みんなのシネマレビュー
あにやん‍🌈さんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 2526
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順123
投稿日付順123
変更日付順123

21.  花とアリス殺人事件 《ネタバレ》  アリスと花がそこにいる、そこに生きてます。  走って、笑って、踊って、泣いて。  彼女達の時間は無駄だらけ。目的はあっても遠回り、脇道に逸れて、後戻りして、結局は自分達の力でなんとかなった訳でもなくて。それでも、大切でかけがえのないその時間。  その「無駄」を拾ってゆくのがロトスコープによるアニメーション。仕草、動作に生まれる「無駄な動き」は記号化、様式化を拒絶してキャラクターに命を与えます。  もちろん、蒼井優、鈴木杏の「声の存在感」も重要で。これもまたアニメ的記号化、様式化された声優的表現とは全く別の在り方。  アニメーションになる事で『花とアリス』のガチャガチャした印象に比べるとかなりすっきり純化されています。大勢のカメオ出演によってお祭り映画と化していた前作の賑やかさは消え、花とアリスの物語としての純度がぐっと向上して。そして岩井俊二的味わいも幾分スポイルされている気もしますが、私としてはそれは肯定的に捉えてます。  一方で人や場所、エピソードなど『花とアリス』と繋がっている部分はちゃんと存在していて楽しめます。ちょっとアリスも花もキャラが違う感じもしますけど。  真っ白な無から全ての世界を創造してゆくアニメーションは本来、自由なものです。こういう自由なアニメ映画がもっともっと作られていいと思うんです。そして海外の色々なアニメ作品ももっともっと公開されていいと。今の日本のアニメ事情はどうも狭苦しく息苦しくて。[映画館(邦画)] 10点(2015-03-15 23:39:25)《改行有》

22.  バンクーバーの朝日 《ネタバレ》  なんだかボンヤリした印象の映画。何が問題かって、明るい画でアップの多い高畑充希の表情は印象に残るけれど、肝心の主人公を始めとしてチームメンバーの表情がちっとも印象に残らないという。見終わってみて多くがカオナシ状態なんですよ。  引きの画が大半を占めていて(カフェの中で高畑がみんなに語るシーンでチームメンバー全員をシネスコフレームいっぱいに収めているショットなんか、よく撮れてるというよりは作為に過ぎる感じ)、その上暗い画面が多く、ここ一番の表情が存在していない状態。妻夫木聡はリアクションの薄いキャラとして描かれていますから、更に存在が薄く感じられます。  自分を殺して一歩退いたところで生きる事こそが日本人の美徳である、とばかりに受け身な人々の生を一歩退いた視点で描いているような感覚を受けて、あーコレもまた被害者意識の強い過去の日本人映画なんだねぇ、と。それ、昔からなんか少しでも進歩してる?  この監督、『舟を編む』以降、随分とつまんない監督になっちゃった感じがして仕方ないんですけど。優等生的な映画を撮っていたいのかな?  対象から腰が引け過ぎてるんじゃないかなぁ。[映画館(邦画)] 5点(2015-01-04 00:26:07)(良:2票) 《改行有》

23.  薔薇色のブー子 《ネタバレ》  ただのネタ集映画なので、もう少しちゃんとまとめて欲しいなぁ、と。  一応、物語的なものはありますが、発展的なものというわけではなくて、動機と結論だけがあるのみ、みたいな。もちろん、その間に挟まっているのはただのネタ。  さっしーのキャラが統一されてません。どういうコなのかが見えてこないの。天然系なのか、受動的なのか、巻き込まれやすいタイプなのか、行動力あるのかないのか、とにかくネタの内容によって性格が変わります。最終的にどことなく魅力的に見えてくる、とかいう事がなくて、結局さっしーの演じたネタキャラです、で終わってます。なのでスタイル的には一応成長物語のように見えなくもないのですが、一人の人間としての個性が存在していないために成長もへったくれもなく、ただの動機と結論でしかないのです。  ネタもデパートの来店記念ネタの繰り返しなどはクドいばかり。繰り返しならば最終的なオチがあって然るべきだと思うのですが、ちゃんとオチてました? ただただネタをタレ流せばそれで成立する、って程度の考え方なんですよねぇ。  その上、ネタとしてすら成立してない、そこはキチンとしておこうよ、ってものもあったり。さっしーが無理心中に巻き込まれてボートから池に転落するエピソード、先に金づちだと言わせておきながら普通に自力で池から上がってます。金づちである設定の意味は一切ありませんし無理心中のオチも存在していません。  投げっぱなし、散らかしっぱなしでちゃんとオチ、サゲを付けないのは福田監督作品の悪いクセ。  物語的に父ユースケの存在がアレなので、ごくごく狭いところで閉じてしまうわけですが、それもなんか浅い映画という感じです。そんな取って付けたようなメッセージが必要なんでしょうかねぇ?  ネタをいかに笑えるか、というのがポイントの映画で、でも笑えないネタが多数を占める状態ではさっしーファン以外にはちょっとキツいなぁ、って感じ。いや、さっしーファンもこんなんで楽しめるのでしょうかねぇ? もう少しさっしーの魅力を引き出してあげた方が良かったんじゃない?とも思うのですが、元々コレこそがさっしーの魅力なんだ!って事だったら、すいません。[映画館(邦画)] 4点(2014-12-17 06:11:05)《改行有》

24.  her 世界でひとつの彼女 《ネタバレ》  映画はあまり「OSが人格を持って恋愛感情に発展して」って現象自体にコダワリを見せている訳ではなくて。むしろ普通の恋愛の過程を描いているような感じ。  その「言葉」が紡いでゆく愛の物語は心地良いです。言葉が五感を形作ってゆく、擬似的な行為がやがて現実的な感覚へと昇華されてゆく、そこに描かれる流れは特異でありながらドラマチック。  ですが、題材的には『ラースと、その彼女』や『ルビー・スパークス』に類似しつつ、それらを越えてゆく感じはしないんですよね。人間個人に寄りそうよりも興味はむしろ現象としての恋愛にあるような感じ。「心」を「頭」で捉えてるような感じに思えてしまうのはスパイク・ジョーンズらしくて、私はちょっと苦手。  『マルコビッチの穴』にも通じる、人間を超越した存在となって旅立ってゆくっていうのは死の象徴のようでもあるし、でもスパイク・ジョーンズの願望の表れなのかな?  アメリカのお子様向けテレビアニメ『フィニアスとファーブ』でもアリが進化して人類を超越して旅立つって話がありましたが、わりとSF的にはポピュラーなのかしら?[映画館(字幕)] 6点(2014-08-24 22:14:12)(良:1票) 《改行有》

25.  春を背負って 《ネタバレ》  居心地の悪い映画。大自然がモチーフになっているのに中身は不自然のオンパレードっていう。その不自然な「感動作ですよ」って作りに、なんかいたたまれなくなってしまう感じ。  全編に漂う古臭いセンスは、それはそれでいいというか、この作品のあり方なのでしょう。問題は風景以外の何もかもが作り物めいていてどうにも冷めてしまう点。  映像とセリフと音楽とでこれでもかと説明しまくってきます。登場人物全員が説明のためのセリフと演技を繰り出してくる状態で、特に本来セリフにすべきでない、それこそ映像で語るべき心情、心象がクサいセリフとなってどんどんこぼれ出してくるのが本当にいたたまれないです。  更に、映像に明らかに不要なものと足りていないものがあって、それがおかしな印象を与えています。  安藤サクラが意味ありげに旦那の仕事姿を見つめるシーンは必要ありませんし(旦那が真剣に仕事に打ち込んでいます、という表現であるならば、彼女の曖昧な表情は物語に不要な不安を与えてしまいます)、逆に蒼井優の作る「おいしいご飯」や「母が大事にしていた写真」、更に「小屋の近くで見つけた絶景」はその画が必要なんじゃないかと思います。映画なのだからセリフだけでなく映像でおいしさを見せて欲しいですし、写真や絶景は流れからして当然見えるモノだと思っているとスカされちゃうんですよね。松ケンやトヨエツが眺めてる姿でなくて、カメラが更にその二人の前に出て実際に二人が見ている風景が欲しいんですけど。  映像には見るべきところもあります。雄大な景色はもちろん、通夜のシーンで部屋を埋め尽くしていた人々がさーっとはけて主要人物のみが残るカットなど、さっと静へ転じる巧さが際立ちます。  でも、表情を強調するための寄りや、アクセントとなるスローの多用はそれってどうなんだろう?果たして必要だろうか?って感じてしまって。  善き人々ばかりの物語ならば感動は容易に紡げるハズ、という感じで作られているように思えるのですが、なにか全てが現実からちょっと浮いているように見えて、印象としては「面映ゆい」とか「気恥ずかしい」とか「きまりの悪い」とかいう表現が浮かんできてしまうような映画なのでした。[映画館(邦画)] 4点(2014-06-15 00:50:38)(良:1票) 《改行有》

26.  ハード・ラッシュ 《ネタバレ》  これ、ポスターやチラシの絵柄が70年代のB級アクション映画みたいな安っぽい感じで興味を持ったのですが、中身も微妙な感じでその点ではブレがなかったかな。  いや、キャッチフレーズの「全員、コイツにだまされる」っていうのは嘘なんですけど。実際はわりとその時その時の成り行き任せ。  冒頭、夜の港を捉えた空撮が渋いクライムサスペンスを予感させますが、中身は義弟がバカやらかしたので裏稼業に戻らなくちゃならなくなった男のドタバタ話。しかもその義弟が途中で更なるバカをやらかしたりするのでメチャクチャです。  元々タイムリミットが設定されている映画なのですが、その中で更に生じるタイムリミット話なんか、脇道に逸れまくっていってツッコミどころ満載。どう考えてもオチに繋げるための脇道。  愛する人を助けなくちゃ!ってサスペンスとしては致命的なのが、遠く離れてる、しかも身動き取れない船の上って状況。どうにもなりませんから、なるようにしかならないと見てる方も諦めなくちゃなりません。  ラストでやっとイヤなヤツ込みで騙してスッキリと片付けてくれますが、それまで見ていてストレスのたまる映画ではありました。  でも、マーク・ウォールバーグはこういう役柄にピッタリとハマる人ではあります。かつて渋谷東急や東急レックスにかかっていたA級とB級の間をブラブラしているような映画によく似合って。よく動けて、男前過ぎず、嫌味が無くて。  いっその事「いつも6点、マーク・ウォールバーグ・ブランド」みたいなジャンルが確立されていって欲しいわ。完全なA級ともB級とも違う、この微妙さ加減に味わいがあるのね。[映画館(字幕)] 6点(2014-02-28 23:24:08)(良:1票) 《改行有》

27.  ハル(2013) 《ネタバレ》  キレイキレイな絵のアニメって地雷だったりする場合が多いので、これもちょっと怪しい感じがしたのですが、ワリとハマった感じで。  同じ年に公開された某邦画と物語の構造がモロにカブってたりしますが、その構造はこちらの方が内容を深いものにするために有用な効果を持っているように思います。  物語に隠された秘密が明らかになる事で、遺された者を見つめる視点が逆に見つめられる視点へと転じ、遡って逝った者の心に触れ、その関係性を多面的に見つめる事ができる、そんな風に思えます。  この奇妙な雰囲気の映画を象徴するかのような疑問点もキレイな世界の中のシミのように散りばめてあって(料理や片付けがやたらに下手なヘルパーロボットだったり、どう見ても空港で旅立つように思えるのはヒロイン側だったり)、切なく哀しい物語を織り成す要素になっています。  ロボットだと思い込むとはいえ、自分の中に生じているであろう数々の生理的反応を頭の中でどう理解、処理していたのだろう?という大きな疑問点はあるものの、近未来という設定でありつつ趣きのある和の雰囲気をそのまま残している京都を舞台に、美しくしっとりと描かれたアニメを堪能しました。[映画館(邦画)] 7点(2014-02-27 22:19:59)《改行有》

28.  パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々:魔の海 《ネタバレ》  内容的には前作が「なんじゃこりゃ」って状態だったので、今回は予め覚悟できてた感じで。  今回もまた神々の子の話なのにアメリカローカルです。「魔の海」って言ったってフロリダ沖でのお話し。地球の危機、人類の危機って言いながら、ごくごく狭い範囲で戦ってまーす、って状態は相変わらず。  ただ、今回の方が神様っぷりは激しく薄まりましたが、ファンタジー色は濃くなった感じ。ポセイドンのもう一人の子や、森を守る木に転生した少女、機械仕掛けの牛、海馬等々、視覚的に刺激を受ける要素が多くて退屈はしませんでした。タクシーのところはちょっと『ハリー・ポッター』の空飛ぶ車やバスを思い出しましたが。  でも、やっぱり色々出た後での今更感は拭えないんですよね。魔法のアイテムを手に入れるために旅に出る、そのアイテムを奪い合う、もう何度も何度も繰り返されてきた物語。  それにクライマックスのクロノス復活部分、もう一刻を争う状況なのにそれを忘れて再会を喜んでたら復活しちゃいましたっていうマヌケなパターン、ああいうのはもう無しにして欲しいところです。いや、クロノスが復活しないとクライマックス丸々飛んじゃうんですけど。  あと、パーシーが前作にも増して主人公の顔してないジミな感じになっちゃって。お前さんが英雄役でいいのかいな?敵やライバルの方がカッコいいじゃん、みたいな。  ここから更なる続きが見たい!ってほどのモノではなくて、前作も見たからなんとなく惰性で見ました、って状態ではあるのですが、予め作品の器のサイズを認識していれば、そう失望することもない、といったところでした。  もっともこの映画に(原作に、ではなくて)続きがあるとは思いませんでしたが。『ダレン・シャン』や『ライラ』『エラゴン』なんかの仲間入りかと思ってましたわ・・・。[映画館(字幕)] 5点(2013-11-21 22:26:54)(良:2票) 《改行有》

29.  パシフィック・リム 《ネタバレ》  初日に字幕版、二度目でIMAX吹替版も見て、私がさっさとレビューしなくてどうする?って感じの映画ですが、完全に機会を逃した感が。言いたい事は既に皆様が存分に・・・  怪獣に昭和・平成ガメラの影響が見られます。銀色で尖っていて、というのは大映怪獣の特徴で形状はギロンやジグラを思わせますし、水色の発光部はレギオンやイリスのよう。  映像も嵐の中の怪獣をアオる画や、滑走から停止して見得を切ったり、怪獣が雲を抜け月夜に舞う姿など『ガメラ3』に通じるショット沢山。  もちろんそれだけではなく新旧様々な国産ロボットアニメ・特撮映画からの影響が見受けられて、それらにどっぷり浸かってきた私に、昔のワクワクが甦る夢のようなひととき。  でも、それだけではただの模倣・パロディ・懐古やオマージュに終わってしまいます。重要なのはその先、作品独自の個性。  この作品が拘っているのは鋼鉄の質感。その重々しさ、冷たさ、あるいは熱さ。  そびえたつ金属の塊、それが動く、走る、戦う、殴る。怪獣めがけて振り下ろされる鉄の拳の重量感、硬さ。  そして、その金属の塊から滴り落ちる火花と水。金属にウェットな質感を加え光を当てて輝かせる事でぐんと増すフェティズム。  雨に濡れた機体が夜の街明かりを受けて輝く様など、艶めかしいとすら感じるじゃありませんか。  それはまるでオイルを塗りたくったボディビルダーや、濡れたTシャツを着たブロンド美女の如き世界、ロボ濡らして「ステキや~ん」なんて、つくづく変態ですね(もちろん褒め言葉)って。  その拘りの映像を可能にしているのが現在の技術。それは特撮や手描きアニメでは出せない、今の時代の画。主人公が語った「過去にばかり囚われず、未来を向こう」というメッセージは、映画の在り様をも示しているようで、時が止まったままになっていた怪獣映画の未来を指し示したようにも感じられ監督の姿勢に心から感動しました。  本当は「怪獣映画の国」こそが作るべきなのでしょうが、最先端の筈な人々から懐古やオマージュに囚われたモノが生まれているような状態である以上、よその国に頼るのも仕方のない事かもしれません。  いや、元々趣味に国境なんてない!と監督自身がこうして具体的な形にしている訳ですから、民族や国が生む独自性に囚われるのも今や無意味なのかもしれません。[映画館(字幕)] 9点(2013-08-20 21:56:23)(良:5票) 《改行有》

30.  爆心 長崎の空 《ネタバレ》  久しぶりにシュールにコワレてる映画を見たという感じで。  明らかに原爆の事と判るタイトルと、母を亡くした娘と娘を亡くした母の邂逅という設定から思い浮かぶ映画の姿、それを中途半端に(徹底的にではなく)破壊してみせるという。  過去の悲劇とそこからの再生、そして未来への生、そこら辺がキーワードになってゆくのだろうな、と思うとその通りではあるのですが、そこに至る道が尋常じゃありません。  宗教映画的に十字架やキリスト像、隠れキリシタンなどのキーワードを散りばめ、題材的には浮きまくってるとしか思えない唐突な濡れ場(とコトを連想させる描写)が配置され、更に電波を受信したかのようにノアの方舟を作り始める幼なじみ(いや、単に壁に釘打ってるだけですが)等々、じゃあこれは原罪についての映画なのか?って感じもしますが、あくまで半端です。  『夕凪の街 桜の国』(原作の方)と同様、原爆で死んでいった者に対する、生き残った者の心にいつまでも残る「自分は生きていて良かったのだろうか?」という自責の念が語られはしますが、それも機能不全を起こしているかのように映画の流れに有効に作用しておらず。  みんな過去を背負って色々精神的に病んだりもして大変だけどとりあえず命があるんだからなんとなく生きてりゃいいんじゃね?みたいな話を、なんか無理に長崎=隠れキリシタン=原爆って三題話みたいに結び付けて、しかもとっても凡庸な、つまんない演出っぷりで描くものだから、更なるカオスを呼んでいる状態で、ヘンなもの見たなぁ!って点では刺激的ではありました。  ラストなんて、火を点けて燃えちゃったコンテナハウスから生還してドリフのコントみたいに黒くなってる二人が目の前で「やっぱり産むわうふふあはは」ってハッピーエンド状態になってる家族を呆然と見守るという大変にシュールな世界で、これマジメにやってるとしたら相当ヤバくね?って感じがしないでもなく、しかも文化庁コレにお金出しちゃったんだ・・・みたいな。  原爆を題材にしたものが「ネタとしては楽しめる映画」状態っていうのはどうかと思うのですが。[映画館(邦画)] 4点(2013-07-29 06:36:25)《改行有》

31.  箱入り息子の恋 《ネタバレ》  家という名の檻。家族という名の鎖。そこら辺は判ります。  愛とはみっともなくたってカッコ悪くたって、自分の心に正直にあること。それも判ります。  どうにもこうにも判らないのは、でもこの映画は結果的に主役の二人を「映画」の枠の中に閉じ込めただけなのでは?という事。  前半は快調です。恋愛に至るまでの二人の描写はヘタなサスペンス映画よりもよっぽどハラハラドキドキを味わえます。  しかし、後半の交通事故から家族の強い反対への流れの明らかにワザとな凡庸っぷり、そしてそこから生まれると予測されるドラマをはぐらかしてゆく感じ、更にその凡庸~はぐらかしのパターンを繰り返す事でテーマを語ろうとするやり方、結局、彼ら自身の殻でも家族の鎖でもない、「映画」こそが最後まで二人を束縛していたのではないでしょうか。  主人公がフレームからいちいちワザと外れる事で「映画」に対する主人公の闘争が垣間見えたりもするのですが、そこまで判っているのならば、なぜそこまで意地悪なのかと。  象徴的に何度も登場するカエル、でも、この映画の目はカエルの目でなくカエルを観察する方の目に思えます。  二人の近付いてゆく、遠ざかってゆく、繋がってゆく感じは丁寧に描かれて面白かったけれど、映画をコントロールしようとする意思が表出する事によって最終的に妙に窮屈な映画に思えてしまいました。[映画館(邦画)] 6点(2013-07-15 14:39:48)《改行有》

32.  はじまりのみち 《ネタバレ》  雨が降ってリアカーの上の母の顔に泥がはねるのですが、あれがいつの間にか綺麗になっちゃってたりしたら嫌だなぁ、と思っていたら、そここそが重要なポイントで。木下恵介の、母に向けた愛がそのまま映画に向ける愛へと繋がる、とても大切なシーンとなって。病に伏し、泥で汚れた母の姿を丁寧に整え、母はそれに応えるように凛とした表情をする。それは映画監督としての姿にも繋がって。あのエピソードにはとても感心しました。  映画は奇を衒う事なく、真面目に映像を重ねています。それゆえ、もう少し冒険をしてもいいのでは?と思ったりもするのですが(わりと判りやすく単調な切り返しが頻出します)、客層や木下恵介生誕100年を記念しての松竹作品という事を考えればそれでいいのかもしれません。  ただ、問題は木下恵介作品の映像をあまりに多く、長く引用し過ぎている点。  たとえば便利屋が『陸軍』を見て感動した事を説明するシーン。せっかくその前に濱田岳がカレーライスやシラスのかきあげとビールであれだけの名演を見せているのですから、『陸軍』の感動も彼にきっちりと語らせるべきだったのではないでしょうか。  映像を切り替えて『陸軍』のラストシーンを延々と最後まで流して説明するという状態は、肝心なところで木下恵介の力を借り、この映画独自の力を放棄してしまっているようなもので。自分の演出力も役者の力も信じてないの?と。  濱田岳に語らせておいて、実際の映像はエンディングに流した方がよほど効果的だったんじゃないでしょうか。  最後の部分での木下作品の引用も長過ぎです。あれでは本編の空気を薄めるばかり。あそこまで長々と本編から離れてしまうと、その後、最後の最後が取って付けたようになってしまって。そこで『クレヨンしんちゃん アッパレ!戦国大合戦』での有名なセリフを言って欲しいの?くらいに浮いている感じがして。  厳選した数カットでバシッ!とキメるくらいにした方が良かったんじゃないかなぁ。  映画は原恵一監督の真面目さが出て魅せる作品だったのですが、木下恵介作品に対する深すぎる思い入れ、愛情が逆に映画そのものの味を損ねさせてしまった感があって、もう少し監督が前に出た方が良かったんじゃないかな、と思いました。[映画館(邦画)] 7点(2013-06-12 15:38:42)《改行有》

33.  パラノーマン ブライス・ホローの謎 《ネタバレ》  私の中で期待値が高かったのですが、うーん、こんなもんかぁ、って感じで。  まずいちばん気になってしまったのが、クオリティの高さを求めるあまりに映像製作にデジタルプロセスを採用し過ぎなんじゃないか、って点。  細かな表情の1つ1つ、それをCGで作って3Dプリンタで出力してコマ撮りしている・・・そこにCGとの違いを見いだせるのか?という。出来上がった映像は「モーションブラーの付いていないCG」みたいなものですよ。映像が出力されるのもデジタルであるがゆえ、CGでは出せない味なんてものは殆どスポイルされてしまっている訳です(手で動かしたがゆえの動き、なんてモノはCGでは出せないとでも?)。  まるでCGを見ているようなコマ撮りアニメ、そんなの褒め言葉にはなりませんよねぇ。  私がコマ撮りアニメの映像に求めるのは強い美術的個性なんですよね。『コープスブライド』や『コラライン』、『フランケンウィニー』にはそれがありましたが、どうもこの映画はそこが薄くて。技術的には凄い(CGっぽいけど)のでしょうけれど、造形美術的には目を奪われる瞬間が少なく、物語が先行してゆく感じ。  そしてその物語は、簡単に語ってしまえば「ブルース・ウィリスのいない『シックス・センス』」。主人公の温度が低く能動的に動く事があまり無く、物語を引っ張ってゆく魅力に欠けてしまうんですよね。  他のキャラも混乱を生むばかりで物語を進めてゆくのに正しいベクトルを示す訳ではないので空回りしているような状態が続き、結果的に映画全体のテンションが低く感じられて。  クライマックスこそ感動的な展開になりますが、それも暗い背景を背負った悲しい話。救済の話なハズなのだけれど、んー、あれは映画的に観客側視点的に救済されたと言えるのかなぁ?  映像の素材がなんであれ、それがただ物語を引っ張るための道具になってしまうのはつまらないですよね。絵として高められた瞬間が訪れる、アニメの場合は特にそこに期待してるのですが、それは別にCGだからダメとかコマ撮りだから味があるとかってモノじゃなくて、結局はそれを創造する人のセンスなんですよね。[映画館(字幕)] 6点(2013-05-03 20:09:12)《改行有》

34.  パラノーマル・アクティビティ4 《ネタバレ》  TOHOシネマズ渋谷でタダで見たのですが(マイル貯めて一か月無料パスポートで。普段こういう映画、お金払って見ないわぁ。これまでシリーズ一本も見た事ないし)、帰りのエレベーターの中で見知らぬオバサマに「意味判りました?」って話しかけられて。  私は「うーん、あんまりよく判りませんでしたねぇ」って答えて。  でも、本当言うと別に判らないワケではなくって、判らせようとしてないだけだよねぇ、って感じで。だって、何か明確な真相があったとして、それを説明したところで面白くなるか?っていうとその逆でしょうし。これって、ただ意味ありげな映像や音で怖がらせたい、それだけの映画なんですよね?  で、だけど怖かったのは最後のオチのとこだけなんですけど、でも2つ、見て良かったって思った点があって。  1つはヒロインが可愛かった事。可愛いヒロインが動いてるのを見るだけで、とりあえず有意義だったりしますし。別に大した事が起こらなくても、ヒロイン眺めてれば間が持ちますしね。  もう1つはマイクロソフトのゲーム機、XBOX360の周辺機器キネクトのテクノロジーが判りやすく描かれていた事。赤外線センサーをあんな風に使ってるんだ、ってその技術に感心して。あれに比べたらソニーや任天堂は二周くらい周回遅れ状態ですね。  映画としては、まあ、ほぼコメディです。怪力おばさんの存在が力技過ぎちゃっててワリと台無しにしてる感じ?  でもヒロイン可愛かったからいいや。[映画館(字幕)] 5点(2013-04-30 17:22:56)《改行有》

35.  バイオハザードV リトリビューション 《ネタバレ》 巻き戻しによって前作のラストシーンに直結してゆく冒頭、前作のファーストシーンを繰り返す偽の渋谷のシミュレーションシーン。アリスが巡ってきた旅が、果たして本当だったのか幻覚であったのか(創作であったのか)、そしてその現実あるいは幻はアリスが見たのか、それとも他の誰か(たとえば観客自身)が見たものなのか。これまでの作品世界を不確実で曖昧な意識下に広がるものとして捉えた視点はとても刺激的で良かったと思います。『バイオハザード』という映画作品を、元のゲーム作品まで含めてメタ化してみせたような感じで。だけど、肝心の映画そのものは最早ネタも尽きて袋小路に向ってダラダラと進行しているようで。『エイリアン2』及び『4』からの安直な流用を軸として、限定されたキャラクターのみで展開する状態は、ひたすら内向きに矮小化してゆくばかりに思えてしまいます。この作品における世界はもはや両手の指に足りる程度の数のキャラクターのみで動いている訳で、そこには文明の終焉の恐怖や哀惜もなく、尽きる事の無き遊びが繰り返されるばかりのようで。その不確実で曖昧な世界において、ただ肉体の運動が実存を想起させる、みたいなアクション映画であるならば良かったんですけどねぇ、それにはもうちょっとアクションをキチンと見せてくれなくちゃねぇ。フェティズムが絶対的に足らんのかなぁ。この監督じゃあ仕方ない、って言わなくちゃならないのはツラいのよ。[映画館(字幕)] 5点(2012-09-19 20:31:25)(良:1票)

36.  バトルシップ(2012) 《ネタバレ》 ちっとも期待していなかった映画がメチャクチャ面白いって本当に得した気分になりますね。予告編を見た限りではジミなエイリアンVS軍隊な映画だと思ってたのですが(まーた最近よくあるあのパターン?)、実際は『ID4』以来のイケイケ(死語)エイリアン退治映画。開始早々ヘンリー・マンシーニの有名な曲(ドリフでも有名)が流れる時点で高らかにバカ映画である事が宣言され、更にナガタ艦長の作戦によってハタ!と気付く「これって、つまり戦艦ゲームの映画化って事かあ!」。ゲームって言ったってテレビゲームじゃなく、チラシの裏にマス目書くだけでもできちゃうよーな、『永遠の僕たち』でも主人公が加瀬亮と遊んでた(日本人、戦艦ゲーム強いか)アレ。戦艦ゲームをいかに燃えるシチュエーションで映像化するか、っていうところがポイントな映画なワケで、ゲームの映画化としては他に類を見ないクオリティの高さ(笑)。強いとは言っても現代兵器で壊せる程度の敵と仕切られたリングの中でひたすらどつき合う映画ですから単純に燃えますな。後半のいちいち「ここでキタ!」を繰り返す盛り上がりっぷりなんざ『SPACE BATTLESHIP ヤマト』のコスモゼロ自由落下からのヤマト突撃シーンに燃えた人ならば間違いなく楽しめます(異様に対象が狭いって?)。ちっとも作品を選ばないリーアム兄さんの肩の力抜けまくり演技も微笑ましく、他のちっとも魅力的に映らない役者の方々も与えられたシチュエーションに助けられて魅力的な見せ場を彩ってみせます。考えてみればあのオモチャのイケイケバカ映画化『G.I.ジョー』のハズブロ作品、男の子の燃えポイントを判っているよーで(まあ余計な枝葉ばっかりゴテゴテ映画の『トランスフォーマー』のハズブロでもある訳ですが)。こういうツッコミ入れながら(心でね)も燃えるシチュエーションにきっちりワクワクさせて貰えるオモチャみたいな映画ってのもまた贅沢なご馳走ですね。[映画館(字幕)] 8点(2012-04-15 15:05:11)(良:2票)

37.  ハラがコレなんで 《ネタバレ》 光子が粋なのかどうかを客観的に判断しようとすれば、そりゃとてもじゃないけれど粋とは言い難い訳ですよ。単に無理してるばかりで。どちらかと言えばみっともない。アメリカから逃げ帰ったような状態で、だけど両親にはまだアメリカに居るように思わせてたり、臨月になっても何らかのヴィジョンがある訳でもなく貧乏長屋に逃げる事になったり、自分の生活もロクに確立できてない状態で何が粋か、っていう。んでも、それでいいんじゃない?って思うんですよね。ボロボロになって明日をも知れない状態になっても光子なりの粋を通そうとする姿勢、自分の事はさて置いてでも、他人の事を気遣ってみせようとする姿勢、そういう光子をただのウザいキャラで片付けてしまうようであるならば、それはそれでなんか悲しいじゃん。光子自身はちっとも粋でなくたって、光子が示し続けるベクトルってのは粋なんですよ。ただでさえ人と人との隔たりが大きくなって、だけど助け合いが必要になっているような世の中で、物事を傍観して批判したり冷笑したりしてるよりは、多少無理だったり、おせっかいだったりしても人と関わってた方がよっぽどマシなんじゃないかっていう。仲里依紗が色気を無視した演技で突っ走る光子のその揺るぎのない真っ直ぐっぷりは、いっそ清々しさすら感じるのでした。[映画館(邦画)] 9点(2012-04-02 14:46:51)

38.  ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2 《ネタバレ》 原作は日本語訳が待ちきれなくて『炎のゴブレット』以降は米語版で読んで、映画は『賢者の石』のカウントダウン上映から始まって全て初日に見て、舞台挨拶も3回行った状態な私が、冷静にこれだけを一本の映画として語る、ってのは無理っす。『ハリー・ポッター』の映画が完結するまでは死ねないね、って思ってましたが、遂に完結しちゃいました。10年、早いものです。さて、今回の映画は死人が沢山出る事もあって、シリーズ最暗。前編と違ってそんなにあちこち移動せず舞台はホグワーツに集約してゆき、全編の7割がクライマックス、みたいな状態ですが、まとまりには欠けている気がしました。何がどうしてそうなるのか、っていう流れがちゃんとできていなくて、とにかく原作の要素を繋ぎ合わせてみました、っていう。原作があまり上手でない構成なのを、映画も倣っちゃったみたい。シリーズ最短な上映時間、情感とか関係なしに、とにかくエピソードを描けるだけ描いておこうという感じで、これまでのシリーズで愛着の湧いていたキャラの最期をサラリと流し過ぎ!みたいな状態が頻発。ヴォルデモートとの最終対決に至るまでも、対決自体も、ヤケにアッサリとしたものに感じられ、最後の最後で随分と淡白な印象を受けてしまいました。それでも、よくぞ最後まで完走してくれました、と。ほぼ同一のキャストによって10年かけて7作の原作を8本の大作として完結させる、それは映画史に残る偉業とすら言えます。映画を見ている間、ずっと1作目からリンクする様々なエピソードやアイテムに、感慨深くシリーズを思い返しておりました。ラストシーンは映像と音楽が1作目にリンクしていて、大きな物語の幕を見事に下ろして。ここまで漕ぎつけてみせたのもまた、映画の持つチカラとして評価していいんじゃないかと。10年間の夢に感謝。[映画館(字幕)] 8点(2011-07-15 21:43:33)(良:3票)

39.  ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える 《ネタバレ》 全国で六本木だけ限定でR-18バージョンだったりしますが、見たくもないモノがブラブラ映ってるだけなのでむしろ通常バージョンの方が幸せかもしれません。さて、映画の内容ですが、あまりに前作ありきな、もうありがち過ぎな定石を踏みまくるパート2モノなので、あーあー、って感じで。前作を見ている事が前提で、前作の物語をなぞり、前作のネタを反復し、前作をスケールアップさせて、だけど前作よりパワーダウンしちゃってる、という。明らかに映画全体の密度が低く、ユルい出来になっちゃってるのはどうした事でしょう? 海外ロケでカーチェイス&銃撃戦まで盛り込みながら、安い続編の空気がプンプン。思うに脚本が前作に比べてユルユルになってしまっているからなのでしょうね。記憶がぶっ飛び、結婚式に間に合わない!ってシチュエーションは一緒なものの、今回は新婦の弟が居ないとか、目覚めたら居たのが小さい猿とか、大変なコトが起こってる感が薄くなって(落ちてる指は大変な事なハズですが、何故かそこを流し気味にしちゃってて)。で、前作のようには散りばめられた謎も、その謎の回収にもあまり興味が湧かない上に脚本も上手く回収しようって気がない感じで。なので前作同様、エンドクレジットで全てが語られるスタイルを取っていますが、そこで出来事が全て解明されてゆく気持ち良さも前作には遠く及びません。前作でファンがいっぱい出来たので、ファンサービスで作られた続編といった風情で、前作を見ていればそれなりに笑えますけれど、もっとパワフルにガンガン攻めてくるような続編が良かったな。[映画館(字幕)] 5点(2011-07-01 21:37:09)

40.  パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉 《ネタバレ》 幼い頃、従姉に連れられ『ジャングル・ブック』と二本立てで『黒ひげ大旋風』というディズニーの海賊映画を見たのですが、今回の映画はそこにリスペクトがあるのかないのか、記憶が殆どない今となっては判りません。という事で、三日間で駆け抜けた『パイレーツ・オブ・カリビアン』4作品。前3作とは別ですよ、っていうのは監督やキャストの違いだけに限らず、冒頭で誰も歌わないあたりで宣言されているのですが、今回もやっぱり退屈な映画って事は変わりはなくて。つーか、前3作は家でDVDで見ていたので途中でカックン!と意識飛んでしまっても巻き戻して見直す事ができたのですが(正直、3作で7~8回巻き戻しました)、今回は映画館なので巻き戻し不可、非常にヤバかったです。毎度の事ながら、大した見せ場がある訳でもないのに長い上映時間でダラダラ、一貫性のないキャラクターの言動を傍観し続けるという苦行状態。ペネロペ・クルスなんて、よくもまああれだけの素材をあそこまでつまんないキャラに出来るモンだ、ってくらいに魅力薄かったりして、見続けるための拠り所のない映画という状態はシリーズで一貫しております。最早、作品ごとの出来不出来の違いが判断できるレベルでなく、自分にとってはみんな一緒。むしろ今回は物語の目的だけは芯が通ってただけ微妙にマシだったんじゃないの?くらいのモンで。まあ、退屈な事に変わりはありませんけど。今回もロコツに『インディ・ジョーンズ』の影響モロ出しで見てて恥ずかしいわぁ。暗い画面ばっかりで3Dの効果も薄いですし。今はキャラもののオフシーズンなのか、六本木ヒルズの売店はジャック・スパロウ一色って状態で、「あー、やっぱりジャックあっての『パイレーツ~』、ジャックってキャラを楽しめなければ全く無意味な映画なのね」って再認識。あのあんまり清潔感のない、ちょっとオネエ入ってるキャラを好きになれてナンボ。私にゃ、無理。だったらゴー☆ジャスの方が・・・[映画館(字幕)] 4点(2011-05-31 22:05:18)(良:1票)

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS