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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
21. ハンテッド(2003) 《ネタバレ》 こいつはしぶいぜ。ってゆー感じの作品。 冒頭こそ戦争シーンで始まりますが、それ以降はひたすら『追いかける』『逃げる』、これの繰り返し。こんなに単純明快なプロットはないです。そして単純がゆえの面白さがあります。90分、全然飽きないのがその証拠。 この映画では、ハラムの動機、L.Tの思い、そういったものを多くは語らないのが特徴。とても硬派。語らない、だけど伝わってくる。なぜ殺人マシーンになってしまったのか。なぜL.Tは彼を追いかけるのか。そこにはきっとハラムをそうしてしまった責任を感じているL.Tがいるのでしょう。それをL.Tの回想シーンでそれとなく伝えてくる演出がまた渋い。 サスペンスアクションとしての緊張感もなかなか。ハラムは『逃走』と『狩り』を同時に行う兵士。彼だけまだ戦場にいるかのような緊張感。当然、ハラムを追いかけている人間達は、同時にハラムに襲われる可能性があるということ。この緊張感がたまらないですね。地下での攻防は最高にエキサイティング。シティサスペンスが好きな自分にとっては街中での追いかけっこも手に汗握ります。いつの間にか、自分がハラムだったらどう逃げるかまで考えちゃいます。 派手さはない。新しくも無い。地味だし、『見所はどこ?』って聞かれれば、ちょっと困る。でも地味に手堅く面白い、こーゆー映画が結構好きです。[DVD(字幕)] 7点(2017-09-23 03:48:45)《改行有》 22. ハウス・オブ・ザ・デッド 《ネタバレ》 かなりゲームを意識しているので、アクション要素が凄く強いです。要所要所では、ホラー映画なりの緊張感もあって、個人的にはかなり面白いです。 ゾンビは大分人間っぽい。だめではないけど、期待していたゾンビじゃないです。 ただのパーティーピーポーだった若者達が、武器を持った瞬間ランボー化する。この悪ノリは嫌いじゃありません。むしろ、ガンシューティングの映画化であればこその、ぶっとんだ内容に満足です。 一人一人、見せ場(死に場)が用意されているのはgood。テンポは良いし、緩急もあるし、バランスも悪くない。 それになにより、この作品を作った人達が、本当にこの元ネタのゲームが好きなんだと伝わってきて、なんだか嬉しくなっちゃいますね。[DVD(字幕)] 7点(2017-07-20 14:13:03)(良:1票) 《改行有》 23. バタフライ・エフェクト/劇場公開版 《ネタバレ》 ジャンルが『サスペンス』『SF』。なるほど。確かにそうかもしれません。ですがこの作品の核は何といっても『ラブストーリー』ですね。昔ドラマで『プロポーズ大作戦』というのがありましたが、それにテイストが似ています。 ただこちらは映画。 1回のタイムスリップエピソードに使える尺は、『過去』+『改変後の現在』あわせて10分~15分程度。 よってひとつひとつのエピソードがもうばたばた。 目まぐるしい展開は、テンポの良さ、スピード感、勢いを生み出す一方で、意外にも『飽き』を感じさせることもあるみたいです。 主人公のエヴァンは、『改変前の人生』+『リニューアル』の記憶が次から次に追加されるので、そのたびに脳が肥大して鼻血ぶー。それはなかなか面白い演出ではありますが、新しい記憶が追加されているのに、自分の手がなくなったことや母親が肺がんになった事実を知らないってのはおかしいのでは?といったつっこみ所は結構ありますね。 こーゆー作品こそ整合性が大切だと思うのですが。どーも肝心なルールが曖昧に処理されている感じがします。 とは言うものの、速い展開が見ている人に考える暇を与えません。よって結局見ている間は普通に面白い。 まあそれでも5点~6点くらいの感触で見ていたのですが、ラストで評価がちょっと上がりましたね。 『みんなの幸福のために、自分の恋心を犠牲にする』皮肉にもそれが、全員が幸せになれる唯一の選択肢であったとは。 エヴァンにとって最も辛いエピソードであるはずの、『爆発に巻き込まれちゃったバージョン』では、エヴァンが過去に戻ろうとしないんですよね。それどころか、自殺しようとします。そしてトミーに言ったセリフが、『君達が幸せならそれでいい。』 ラストの選択といい、他者のために自己犠牲を厭わない、ドラクエでいうメガンテを使う僧侶のようなエヴァン。 その善良さにプラス1点です。 それにしても、タイムスリップ時の、世界ががたがたと揺れるシーンは、何回見てもワクワクします。 タイムスリップの演出は今まで見たタイムスリップ系では一番良いかも。[DVD(字幕)] 7点(2016-10-21 05:47:24)《改行有》 24. ハンニバル・ライジング 《ネタバレ》 『妹を食いやがったな。妹との約束だ。おまえらも食ってやるぜ』なるほど。理にかなっています。 ある出来事がトラウマになっている場合、そのトラウマの元凶に自分がなることで、トラウマを克服するというケースがあります。 原作は知りませんが、映画を見た限りでは、レクター博士はそれに近いのではないでしょうか。 ある凶悪犯のルーツを辿るサスペンスドラマとしては十分に面白い。 ですが、ハンニバルシリーズとして見ると、期待値の高さに相応しい傑作、とは言い難いものがありますね。 グレアム、クラリスの両名は、レクター博士の異常性を、相対的に強調するような存在だった気がします。 この作品の『妹』、そして『レディ・ムラサキ』。この両名は、『人間ハンニバル』の輪郭を、私達に見せてくれているような気がします。だとすると、レクター博士の熱心なファンに受けが悪いのもうなずけますね。 更には、『妹の復讐』という動機の部分を明確にしてしまったことで、ますます彼の神秘性は失われてしまいます。 そして、鎧、刀、原爆といった日本的マストアイテムの登場。これは良くなかったかもしれません。生粋の日本人である私達にとって、『チープな作り物』というイメージを意識させてしまいます。 そんななか、レクター博士を演じたギャスパー・ウリエル。彼は良いですね。この作品の掘り出し物的人材じゃないでしょうか。レクター博士の狂気を、予想以上に表現してくれていたと思います。 悪党達を、凶悪な暴力でねじ伏せる、悪の華。その美しさは、この作品でも十分に堪能することができました。 中盤以降のサスペンスアクションな展開には、十分満足しています。 ただ、ちょっと長いですね。 このシリーズはどれも尺が長めなのですが、基本的には必然性のある長さで、鑑賞中にその長さを感じません。 ですが、この作品は、その長さを感じてしまいます。間延びしている部分があるのでしょう。そしてその長さに必然性も感じません。 駆け足気味だとドラマに深みや重みがなくなります。 今作が、その性質からストーリーの深みを大切にするのはわかります。 ですが、あまりにもったいぶって冗長になると、間延びして緊張感がそがれます。 なかなかバランスが難しいですね。[DVD(字幕)] 7点(2016-07-01 13:35:33)(良:1票) 《改行有》 25. ハリー・ポッターと秘密の部屋 《ネタバレ》 前作同様、今作でも次々繰り広げられる魔法ワールド。『空飛ぶ車』『瞬間移動』『変身薬』。魔法世界の住人達も次々登場。『屋敷しもべ』『暴れ柳』『アラゴグ』『マンドレイク』に『バジリスク』。『いたずら妖精』なんかもいましたね。 正直これだけでファンは大満足。正直終盤くらいまではずっと画面を見入るほどの面白さ。 だからラストのバジリスク戦。あれだけは何とかならなかったのかと思うくらい、結構残念な出来です。原作読んだときは、『嘆きのマートル』の種明かしに、『トムの正体』、『バジリスク退治』から『日記の消滅』まで息もつかせぬ展開だったのに、映画ではもうなんかダラダラ。演出がダメなのか、編集がダメなのか、演技がダメなのか、何が悪いのかもうよくわかりません。 『不死鳥が来てバジリスクの目を潰してくれた』→『武器が無いと思ったら、帽子の中から出てきた。』→『バジリスクにかまれた!もうだめだ!と思ったら不死鳥の涙で大丈夫だった』って、そんな次から次に何でもOKになるんだったら、50年前に何とかできたでしょーに。とか、思っちゃうんですよねー。 それに、あくまで魔法使いですから。ひたすら肉弾戦やって、剣でブスっ、はないでしょーよ。 そこは魔法と機転とアイデアで乗り切ってくださいよー。 とまあラストがぐだぐだだった点を除けば、おおむね満足度の高い本作。 何しろ好きなシリーズ、好きなジャンルの映画ですから。どんなにひどいクライマックスでも、これより低い点数はつけられません。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-03-01 03:24:27)(良:1票) 《改行有》 26. バティニョールおじさん ライトコメディみたいなのを勝手に予想していたのですが、予想を覆すシリアスで結構重い内容のドラマでした。まさかナチスものだったとは。実話だというのも驚きです。 美術商に逃亡資金のために画を売りに行ったとき、事情を察した美術商は『そこまでする価値が?』と問います。すかさず答えるバティニョール。『俺にはある。』一見飄々としたバティニョールおじさんの本音、その本音の中には覚悟と信念が存在することを示す重要なシーンです。 そう、これはまさにバティニョールおじさんの罪滅ぼしの物語。 自分がハム泥棒と間違えてユダヤの一家にクレームをつけに行ったがために、ユダヤの一家は逃げ遅れてドイツへ連行されてしまいます。ドイツの強制収用所へ送られることがどういうことか。 ところが、一家の息子が駅で脱走し、バティニョールおじさんの元へとやってきます。最初は関わりを持つことをためらうバティニョール。これも重要なシーンでしょう。ここですぐに子供を匿うことが人としては正しい行いなのですが、それができないくらい逡巡してしまう、そんなバティニョールを見せることで当時のパリ市民の置かれている微妙な環境というものが非常にリアルに伝わってきます。 プロットとしては、『ライフ・イズ・ビューティフル』に似ているかもしれません。 ストーリーだけなぞれば重く息苦しく理不尽な戦争ドラマ。ですがバティニョールおじさんというキャラクターが見事にその雰囲気を中和させています。 子供達は結局両親と生涯会うことはできなかったそうですが、バティニョールおじさんが子供達の『パパ』になることを示唆するラストに一筋の希望を感じることができました。[DVD(字幕)] 7点(2016-02-22 20:53:16)(良:1票) 《改行有》 27. ハリー・ポッターと賢者の石 《ネタバレ》 今回二度目の鑑賞。以前見たのは10年以上前。前回見たときよりも面白く感じられました。 それは何故か?まず一回目は吹き替えでした。今回は字幕。 そして一回目の鑑賞は、小説を読んであまり時間を置きませんでした。今回は、小説の内容なんて10年以上前のうろ覚え状態で鑑賞したので、純粋に『映画』として見ることができたので良かったのだと思います。 ハリー・ポッターシリーズは、平和で牧歌的で、そして夢のある『魔法学校』という舞台の中に、命に関わるようなイベントを平気でほうりこんでくるそのシュールなバランス感覚だけがちょっと苦手です。そういった部分を、『おとぎ話』だと割り切って鑑賞すれば、どっぷりとこの世界観を楽しむことができます。 一般的に魔法使いと言えば、『箒』に『杖』に『ローブ』。そういった既視感に作者独自の世界観をミックスさせることで、よりディープでオリジナリティのある作品へと昇華されているのがハリー・ポッターの最大の魅力でしょう。 例えば、ただ『箒』と紹介されても、それは既存のイメージどまりです。そこに、『ニンバス2000』と銘打ち、有名ブランドの一品にしちゃいます。更には子供達が、まるで高級スニーカーを見るように、ウィンドウの向こう側から展示されている『ニンバス2000』を憧れの目で見つめます。この伏線があるから、『ニンバス2000』がハリーの元にやってきたとき、そのわくわく感が2倍にも3倍にも膨れ上がるのです。 このアレンジ感覚、世界観の構築ってのは、まるで日本のマンガのようです。今や日本の漫画、アニメが世界中で愛されているように、このシリーズが世界中を熱狂させちゃうのは非常に納得です。つまりはこの作品は究極のオタクのなのです。オタクの世界はそれはもう甘美で中毒性があります。ですがオタクの世界は興味の無い人達からは白い目で見られる宿命。つまりは、この作品が賛否両論真っ二つに評価がわかれてしまうのは、オタク作品として成功している証でもあります。 また、究極のオタク作品というのは、実はストーリー構成や、システムの構築ってのが、実にしっかりしているものです。そういったものにこだわるのがオタクなんです。ですからこのハリー・ポッターも、安易な魔法ファンタジーの世界で終わりではなく、しっかりミステリー要素を内包し、なおかつ『スネイプ先生』というミスリードキャラクターまで配置させる徹底振りが面白いんです。 オタクは想像の世界を現実に引っ張り出す天才です。ですから、『魔法の授業』、『クディッチ』、どれもこれもがルールやシステムにこだわっていて、オールフィクションのくせにやたら現実感があります。 これこそがハリー・ポッター最大の魅力だと個人的には思っています。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-02-19 04:18:26)《改行有》 28. パトリオット 《ネタバレ》 独立戦争のストーリーですので、時代背景を知っていればより楽しめそうな作品ですね。 当然ラストは勝利することがわかっているわけですが、そのプロセスにおいて凄惨な内容、描写が多いのが本作の特徴でしょう。 もうひとつの特徴としては、歴史スペクタクルの体裁をとっていながら、その世界観が、かなり個人的で限定された枠内に収められていることでしょう。つまりはメル・ギブソン演じるベンジャミン・マーティン物語でもあるわけですね。 最初は『パトリオット=愛国者』というタイトルに違和感を感じたものですが、ベンジャミンの国が、=家族であり、友人であり、同じ国の人々であるとするならば、このタイトルは大変しっくりきそうです。 大義名分を掲げながら、実際のストーリーは復讐ベースになっているため、それ相応のカタルシスを得られるこの作品。 ですがそのためには犠牲が必要で、そのための生贄として本作に用意された息子のトマス、ガブリエル、ガブリエルのお嫁さんファミリーは本当にお気の毒です。それゆえ、決してハッピーエンドという結末はありえないのが、私としては苦手なところです。 まあ、少々反戦の主張を感じさせる示唆もあるのかもしれませんが、こういう作品にありがちな説教臭さや哲学的、宗教的な面というのが必要最低限に抑えられているのは本作の良いところですね。個人的にはこれくらいのほうが映画として純粋に楽しめます。 なぜなら、この内容であれば、ベンジャミンに肩入れしながら、大変主観的に物語に入り込めるからです。 本当は主観的に戦争映画を見るなんて間違っているのでしょうが、本来戦争とは大変主観的なもの。自分がメル・ギブソンになったつもりで鑑賞すると、今作はエンタメ作品としては高いクオリティを保っていることは間違いないと思います。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2015-09-03 13:49:07)《改行有》 29. ハート・オブ・ウーマン 《ネタバレ》 『女性の心の声が聞こえるようになる』という使い古されていそうで、意外と使われていない設定を起用しているのが面白いです。 ワーキングドラマにホームドラマにラブストーリーが絶妙なバランスで融合しているうえに、アイデアの面白さも手伝って、なかなか面白い作品に仕上がっていますね。 ただ、ロマコメで2時間超えは、ちょっと長すぎな気がします。どうしても途中で集中力が切れちゃうんですよね。今作は設定からいろいろなアイデアが生まれて、それを欲張って全部詰めこんじゃった感じがします。個人的にはコーヒーショップの店員とのエピソードはまるまるカットしても差し支えないんじゃないかと思います。娘のドレス選びが長時間にわたり、ニック(メル・ギブソン)があくびしていましたが、同じ気持ちでした(笑)。 こーゆーアイデアが面白い作品こそ、ストーリーは必要最低限にすっきりまとめちゃって、『もう終わりかー。もう少し続きが見たかったなー。』っていう余韻が残るくらいのほうが良かったんじゃないかな。 それにしても、ただのコメディかと思いきや、終盤にかけてなかなかシリアスでハートウォーミングなドラマへと収束していきます。どちらかと言えば、女性賛歌のドラマ。男性目線でありながら、女性賛歌のドラマっていうのは、男女共に見ていて幸せな気分になれて良いですね。[DVD(字幕)] 7点(2015-05-20 13:24:36)(良:1票) 《改行有》 30. パラノーマル・アクティビティ 《ネタバレ》 低予算ということばかりに目が向きがちになりますが、ホラー映画の基本を押さえた手堅い作品だと思います。 何かが起きる前に、不安を煽る重低音が鳴り出すんですが、その演出だけ不要だったかな。最初、悪霊かなんかが出している音だと勘違いしちゃった。小さな音や、不自然な現象、そーいったささやかな超常現象で心理的な怖さを演出する前半では、この重低音が少々邪魔な気がしました。 あと、ミカが情緒不安定になるのはまだわかるのですが、ケイティがあんなにヒステリックになるのはどーなんでしょ。程度の差はあれ、8歳のときから似たような経験してきているわけでしょ?もう少し耐性があっても良いんじゃないの? 超常現象を次第にエスカレートさせていくっていうのは、この手のオカルトものではもはやお約束。 ただこの手法は、うまいこと雰囲気つくらないと、とにかく前半がダレがち。この作品も例外ではなさそうです。なぜなら前半はじゃっかん眠気が・・・。そのぶん後半のたたみかけは面白かったけど。霊能者がびびって帰っちゃうシーンなんか最高です。そんなんされたらめっちゃ怖いってwww。 で、ずっと悪くなかったんですが、最後の最後で『おどかし系』演出がきたのは至極残念。そりゃ誰だって驚きますよ。もっというなら、飛んできたのがゴルフボールであったとしても、突然カメラに飛んできたらびっくりするものです。それを『怖さ』と錯覚させようなんて、アンフェアで姑息で逃げだと思います。 そんなことしなくても十分怖かったのに・・・。 まあ、私は怖がりなので、『足跡がついたあと、今度は粘着テープを設置したらいったいどーなるんだ』とか、どーでもいいことを考えて怖さを紛らわせていました。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2023-06-13 01:15:32)(良:1票) 《改行有》 31. 半分の月がのぼる空 《ネタバレ》 感動しました。泣きました。でも何でしょう。この腑に落ちない感じは。 時系列トリックで奇をてらい、この映画ならではのサプライズ企画。ですが結局ヒロインが亡くなってしまう悲劇にしちゃうんだったら、結局星の数ほどあふれているお涙頂戴難病ドラマの枠から出ないと思うのです。もういい加減、誰も死なない難病ものが見たいです。 それにそもそもこのトリックは必要だったのでしょうか。そりゃあ驚きましたし、虚をつかれたことは否めません。ですが振り向いた女の子が違う子だったとき私は頭が混乱し、ヤンキー少年が大泉洋に喰ってかかったときには、完全に置いてけぼりになってしまったのです。『意味がわからない』という意味ではなく、『もしかして・・・だったらやだなー』という心の置いてけぼりです。そしてその嫌な予感はものの見事に的中してしまうのです。 私はうんざりするほどワンパターンな映画が好き。 裕一が、最後は大泉洋演じる心臓外科医にお願いして里香を助けてもらう、そーゆーべたな映画だと思い込んでいたし、それで良かったのです。里香が助かって、2人幸せな未来を築きましたっていうオチなら満点つけたって良い。 ついでに言うと、裕一は子供と大人で役者が変わったのに、里香は同じ役者さんなので、どーにも変な感じを受けてしまいます。 一人一人の役者さん達の演技はもう素晴らしかった。とりわけ主演二人は最高です。 それだけに、最後まで大人裕一に感じる違和感を拭えなかったのが残念です。[DVD(邦画)] 6点(2021-04-29 03:13:14)(良:1票) 《改行有》 32. パーフェクト・ゲッタウェイ 《ネタバレ》 不穏な空気。得体の知れない緊張感。それだけで1時間以上ひっぱるのだからたいしたものです。何か起りそうで何も起きないので、40分過ぎたあたりから多少退屈はし始めたのですが。 出会うカップルが怪しいのばかり。 予備知識なしで見たものですから、まずは『お?ヒッチャー系か?』と思います。 その後、もう一組怪しいカップル登場。ぱっと見は好印象。だけどこーゆーやつが怪しいんだよねーってことで、『こっちが真打か!』と確信します。 ですが物語は意外な方向へ。意外というか、反則というか。これをミスリードと言っていいのでしょうか。 これは結構賛否あるみたいでして、実は『会話の内容は成立している』という情報を耳にし、再チャレンジ。いやいや、もう一回見てみましたが、やっぱ二人きりの会話の内容おかしいですって。 ですがその謎を解き明かす人物が。通りすがりの医療従事者。彼は言った。『彼女の瞳孔は正常だけど、お前の瞳孔が開いているのはなぜだ。』 なるほど、クリフの頭の中はお花畑でいっぱいだったわけですね。クリフっていうか、ロッキーね。薬物の乱用で人格が分裂しちゃったって可能性もありますね。 だとしたら何でもアリになっちゃうじゃねーかよ。 とは言え、見ている間は結構面白かったです。[DVD(字幕)] 6点(2020-05-27 13:51:21)(良:1票) 《改行有》 33. バンテージ・ポイント 《ネタバレ》 20分程度の出来事を、主観を変えることで90分に引き延ばした映画。こーゆー手法はいまや真新しくはありませんが、1つの出来事をいろんな視点で見るってのは、やはり楽しいものです。言わば、この作品は『それだけに特化した作品』とも言えそうです。 アイデア頼みのところがあるこの作品。ストーリそのものの面白さは特筆すべき箇所はありません。 テロリストは普通にテロリスト。デニス・クエイドは見たまんま主人公。裏がありそうな同僚にはやはり裏がある。 こーゆーのって、複数のエピソードから紡ぎだされる『真相』によってもたらされる『驚き』が快感に変わるわけですが、そういった面が、本作ちょっと弱い。 例えば、イケメンの地元警察官がシークレットサービスに射殺されたように見えた映像は、実はテロリストに射殺されたものだった。でもその種明かしをされたところで、『はあ・・』という感想しか出てきません。肝心の種明かしのシーンが驚きや感動につながらないのです。 トーマス・バーンズが2回ほど、映像を見て驚くシーンがあります。ひとつはハンディカメラ。もうひとつはテレビ局の映像。そーゆー演出は良かった。何を見たのか後で教えてくれるだろーから、そーゆーのを期待しながら続きを見ることが出来ます。 『1回目の爆発音、実は本物の大統領がいるビルで起こったもの』という真相も良かったです。 だから悪くはないんですが、今ひとつ決定打に欠ける印象です。ちょっと思わせぶりすぎたのかな。こちらの期待値は上手に上げてくれるんですが、結果がそれに見合わない感じです。 ついでに言うと、良いところでいつも『ふりだし』に戻されちゃうので、途中で飽きがきちゃって若干中だるみする時間があったのもマイナスポイントですね。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2020-04-16 03:21:08)《改行有》 34. バンク・ジョブ 《ネタバレ》 『オーシャンズ11』みたいなノリの映画なのかと思ったら、微妙に違いました。いや、確かに銀行強盗するくだりはそんな感じだったのですが、中盤以降のサスペンスフルなノリは結構マジ。そして人の足に穴開けちゃったりする拷問ありきの痛い展開。これには少々びっくり。それもそのはず。実話ベースだったとは。先が読めないわけです。 ストーリーは凝っていますが、わかりにくい話ではありません。ですが複数勢力が出てくるため、集中して見ていないと、ストーリーを読み間違えてしまう恐れアリ。『テリー率いる銀行強盗チーム』『政府の裏組織』『ポルノ界の帝王と警察幹部』基本はこの三つ巴戦。ただ政府の裏組織の本当の敵は『マイケルX』。この人たちに握られている弱みを奪還するためテリーたちを利用しているだけ。ポルノ界の帝王のみなさんも裏帳簿が欲しいだけ。・・・血なんか流さなくてもなんとかなりそうですけどね。ま、いいや。 とまあこれに加え、『テリーを脅す借金取り』とか『SM現場を押さえられた議員』とかどーでも良い人たちまで登場。うーん、どこまで実話か知らんけど、余計なものは省いてもう少しすっきりしたほうが良かったんじゃないかな。 なんだかんだ言って、仲間は3人も殺されちゃう。政府の女性スパイまで無残な最期。だからだろうか。ラストのハッピーエンド的な締め方に、爽快感より違和感を感じてしまいます。 そーいやーガイやバンバスはどこの組織に、なんの理由で殺されたのさ。なんかもやもやしたものが残るサスペンスです。[DVD(字幕)] 6点(2020-03-26 04:07:24)《改行有》 35. ハチミツとクローバー 《ネタバレ》 美男美女がそろってワーワー、キャーキャー、楽しそうね。蒼井優や関めぐみが同級生で、あんな仲良くしゃべれるんだったら、そりゃあ毎日楽しいでしょうよ。 まあ、それはそれとして。関めぐみ、蒼井優、どちらも可愛いので、それだけで見る価値のある作品です。ストーリーはともかく。 特に、蒼井優演じる『はぐちゃん』のかわいさは、尋常ではないレベル。笑顔、しゃべり方、声、ファッション。そのどれもが男心をくすぐります。そんなはぐちゃんに想いを寄せるのは、櫻井翔演じる竹本君ただ一人。そんなことあるわけないんだけど、そーゆーシチュエーションを作れちゃうのがフィクション。 でまあ竹本君がんばる前半はいいんだけど、森田さんがはぐちゃんに接近し始めてからは、急速に自信をなくしていく竹本君。こーゆーいじいじしたところは賛否両論わかれそうですね。 結局はぐちゃんは誰が好きなのか。それとも誰のことも恋愛対象ではないのか。原作を知らない自分には、さっぱりわからない。 花本先生と理花、山田と真山の関係も宙ぶらりんのまま映画は終わります。 2時間も見て、何一つ結論が出ていません。うーん。少女マンガの世界は奥が深いです。 正直、映画としては3~4点くらいですけど、はぐちゃんがとにかく可愛いのと、めずらしく誰も死なない邦画なのでこの点数です。[DVD(邦画)] 6点(2018-06-30 06:58:24)《改行有》 36. バットマン ビギンズ 《ネタバレ》 はじめての『バットマン』。思っていたより、しっかりと作りこんだストーリー。 液状の『神経ガス』みたいなものを、水道管へ。⇒『水を気化する装置』を使い、神経ガスを町中に散布。 なんだか回りくどい。凝りすぎ。ピンとこない。ストーリーが作りこんであっても、それが面白さにつながっていないのでは意味がないですね。 黒幕も、『チル』⇒『ファルコーニ』⇒『クレイン』⇒『デュガード』へと次々と変わるため、感情移入しづらいです。バットマンことウェインの行動原理は、『両親の敵』というのが根底にあるのだから、次々と倒すべき対象を変えてしまうというのは逆効果だと思います。 アクションシーンはアップが多く、わかりづらい。今作を見るにあたって、やはりアクションシーンを一番期待していたわけです。それだけに、何が起こっているのかわかりづらいアクションの連続にはがっかりです。 ウェインが少しずつバットマンになっていくその過程は面白いです。アルフレッドとウェイン、それにルシウス(モーガン・フリーマン)との関係は良かったですね。 全体的には面白い作品だろうとは思うのですが、正直期待を超える出来ではなかったです。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2017-09-01 16:19:12)《改行有》 37. バイオハザード ディジェネレーション 《ネタバレ》 大きく二つに分かれたプロット。『空港パニック』の前半。『VS.Gウィルス』の後半。 はっきり言って、前半だけなら8点。それくらい、パニックもの、サバイバルホラーとしてよくできています。こーゆーオーソドックスな脱出劇が、なんだかんだ言って一番燃えるわけです。 そこから、後半戦に突入する前の、中休みなんか中だるみなんか、よくわからんワンクッションあり。その分後半戦、盛り上がって欲しかったのですが、残念ながらいまいち。まあ後半戦のほうが、関係者のみのバトルとなって、よりバイオっぽくはあるのですが。これはゲームではなくて映画ですからね。パニック要素は少ない。純粋な脱出劇というわけでもない。よって緊張感には欠けちゃいます。 その分、『黒幕』やら『陰謀』やらのサスペンスストーリーで勝負しようとしているわけですが、これがいかんせん面白くない。しかもわかりにくい。『レオンが何をやろうとしているのか。』『クレアが何をやろうとしているのか。』いまいち判然としていないのです。前半に比べると、後半は状況描写が不親切。作り手サイドの自己満足臭漂う映像集となっています。 つまり、前半はまだ映画として見られるのですが、後半はゲームの挿入動画を並べただけのような印象なんですよね。惜しい。 ただ、バイオシリーズ初期の大ファンとしては、『2』のメインキャラクター達で構成される本作は、それだけで感慨深いというか、素直に嬉しいのも事実。ファン必見の内容と言えるかもしれません。ですが、逆にファン以外の人が見たら、ますます微妙なんじゃないかなぁ、コレ。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2017-07-24 07:30:11)(良:1票) 《改行有》 38. バタリアン4 《ネタバレ》 エンターテイメントとしても、ホラーとしても、ちょっとつめが甘い作品。 前半は時間をかけて丁寧に。悪く言えばダラダラ。そして後半、『いよいよ始まるのか?』って予兆を感じさせる間もなく、気付けばあふれ出るバタリアン。なんか丁寧に作るところを間違えている気が・・・。映画における時間配分に異議アリですね。 映像はさすがに今までのものとは雲泥の差で、とってもクオリティが良くなっていて嬉しい。その一方で、シナリオの練り方、演出の拙さが気になります。 バタリアン化&機械化される両親と再会。これはちょっと面白くなってきたぞと、誰もが期待を膨らますでしょう。そしてその期待は裏切られます。息子との心の絆で、他のバタリアンを蹴散らしでもしてくれたら面白かったと思うのですが、ただの敵。しかもそのやられっぷりといったら、モブバタリアンと大差なし。なんてもったいない。 それに、バタリアン化した友人と、両親のバタリアンがいつの間にか仲間になっている経緯も不明。叔父がなぜ両親のバタリアンを解放したのかも不明。生物兵器研究エリアで銃がたくさんあったのに手に入れないのも、『ホラーあるある』ではありますが、非合理的すぎてつっこまざるをえない。もうね、後半になるほど突っ込みどころが増えるのですよ。 前半に時間をかけず、その分後半のパニックや人物描写、感情表現を丁寧に描いていれば、B級ながら傑作になりえた作品です。 また、ストーリーが『巻き込まれがた』や『自然発生型』ではありませんから、どうしても自業自得感がつきまといます。 まあいろいろ文句ばかり並べてしまいましたが、ゾンビ映画としては、結構良いです。 見たいものをちゃんと見せてくれます。それはグロ描写だけではありません。 『パニック』『反撃』『脱出』。このサバイバル要素があるかどうか。これが凄く大事です。 そういった意味で、この作品、なかなか旨みがありますね。[DVD(字幕)] 6点(2017-06-04 02:25:45)《改行有》 39. パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち 《ネタバレ》 ゆるゆるアドベンチャー。 ゆるい主人公。ゆるい海賊。ゆるい海軍。 ディズニーだから仕方がありませんね。 子供向けなのは間違いないと思います。そして盛り上がらない。決定打に欠けると言ってもよい。 決して面白い作品とは言えないです。 アドベンチャー要素も薄い。 せっかくの『海洋アドベンチャー』なのに、どちらかと言えば『てめー裏切りやがってむかつくんだよ。』的な、人と人との因縁が中心のストーリー構成。いや、それはまだ良いのですが、恋愛要素が間違いなくこの物語に水を差している。 『呪いをかけられた海賊たち』っていう発想は面白いのです。逆に言えば、そこ以外に面白みを感じない。 ただ映像はかなり美しく、CGは滑らか。視覚的に楽しめることは間違いない。 内容的に、安心してのんびり見られるという良さもある。 ですがそれは裏を返せば刺激が足りないということです。 『こーゆー映画ならではのカタルシス』ってものがあると思うのですが、この作品にいたっては、それもありません。 海洋アドベンチャーでしか得ることができない『達成感』のようなものが、この作品には無いのです。 アクションシーンだって、ただ賑やかなだけ。 特にメインのキャラたちが、なんかもたもたしているような印象まで受けます。 尺も長すぎ。メリハリがない。だらだらとした冒険活劇。 好きなジャンルなので、それなりには楽しめちゃいますが、映画好きな人には辛い作品かもしれないです。 余談ですが、こーゆー映画見ると、日本のマンガやアニメが、世界中で愛されている理由がなんとなくわかります。 空想の世界では、日本人は最強かもしれません。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2017-05-04 02:35:13)(良:2票) 《改行有》 40. バンディッツ(2001) 《ネタバレ》 ジョーとテリーの銀行強盗ストーリーだけなら良かったと思います。 ケイトの存在と頻繁に挿入されるラブストーリーが見事に話の腰を折っています。 おかげで、軽快なテンポは失われ、単調でダラダラした展開を見せられることになります。 それでも不思議と最後まで飽きることなく見ていられるのは、役者の力が大きいのでしょうか。 ジョーとテリーのインパクトは際立っていて、見る人の興味をひきつけます。ケイトがいなくても、二人のコメディアクションだけで十分クオリティの高い作品に仕上がったのではないかと思われます。 ストーリーだって、銀行強盗パートは面白い。『お泊り強盗』という有名人になって、国中にファンができる展開が愉快。 やはり恋愛パートのウェイトが大きすぎるのが、デメリットになっている気がしますね。 それに、ジョーとテリー、とりわけジョーの性格からしても、二人がそこまでケイトに熱を上げる展開にやや不自然さを感じます。 戦線離脱したと思われていたハーヴィーが、婚約者を連れて銀行強盗のサポートをするラストは良かったですね。前半の伏線も上手に使っています。 こーゆーエピソードをもっと盛り込んだストーリーに仕上げてほしいものです。[DVD(字幕)] 6点(2016-09-14 13:21:50)(良:2票) 《改行有》
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