|
プロフィール |
コメント数 |
50 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
人生半世紀を超えた。たいていのことは許す。 |
|
1. HANA-BI
《ネタバレ》 この映画はホントの意味でのマザー・コンプレックスが作らせた映画ですね。ラストで「ありがとう、ごめんね」と言ってるのは、妻ではなくて母です。男を残して先に逝く女は、本質的に母なんです。職場の人間関係は狭いし、職場の外とは最初から切れてるし、コトバなんか無くても分かりあえるごく狭小な世界で、お母さんに「ありがとう、ごめんね」と言ってもらうためだけに男は生きる。映像はとても美しくて、日本の美景を自信を持って撮っている。桜、富士、白砂青松、雪、そして薄暮のレインボーブリッジ(?)まで。海外賞ねらいとは少し違う。この美景にオレは照れない、という覚悟を監督が打ち出してる感じ。それなら、文句をつけたいのはただ一点だけ。「これがオレたちの愛の劇なんだ、これが美しいんだ!」って照れずに言い切るのは立派だが、「これがそれだっ!」てこと自体が寸足らずの喜劇だぞ。優しいお母さんと、美しい自然と、殴り合うダチと。これってちょっと世界が狭すぎないか? お前は十代の不良なのか? たしかに今の日本のクリエイターが到達できる限界まで行ってる優れた映画だと思うけれど、これが優れた映画だっていうこと自体が「オレたち」の限界を示してる。8点(2004-08-13 10:48:36)
2. パーフェクト・ワールド
追いかける方の描き方が中途半端。もっと削るか膨らますか、筋書きをツメてほしかった。逃げる方はとてもよく描かれてるので、かなり残念。ケビン・コスナーは好演だけど、顔立ちが整いすぎてて、正義感と粗暴さが同居する無教養でアブナイ頭脳明晰な男にはなりきれない。全編アメリカのほこりっぽい田舎の雰囲気が良く出ていた。救いのある透明な悲劇。7点(2004-06-15 16:41:04)
|