みんなのシネマレビュー |
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41. 踊る騎士(ナイト) アステアがジンジャー・ロジャース以外と組みたいということでのジョーン・フォンテイン。どうして抜擢されたのか。一度だけあるデュエットは私にも分かるでくの坊加減で「帽子掛け以下」との酷評に激しく同意。彼女の大穴を埋めてくれたのが、実際に夫婦であるグレイシー・アレン&ジョージ・バーンズ夫婦漫才コンビ。宮川大助・花子そのままのやり取りが可笑しい。遊園地での三人のダンス(+7点)はアステアについて行こうとする懸命さと、グルグル回り続けるアレンの笑いが止まらない姿と、芯から楽しそうなアステアの姿に、本作ハイライトと呼べる名シーンでありました。興行的にも振るわなかったそうで、ロジャースは「やっぱり、私じゃなきゃダメなのよ」と思ったのかどうか。[DVD(字幕)] 7点(2021-01-26 14:41:44)(良:1票) 42. おかしなドラマ マルセル・カルネ監督長編作品デビュー2作目。フランソワーズ・ロゼーが自分の体裁を保つためについた大した事のない嘘が大騒動に発展してゆくドタバタぶりが半端ない。「よくこんなの引き受けたなぁ」目がテンになったルイ・ジューヴェのコスプレを筆頭に大女優・大スターが織りなす大爆笑スクリューボールコメディは希少価値の高い快作です。[DVD(字幕)] 8点(2021-01-14 01:35:20) 43. 踊る結婚式 軍服姿であるだけで陸軍であることをまるで感じない舞台での起承転結は通常運転ですが、アステアのタップはジェームズ・キャグニーに負けず劣らずのキレッキレ具合、リタ・ヘイワースとのデュエット(リプレイタイム)は溜息が漏れる優雅さで、まさに「ダンスの神様」な姿でした。他の作品同様に「笑顔でいこうや!」力づけられるのに加えて爆笑シーンも盛り込まれたご機嫌な逸品です。[DVD(字幕)] 9点(2020-12-21 02:15:04)(良:1票) 44. オズの魔法使 原作未読、初見。17歳ジュディ・ガーランドの演技力・歌唱力に天才ぶりを見ました。ブリキ、案山子、ライオン、全員味わい深いキャラであり、それぞれが欲しがっているものが既に持っているのに気づいていないという事が胸に染み入るものでしたので、気づかせられかたの強引さが少し残念です。特筆すべきは西の悪い魔女で楽し気な憎ったらしさが緑色の顔と共に実に強烈で魅力的でした。(撮影中の事故で顔と腕に全治六週間の重度火傷を負ったというのがお気の毒)更に特筆すべきが犬のトトで俳優たちを客観的に眺めているような落ち着きぶりでの絶妙な立ち位置が素晴らしい。紛れもない力作傑作であるだけにMGMがジュディ・ガーランドを薬漬けにしていた事が残念でなりません。[インターネット(字幕)] 9点(2020-12-13 02:19:43) 45. 女は二度決断する 《ネタバレ》 「ママもおいでよ」ダニーロと犯人の父親に対して筋を通したカティヤ最期の決断に胸が詰まります。欲を言えば腐れ外道夫婦の命乞いを見たかった。国家社会主義地下組織(NSU)のテロ事件をベースにしたという、ひたすらに息苦しい作品であり、詭弁がまかり通る胸糞悪さを嫌と言うほど味わいました。[インターネット(字幕)] 8点(2020-12-08 03:42:28) 46. オーソン・ウェルズINストレンジャー 《ネタバレ》 お目当てエドワード・G・ロビンソンのどっしりと構えた立ち居振る舞いが作品に重厚感をもたらしています。ただ、無欠過ぎて、キレッキレ(映像・音楽・演出に気鋭を見る)オーソン・ウェルズの魔の手にかかる心配を感じられなかったのが残念(贅沢)。併せて彼女の生死や如何に!が見どころの一つであるロレッタ・ヤングが今一つ物語に機能していないのも歯痒いところ。時計塔での決着は「カリオストロの城」が影響を受けたと思われるもので、ウェルズはこのシーンありきで本作を作り上げたのでしょうか? どストレートなサスペンスに満足の逸品です。[DVD(字幕)] 8点(2020-12-02 16:34:37) 47. 黄金の七人 《ネタバレ》 初見。11PMのテーマ(違うか)に乗せてオープニングからの作戦決行模様に目が離せない。ちょいちょい訪れるピンチは手に汗握る程で無く、惚れ惚れする仕事ぶりで7トンの金の延べ棒をゲットしちゃう。そこからの裏切り裏切られ模様は血の雨どころかパンチ1発繰り出される事も無い。たどり着いたアチャー!な結末(あの場に出くわしたとして1本12㎏を持って帰れるかなぁ、気合でいけるかなぁ)。上等な小春日和の如き快作で大いに楽しめました。欲を言えば実働部隊6人のキャラ分けをして欲しかったところです。[DVD(字幕)] 8点(2020-11-25 01:14:01) 48. 大いなる罪びと 《ネタバレ》 ドストエフスキー「賭博者」(未読)を脚色したという本作。作家フェージャが列車内でポーリーヌと出会った事がきっかけで、カジノに触れ、小説の取材からのめり込み堕ちてゆく姿が描かれています。グレゴリー・ペックが見せる小説家の内面が実に生々しく依存症の恐ろしさを見せつけられる絶品演技でありました。神に救いを求める姿は「意志弱き私にお力添えを賜りますように・・・」度々願う私には身につまされました。脇を固めるキャストが贅沢でウォルター・ヒューストン、エセル・バリモア親子、カジノオーナー メルヴィン・ダグラス、死神の如き質屋 アグネス・ムーアヘッド それぞれ重厚で、中でもエセル・バリモアの立ち往生ならぬ座り往生は迫力満点。惜しむらくはエヴァ・ガードナー。華のある美しさなのですが、台詞回しに感じる薄さがキャストの中で浮いていました。賭博依存症を描いた傑作です。[DVD(字幕)] 8点(2020-11-19 00:54:33)(良:1票) 49. 鬼軍曹ザック 朝鮮戦争時に於いて戦況・作戦の説明は皆無でひたすら生死紙一重の戦闘模様が描かれています。米軍の多様な人種のごった煮部隊の各エピソードは戦闘で勲章を得たというサミュエル・フラー監督が実際に見聞きしたものなのかと思わされるものです。無骨なザックが無骨に見せる情の厚さに胸熱に。戦災孤児ショートラウンドはどこかで聞いたことある名前・・・・・「インディジョーンズ魔宮の伝説」で活躍する中国人少年でした。[DVD(字幕)] 6点(2020-10-31 01:58:13) 50. オリーヴの下に平和はない 《ネタバレ》 当時のイタリア寒村の世相を反映しているのか、金の有る無しが人の心を荒ませるのをジットリ纏わりつくように描かれている秀作です。粗野で強欲な村のボスと、財産の羊も彼女も騙し取られた復員兵の対決は見応え十二分。孤立無援のままの最期を迎えるのかとの予感が外れた霧が晴れたような結末が嬉しい。見たことあると思ったボス役が「眼には眼を」のフォルコ・ルリだったというのが驚きです。[DVD(字幕)] 8点(2020-10-16 16:05:27) 51. 女相続人 《ネタバレ》 父親はキャサリンを愛おしく思っていないのではないか? モリスはキャサリンを愛していないのではないか? 曖昧で確信が持てずモヤモヤが募ってゆく。顕になった二人の本心に居たたまれない思いが。なので再び訪れたモリスの言い草に「どのツラさげて会いにきた!」「ペラペラ喋るんじゃない! 嘘つき男が!」怒りでクラクラする。なのでキャサリンの「・・・・・三度目はこの家に入れない」には溜飲が下がった。傷ついた心を憎悪で癒やしてゆくかのような静かな面持ちが印象深い。オリヴィア・デ・ハヴィランドのオスカー受賞納得の名演。ミリアム・ホプキンスの立ち位置がよく分からなかったのが少し残念。[DVD(字幕)] 7点(2020-09-13 04:40:04) 52. オリ・マキの人生で最も幸せな日 《ネタバレ》 フィンランド映画なのにモノクロな点は敢えてそうしたとはいえ残念。1962年オリ・マキが当時の世界フェザー級王者デービー・ムーアに挑む世界タイトル戦の舞台がフィンランド。国の期待を一身に背負ったオリ・マキが恋に落ちてしまう。浮ついた気持ちのままでの決戦はあっけない。オリ・マキにとってはハッピーエンドなのかもしれないが、献身的にサポートしたトレーナーは立つ瀬がないだろうし、昭和スポ根アニメ世代人間にとっては何か腹立つ結末と邦題。[DVD(字幕)] 6点(2020-09-01 11:58:04) 53. 男と女 人生最良の日々 1作目から53年後の本作。クロード・ルルーシュ、フランシス・レイ、ジャン=ルイ・トランティニャン、アヌーク・エーメのみならず当時の子供二人も再登場しているというのが奇跡的。アヌーク・エーメの87歳とは到底思えない美しさが特筆もの。1作目の名場面をふんだんに盛り込んだ映像が感慨深い。老いる事が絶望ではないラストシーンに救われる思い。コロナ禍で劇場鑑賞を見送ったのが何とも残念です。[DVD(字幕)] 8点(2020-07-27 12:09:57)(良:1票) 54. オンネリとアンネリとひみつのさくせん シリーズ3作目。前2作の登場人物を上手く絡ませた脚本はなかなかのもので、敵役ミンナ・ピンナは憎たらしいけれどは陰湿さはなく退場のさせ方もシリーズならではのほっこり感があります。すっかり成長したオンネリとアンネリは純朴さよりも頼もしさが目立ちました。カラフルな色使いは1作目で受けた衝撃には及びませんが、収容所のような子供の家との対比に於いて美しさを感じるところです。シリーズ順番の鑑賞をお勧めします。[DVD(字幕)] 7点(2020-06-24 00:27:35) 55. おとなのワケあり恋愛講座 本作の衣装さんは「プリシラ」でのオスカー受賞者だそうで。ピアース・ブロスナンの見栄えが5割増しとなる衣装(特に鮮やかな青)に魅入ります。ロスの邸宅のスタイリッシュな事と言ったらもう、ため息ものであります。「狂乱の怪優」と呼ぶべきマルコム・マクダウェルに久々に接し、その目力は往年の迫力があり、ブロスナンとの共演は見応えあるものでした。脚本がいけません。登場人物全ての無分別でチャラい言動に「ありえへん」の一言です。目くじら立てる程でもない水臭い作品。[DVD(字幕)] 5点(2020-05-15 14:47:46)(良:1票) 56. OK牧場の決斗 《ネタバレ》 初見。悪方が東映任侠作品ほどに悪辣でないので決闘も盛り上がりません。カーク・ダグラスとバート・ランカスターのドライな友情物語として印象深い異色の西部劇でした。本サイトにあったリー・ヴァン・クリーフ、デニス・ホッパーに即再見。「この役で出てたとは気づかなんだなぁ」とりわけ哀しい最期を遂げた憂いを帯びた美青年デニス・ホッパーに100へぇで+3点であります。[DVD(字幕)] 7点(2020-04-20 00:53:28) 57. おかしなおかしな大追跡 《ネタバレ》 演技だとしてもド厚かましく小狡く卑しいジュディへの胸糞悪さに、「赤ちゃん教育」臭がするなぁと思ったら監督がオマージュを捧げたそうで、なるほどね。知っていたら絶対観なかったのに。同じカバンが4つという設定も過ぎたるは及ばざるがごとしであって「滑ってるで」と叫びたい。気楽に笑わせて貰うつもりがクスリとも出来なかった。鑑賞とは決して後悔しない事と言い聞かせて胃の痛みを鎮めるハメに(泣)「ブリット」ばりのカーチェイスで、ガラスを持った二人並びに車と共に宙を舞って海にダイブした人に1点ずつ。[DVD(字幕)] 2点(2020-01-16 16:05:48) 58. オンネリとアンネリのふゆ 前作鑑賞後の本作鑑賞が絶対お勧め。ドラマ性は前作よりは劣るものの童話として楽しめる内容。色彩美は キュンキュン×無限大 で気がヘンになりそうだった前作よりはこれまた劣るものの、キューンとさせられました。モノトーンが好みの私が原色を取り入れるようになったのですが、方針路線拡大!を改めて意識する事に。子供が小さい時の楽しく過ごしたクリスマスを思い出し、孫と一緒に本シリーズを鑑賞し、ツリーの飾りつけもしたいなぁと思わされました。[DVD(字幕)] 7点(2019-12-24 14:16:10) 59. オーヴァーロード ナチスもの戦争映画として任務完遂出来るのか息を詰めて観ていたのが、人体実験SFゾンビもの要素が出始めて「はぁ? ヘンなの借りてしもたなぁ」戸惑うものの、グロシーンのグッチャグチャ模様も延々と続くとマヒしてしまうのか、劇場鑑賞だったらもっと迫力あったかなぁと思ってしまう。ワフナー、伍長(カート・ラッセルの息子ワイアット・ラッセル)、クロエそれぞれの熱演が印象深い。荒唐無稽ながらキチンとした起承転結でお金をかけているなぁと思われる映像(スタッフの皆さんに拍手)に引きずり込まれた作品。[DVD(字幕)] 7点(2019-12-21 22:53:16)(良:1票) 60. オクラホマ・キッド 《ネタバレ》 1893年ランドラッシュが背景の西部劇。インディアンとの約束を反故にしたアメリカらしいご都合主義の正義を思うとあほらしくて観てられないのでその点は置いといて。西部劇に於いて善玉でもチョイ悪キャラのジェームズ・キャグニーは瑞々しくて華がある存在。対する悪玉ハンフリー・ボガートの計算高いネチ~ッとした厭らしさが絶品。その激しさから吹き替えだろうと思われる二人のファイトシーンはリプレイタイム。ボギーのキャグニーの引き立て役時代は役者としての勉強時間だったのだろうか、後に虚無的な魅力を振り撒く大スターとなった事が感慨深い。現米大統領が好きそうな終始一貫した「力づく>法」の物語は、目くじら立てずに娯楽作品としてなら楽しめる良作。[DVD(字幕)] 7点(2019-09-11 15:29:10)(良:2票)
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