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1. バケモノの子
《ネタバレ》 出来の悪い少年漫画を見せられた感じ。
細田氏の別作品レビューでも述べているのですが私はこの監督さんの構成が苦手です。
テンポよさを重視するせいかぶつ切りが多く本来見せねばならないシーンをわざと切って
次のシーンと繋げる、といった変則的な見せ方をするのが好きではないのです。
漫画でいうところのコマ割が多い作品といえるかもしれませんがその割り方が苦手。
観客が観たいと思うシーンをおそらく意図的に見せない演出にしているのかもしれませんが
これが過去作品はどういうわけかテンポよく上手に繋げられているのでセンスのある監督さんなんだな、と
感心していました。ですが今回は完全に滑りまくりで裏目に出ていました。
特に終盤に一番肝心な『刀を振るシーン』で「ずばっ」という『効果&効果音』だけで
次のコマ、いやシーンでやられた猪長男がぐらりと倒れるって
これ素人の描いた典型的なダメな少年漫画じゃん…と苦笑いするばかり。
キャラクターはもう動物のキャラクターみたまんまのイメージをそのまま押し付けているので
類型的すぎる上に掘り下げが浅いのでどのキャラも想定内の会話しかしない。
肝心の九太と熊徹の関係も親子にも師匠にもなりきれておらず宙ぶらりん。
毎回序盤で全力疾走するけど中盤~終盤にかけてバテてしまい最後がいつも空気が抜けた
風船のような終わり方しちゃうのが細田作品の定番なのでしょうか。
前作のおおかみこども~からどうも私的に失速気味な細田作品なのですが
今回の作品で、もうわざわざ劇場で観なくてもいいかなという気持ちにまで下がりました。[映画館(邦画)] 4点(2015-09-03 01:06:12)《改行有》
2. パシフィック・リム
《ネタバレ》 気付いたら私の周りは皆パシリム病にかかっていた。
でも自分には怪獣、ロボット映画属性はそこまでないので大丈夫かどうか聞いてみると
「研究者&博士属性があるならオススメ」という返答があったので俄然観にいく気になった。
で、観終えた後は頭の中がじんじん痺れて眩暈がするほどトリップ。
重厚感、ロボット、火花、ロケットパンチ、とどめのチェーンソードで完全にやられた。
なにより制作側のKAIJUに対する愛がよかった。
リスペクトやオマージュがふんだんに盛り込まれており
大人になってから子供の頃のような興奮をまた味わえるとは思いもしなかった。
日本人のDNAが歓喜で興奮どころか沸騰するような映画だった。
私は浅はかにも怪獣やロボットものはもう頭打ちなのではないだろうか
所詮は過去の遺物か子供のための通過儀礼的なコンテンツなのだろうと思い込んでいた。
でもこの映画を観てどんなジャンルであろうと表現には限界はなく幾多の可能性があるのだと思い知らされた。
OTAKUという人種は時々こうした平凡な観念を吹っ飛ばしてくれるから凄いと思う。[映画館(吹替)] 9点(2013-09-02 16:31:37)(良:3票) 《改行有》
3. ハチ公物語(1987)
まだ小学生だったと思う。友達と一緒に自分のお金で観にいった映画だった。観終わって映画館から出てきた私も友達も目を泣き腫らして真っ赤だった。私より大きな大人も殆ど目が真っ赤だった。帰りに食べたかき氷屋さんでは2人とも無言。テレビ放映で「ハチ公物語」があると聞いても悲しすぎてまた観ることは出来なかった。いま観ると随分粗があるけど、あまり気にならない。飼い主と犬の理想の形体を映画に起こしてくれたことだけで感謝。死してなお飼い主に寄り添おうとする姿は、おそらく犬を飼ってる人にとって多くの理想の『犬』なんじゃないだろうか。[映画館(邦画)] 7点(2009-11-22 17:00:30)
4. ハウルの動く城
《ネタバレ》 映画館で観て、意味がわからず頭の中は?マークと疑問ばかり。
結局何がいいたいのこの映画?
もしかして原作読めば少しは破綻した部分が理解できるのかと原作を購入し読んでみて納得。
原作では「成程」と納得できる『恋する大人になりかけの女性心理』が描ききれてない。
原作のソフィはハウルの言動にいちいち嫉妬し感情的で怒鳴り散らし家事はこなすけど一貫性がなくて考えなしの無鉄砲。母性のボの字もないしハウルの言動も表面上はちっともかっこよくない。傍から見れば割れ鍋に閉じ蓋のような凸凹カップルだった。ソフィはラピュタに出てくる豪快なおかみさんとか、もののけのおトキさんのような性格だけど宮崎アニメになるとちょっと元気のいいクラリスというかシータというか…なんだか性格がぼやけている。
原作のキャラの持ち味のよさが映画に活かされてばどんなに面白くなったことだろうと残念でたまらない。
でもこれは仕方ないのかもしれない。
女性も男性も、お互いが異性に求める理想像があるけど、異性に言わせるとその理想像は「ファンタジー」でしかないから。宮崎駿が大人の女性に求める理想像はおばあちゃんの介護を献身的にこなし黙々と働き子供をあやし文句をいいつつ彼氏が散らかした玩具を片付けてくれる『お母さん』だ。男が永遠に求める理想の女性を描いてみたらそんなソフィになりましたとさ…という映画。原作ではエッセンス程度だった戦争のモチーフをメインにもってきて、無理やりドンパチに巻き込ませる手法はいかにも男性的だなあと思います。
女性脳で構築された原作を、男性脳の人間が理解するとこういう映画になるのでしょうね。
あ、ちなみに私「この映画はつまらない。」と言いつつ公開中5回観に行ってしまいました。
フィルムブックも購入してしまいました。つまらないし色々不満だらけなのに何度も観ています。
なんなんでしょうねこの映画、女性心理が全くわかってないから逆に
女性のイライラする心の琴線をくすぐるのが上手というか捉われるというか。
ツンデレ調に言うなら「お、面白くなんかないんだからね、勘違いしないでよ!」なのかなあ。
…なんだ一行で済むレビューだったのか。[映画館(邦画)] 7点(2008-07-24 02:30:35)(笑:2票) 《改行有》
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