として、朱美復活は嬉しかった。当時のまんまだったわ、今も昔も変わらないなぁ。リリーは年相応になってたけど、良く言えば内面が落ち着いたんだな。一方、泉ママの美熟女っぷり。かつてのマドンナの中で、唯一(?)現役で“女”をやってる礼子が素敵。夏木マリってタバコの吸い方うまいよね。あれだけの灰を落とさない吸い方は流石。 個人的には本作の主人公はさくらに演じてほしかったです。男はつらいよは、時々帰って来るダメな伯父さんの物語である前に、20年ぶりに帰ってきたダメなお兄ちゃんの物語なんです。そんな兄妹の、(紅の花から)更に24年後の物語を観たかったなぁ。 最後のニュー・シネマ・パラダイスは良かったです。アッチは借り物だけどコッチは26年積み重ねた本物!…なんて変な誇りを感じてしまいました。 でも満男が寅の恋愛に首を突っ込んできたのは、29作目あじさいの恋からだったろうか?満男は初期のマドンナ知らないからなぁ。 だから本作はさくらを主役にして、あのシーンはさくらの回想にした方が、シックリ来るんだけどね。 オープニングの違和感を吹き飛ばしてくれた、歴代マドンナ・ラッシュだけでも充分満足。 リリーと礼子以外の、歴代マドンナの“今”も観たかった気がするけど、それは贅沢な望みよね。 本当にこれでお腹いっぱいです。良い最後でしたよ山田監督。最後最後。 数え間違いがなければ、全作レビューした人、私含め7名。特別編は飛ばして本作はレビューした人3名。49作までレビューした人1名。48作までレビューした人1名でした。本当に皆さんご苦労様でした。これからも男はつらいよのレビューがもっと増えると良いですね。 全50作品。寅さんは重すぎず長すぎず、他の映画を観たときの口直しに丁度良かったです。昨年5月からスタートし、およそ11ヶ月で完走。中身の薄っすいレビューもあったけど、長く楽しい旅路でした。私の寅さんレビューも、これでおしまい。さぁ次は何のシリーズに挑戦しようか。[CS・衛星(邦画)] 5点(2024-04-26 00:27:15)《改行有》

40.  男はつらいよ 寅次郎の縁談 《ネタバレ》 シリーズ46作目。初っ端から満男の就職氷河期直面が重くリアルで、観ていて辛いロスト・ジェネレーション世代です。就職という現実から目を背け、香川の孤島に住み着く満男。辛い就職活動を放りだして、島で生き生きと働く様子は『決められたレールだけが人生じゃないんだよ』というメッセージだろうか。今までも『消費税』やら『踊るポンポコリン』やら『バブル崩壊』やら、時代を表すキーワードは出てくる作品だったけど、ここまで時代と真っ向向き合った回は初めてに思う。 笠智衆さんが亡くなっていました。かつて飈一郎役の志村喬さんが亡くなった際は、劇中三回忌を行い、現実と劇中をリンクさせていましたが、今回はレギュラーの御前様。制作陣は『御前様は出てこないけど元気にしている』というシナリオを選んだようです。 レギュラーキャラのこの扱いから、当時の渥美さんの体調を考えると、いつ最後の撮影になるか解らない中、山田監督は男はつらいよの『最終回』を用意しないことにしたのでしょう。冬子まで出して、さくらに何度も何度も『御前様はお元気?』と言わせる。現実世界と劇中世界のリンクを外すことにしたんでしょうね。もしかしたらこの先、渥美さんが亡くなっても、寅さんは亡くなってない、そんなファンタジーの世界を創ることにしたんじゃないでしょうか? ここまでだと、42作目『ぼくの伯父さん』の終わり方が、最終回らしく綺麗でした。満男(&泉)のスピン・オフで、男はつらいよ世界の延命を図ったけど、正直あまりしっくり来なかったんでしょうね。私も残念ながら、満男にそこまでの魅力を感じてないです。 あくまで“寅次郎の甥っ子”でしかない満男。寅=バットマンだとすると、満男にジョーカーほどの魅力がなかったんですね。満男は精々ロビン。ロビン単体じゃ映画は作れない。 さて、かなり脱線しましたが、満男と亜矢の恋は初々しくて良かったと思います。満男の離島での生活を、現実世界で苦しむ若者へのメッセージだとして、急に亜矢を捨てて東京へ帰る決意をする満男。え?何で?って思いましたが、満男は、リアル過ぎる就職難の現実から、笠さんが亡くなっても御前様は亡くならない、時間が止まったようなファンタジーの世界、寅さんの世界に帰ったんだと考えました。 両腕をブンブン振って見送る亜矢。どんどん小さく遠くなりながら、最後はうずくまって悲しみを表現する姿が可哀そうで…どうして城山美佳子をマドンナ扱いしないのか謎。 そしてどうせなら、一度東京に帰って、あれこれ整理して虎さん世界からFOして、晴れて琴島で亜矢と再出発を決める満男を出しても良かったかもね? …いや満男が邪魔とか、そういう事じゃないんですよ?[CS・衛星(邦画)] 5点(2024-03-21 21:54:05)《改行有》

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