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プロフィール |
コメント数 |
1047 |
性別 |
男性 |
年齢 |
30歳 |
自己紹介 |
とにかくアクションものが一番
感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます
備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません 10点…大傑作・特に好き 9点…好き・傑作 8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く |
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1. 思ひ出
《ネタバレ》 サイレント時代のエルンスト・ルビッチ最高傑作を1つ選ぶとするなら、俺はこの作品を選ぶだろう。
ドイツ時代に磨かれたエレガンスな雰囲気とエロティックなやり取り、そしてメロドラマの切なさ・・・。
この映画はルビッチらしい洗練された美しさを味わえる作品の一つだ。
主人公のハインリッヒ王子の成長を美しい“想い出”と共に語る悲しき恋の物語。
乳母に育てられた王子。
彼の理解者であるユットナーは、幼い王子の遊び相手でもあった。
成長した王子は同級生、そして想いを寄せる女性たちに出会う。
そのシーンが本当に素晴らしい場面ばかりでさあ。
例えば、握手を求められるシーンでどんどん弾き出されるユットナーの様子がコミカルに描かれるし、
女性が一生懸命話しているのにソッポを向く王子のやり取りも面白い。
「あたしの膝の上に乗って」とばかりにベッドに誘ったりする彼女の姿をシカトするシーンに笑う。
そこに睨みを利かす守衛とか色んな人間が絡んだりしてさ。
ドアを開けたらその守衛みたいなオッサンが居たりして思わずクスとなってしまった。
王子がパーティーに参加する場面でも、彼女が一気飲みするならこっちもイッキに・・・に飲めないのでチビリチビリと飲んでいく。
王子の幼少時代の場面も良いんですよ。
将軍に向って一斉に「乾杯!」するシーン、一斉に帽子を脱ぐシーン。
ドラムロールと人の脚が重なる演出、幼いハインリッヒ王子が大砲の音にビックリして電車の中に戻るシーンがカワイイ。
ユットナーと結ぶ絆も深い。
青春時代のコメディタッチが、その後に待ち受ける王子の運命、それに向き合う悲しき王子の姿をより際立たせる。
掛け替えの無い友人たちよりも、一国の王の跡取りとして友人たちへの想いを断ち切らねばならない哀しみ。
だが、王としての孤独を癒すのは、一瞬でも彼の心を満たしてくれた想い出なのです。
皆さんも若いうちに良い友達に会える事を祈ります。友人て良いもんですよ、本当。[DVD(字幕)] 9点(2014-11-01 01:49:12)《改行有》
2. 雄呂血
《ネタバレ》 脱歌舞伎の剣戟映画の開祖の一つである「雄呂血」。
「日本のグリフィス」こと牧野省三の総指揮、
監督に二川文太郎、
そして阪妻こと阪東妻三郎の驚異的な殺陣!
坂東妻三郎を始めとする俳優陣の演技と殺陣には歌舞伎には無い躍動感が溢れ「歌舞伎なんざブッ壊してやる」というエネルギーが伝わって来る。
バンツマの盟友と言われる「まぼろしの殺陣師」市川桃栗。
彼の破壊的で斬新な殺陣はいかにして生まれたのか。
その真髄に少しでも迫れるのが本作だ。
ジョセフ・フォン・スタンバーグが斬られる人数を数えるのに夢中になったと言われるぐらいとにかく斬りまくる。
オマケにサイレント特有の超早回し映像で、まるで機関銃で一人ずつ狙い打つように斬り倒していく。
坂東妻三郎が松ノ木を背に刀をかまえる場面もほんの一瞬。
その時のバンツマ(坂東妻三郎)が最高にカッコイイ。
絵になる一枚だね。
だが、本当の醍醐味は27分にも及ぶ大立ち回りではない。
一途な恋心が理解されず、誤解を重ねて追い込まれていく平三郎。
人間の本性を目の当たりにする度に、無頼漢に染まっていく平三郎の描写が良い。
奈美江に思いを寄せた後に運命に翻弄されて諸国を彷徨う平三郎。
眼がすわり、ヒゲを生やし、ボロボロになった服を着ながらも歩き続ける力強い姿が素晴らしい。
「世に無頼漢と称する者、そは天地に愧じぬ正義を理想とする若者にその汚名を着せ、明日を知れぬ流転の人生へと突き落とす、支配勢力・制度の悪ならずや」という字幕が語るように、悪党が本当に悪党なのか?
悪党と言われる者が、本当は真面目に生きる人間だったりするのだ。
そして正義と言われる者が、偽善を振舞い悪事を働くような者も世の中には溢れている。
人妻になろうと、平三郎の一途な想いは変わらない。
愛する女を守るため、己の身を犠牲にする覚悟で悪漢を叩っ斬る。
これで平三郎の覚悟は決まった。
散々に斬りまわった挙句、捕縛されて連行されていく平三郎。
民衆には平三郎は悪にしか映らず、奈美江たちには命の恩人なのだ。
その恩人を助けられない奈美江たちの悔しさと哀しみ、平三郎の無念。
解る奴は解ってくれるが、解らない奴は一生理解できない。
それがこの世の中だ。
これほどの作品を発掘し守った人々には、感謝しきれない。[DVD(邦画)] 9点(2014-01-10 19:31:46)(良:2票) 《改行有》
3. 愚なる妻
《ネタバレ》 「グリード」に並ぶシュトロハイムの傑作。
「今時サイレント映画すら見ていないなんて話にすらならない」と言われて鑑賞。私がサイレント映画に魅せられた最初の映画でした。今の時代に無いエネルギーと狂気。
最初は淡々としたストーリー展開ですが、終盤にかけての追い込みは素晴らしいです。
カラムジン伯は様々な女性に手を出し騙くらかすような男で「騙される女が悪い」という筋金入りの悪党。他の登場人物たちが善悪で片づけられない人物像を見せるのに対し、このカラムジンだけは最後まで悪党として生をまっとうしました。「嘘泣き」の場面なんかそれを極めてます。鏡を使ってまで着替えを覗くなどド変態です。サイレント時代からこんな映画があるとは・・・。散々悪事を重ねていくカラムジン。しかし騙された事を知った女のしっぺ返しが凄いこと。火を付けられたり、挙句には襲おうとした娘の父親に返り討ちに遭う・・・因果応報という奴でしょうか。カラムジン伯の恍惚の表情で私の腹筋は破壊されました。恐らく今正に襲いかかる・・・というところでガツーンと殺られたのでしょう。或る意味幸せな最期です。[DVD(字幕)] 9点(2013-12-24 12:48:11)《改行有》
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