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1. バック・トゥ・ザ・フューチャー
「難しいことは抜きにして、とりあえず楽しんでよ、ネ!」という、アメリカ映画のある一面が良い方向で開花した傑作だと思う。「娯楽映画とはなにか?」と問われたとき、「現実を忘れさせてくれるもの」というのが一つの答えとして成り立つと思うが、それを地で行く作品。イイよ。すごくイイ。アメリカの良い意味での能天気さが発揮されていて。映画というのは芸術であり、文化活動でもあるわけだけど、だからといって社会的メッセージや、政治的思想、人生訓を散りばめなければ映画ではない、というのは、頭でっかちな人間の考える身勝手な暴論だ。たとえ映画館を出て30分後には忘れてしまうような作品であっても、館内にいた2時間が、ブラウン管に食い入ったその時間が、異空間として感じられたのなら、それは映画として、芸術として、文化として成立してたということ。「Have fun!」これもまた文化の醍醐味だ。8点(2004-02-01 03:14:38)
2. パンチライン
いい映画だと思う。「自然体」という言葉は好きではないが、監督も役者もスタッフも、みんなが肩の力を抜きながらも誠実に作ったことが伝わってくる。まるでイタリア映画のような「きっと、あの街にもある」といった、どこにでもあるであろう日常から一つのドラマを紡ぎ出していて好感が持てる。トム・ハンクスという役者は、いつからか周りがイメージする「トム・ハンクス像」というのを演じられるようになってしまい、それはプロとしてひとつのカラーを持ってる素晴らしい証明なのだが、「何をやってもトム・ハンクス」という奥行きのなさにもつながってしまってる俳優(だと思う)。ところがこの作品では、まだ若手だったせいか、「落ちこぼれの医大生だけど、夢だけはしっかり持ってる青年」そのものを実像的に演じていた。親への反発、やりたい事への自信と不安、恋への迷い。これぐらいの年代特有の、誰もが一つは持ってる甘酸っぱい思い出のいちシーンを、真正面から、体当たりでぶつかって表現している。荒削りな面も否めないが、むしろそのアバウトさが、役への現実味を与えていた。「年上の、美人でもないオバサンになんで惹かれるの?」これも、青春期特有の不可解さとしてリアリティに付与していた。8点(2004-01-31 22:21:55)
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